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セガ、PS3/Xbox 360「セガエイジスオンライン」インプレッション

〜懐かしさに新鮮さが加わった超ステキなパワーアップ移植〜


配信中

価格:各600円(PS3版)
   各800マイクロソフトポイント(Xbox 360版)



 株式会社セガは、5月23日より同社の名作タイトルを現代に甦らせるブランド「セガエイジス」シリーズの配信を開始している。プラットフォームはプレイステーション 3およびXbox 360で、それぞれダウンロード配信専用タイトルとして提供。価格はPS3版が各600円、Xbox 360版が各800マイクロソフトポイントとなっている。

 配信形態は、PS3版がタイトル単体、Xbox 360版が各3タイトル1パックとなっているが、ゲーム内容に差はない。ただし、プラチナトロフィーと実績については両機種で達成項目の内容が微妙に異なるよう設定されている。マニア諸氏は、プラチナトロフィーと実績の両コンプリートを成し遂げてこそ“真のレ(トロ)ゲー(ム)ファン”といえるかもしれない。

 本シリーズの移植を手掛けているのは“究極の職人集団”こと有限会社M2。セガと同社は、忠実かつ丁寧な移植にとどまらず“名作の魅力をさらにエンハンスする”さまざまなモードや機能を追加。新モード「トライアルモード」は、ゲームルールのアレンジ、特徴的なステージや要素をフィーチャーしたスコアアタック・タイムトライアルなどがプレイ可能。リプレイの保存再生、ゲーム中のサウンドが楽しめる「ジュークボックスモード」、「スーパーハングオン」の3D立体視対応など、いずれも新旧ファンを感涙させる充実の仕事ぶりが光る。

 今回のインプレッションでは、筆者が個人的に深い思い入れを持つタイトルを中心に、現行配信タイトルをご紹介していく。「ブロック崩し」から駄菓子屋や都内各所のゲーセンに通い続けた世代ゆえ、文章の端々に加齢臭が漂う点は平にご容赦願いたい。なお、「セガエイジスオンライン」は今回配信されたタイトルの専用名称で、継続的な配信の予定はないという。とはいえ、売上次第では今後の展開も十分考えられるので、本稿などに目を通して「これはいい!」と感じられた方は、ぜひぜひご購入いただければと思う。

 ※本記事中の画像は、すべてXbox 360版を使用しております。あらかじめご了承ください。



■ XBLA「モンスターワールドコレクション」、PS3「ワンダーボーイ モンスターランド」、「ワンダーボーイV モンスターランドIII」、「モンスターワールドIV」

 PlayStation Network(以下:PSN)とXbox LIVE アーケード(以下:XBLA)の両機種で配信中。同社のプレイステーション 2「セガエイジス 2500シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション」にも収録されていた3タイトルがプレイできる。

●「ワンダーボーイ モンスターランド」

 本シリーズは、アーケードのスクロールジャンプアクション「ワンダーボーイ」に端を発する。当時筆者が徘徊していた都内ゲームセンターでは“万人が食いつく”というよりは「好きな人がガッツリやりこんでいる」といった雰囲気。以後コンシューマに移植されアクションゲームとしてさまざまな派生作品を生むが、アーケードでリリースされた後続作品は“アクションRPG”の体裁をとっていた。

 そのタイトルこそ、今回ご紹介するなかの1本「モンスターランド」。モンスターに支配された世界を救うため、悪いドラゴンを倒すべく少年が冒険の旅に出るというもの。小さな剣と体力全回復のクスリをもらい、敵を倒しながら拾ったゴールドで装備をパワーアップしてステージを進んでいく。コミカルなグラフィックスと耳に残るBGMの旋律、最初はシビアに感じられたジャンプと攻撃のタイミングも、慣れてくると独特のテンポが心地よく、敵との戦闘が楽しくて仕方なくなってくる。

 実は本作、アーケード作品としては比較的難易度が低く、誰かが先にプレイしていると「あの人が終わる(クリアする)まで、他のゲームでもやっていようかな」と待つのが通例となっていた。単位面積あたりの売上単価など細部まで執拗に切り詰めて管理する現代ロケーションでは「誰だこんなの置いた奴!」となるが、当時はフロアの全体構成が最優先というか「品揃えの一環」という立ち位置で我々ユーザーに末永く愛されることとなった。

