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NVIDIA、「GeForce LAN / NVIDIA Gaming Festival 2012」を中国上海で開催

GeForce GTX 690を発表! クラウドサービス「GeForce Experience」や新規PCゲームタイトルなどを発表


4月29日、30日開催

会場:上海正大廣場 9F



 米NVIDIAは4月29日、中国上海においてNVIDIAのGPU「GeForce」にフォーカスしたゲームイベント「GeForce LAN / NVIDIA Gaming Festival 2012」を開催した。会期は30日まで。本稿ではNVIDIA CEOジェンスン・ファン氏のキーノートの内容を中心に初日の模様をお届けする。今回発表されたゲームタイトルやファン氏のインタビューの模様については後ほどお届けしたい。

 「GeForce LAN / NVIDIA Gaming Festival 2012」は、大手GPUメーカーNVIDIAが自社製品のプロモーションのために実施しているゲームイベント。NVIDIA主催のLANパーティーイベント「GeForce LAN」に、各種ゲーム関連イベントやメディア/ユーザー向けの発表を加えたNVIDIA Gaming Festivalをワンセットにしたイベントとなる。中国での開催は一昨年2010年に続いて今回で2回目。APAC(Asia Pacific)エリアとしてはNVIDIA最大規模のイベントとなる。

 NVIDIAは、ここ数年、APACの中では中国を特に重視している。そもそも日本や韓国を上回る肥沃なPCゲーム市場が存在することに加え、コンシューマーゲームやアーケードゲームと異なり、参入障壁がまったくないことや、所得的な問題から家庭にGeForceを積んだハイスペックPCを買うのはまだハードルが高いものの、PCゲームに対する関心は非常に高いため、ハイスペックPCを揃えた大規模なネットカフェ(i-cafe)が大きなビジネスになるなど、NVIDIAにとってビジネスしやすい環境が整っているためだ。

 ここ数年の日本を含むグローバルにおけるNVIDIAに対する関心は、GeForceよりむしろ、モバイル向け統合型プロセッサ「Tegra」のほうが高くなりつつあるが、そこをあえてGeForceにこだわっているところがユニークなイベントと言える。

【GeForce LAN / NVIDIA Gaming Festival 2012】
初日の模様。「GeForce LAN / NVIDIA Gaming Festival 2012」は、プロゲーマー同士のゲーム大会イベントがメインとなる。そのほかにキーノートを含む各種ステージイベントや、NVIDIAや協賛メーカーの出展などが行なわれる




■ NVIDIAのPCゲームに対する具体的なコミットメント「GeForce Experience」

キーノートの開幕を待つ来場者。朝から入場規制が掛かり、初日の来場者は4,680名
NVIDIA CEO ジェンスン・ファン氏

 初日のオープニングセレモニーではNVIDIAの顔であるCEOのジェンスン・ファン氏が登壇し、45分に渡って中国、そして世界のPCゲームファンに向かって魅力的なGeForceワールドをアピールし続けた。

 発表内容は大きく分けて3つ。1つは既報のように、NVIDIAの最新最速のGPUとなる「GeForce GTX 690」。もう1つは、NVIDIAのゲーム向けのクラウドサービス「GeForce Experience」。そして3つ目は、中国を含む、グローバルメーカーによるNVIDIAに最適化した新作ゲームタイトルの紹介となる。

 ファン氏は、自社の新ハード、新サービスを満面の笑みで紹介したかと思えば、次から次にゲームメーカーのトップを迎え、魅力的な新作タイトルを紹介する様は、さながらゲームプラットフォーマーのようでもあり、リーダー不在のPCゲームの分野における強力なリーダーシップをNVIDIAから感じることができた。

 とりわけ今回のキーノートにおけるNVIDIAのゲームビジネスにおける最大の変化は、従来のように3Dゲームに最適化されたGPUやドライバー、そしてNVIDIA 3D VisionやPhysXのような拡張サービスを提供するだけでなく、「GeForce Experience」という新しいクラウドサービスを通じて、いわばPCゲームのプラットフォーマーとしてゲームファンを包括的にサポートしていく方針を明確にしたことだ。

 ファン氏は、NVIDIAがGeForceフランチャイズを通じてパフォーマンスや価格レンジの異なる幅広い製品群を提供している一方で、ゲームメーカーは様々なスペックをサポートするために、きめ細やかなコンフィグに対応しなければならない現状を取り上げた。PCゲームユーザーなら誰でも知ってるように、PCゲームはコンフィグ(グラフィックスオプション)を調整することによって、低スペックのPCや、パフォーマンス重視、画質重視など、様々なニーズに対応することができる。ここがコンシューマーゲームにはないPCゲームの強みになっている。

 しかし、その実態はというと、ファン氏は、新しいスライドを提示し、PCゲームファンの5人中4人はコンフィグを気にしないでプレイしているという意外なデータを披露した。ユーザーがコンフィグをいじらない理由については細かく触れなかったが、いずれにしてもより最適な設定が存在するにも関わらず、8割のユーザーはデフォルト設定のままPCゲームの楽しんでいるというわけだ。

 そうした状況に一石を投じるのが今回発表された「GeForce Experience」となる。「GeForce Experience」はクラウド前提のゲームに特化したオンラインサービスで、GPUやCPU、OS、ドライバーなど、手持ちのPCに関する情報を送ることで、NVIDIAのスーパーコンピューターが、自分のPC環境に最適なコンフィグを設定してくれるというもの。

