「EA at E3 2012 E3 Press Conference」レポート

「Dead Space 3」登場! 「NEED FOR SPEED MOST WANTED」も発表。「SimCity Social」はFacebookで


6月4日 開催(現地時間)

会場:Orpheum Theatre



 Electronic Arts(EA)は、E3開催前日の現地時間6月4日、ロサンゼルス市内のOrpheum Theatreにてプレスカンファレンス「EA at E3 2012 E3 Press Conference」を開催した。今回のプレスカンファレンスでは、「Dead Space 3」、「NEED FOR SPEED MOST WANTED」など新作のほか、「Star Wars The Old Republic」のアップデートなど10タイトルの発表が行なわれた。

 「Crysis 3」、「Medal of Honor Warfighter」といった、4月に行なわれた「EA EU Showcase」出展タイトルの新情報、「UFC」のゲーム化の発表などもあり、様々なEAの取り組みを知ることができた、本稿ではこれらの情報をピックアップしていきたい。



■ 「Dead Space 3」はCo-opプレイのデモを実施

Co-opのデモプレイを並んで実施
回転するドリルの刃

 今回いくつもの新タイトル、施策の発表が行なわれたが、最も会場で歓声が大きかったのが「Dead Space 3」だ。「Dead Space 3」はプレイステーション 3/Xbox 360/Windows用ホラーアクションで、北米では2013年2月発売、価格は未定。プレスカンファレンスではCo-opプレイのデモが行なわれた。「Dead Space」シリーズは人間に寄生し異形の存在に変えてしまう怪物と戦うホラーアクションで、恐怖の表現に特に力が入っている。

 Co-opは外伝的なWii用ソフト「Dead Space: Extraction」でも実現しているが、ナンバリングタイトルでは初めてとなる。プレーヤーは2人で協力して敵に挑むことができる。今回のデモではボスとして巨大な掘削機が登場してきた。場所は円形の部屋で、逃げ場所はほとんど無い。掘削機のドリルが花びらのように開き、恐ろしげな刃をこちらに向けてくる上に、他の怪物がプレーヤーを取り囲む。

 協力プレイは、2台のハード、モニターを使ったものだった。プレーヤー2人はシリーズでおなじみの装甲服に身を包み、様々な武器を使うことができる。デモでは回転ノコギリを打ち出す武器も確認できた。敵の動きを遅延させる特殊能力も持っているようで、この力で敵の動きをゆっくりにし、攻撃をたたき込むといった攻撃も行なっていた。

 なんとか敵を撃退した2人は外に出る。外は雪に包まれた基地のような場所だが、そこにはさらに巨大な怪物が待ち受けていた。怪物が大きく息を吸い込むと、その巨大な口に吸い込まされそうになる、外では2人以外の人もいたのだが、彼等は目の前で次々に吸い込まれてしまった。プレーヤー達も踏ん張ろうとするのだが、一歩及ばず、敵の腹に吸い込まれてしまう。ここでゲームが終わらず、腹の中でもがき苦しみながらより奥に飲み込まれてしまう。この死へ向かう描写は、まさに「Dead Space」ならではだと感じた。

 ところが、まだデモは終わらなかったのだ。2人のプレーヤーキャラクターは、液体の入った空洞に運ばれる。ここは胃なのか? という疑問に答えるように謎の怪物が頭をもたげる……まだ戦いは終わらない! というところでデモが終了した。

 今回のデモで驚かされたのは、やはりグラフィックスの質感である。機械的な掘削機のボス、巨大な敵、飲み込まれる内臓の表現など、生理的な嫌悪を催す恐ろしい表現が秀逸だ。協力プレイでは複数の敵に押し倒されそうになっても、もう1人が助けるなどのシーンも見られ、2人で戦えば、このゲームの恐怖は少し緩和されそうだと感じた。「Dead Space 」は、1作目、2作目共に日本未発売である。このグラフィックスとゲーム性が日本の規制表現にかかってしまうためだ。「3」もかなり過激で、日本での発売は厳しいと感じたが、とても面白そうな作品である。

協力しながら巨大な敵と戦う。後半は雪原に
雪原ではこちらを飲み込もうとするモンスターと。ラストはついに飲み込まれてしまう
おどろおどろしい雰囲気のスクリーンショット




■ ハチャメチャに、みんなで走れ! 「NEED FOR SPEED MOST WANTED」

コミニティ要素も盛りこまれた「NEED FOR SPEED MOST WANTED」

 「NEED FOR SPEED MOST WANTED」はプレイステーション 3/Xbox 360/Windows、さらにiOSとAndroid向けのドライブゲーム。価格は未定。「オープンワールドと自由度」にこだわった作品になるという。発売は2012年10月30日を予定している。

 本作ではシングルプレイからシームレスにマルチプレイに繋がる。プレーヤー達は広大な“街”を舞台に走り回り、レースを繰り広げて行く。暴走する車は警察にも目をつけられる。より悪名を重ねたプレーヤーは「指名手配リスト」に載る。より上位のリスト入りを目指すのが本作の大きな目的だ。

 会場ではレースのデモプレイを見ることができた。リアルに描かれた街を、ライバルと共に疾走していく。道の外にはじかれた敵車は、時にはスピンし、時には大きくジャンプしてクラッシュする。この時はプレーヤーの車を写しているカメラが、クラッシュする車にフォーカスされる。スローモーションもかかり、かなり見応えがある。激しいレースは警察の注意を惹き、パトカーが乱入し、さらにレースは混乱してくる。もちろんパトカーのクラッシュも、演出が入る。