 愛された理由は、単に「長く遊べてお得!」というだけではない。「何度遊んでも面白い!」というアクションゲームのお手本のような“手触り”は、トレンドの変遷とは無縁の変わらぬ心地よさを与えてくれた。「クスリ使っちゃうとかヌルいよね」、「次はゴールドを節約してクリアしよう」、「素足(ブーツなし)でどこまでいける?」など、自分なりに色々なアレンジプレイができる“懐の深さ”も凄くよかった。

 ただ……どんなにやりこんだタイトルでも、歳月は記憶と肉体的反応を容赦なく奪っていく。久々にプレイした「モンスターワールド」は、楽しいけれど「あれ、この面の隠しゴールドどこだっけ?」、「キノコ強ぇ! 昔の俺なら苦戦なんてしないのに!」など、悲しい現実を突きつけてくる。かつて勇者だった同世代は、この機会にぜひチャレンジして筆者と同じ気持ちを味わっていただきたい。


久々にやると、「腕がなまってる」とかそんな次元ではない、もっと悲しい何かを味わえる。当時、誰もがワンコイン勇者になれたのは、若さゆえだったというのか……

 本作には、ジャンプで出現する隠しコインを大金に変えてしまう有名な裏技がある。ジャンプと同時に高速でレバーをガチャガチャ左右に入れると、なぜか60枚強の金塊袋と同じ額が入手できるというもので、これさえ知っていれば道中のショップで「うーん、こっちの高いほうを買いたいんだが……」といった悩みも無用! といった寸法。

 恐ろしいことに「セガエイジスオンライン」版は、この裏技“専用ボタン”が設定できる(Wiiのバーチャルコンソール版でも同様にこのボタンが設定できる)。当時、ハイスコア集計店でこの仕掛けを施したコンパネがあったと聞き「へぇ、上手いことを考えるもんだなぁ」と感心した記憶があるが、「セガエイジスオンライン」版でもこのあたりはぬかりない。

 「トライアルモード」は、スコアではなくゴールド総額を競う「ゴールドラッシュに挑戦」、最終ステージを使ったタイムアタック「モンスター城に挑戦」、ピラミッドのボスを倒す時間を競う「暴走スフィンクスに挑戦」、シューティングばりにファイヤーボールで敵を倒していく「挑戦! ファイヤーシューティング」の4つ。


当時「連射=ボタン」という先入観があった筆者は、ハイスコア集計点では当たり前となっていた「レバー連射」を知ったとき、そこにコロンブスの卵を見たような気がした。「発想って大切だよなー」としみじみ思う

●「ワンダーボーイV モンスターランドIII」


 1991年にメガドライブで発売された作品。セガがMaster System向けに海外でリリースしたシリーズの外伝的作品「モンスターワールドII ドラゴンの罠」の続編。余談ながら、「モンスターワールドII ドラゴンの罠」は日本でもゲームギアで発売されており、前述のPS2「セガエイジス 2500シリーズ Vol.29 モンスターワールド コンプリートコレクション」に収録されている。

 金髪だった祖先の遺伝子はどこへやら。青い髪の主人公「シオン」を操作して、再び危機に陥ったモンスターワールドを救うべく冒険の旅に出る。「モンスターワールドII」の流れを汲んだ多彩なアクション、華やかな色使いが印象的なグラフィックスなど、すべてがボリュームアップ。

 「セガエイジスオンライン」版は、ゲームバランスが異なる海外版を収録。「トライアルモード」は、アイテム“人魚の涙”を探すタイムアタック「アイテムさがしに挑戦」、大魔王の城のクリアタイムを競う「伝説の大魔王に挑戦」、4体のボスを倒すまでのタイムを競う「ボスラッシュに挑戦」の3つ。


しゃがみ攻撃、盾が使えないが攻撃力が高い槍など、発展的要素が追加された正統進化型の続編だ

●「モンスターワールドIV」


 「モンスターワールドIV」は、1994年にメガドライブ向けに発売されたタイトル。当時はまったく意識していなかったが“シリーズ完結”をうたう作品で、勇者になりたての主人公アーシャと相棒のペット「ペペログゥ」が力をあわせて冒険の旅に出る。タイトルから「ワンダーボーイ」表記が消えたのは、恐らく主人公が女の子になったからだろうが、やはり当時の筆者は特に気にすることもなくプレイしていた記憶がある。

