Microsoft、「Halo 4 Showcase Event」でSpartan Opsモードを初公開

「Halo 4」オーディオディレクターの戸島壮太郎氏に意気込みを聞いた


6月5日開催(現地時間)

会場:LA Exchange



 米Microsoftは、E3 2012初日の6月5日の夜、人気フランチャイズ最新作「Halo 4」をフィーチャーしたナイトパーティー「Halo 4 Showcase Event」を開催した。会場となったLA Exchangeには100台以上の試遊台を設置し、初公開となる新CO-OPモード「Spartan Ops」を関係者に御披露目した。本稿では、「Spartan Ops」のファーストインプレッションと、ゲストとしてお忍びで来場していた「Halo 4」オーディオディレクターの戸島壮太郎氏のコメントを紹介しよう。

【今年のE3は「Halo 4」一色】
Microsoftブースの「Halo 4」シアター
LA Exchangeに設置された試遊台
LA Exchangeは壁もトイレもマスターチーフ一色に!


■ 「Halo 4」に新搭載されるCO-OPモード「Spartan Ops」を初体験!

「Halo 4 Showcase Event」の様子
「Spartan Ops」のスクリーンショット

 「Halo 4」は、好調を維持するXbox 360フランチャイズを代表する人気シリーズの最新作。すでに日本でも11月8日の発売が確定しているタイトルだが、意外にもE3に出展されるのは今回が初めてだ。

 今年の米Microsoftブースでは、ゲームファンの「Halo 4」に対する飢餓感に応えるかのように、特大の「Halo 4」シアターを設置し、中ではゲームの概要を紹介するプレゼンテーションと、ベーシックなチームベースのマルチプレイモード「Infinity Slayer」を4対4の8人対戦で楽しむことができた。100人を超える数時間待ちの長い行列ができ、人気の高さを見せつけていた。

 それらの取材内容については後日お届けすることにして、今回は「Halo 4 Showcase Event」でプレイすることができた「Spartan Ops」について紹介しよう。

 「Spartan Ops」は、「Halo 4」で新たに採用された新しいCO-OPモードで、通常のキャンペーンモードやマルチプレイモードとはまた別のモードとなる。CO-OPをある程度前提にした作りになっているが1人でもプレイ可能で、Xbox LIVEを通じて週毎の新エピソードの配信が予定されている。

 クリア型のエピソード形式のミッションとなっており、プレイすることでキャンペーンのストーリーに連動したシナリオが楽しめるほか、マルチプレイモードとは思えない、凝ったカットシーンや、CO-OP前提だからこそ楽しめる濃密なチームプレイが堪能できる。キャンペーンモードをいち早くCO-OPに対応させた「Halo」シリーズならではの展開と言える。

 「Halo 4 Showcase Event」では、4人によるCO-OPで「Spartan Ops」を楽しむことができた。全員で前進し、会敵と同時に散開して遮蔽物を上手く使って敵に対処するといった展開は、従来のキャンペーンCO-OPと同一だが、共同で立ち向かわないととても適わないようなアグレッシブなアタックを仕掛けてくる敵や、強力な攻撃を繰り出してくる大型の敵、そしてFireFightモードを彷彿とさせる波状攻撃などに晒されるため、。従来のキャンペーンのCO-OPのように、ある程度頭数によるごり押しが通用すると思っていると、サクッと倒されてしまう。それこそ、全員がエナジーソードを手に突っ込んで行くプレイをしていたりすると立ちどころに全滅してしまいそうだ。

 何度か飛び出しすぎて敵に倒されてリスポーンして前線に戻るということを繰り返しながら15分ほどで1つのミッションをクリアすることができた。各ミッションの始まりと終わりには短いカットシーンが挿入され、ミニキャンペーンといった雰囲気。クリア後は経験値を獲得することができた。経験値を貯めることでレベルが上がり、武器やアバターなど様々な要素がアンロックできるようだ。

