台湾XPEC、ChinaJoyにて中国向けMMORPG「Weapon of Mythology」を公開
動くアイテム“法宝”を駆使して戦いに挑む新感覚武侠MMORPG
台湾の独立系デベロッパーXPECは、ChinaJoy 2012ではBtoBコーナーにブースを出展し、中国のメーカーを中心に、多くのメーカーとの商談を行なっていた。XPECは2011年に上場を果たし、近年は「Skylanders Spyro's Adventure」や「Shrek Forever After」など欧米向けのコンシューマーゲームの受注開発が増えているが、ChinaJoyでは中国向けということで、現在自社で開発している新作MMORPG「Weapons of Mythology」と、ブラウザ型のMMORPG「Maze Myth」の2作品を公開していた。
共に2010年と2011年の東京ゲームショウにも参考出展していたためご存じのゲームファンもいると思うが、「Weapons of Mythology」は中国サービスに向けてかなりブラッシュアップされていたので改めて紹介しておきたい。
■ 独自の“法宝”システムとペットシステムで、MMOならではの楽しさを増幅させた「Weapons of Mythology」
「Weapons of Mythology」 |
「Weapons of Mythology」プロデューサーのEva Chen氏(右)には細かい仕様に関して質問に答えていただいた |
手に持つ弓や背中に浮かぶ太鼓のようなものが「法宝」 |
「Weapons of Mythology(WoM)」は、古代中国の神話や伝承をモチーフにした武侠系のファンタジーMMORPG。取材に応じてくれた許金龍会長によれば、明確に中国市場をターゲットにして開発を進めているということで、武侠的な世界観やキャラクターデザイン、“質も量も”という圧倒的なボリューム感などに中国市場を強く意識しているところが窺えた。現在2012年10月のクローズドβテスト開始に向けて準備を進めているところで、パートナー選定を急いでいるという。中国サービス後に、台湾や日本、中東などでサービスを予定しているという。
よく知られているように中国市場ではこの手の武侠系MMORPGは実に膨大な数がリリースされており、各社はどこでどのように差別化するかに腐心している。それもただ単に差別化するだけでなく、大規模PvPを筆頭に、膨大な数のクエスト、アイテム、アバター、ペットシステム、成長要素、強化要素など中国オンラインゲームファンが望む機能は必ず網羅した上で差別化する必要があり、海外メーカーにとってはハードルの高い要素になっている。
この点、「WoM」は、長年中国市場にチャレンジしてきたXPECのノウハウが活かされており、中国市場で支持される内容になっているのではないかと感じた。具体的には「法宝システム」と「ペットシステム」の2つで差別化を図っている。
「法宝システム」は、中国のユーザーが好むアバター要素を深化させたもので、「法宝」と呼ばれるアイテム群を用意し、それらを集めることをゲームの最大のモチベーションにしている。法宝は、いわゆる武器や防具だったり、ひょうたん、旗、笛、筆、鏡、尺八だったりして、手に入れた法宝は装備して、見た目に反映させることができる。しかも、法宝は、“動く装備アイテム”になっていて、背中を複数の剣が浮いていたり、大きな筆がふわふわ浮いていたりする。
浮遊するだけでなく、自ら発光していたり、付帯する布地をはためかせたりしていて、とにかく目立つ存在だ。もちろん、装備品として戦闘に使用することもでき、専用のアニメーションや演出によって敵を攻撃したり、味方を支援したりできる。敵の中には法宝でなければダメージを与えられないものもいるということで、とにかく法宝がゲームの柱になっているのが特徴である。
法宝の入手方法は、レイドボスからのドロップや、素材を集めての合成、アイテムショップでの購入などということで、もちろん強化も可能。こうした他のユーザーとの差別化要因は中国のみならず、日本でも支持されそうだ。
もうひとつの要素ペットシステムは、二度聞き直したほどユニークなシステムを採用している。ペットシステムは中国ではマストな要素としてどのMMORPGにも必ず実装されているほどで、動物、モンスター、人型、剣などなんでもありで、戦うだけで無く、高速な移動手段や空を飛ぶためのツールとしても活用される。
「WoM」のペットシステムは、最初は動物や巨大昆虫、竜など、いわゆる一般的なペットの形をしているが、エサをあげたり、一緒に遊んであげたりして成長させていくことで、なんと人型に変身することが可能になるという。巨大なクモが美女に変身するパターンを確認できたが、ほかにも様々なパターンが存在するという。
MMORPGとしては、武侠らしい演出面にこだわった作品で、歩いているとカットシーンが始まったり、特定のポイントに立つと、あたかも「ドラゴンボール」のような空中移動で高速移動をしたり、プレイしていて飽きさせない工夫が随所に凝らされている。序盤のチュートリアルシーンを収録した本邦初公開となるトレーラーを掲載するので、ぜひその雰囲気の一端を感じてみて欲しい。
【「Weapons of Mythology」ファーストインプレッション】 |
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【「Weapons of Mythology」バックグラウンド】 |
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【アバター】 | |
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【ペットシステム】 | |
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【世界観】 | |
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(2012年 7月 29日)