 かわいい女の子のキャラクターを操作して冒険する様子は、中近東風の新しい世界観とあいまって“ファンシーかつポップ”なノリ。軽やかでスピーディな操作感はシリーズ随一。改めてプレイすると、最初の敵がスライムタイプということに「刷新というか、時代性なんだろうなぁ」と気づかされる。

 「セガエイジスオンライン」版は海外(英語)版を収録。「トライアルモード」は、それぞれのステージやダンジョンでクリアタイムを競う「沈黙の塔に挑戦」、「炎の海に挑戦」、「地下要塞に挑戦」の3つ。


主人公アーシャの仕草がとにかくかわいい。「モンスターワールド」らしい作品だが、刷新された世界観や一部モンスターなど随所に当時のトレンドが感じられる


 コンシューマ向けの「モンスターランド」シリーズは、いずれもオリジナルのテイストを壊さないよう丁寧に作られている。シリーズを重ねるごとにアクション要素やステージ構成がコンシューマらしいボリュームを重視したものになっていくが、これはアーケード「モンスターランド」のサクサク展開を至上とする筆者の私見につき、必ずしもマイナスというわけではない。

 当時はゴツく堅めのメガドライブ用コントローラーに強引に身体を馴染ませていったものだが、「セガエイジスオンライン」版は現行機種の標準コントローラー、さらにはサードパーティ製のパッド、アーケードスティックが利用できる。この点、もしかしたら「当時も相当やりこんだけど、こんなに気持ちよく遊べたっけか?」と感じる人もいるかもしれない。

 本コレクションにおけるトライアルモード・筆者のおすすめは、「モンスターランド」の「挑戦! ファイヤーシューティング」。当時からシューティングのボムよろしく「魔法はなるべく節約するもの!」という自己縛りでプレイしてきたせいもあるが、その魔法を無制限に連射できるというのが実に面白かった。他トライアルモードとは色合いが異なる大胆なアレンジ内容もポイントが高い。



■ XBLA「セガクラシックコレクション」、PS3「アレックスキッド」、「スーパーハングオン」、「ザ・スーパー忍」

 1980年代を彩った作品から、アーケード1タイトルとコンシューマ2タイトル、計3タイトルがピックアップされている。

●「アレックスキッドのミラクルワールド」

 1986年にセガ・マークIII向けに発売されたジャンプアクション。岩をも砕ける拳法“ブロッ拳”の修行を終えた主人公アレックスキッド。師の仙人のもとに変える途中、行き倒れの男にメッセージとともに託された1枚の地図と太陽石のメダル。平和な都だったラダクシャンに訪れる危機。アレックスキッドは、地図とメダルを手にラダクシャンへ向かうことを決意する。

 導入部はシリアスだが、グラフィックスで一目瞭然というか、ゲーム内容はコミカルかつオーソドックな王道ジャンプアクション。陸海空と変化していくステージを、ブロッ拳で障害物を叩き割りながら先に進んでいく。拾ったお金で買い物をするといったRPG要素のほか、道中にはスコパコサイクル、プチコプター、スイスイボートといった乗り物も登場するなど、あちこちに多彩な仕掛けが施されている。ボス戦はなんと“ジャンケン”勝負という斬新なもの。

 某超有名ジャンプアクションを強く意識して作られたという本作は、当時のセガファンを魅了するだけの十分なクオリティを備えていた。ステージが進むごとに上昇曲線を描く難易度は、ジャンケン大王の城でピークに到達。「誰だよ、このトゲの配置を考えた奴!」と当時の筆者はブチキレモードで、友人に「実はそれね……」とコツを教えてもらうまで憤死せんばかりの勢いだった。「セガエイジスオンライン」版は海外版のほか、アレクが食べるおにぎりがハンバーガーに変更されたMaster System II(海外)版が収録されている。

 トライアルモードは、ステージ13を使ったタイムアタック「大空に挑戦」、クリア時のお金総額を競う「お金持ちに挑戦」、最終ステージのダンジョンを使ったタイムアタック「じゃんけん大王に挑戦」の3つ。


今改めてプレイすると相当ムズイ。でも、努力したぶんだけ先にすすめるようになる“アクションゲームならではの楽しさ”がギッシリ詰まっていることにも気づかされる

●「ザ・スーパー忍」


 1987年にリリースされた「SHINOBI 忍」シリーズの流れを汲む作品。悪の組織「NEO ZEED」に囚われたヒロインを救出すべく、朧流忍者のジョー・ムサシとなって敵と戦う。BGMなどの楽曲は“古代サウンド”こと古代祐三氏が担当。

