グリーとレベルファイブ、業務提携に関する記者会見を開催

世界を狙う提携。「二ノ国」などソーシャルゲーム3タイトルも発表


3月21日 開催

会場:ザ・プリンス パークタワー東京


 グリー株式会社とレベルファイブ株式会社は3月21日、両者の包括的業務提携に関する共同記者会見をザ・プリンス パークタワー東京にて開催した。

 記者会見に登壇したのは、グリー代表取締役社長の田中良和氏と同社執行役員マーケティング事業本部長の小竹讃久氏。レベルファイブからは、代表取締役社長/CEOの日野晃博氏と執行役員の本村健氏が登壇した。

グリー代表取締役社長の田中良和氏
レベルファイブ代表取締役社長/CEOの日野晃博氏

 会見ではまず田中氏と日野氏から挨拶が行なわれた。田中氏はレベルファイブについて、コンソールゲームでの実績と、映画やアニメと展開するコンテンツ作りに触れながら、「世界展開に通用するコンテンツにふさわしい」と評価し、世界展開を目指すグリーが「その手助けをできれば」と話した。

 また田中氏は今回の包括的業務提携の「最大の意義」として、「コンソールゲームの素晴らしいコンテンツとモバイルおよびソーシャルゲームが組み合わさることで、大きく面白いものが作っていける」と述べた。「日本で面白いと言われるものが、世界にも通じることを証明できれば」と今後の意気込みを語った。

 日野氏は、まずソーシャルゲームへの自らの考え方を変えたとして、「プレーヤーがしっかりと作品を楽しめているのであれば、それはゲームだろう。コンソールゲームもソーシャルもモバイルも敷居のない同じゲーム業界と言っていいのではと考えるようになった」と話した。

 また日野氏は今回の提携がグリー側からの提案だったことも明かし、田中氏については「ゲームに対して理解を深く持っているので、コンテンツを大切にしてもらえるのではないかと思った」と話した。

 日野氏は、「僕らはコンソールゲームではいくつかヒット作を出せたと自負しているが、ソーシャルゲームについては勝手がわからず苦戦している。ゲーム業界が形を変えようとしているのであれば、グリーさんと組んでしっかりと成功例を作ることで、その変化についていきたい。本気で取り組むつもりでいる」と語った。



■ 日本と世界の両方で市場を開拓。第1弾は「二ノ国」のソーシャルカードバトル

グリー執行役員マーケティング事業本部長の小竹讃久氏

 会見ではグリーの小竹氏より今回の提携の狙いについてのプレゼンテーションと、レベルファイブの日野氏と本村氏によって具体的なGREE向けタイトルが3つ発表された。

 小竹氏は、グリーのこれまでの実績と、「GREE Platform」が14カ国語に対応すること、配信するコンテンツが各国から順次発表されていることを例に挙げ、コンテンツをさらに充実させていくと話した。その中でレベルファイブについては、個性的で先進的なクリエイティブ、そして年代や性別を越えて多くの人に楽しんでもらえるプロデュースの2点を特徴として挙げた。

 特にプロデュースについては、ゲームのみならずグッズ販売やアニメ、映画、漫画と展開した実績を「コンテンツの総合プロデュース力を持っている」と評し、さらにそれらのゲームが海外でも高い評価をされていることから、「これらのサポートをして世界のユーザーに届けていける。日本では垣根を越えた新たなターゲット層が獲得でき、世界においては、これらのコンテンツの力による市場創出が狙える」と述べた。

レベルファイブ執行役員の本村健氏

 続いて、レベルファイブが提供するGREE向けの3タイトルが発表された。発表に先立って日野氏は「これまでモバイルやソーシャルゲームは開発会社に頼んでいた。まだまだ力が足りないのでグリーさんに助けてもらうことにはなるが、今後は徐々にレベルファイブらしいDNAを持ったタイトルをリリースしていきたい。今回は、レベルファイブの大きな柱となるタイトルを用意した。これを皮切りに、様々なタイトルをリリースしたい」と話した。
 
 まず第1弾として紹介されたのは、同社の「二ノ国」をベースにしたソーシャルカードバトル「二ノ国大冒険モンスターズ」。利用料金は無料で、ビジネスモデルはアイテム課金制。対応機種はフィーチャーフォンがdocomo/au/SoftBankのFlash Lite1.1対応端末。スマートフォンは、Android OS 2.2以降のAndroid端末、iPhone 3GS以降。