 ファン氏が提示したスライドでは、デフォルト設定と「GeForce Experience」利用後の設定で、「Skyrim」が24FPSが43FPS、「Aliens vs Predator」が47FPSが54FPSとなった。できるだけ画質は落とさず、むしろ視覚的には向上させながら、画質とパフォーマンスを両立させるコンフィグを狙っている印象だ。

 スライドで示されたコンフィグを見る限りでは、アンチエイリアスやシャドウのクオリティなど負荷の高い項目をオフ、または下げて、負荷の低い項目を大胆に挙げることで、画質とパフォーマンスの両立を実現しているようだ。「GeForce Experience」については機会があればより掘り下げてみたい。

【GeForce Experience】
PCゲームはコンフィグが複雑怪奇だが、「GeForce Experience」を使うことで、誰でも手軽に最適なコンフィグが可能となる

【Skyrim】
「Skyrim」は重めの処理をオフにして、他でバランスを取ることで、画質をできるだけ落とさずに大幅なパフォーマンスアップに成功している

【Aliens vs Predator】
「Aliens vs Predator」では、画質を上げながらパフォーマンスも上げるという一挙両得を実現している




■ 史上最速のGPU「GeForce GTX 690」。2,560×1,600ドットのプレイがさらに快適に

「GeForce GTX 690」を掲げるファン氏
GeForce GTX 690のパフォーマンス
GeForce GTX 690 Quad SLIのパフォーマンス

 GeForce GTX 690に関しては、発売時期や価格などは明らかにされなかったものの、原稿最速モデルとなるGeForce GTX 680のSLI接続とほぼ同等のパフォーマンスを実現するNVIDIA史上最速のGPUであることが明らかにされた。GeForce GTX 590のKepler版という表現がわかりやすいかもしれないが、GeForce GTX 690はGPUとしての性能のみならず、消費電力、静音性、そしてインダストリアルデザインにも工夫が凝らされている。

 カードのハウジングは新たに設計し直されたもので、アルミニウムとマグネシウムの合金を採用し、触れた感触はPCパーツというより、むしろ車のエンジンのような頑丈さ、剛性さで、合金のひやりとした感じとずしりとした重みが伝わってくる。

 ゲームのパフォーマンスに関してはベンチマークを公開している。2,560×1,600ドット/4xAA/16xAFという最高設定で、GeForce GTX 690は、680に対して倍近いパフォーマンスアップが期待できる。中でも現行タイトルの中では最高クラスにヘビーなタイトル「Crysis2」は680では30FPS程度が限界だったが、690では実に60フレーム近くまでFPSが向上している。690のクアッドSLI構成なら、現行のすべてのタイトルが最高設定で60FPS以上出せそうだ。

 そのGeForce GTX 690 Quad SLIのパフォーマンスもさっそく公開している。タイトルによって多少ばらつきはあるものの3〜4割ほどさらにパフォーマンスアップすることことが報告されている。先の「Crysis2」に至っては100FPS弱までFPSを伸ばすことができるとされている。

 なお、今回の発表は、1カ月以上前からGeForce.comにてカウントダウンを行ない、発表の模様をリアルタイムでストリーミング配信することを明らかにしていたものの、幸か不幸か多くのゲームファンがサイトに殺到した結果、イベント開始前にサーバーがダウンするというトラブルも発生。GeForce GTX 690の世界同時発表というNVIDIAのもくろみはあまり意図通りにはいかなかったようだが、わざわざ中国で史上最速のGPUを発表したことは、中国ユーザーにとっても大きなサプライズだったようで、大きな喝采で迎えられた。

 ファン氏はGeForce GTX 690に関する短いプレゼンの後、突然GeForce GTX 690を1台プレゼントすると発表すると、会場の盛り上がりは最高潮に達した。NVIDIAは、中国のネットカフェでのシェアの実に9割以上を占めるということだが、この流れは当分変わりそうにないという印象を持った。

【GeForce GTX 690】
GeForce GTX 690を分解して解説するファン氏

【GeForce GTX 690をプレゼント!】
ファン氏の突然のプレゼント告知に盛り上がる会場。GeForce GTX 690は幸運な青年が獲得した




【PLA】
中国のゲームメーカーGiantが開発している1930年代の上海を舞台にしたFPS。上海市民軍と日本軍が争うチームベースのFPSとなる。詳細は後ほどお届けしたい

【Hawken】
北米のMeteor Entertainmentが開発している基本プレイ無料スタイルのFPS「Hawken」。Unreal Engine 3.0を採用して描かれたグラフィックスは圧倒的でPCゲームならではの表現を実現している。こちらも後ほど詳しくお伝えしたい

 

【Warface】
独CrytekはCEO のCevat Yerli氏が登場し、CryEngine3の最新デモと、「Crysis3」のEA Showcaseトレーラー、そしてアジアに向けて現在開発を進めている基本プレイ無料スタイルのFPS「Warface」を公開。中国ではTencent、韓国ではNexon Koreaがパブリッシングを予定しており、日本展開も期待できそうだ

(2012年 4月 30日)

[Reported by 中村聖司]