 ゲームは全8ラウンドで、各ラウンドは3ステージ構成。「SHINOBI 忍」シリーズは“上下ライン”にわかれたステージデザインが特徴で、刀をメインに、遠くの敵を手裏剣で倒したり、「火龍の術」など多彩な忍術を駆使して先に進んでいく。

 本シリーズの面白さは、ザコ敵たりとも油断できないシビアな展開だろう。距離に応じて攻撃が刀、手裏剣など自動的に変化。遠くの敵を倒せる手裏剣はとても便利だが、残弾があるため乱発はできない。道中のアイテムで補給できるが、なるべく無駄弾を撃たないような立ち回りが鉄則。このあたり「ちょっとムズイよね」と敬遠していた人も筆者の周辺には少なくないのだが、個人的には決して嫌いではなかった。

 その理由は、考えてプレイすればするほど「なるほど!」と思わせる敵配置にある。調子に乗ればちゃんとその先には罠が待ち受けており、単に意地悪というわけではない。さらに、忍術があるため、使いどころさえ間違えなければ先に進むことは決して不可能ではない。

 さて……「ザ・スーパー忍」といえば“個性的”なボスキャラに言及しないわけにはいかないだろう。「セガエイジスオンライン」は当然“差し替え版”になっている。

 トライアルモードは、残機ゼロで1UPも出現しないが塵の術でHPが回復する「単独作戦に挑戦」、いかに手裏剣を使わずにゲームを進められるかを競う「手裏剣温存に挑戦」、最終ステージのクリアタイムを競う「マスクドニンジャに挑戦」の3つ。


久々にプレイしたら、ちょっと引くくらいムズい。これをサクサクプレイしていた当時の自分はどうかしていたんじゃないかと思うくらい。ただ、忍術があるため、自分の腕にあわせて遊べばいいだけの話

●「スーパーハングオン」


 セガ体感ゲームの元祖「ハングオン」の続編。大型体感筐体ブームの火付け役となった元祖については、当時中学生だった筆者はゲームセンターで「なんじゃこれ!」と目を丸くした記憶がある。各社から野心的なタイトルが投入され過熱するアーケードシーンにおいて、バイクの外観をそのまま持ってきたインターフェイスは凄まじいインパクトを放っていた。

 元祖の筐体は真っ赤なカラーリング、「スーパーハングオン」は白をベースにしたスポーティなデザイン。どちらも3タイプ(ライドオン、ミニライドオン、シットダウン)の筐体がリリースされており、ライドオン、ミニライドオン、シットダウンでコースレイアウトが一部異なる(2種類)。バイクをがっつり動かすライドオンタイプはかなり体力を使うため、個人的には切り返しが楽なシットダウンタイプを好んでプレイしていた。

 「スーパーハングオン」は、難易度別にわけられた4ステージとBGM4曲から好きなものを選んでレース開始。走行中のステージ背景などがさらに臨場感を増し、時速280キロ到達時はターボ(スーパーチャージャー)ボタンで最高時速324キロまでさらに加速。無事完走できるか否かは、ターボボタンの使い方いかんにかかっているといっても過言ではない。

 さて……本作はコースレイアウト2種類の切り替えだけでなく、なんと“3D立体視”に対応。「3D対応なんて最新テレビは持ってないよ!」という人向けには、“赤青メガネ”でつとに有名なアナグリフ方式の立体表示(2色・カラーの2方式)を用意するという周到ぶり。

 また、シビアなゲーム性を考慮してか、ゲームオプションに「時間制限:ベリーイージー」を新設。チェックポイントのタイム加算がさらに+5秒されるため、当時「3、2、1……うわああ! 届かねえ!」と到達寸前で絶叫していた人はぜひお試しいただきたい。

 トライアルモードはすべてタイムアタックで、ミニライドオン版アフリカ全6ステージ「ビギナーコースに挑戦」、ミニライドオン版アジア全10ステージ「ジュニアコースに挑戦」、ミニライドオン版アメリカ全14ステージ「シニアコースに挑戦」、ミニライドオン版ヨーロッパ全18ステージ「エキスパートコースに挑戦」、シットダウン版全48ステージ「ワールドコースに挑戦」の5つ。