【「Spartan Ops」スクリーンショット】


■ 「Halo 4」オーディオディレクターの戸島壮太郎氏ミニインタビュー 基本的なサウンドテーマは「デジタル&オーガニック」

343 Industries「Halo 4」オーディオディレクター戸島壮太郎氏
マーティン・オドネル氏が積み上げてきた壮大な「Halo」サウンドを戸島氏がどのように広げていくのか楽しみだ

 試遊の後、会場に訪れていた「Halo 4」オーディオディレクターの戸島壮太郎氏に話を聞くことができた。戸島氏は、KONAMIで「pop'n music」シリーズや小島プロダクションの「METAL GEAR SOLID」シリーズなどのサウンドを手がけてきた日本を代表するサウンドクリエイター。「METAL GEAR SOLID 4」のプロジェクト終了後は、小島プロダクションを退社して北米に渡り、343 Studiosに入社、「Halo 4」オーディオディレクターとして現在に至る。

 「英語も喋れないのに、『10人スタッフが必要です』と英語で上司に説明する必要があったりして鬱な日々からのスタートでした」と、「HIDECHAN! ラジオ」で鍛えた軽妙なトークで笑いを誘った後、「ラジオに出ているせいもあって、笑い声が楽しい人、おもしろい人と思われているところがあるんですが、本職はこれなんだよというところを『Halo 4』でお見せしたい」と明かしてくれた。

 2009年11月に343 Studiosに合流した後、「Halo 4」ではオーディオディレクターを担当しているが、意外にも音作りは全くやっていないという。「BGM、効果音、ボイス、この3つを融合して、いかに適切なタイミングで挿入するかばっかりやっています」とのこと。さらに戸島氏は一歩踏み込んで「『Halo 5』ではぜひ曲も書いてみたい」と早くも次回作に対する意欲も見せつけてくれた。

 「Halo 4」のサウンドの基本テーマについては、「3部作ではマーティン・オドネルさんという個人的にも友人の偉大な方が曲を作っていましたが、同じ事をやっていても仕方がないので、あえて違うスタイルを追求しています。「Halo」とも違うし、「Call of Duty」とも違います。テーマとしてはスタッフに言っているのは『デジタル&オーガニック』。人間が生み出したデジタル的な音、そして人間のエモーショナルな要素をうまく組み合わせて、ハリウッド的な壮大さや、「Halo」らしさとも言えるアイコニックなメロディは活かしつつ、オリジナリティが感じられるように、いま突貫作業を行なっているところです」

 戸島氏が参画していると知れば、それだけでプレイしてみたいと思う日本人もいるのでは? と問いかけたところ、「もしそうだとすれば大変ありがたい話。僕が『Halo』シリーズの開発に加わった理由は、単純な話で僕が『Halo』のフランチャイズが好きだから。『Halo』シリーズが伝えてきた夢、勇気、感動といった要素を『Halo 4』でも伝えられるように頑張って作っていきます。

 戸島氏は驚いたことに日本語版のローカライズにも深く関わっているという。理由は日本語吹き替えの声優のチョイスを戸島氏がやっているからだという。となると気になるのは声優の起用である。戸島氏によれば、「それはごめんなさい。まだ発表できません(笑)。「MGS4」では多くの声優さんとお仕事をさせて貰って、今回人選をすべて自分で行なうことができましたし、翻訳や原稿もすべて自分でチェックしています。マスターチーフとコルタナ、そして何人かの重要人物の声優にはこだわったつもりです」という発表が楽しみなコメントを寄せてくれた。

 戸島氏の参画により、一気に日本との親和性が高くなった「Halo 4」。今後、11月の発売に向けて様々な情報が公開されることになるが、声優情報にも注目したいところだ。

【「Halo 4」キャンペーンスクリーンショット】

(C) 2012 Microsoft
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(2012年 6月 6日)

[Reported by 中村聖司]