 レースの場合はチェックポイントが決められており、ライバルよりもいかに早く通過するかが求められる。ショートカットが多いのも本作の特徴で、金網をぶち破ったり、強引に狭い道に車体を押し込むことで新たな道が見えてくる。

 デモでは、レースと、パトカーとのチェイスのフリー走行が見れた。電柱にぶつかれば電柱が折れる。作りかけの道路の、通行止めの看板をぶち破ってジャンプするなどなど、非常に派手なシーンが展開した。他のプレーヤーと、歓声を上げながらレースができる作品だと感じた。

過激に、ハチャメチャなレースを繰り広げる
グラフィックスは非常に美しい




■ 「Medal of Honor Warfighter」、リモコン兵器など、ゲーム要素が明らかに

リアルなタッチで、現代の戦争を描く

 「Medal of Honor Warfighter」はプレイステーション 3/Xbox 360/Windows用FPSで、北米では2012年10月23日発売、価格は未定。「EA EU Showcase」でも出展されたタイトルで、現代戦をテーマに、世界各地のテロリストと戦いを繰り広げる。今回は3つの印象的なゲーム要素を抽出したデモとなった。

 1つめは、揚陸艇で海岸から上陸するシーン。敵の攻撃で桟橋など海岸に設置されているオブジェクトが粉々に砕ける中を、必死に身を隠しながら進む。飛び散る破片や水しぶきが美しく、かつ戦場の過酷さを物語っており、恐かった。

 2つめがドアに爆弾をしかけ、爆発と共に部屋の中に飛びこみ、敵を撃ち倒すシーン。奇襲に成功するとバレットタイムのように時間が引き延ばされ、プレーヤーは一気に複数の敵を攻撃できる。爆破を仕掛けるときは相棒にターゲットを合わせることメニューが表示されここから指令を選ぶようだった。敵の部屋に飛びこむときは、敵の数が画面下のアイコンで分かるようになっており、これらを消していく感じだった。こういったメニューやアイコンは、昨今のFPSでは目立たないようにしている作品が多いが、あえて表示する方向にしているのが面白かった。

 3つめが、“ラジコン戦車”である。人間よりずっと小さく、背が低いラジコン戦車を操縦し、建物の隙間を走らせて、敵を攻撃する。プレーヤーの視点は戦車のもので、人間を足下から見上げる形となる。プレーヤーはラジコンにつけられたカメラを通じて、敵を攻撃する。小さなこの車体に気づかない敵も多く、一方的に攻撃できることも多かった。撃たれたときは、「信じられない!」というか表情を浮かべる敵も。

 ラジコンを通じて敵を撃っている姿というのは、生身で戦うのとは違う一方的に敵を撃つ、恐ろしさを感じた。自分が安全なところから一方的に射撃しているような気がするのだ。デモではこの戦車を倒し、憎々しげにカメラにナイフを突き立てる兵士の顔のアップで終わった。「テクノロジーと戦争」の問題を考えさせられるシーンだ。

 「Medal of Honor Warfighter」はシチュエーションにこだわったFPSだと感じた。本物の特殊部隊のオペレーターを起用し、リアルさを大きくアピールしている作品であるが、ゲームとしてのユニークなシステムや、昨今のゲームプレイに負けない仕掛、「現代戦」へのこだわりなど、様々なテーマを取り入れていると感じた。

プレイデモでは、さまざまなゲーム要素が紹介された




■ 「Sim City Social」は近日Facebookでスタート

多くの仲間と街が繋がる

 「SimCity Social」はFacebook向けの「SimCity」で、近日スタート予定。プレーヤーは建物を建て、土地を広げて大きな街を作り出していく。住人達の機嫌を取ることはもちろん、いたずらができるのも「SimCity」そのまま。建物の表現などグラフィックスは豪華だ。今回はムービーと基本要素の紹介だったが、肝心の“繋がる”という部分は、他のプレーヤーの街と繋がるという要素以外の詳細はあきらかにされなかった。


本格都市シュミレーションがFacebookでプレイできる




■ 「Crysis 3」、ヘリを弓矢で落とし、エイリアンと殴り合うパワフルなプレイデモ

 「Crysis 3」はプレイステーション 3/Xbox 360/Windows用FPSで、北米では2013年2月発売だ。ジャングルと化したニューヨークでの戦いを、実機デモでプレイした。弓を使ったヘリとの攻防や、新型エイリアンとの戦いが描かれた。敵のエイリアンから採取した物質でのパワーアップや、アーマーを硬化させての防弾など、前作から引き継がれている要素も確認できた。


密林と化したNYを駆け抜け、強力なエイリアンと戦う




「Xbox 360 E312 Media Briefing」でも紹介された「FIFA13」、「Madden NFL 13」。また、「FIFA12」のプレーヤーデータなどを、他のゲームと共有し、スマートフォンなどでも活用できるサービスも紹介された
総合格闘技UFCを、EA SPORTSでゲーム化されることが発表された
サービス中のMMORPG「Star Wars The Old Republic」は、今年中に、レベルキャップの引き上げ、新種族、新ストーリーの実装が予告された

(2012年 6月 5日)

[Reported by 勝田哲也]