大型筐体ブームの火付け役だった元祖、そして本作は文字どおりゲームセンターの花形だった。今プレイしてもコースを駆け抜ける爽快感は色あせていない


 本コレクションにおけるトライアルモード・筆者のおすすめは、「ザ・スーパー忍」の「手裏剣温存に挑戦」。オリジナルの順番で展開するスペシャルルートは、やりこんだ人ほど新鮮な気持ちで遊べるはずだ。


■ XBLA「ゴールデンアックスコレクション」

 「ゴールデンアックス」シリーズから、アーケード1タイトルとコンシューマ2タイトル、計3タイトルがピックアップされている。

●「ゴールデンアックス」

 1989年にアーケードでリリースされた作品。戦斧“ゴールデンアックス”を持つ魔人デス・アダーによって国を滅ぼされ、愛する肉親を失ったバーバリアン「アックス」、アマゾネス「ティリス」、ドワーフ「ギリウス」ら3人が世界に平和を取り戻すべく冒険の旅に出る。2人同時プレイが可能で、「セガエイジスオンライン」版はオンライン2P同時プレイにも対応する。

 モンスターや巨人が跳梁跋扈するハイファンタジーな世界を、剣、ジャンプ、魔法を駆使して先に進んでいく。特筆すべきは攻撃手段の豊富さで、通常の剣攻撃、ダッシュ攻撃、攻撃とジャンプボタン同時押しの振り向き(背面)攻撃など、当時としては非常に凝ったものになっている。魔法は、小人が落とす青いポーションを消費して使用。攻撃、魔法ともにキャラクターごとに性能が異なるため、その日の気分で使用するキャラクターを変えるなど色々な楽しみ方ができた。

 筆者個人としては「ゴールデンアックスコレクション」最大の魅力は初代「ゴールデンアックス」にある。当初「メガドラ3部作……カートリッジ持ってるけど、まぁいいか」とタカをくくっていたら、まさか初代アーケード版を持ってくるとは想定していなかった。最近はレゲータイトルを常備するゲームセンターが(というかアミューズメント施設そのものが)めっきり減ったこともあり、こうした移植はことのほか嬉しい。

 トライアルモードは、難易度別にクリア後のHENSACHI(偏差値)を競う「イージー/ノーマル/ハードゲームに挑戦」、プレーヤー数3人で誰もが一撃死のヒットポイントゼロでゲームを進め偏差値を競う「ワンダウン・サドンデス」の2つ。


今となってはメガドライブ版しかプレイしたことがない人も結構な数にのぼりそうだが……正直アーケード版のほうがかなり難しい。相当なやりがいがあるはずだ

●「ゴールデンアックスII」


 1991年にメガドライブ向けにリリースされたアクションゲーム。ゲームの舞台は前作から3年後。神々の斧の力を手にした闇の皇帝ダーク=ガルドが、魔族を率いて地上征服をたくらむ。かつて世界を救った3人の勇者「アックス」、「ティリス」、「ギリウス」は、それを阻止すべく再び冒険の旅に出る。前作同様、オン・オフライン同時プレイに対応する。

 敵キャラクターがほぼ全面刷新され、グラフィックスのクオリティも向上。前作比でキャラクターの動きも軽快になった。ダッシュ攻撃がとても重要で、これが使いこなせないと「何これ超ムズイ!」となりがち。個人的には好きなタイトルなのだが、当時から唯一許せないのが敵のやられボイス。「ウエッ!」という単調かつ朴訥な声で、こちらのやる気を削ぐことこのうえない。

 トライアルモードは、難易度別にクリア後のSTRENGTHを競う「イージー/ノーマル/ハードゲームに挑戦」、1人用モード「THE DUEL」を使い敵を倒しきったときのタイムを競う「THE DUELに挑戦」の2つ。


アーケードではスピンアウト的な対戦格闘ゲーム「ゴールデンアックス・ザ・デュエル」がリリースされたが、正統続編はコンシューマのみ。当時は賛否両論あったが、コンシューマ向けに色々な工夫が施されている

