日本マイクロソフト株式会社は3月27日、東京品川の本社にてXbox 360 Kinect専用アクション「Kinect スター・ウォーズ」のメディア体験会を開催した。Kinect専用アクション「Kinect スター・ウォーズ」は4月5日に発売する。価格は5,880円。CEROレーティングはC（15歳以上対象）。

　マイクロソフトは2月にも本作の体験会を開催しているだけでなく、様々なイベントで「Kinect スター・ウォーズ」を出展しており、本誌でもたびたび取り上げているが、それらはすべて英語版でのプレイだった。

　今回は初めて日本語に吹き替えられたバージョンが公開され、さらにこれまで体験できなかった「ギャラクシー ダンス」もプレイすることができた。他のモードもこれまでよりグッとプレイしやすくなっており、ゲームとしての完成度が上がっていると感じた。今回は、体験できた各要素を紹介していきたい。

　今回特に面白く感じたのはやはり日本語吹き替えの音声である。ヨーダに永井一郎氏、C-3POを岩崎ひろし氏が担当しているなど、映画などと同じキャストも参加している。特にC-3POはプレーヤーがセンサーの前に「どこにいったのですか、確認できません」とおろおろした声を上げたりする。そのまま操作しないとR2-D2と珍妙なやりとりをしたりもして、細かいところまで凝っているなあと、感心させられた。

【「Kinect スター・ウォーズ」メディア体験会】
いくつかの試遊台で、発売直前のバージョンを試遊できた。右は「Xbox 360 320GB Kinect スター・ウォーズ リミテッドエディション」

【スクリーンショット】
最新スクリーンショット。ストーリー要素にも期待したい

■ 多彩な展開、ジェダイならではの戦いが楽しい「ジェダイ デスティニー『ダークサイドの台頭』」

「ジェダイ デスティニー『ダークサイドの台頭』」では、誰もがジェダイになりきれる

今回はキャッシークの戦いを体験できた

　「Kinect スター・ウォーズ」のメインモードとも言えるのが「ジェダイ デスティニー『ダークサイドの台頭』」である。プレーヤーはジェダイの騎士の弟子である“パダワン”として、他のジェダイ達と様々な場所で戦っていく。舞台となる戦場の多くは、映画「スター・ウォーズ」シリーズ6作品に登場する場所だ。

　今回体験できたのは、惑星キャッシーク。全身毛むくじゃらの「チューバッカ」の生まれ故郷であり、ゲームの中でも彼と共に戦うことができる。この星では、ジェダイはチューバッカ達ウーキー族に協力し、ドロイド軍団とトカゲ型宇宙人「トランドーシャン」と戦う。トランドーシャンはウーキー族と対立関係にあり、以前から執拗な攻撃を行なっていたのだ。

　ゲームではドロイド軍団とトランドーシャンが、ウーキー達に攻撃を仕掛けているまっただ中に、他のジェダイと共に飛びこんでいくことになる。細い手足を持つ「バトル・ドロイド」や、厳ついシルエットの「スーパー・バトル・ドロイド」、シールドを張る「ドロイディカ」など、映画でも活躍したドロイド達が登場する。

　さらに、トランドーシャンも銃を撃つだけでなく、大型のナイフを2刀流であつかう強敵がいたりバラエティ豊かだ。プレーヤーはKinectセンサーで実際に手を振ることでライトセーバーを振るい、彼らを撃ち倒していくのである。

　今回のプレイで感じたのは、過去のバージョンと比較して「ずいぶんプレイしやすくなっている」というところだ。特に手を前に突き出し、手首を8の字に回すことでライトセーバーを振り回し、敵のビームをはじく操作が以前よりやりやすかった。慣れてくるとやみくもにライトセーバーを振るだけでなく、ジャンプで相手の後ろに回り込んだり、足を振って蹴りつけたり、左手を伸ばしフォースで敵を捉え投げつけるなど、様々なアクションで敵を倒すことができた。

　展開も非常に凝っている。敵戦車に飛び乗り砲台をたたき切ったり、敵の攻撃を連続ジャンプでかわしたり、敵のミサイルをフォースでかわしたりもできた。また、スピーターバイクで追ってくる敵と林の中でチェイスしたり、フォースで爆弾を投げ、多脚戦車を破壊したり1ステージでも様々な要素がぎっしり詰まっていた。

　今回はキャッシークだけだったが、他にも様々な星が戦場となるようで、ボリュームにも期待できると感じた。巨大な戦車や、敵の基地をライトセーバーと鍛え上げた体、そしてフォースで破壊していくジェダイの活躍は、やはり興奮させられる。本作のメインコンテンツとして一押しのゲームモードだ。

【ジェダイ デスティニー「ダークサイドの台頭」】
トカゲ型宇宙人トランドーシャンとドロイド軍団を相手に戦う
スピーダーバイクや、敵戦車との戦いも

■ ファン驚愕のノリノリダンス「ギャラクシー ダンス」

誰もがノリノリになる「ギャラクシー ダンス」

華麗な踊りを見せるハン・ソロ。彼にこんな才能が!?