事前登録受付中の「二ノ国大冒険モンスターズ」

 「二ノ国大冒険モンスターズ」は、プレーヤーが主人公となり、「イマージェン」と共に「二ノ国」の世界を冒険するというソーシャルカードバトル。世界を探索する「クエスト」で出会う「イマージェン」とバトルができ、勝利するとその「イマージェン」を仲間にできる。時には強敵の「RAIDボス」と対峙する「RAIDバトル」も発生し、プレーヤー同士で協力したり、仲間の「イマージェン」の組み合わせで出せる「必殺コンボ」を駆使しながら、立ち向かう。
 
 また全てのカードの裏には「二ノ国」の住人の力が封じ込められており、カードを裏返すことでその力を発揮できる。本村氏の説明によれば、「『村人』では体力が少ししか回復しなかったりもするが、『賢者』などのレアカードになると、大きく回復したり、必殺技などが発動することもある」という。「二ノ国大冒険モンスターズ」は、本日より事前登録が開始され、4月にサービス開始予定となっている。


【スクリーンショット】
「イマージェン」を仲間にして戦っていくソーシャルカードバトル。プレーヤー同士で対戦したり協力したりもできる

【カード】
カードには表と裏があり、裏には「二ノ国」の住人が描かれている。カードを裏返すことで、住人の能力が発動できる

【イマージェン】
登場する「イマージェン」は200体以上。カードのコンプリートも旅の目的の1つとなる

【RAIDボス】
40種類以上登場する「RAIDボス」。バトルでは、上下左右と4つある攻撃ポイントのいずれかに弱点が設定されており、弱点を攻撃すると大ダメージを与えられる。この弱点や、他のプレーヤーとの協力、「イマージェン」の「必殺コンボ」などを駆使して立ち向かうことになる

 続く2タイトルは、仮名でのタイトル発表と、簡単なコンセプトの説明のみに留まった。発表されたのは、「イナズマイレブン」をもとにした「イナズマイレブン・アツメヨーゼ!!(仮)」と、「ダンボール戦機」をもとにした「ダンボール戦機 ハイグレードカスタム(仮)」。
 
 「イナズマイレブン・アツメヨーゼ!!(仮)」は、自分だけの中学を持ち、キャラクターを集めながら、そのサッカーチームを日本一に導いていくというゲーム。キャラクターを集めてチームを強くして、CPUや人と戦ったりするようなゲームになるようだ。
 
 「ダンボール戦機 ハイグレードカスタム(仮)」は、特殊なダンボールで作られたロボットが活躍する「ダンボール戦機」をベースにしたのもので、まだどういうイメージにするかは開発中。ただし、パーツを集めて戦うことが基本となっているため、パーツ集めをソーシャルゲームにすることで、人と競い合うこと、協力することを面白くできるのでは、と日野氏は語った。グラフィックス面にも力を入れているそうで、日野氏は「全く新しいイメージを持った『ダンボール戦機』が作れれば」と述べた。
 
 なおこの2タイトルについては、もともと主に子供をターゲットにした作品だったというが、GREEの幅広いユーザー層にあわせて、大人にも楽しんでもらえるような仕組みを考えているそうだ。
 
 また日野氏は、この3タイトルを自らの手でディレクションすると話した。日野氏は、「僕も本気でソーシャル世界でヒット経験をしたい。自分の手でしっかりと見て、ディレクションする。グリーさんと組んでリリースすることで、その勘所のようなものが掴めるように勉強できれば」と述べ、レベルファイブが本格的にソーシャルゲームに参戦することを改めて強調した。


【イナズマイレブン・アツメヨーゼ!!(仮)】
派手な必殺技が特徴のサッカーゲーム「イナズマイレブン」をベースにした、自分だけのサッカーチームを作っていくというゲーム

【ダンボール戦機 ハイグレードカスタム(仮)】
「ダンボール戦機」のソーシャルゲーム版。グラフィックスにも力を入れ、全く新しい「ダンボール戦機」を目指す

(c)LEVEL5/GREE developed by Edia

(2012年 3月 21日)

[Reported by 安田俊亮]