●「ゴールデンアックスIII」


 1993年にメガドライブ向けにリリースされたシリーズ完結作。2度の悪夢を引き起こした伝説の武器ゴールデンアックスが、神々への手へ引き渡すための旅の途中で魔王ダムド=ヘルストライクの手に落ちる。老ギリウスは、傭兵「カイン」、青龍刀の使い手「サラ」、巨人「プラウド」、獣人「クロノス」ら4人の勇者に魔王討伐の命を下す。

 今作最大の特徴は、一新されたプレーヤーキャラクターもさることながら、当時の対戦格闘ブームを強く意識した“多彩な攻撃アクション”と“コマンド入力式の必殺技”だろう。必殺技もそうだが、脚払い、対空技、ガードなどにその意識が特に強く表われている。「ゴールデンアックスといえばダッシュ攻撃」というセオリーも一変し、キャラクターごとの違いがより明確にされている。なかでもドワーフのリストラは当時のファンに少なからず衝撃を与え、筆者もご多分に漏れず「俺のドワーフが……」と涙で枕を濡らしていた。

 トライアルモードは、難易度別にクリア後のスコアを競う「ノーマル/ハードゲームに挑戦」、ステージ1中盤に登場するモンスターワゴンのクリアタイムを競う「走れ! モンスターワゴン!」の2つ。


対戦格闘ゲームブームの影響を多分に受けたであろう要素が多々見受けられる。こちらも当時は賛否両論あった作品。ナンバリングタイトルに背負わされる期待の重さはいつの時代も変わらない


 本コレクションにおけるトライアルモード・筆者のおすすめは、「ゴールデンアックス」の「ワンダウン・サドンデス」。残機3で自分も敵も一撃死という、さらにレゲー化が進んだかのような懐かしくも新しく、それでいてザコどころかボスまで一撃で倒せる爽快感と緊張感がたまらない。


■ XBLA「ベアナックルコレクション」

 メガドライブでリリースされた「ベアナックル」シリーズ3作がラインナップされている。

●「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」

 巨大犯罪シンジケートと3人の若者たちの戦いを描いた格闘アクション。マーシャルアーツの使い手「アクセル」、ボクサー「アダム」、柔道家「ブレイズ」から好きなひとりを選んでプレイ。「セガエイジスオンライン」版は、オン・オフライン2人同時プレイに対応。シリーズを通して古代祐三氏が全楽曲を手掛けている。

 独特のノイジーなSEもさることながら、本作最大の特徴は“2人同時プレイ”に尽きる。「何当たり前のこと言ってるの?」と訝られそうだが、これにはもちろん当時ならではの理由がある。本作の前にアーケードからスーパーファミコンに移植された、ベルトスクロールアクションの金字塔「ファ○ナルファイト」。筆者も発売日に速攻で購入した1本だが、ファンの方々はよくご存知のように、容量などの都合で3人の主人公うち1人が未収録で(後に別バージョンで登場)、そしてなによりもアーケード版で可能だった“2人同時プレイ”が削除されていた。

 「いくらスーファミが高性能でも、さすがに2人同時プレイは無理か」と自分を納得させていた頃、本作「ベアナックル」が彗星のごとく出現。「えっ、こっちは2人同時プレイができるの!? メガドラってすげえ!」と、当時のセガファンは誇らしく胸を張った。キャラクターの小ささ、ゲーム的な荒さは当時から指摘されていた部分ではあるが、それを補って余りある独特のテンポと世界観、そしてなによりも友だち同士で集まって2人同時プレイをワイワイやれることが、何より楽しかった。2人同時プレイの際は、キャラクター同士が協力して攻撃する“協力技”も凄くいい方向に作用していた。

 トライアルモードは、難易度別にスコアを競う「イージー/ノーマル/ハード/ベリーハードゲームに挑戦」、エレベーターステージでタイムアタックに挑む「ROUND 7に挑戦」の2つ。


ベルトスクロール格闘アクションに求められる要素がしっかり詰め込まれた力作。背後攻撃などの独自性も追及されている

●「ベア・ナックルII 死闘への鎮魂歌」


 1993年に発売された続編。壊滅させたはずの犯罪シンジケートが復活し、かつての主人公のひとり「アダム」を拉致して3人を抹殺すると宣言。アダムを救出するべく、「アクセル」と「ブレイズ」、そして新キャラクターのプロレスラー「マックス」とアダムの弟「サミー」が立ち上がる。「セガエイジスオンライン」版は、オン・オフライン2人同時プレイに対応する。