　今回初体験だったのが「ギャラクシー ダンス」である。宇宙的な勢力を持つギャングのボス「ジャバ・ザ・ハット」の宮殿で、彼の前でダンスバトルを行なうというものだ。

　映画「スター・ウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還」ではジャバの宮殿で、エイリアン楽団の演奏や、ダンスなど派手な宴会シーンが描かれるが、ダンスバトルはそれ以上に派手な演出となっており、華やかな雰囲気だ。異星人達の異常な盛り上がりは、ユーモラスでありながらちょっと不気味で、こういったところも「スター・ウォーズ」らしさを良く表現していると感じた。

　そして、最大の見所はやはりダンスシーンだ。ダンスバトルの基本は、プレーヤーと戦うことになるキャラクターが画面の中心に現われ、プレーヤーはその動きを真似るというもだ。インターフェイスは「ダンスセントラル」のものに近く、ダンスの動きはカードで紹介されており、次の動きも確認できる。

　ここで驚かされるのは、対戦相手とそのアクションだ。なんと、踊り子姿のレイア姫や、ハン・ソロ、ランド・カルリシアンなどが、役柄を越えるノリノリアクションを見せてくれるのである。「レイア姫は踊り子姿を嫌ってたはずじゃなかったのかな?」などという筆者の想いを吹っ飛ばすように大げさなポーズで踊るレイア姫、さらにハン・ソロは演じるハリソン・フォードのイメージが強いが、彼がこんなダンスをするなんて！　と思わずにはいられない、派手なダンスを決めるのだ。

　ファンにとって、最も衝撃的と言えるゲームモードだ。発売されたらユーザーの話題になること間違いない。それでいながら、難易度は抑えめで、ダンスは基本の動きを満たしていればゲームは進められる。間口の広さも感じさせられたゲームモードだ。

【ギャラクシー ダンス】
レイアやハン・ソロのダンスは、新鮮だ。ランドはすごく似合っている感じだ

■ よりプレイしやすくなった「ポッドレース」と、「ランコア ランページ」

コースがわかりやすくなった「ポッドレース」

「ランコア ランページ」は2人で街を破壊することもできる

　今回はさらに、「ポッドレース」と「ランコア ランページ」も体験できた。どちらも概要は、前回のレポートで紹介済みだが、それぞれチューニングが行なわれ、よりプレイしやすくなっていた。

　映画に出てきた危険なレースをそのまま体験できる「ポッドレース」は、コースの方向にガイドラインが表示され、どの方向に進むのかわかりやすくなった。操作も簡単になっており、緩いカーブなどはそのまま自動で曲がってしまう。初心者コースならば初挑戦でも1位をとることができた。初心者でもまっすぐコースを進むことができ、攻略することで、タイムをさら短縮できると感じた。

　日本語版として嬉しいところは、レースに実況が入ってるところだろう。ノリノリのアナウンスで、レースの気分を盛り上げてくれる。コースも映画に出てきたタトゥイーンだけでなく、密林あり、大瀑布あり、未来都市ありとバラエティーに富んでいる。時には戦場のど真ん中を突っ切るコースもあり、「スター・ウォーズ」の世界をさらに広げてくれるモードだと感じた。

　「ランコア ランページ」は巨大な怪物ランコアとなって、街を破壊しまくるというゲームモードだ。街中では人間達が逃げ惑い、帝国軍が鎮圧のために出撃してくる。それらをなぎ他をし、破壊の限りを尽くすという、過激で楽しいモードである。

　今回のバージョンでは基本的な操作のガイドに加え、「建物を破壊せよ」、「人間を衝撃波で倒せ」といった目標が提示されるようになり、これらをクリアすることでボーナスを得ることができる。街をある程度破壊するとクリアになるのだが、それまでにどこまでボーナスを得られるか、スコアアタックが熱い。

　人間をつかんで口元に持って行くと食べて体力回復できたり、遠くまで投げるとボーナスが得られたりと、怪物ならではのハチャメチャさが楽しい。手を打ち合わせると衝撃波が出たり、両手を振り上げてから下ろすと地面を叩いて広範囲にダメージを与えたりできる。ジャンプすると巨体が浮かび上がり、さらに強力な攻撃ができるなど、練習してもっと大破壊をしたいと感じた。

　この他、今回体験できなかった「デュエル オブ フェイト」は、ダースベイダーなどとも1vs1で対決できるゲームモードと言うことで、こちらでも他のモードとは違った楽しさを体験できそうだ。「Kinect スター・ウォーズ」は昨年のE3から発表会などで積極的にアピールされていたゲームだが、初期は操作性や、ゲーム性で物足りないものがあった。しかし、出展されるごとにゲーム性やグラフィックスが向上し、要素もかなり充実した。

　メインモードである「ジェダイ デスティニー『ダークサイドの台頭』」はもちろん、驚きと楽しさをもたらす「ギャラクシー ダンス」、そして思わず引き込まれる「ランコア ランページ」、「ポッドレース」と、各ゲームモード全てが魅力的だ。スターウォーズファンならずとも、要チェックのゲームである。

【ポッドレース】
映画には登場しなかった多彩なコースを走る。時には戦場すらコースに

【ランコア ランページ】
「ランコア ランページ」は2人の協力プレイもできる。力を合わせて街をぶっ壊せ!