EA、次世代FPS「クライシス 3」インタラクティブデモ試遊レポート

密林を走り、敵を射止め、ダムを爆破! スーツの威力を実感!


9月20日~9月23日 開催(20日、21日はビジネスデー)

会場:幕張メッセ1~8ホール

入場料:前売り1,000円、当日1,200円、小学生以下無料



 2013年春の発売を予定しているエレクトロニック・アーツの「クライシス 3」。今回の東京ゲームショウでは残念ながら出展は見送られたが、メディアに対してはクローズドブースでE3で出展されたシングルプレイデモを、実際にプレイすることができた。

 「クライシス 3」は特殊なスーツをまとった主人公が、宇宙人や謎の組織と戦いを繰り広げるFPSシリーズの最新作だ。プレイステーション 3/Xbox 360/Windows用で、今回体験できたのはDirect X11対応のWindows版となる。

 宇宙人の技術を応用したスーツは今作の主人公プロフィットに、常人を越えた能力をもたらす。常人の数倍のジャンプ力、筋力、弾もはじく装甲、そして周囲の景色に同化するステルス。「クライシス」シリーズでは、このスーツにより、従来のFPSとはひと味違うプレイ体験ができる。

 本稿ではデモプレイを見るだけではわからなかったゲームの感触や、スーツの特性、そしてステージのバランスなどをレポートしたい。


【Crysis 3 Official Interactive E3 Demo】




■ ステルスとアーマーに加え、新兵器の弓で待ちかまえる敵を殲滅せよ

今回追加された弓。スーツの筋力により、強力な武器に
密林と化したニューヨーク

 スタートすると、目の前にジャングルと化したニューヨークが広がる。そこからカメラはプロフィットの視点となる。彼は高い場所にいて、その前は巨大な谷となっていて、ダムが水をせき止めているのが見える。プロフィットの目的はこのダムを破壊することだ。しかし、ダムに近付くには多数のC.E.L.Lの兵士が待ちかまえている谷を越えなくてはならない。

「クライシス 3」はこれまのシリーズ同様、超人的な力をもたらすスーツの力を使って、数に勝る敵を殲滅しながら進むことになる。スーツは基本的な能力として、光学迷彩による「ステルス」と、体表を変化させる「装甲化」ができる。ただし、この力はスーツのエネルギーを消費する。エネルギーがなくなると機能が解除されてしまう。

 本作ではさらに「弓」という新しい武器が加わった。スーツの強化された筋力で放つ弓は一撃で敵を倒せる。音もしないので暗殺に最適な武器だ。しかし、弓は撃つためには引き絞る必要があり、発射に時間がかかるため、連続攻撃ができない。このため、複数の敵に囲まれた場合一方的に撃たれてしまう。敵との乱戦の場合は、敵からアサルトライフルを奪って戦うのが有効だった。

 筆者は「クライシス 2」をプレイしていたので、すんなり本作の基本的なルールを把握し、スーツの能力を活用して戦えたのだが、それでもステージは難しかった。敵はこちらを発見すると連携し、囲むように動いてくる。またこちらが正面に捉えると物陰に隠れ、他の者が攻撃してくる。銃の反動は大きめで弾道は定まらず、かつ装弾数も少なめなため、かなり厳しい戦いとなった。

 囲まれた場合などは、一度物陰に隠れてから、ステルスを発動させて敵に近付くというのが有効だったが、ステルスは攻撃すると解除されてしまうため、すぐ他の敵に攻撃されてしまう。結局、設定されたチェックポイントまで敵の弾をくらいながら強引に進んでしまった。

 E3でのデモプレイでは、開発者は新しい機能として「ナノビジョン」というスコープ機能を使い、敵をマーキングすることで、敵が壁に隠れても居場所を認識させることができ、的確に敵を倒していた。このマーキングは複数に可能で、実に有用に思えたのだが、実際にプレイしたときはマーキングしようにも撃たれてしまい、逃げ回るので精一杯だった。マーキングはステルスと組み合わせるのが有効なのだと思ったが、今回はうまく利用できなかった。

 谷の要所には自動砲台があり、プロフィットを待ちかまえている。耐久力は高い上、兵士達と連携すると手がつけられなくなる。この砲台との戦いを含め、デモのステージは全体的に難易度が高く感じた。前作の「クライシス 2」は序盤が難しく、スーツをパワーアップすることでゲームの難易度が下がっていくというバランスだったが、今作もかなり慎重に進んでいかなくてはいけない印象だ。

 一方、「クライシス 2」の序盤はエネルギーが少なくスーツの機能はすぐに使えなくなってしまったが、今回触った印象では、エネルギーはそこそこ持つため、機能が実感できた。だからこそ、プレーヤーが進むルートがゲームのバランスを大きく変える。どう進むか、というところで試行錯誤していく作品だと感じた。

 特に、谷間を越え、ダムの中にあるジェネレーター前は敵が密集する激戦となる。敵はあらゆるところで待ち受け、プロフィットに集中砲火を浴びせていく。ステルスではとても進めず、アーマーを発動しても耐えられない、結果として倒されまくり、復活しながら進んでいった。強引きわまりない方法だが、近付いての格闘攻撃は爽快だった。

 ジェネレーターにたどり着いたプロフィットはジェネレーターを破壊するのだが、プレーヤーがアクションボタンを押すと、プロフィットはジェネレーター周辺の機械を引きちぎり始めるのだ。スーツの強さを印象づける演出である。プロフィットはさらに破壊したジェネレーター付近に爆弾を貼り付け、ダムから飛び降りながら起爆スイッチを押す。壊れるダムから噴出する水を浴びながらデモプレイは終了した。

 スーツのポテンシャルと、過酷な戦場を実感できた内容だった。今回体験できたのはWindows版だったが、現在のバージョンではかなりのマシンスペックを要求するようで、視点を動かすときなどで重さを感じる部分もあったが、緑に覆われたニューヨークの風景は美しく、水をせき止めるダムは壮大で、グラフィックスの美しさ、遠景の表現にも感心させられた。


ニューヨークに潜み、弓を武器に戦うプロフィット。この戦いの果てに待ち受けるものは?

(c) 2012 Crytek GmbH. All rights reserved. Crysis, Crytek, and CryENGINE are trademarked of Crytek GmbH. EA and the EA logo are trademarked Electronic Arts Inc. All other Trademarks are propety of their respective owners.
Amazonで購入

(2012年 9月 21日)

[Reported by 勝田哲也]