 1作目でファンの心をガッチリつかんだ本シリーズ。ROMの容量アップでキャラクターサイズが大きくなり、とても見栄えがするパワーアップを遂げている。なかでもブレイズのセクシーさは、当時の筆者ら男性のハートをさらにわしづかみ。特に意味もなく何度もジャンプさせたりと、拉致られたアダムのことなどまったく気にもせず心臓をバクバクさせながら熱中していた。

 今作は、キャラクター以上に格闘アクション部分にも力が入っている。新たに導入された必殺技は爽快感、威力ともに抜群で、プレイしていて“とにかく気持ちがいい!”という仕上がり。個人的にはマックスとサミーがお気に入りで、ドッカンドッカン飛び込んでザコをなぎ倒すさまが実に小気味いい。音楽、操作性など、すべてがハイレベルでマッチしたシリーズ最高傑作といっても過言ではないだろう。

 トライアルモードは、難易度別にクリア後のハイスコアを競う「イージー/ノーマル/ハード/ベリーハードゲームに挑戦」、ラウンド3に登場するホラーハウスのクリアタイムを競う「ホラーハウスに挑戦」の2つ。


キャラクターが大型化し、攻撃アクションもより多彩になるなど飛躍的にパワーアップした続編。シリーズの人気を決定づけた名作だ

●「ベア・ナックルIII」


 1993年にリリースされたシリーズ最終作。前作をさらに上回る24M-ROMを使用し、グラフィックスがさらに進化。凛々しさから妖艶さをかもし出すに至ったブレイズのデザインと中割り(アニメーションパターン)は、本作で頂点を極める。実にいい。何度見てもいい。「セガエイジスオンライン」版は、オン・オフライン2人同時プレイに対応する。

 登場キャラクターは、シリーズ皆勤賞の「アクセル」と「ブレイズ」に前作で加わった「サミー」、そして新キャラクターの全身をサイボーグ化した科学者「ザン」の4人。隠しキャラクターも存在するが、一応初見の人向けに内緒ということで……。

 グラフィックス、アクション共に正統進化を遂げた本作は、メガドライブ用6B(6ボタン)パッドに対応。タメ技や振り向き攻撃がボタン1発で出せる点は、地味にありがたかった。非常に期待値の高い作品だったのだが、当時のベルトスクロールアクションにありがちな“各ステージの冗長さ”が目立つというか、この点ではシリーズで1番しまりがない感がある。これが整理できていれば、文字どおり前作を超える傑作になれたと思うのだが……。

 「セガエイジスオンライン」版は、一部キャラクターグラフィックスや敵の変更に加え、難易度が大幅に上昇した海外版「STREETS OF RAGE 3」を収録。海外版、MEGA-CD版すべて揃えているマニア諸氏も多いと思うが、この機会に本作で改めてチャレンジするというのも悪くない。

 トライアルモードは、難易度別にクリア後のハイスコアを競う「イージー/ノーマルゲームに挑戦」、海外版の難易度ノーマルでクリア後のスコアを競う「アメリカン・チャレンジ!」、同様に海外版を使い、エレベーターで各フロアを移動するゲーム後半で将軍救出までのクリアタイムを競う「人質救助に挑戦」の3つ。


前作以上に軽快かつスピーディな戦いが楽しめる。プロレスラー「マックス」のかわりに入ってきた新キャラがサイボーグのおじいちゃんというセンスは、これぞセガ! といったところ。攻撃アクションなども、ある意味1番気合が入っている


 本コレクションにおけるトライアルモード・筆者のおすすめは「ベア・ナックル 怒りの鉄拳」の「ROUND 7に挑戦」。つかんでエレベーターの外に投げるのが1番手っ取り早いが、うまくザコを誘導できないと焦燥感がミスにつながるなど一筋縄ではいかない。スコアを気にせず立て続けに出てくる気持ちよくなぎ倒す“気分転換”的な遊び方も悪くない。


【モンスターワールド
コレクション
(C)SEGA
 ORIGINAL GAME(C)1989 westone bit entertainment
(C)SEGA/westone bit entertainment 1987
【ゴールデンアックスコレクション】
(C)SEGA
【セガクラシックコレクション】
【ベア・ナックルコレクション】
(C)SEGA
MUSIC(C)YUZO KOSHIRO

(2012年 6月 29日)

[Reported by 豊臣和孝]