【年末特別企画】海外ゲーム2011 オススメ&ガッカリ10タイトルを大発表
今年の海外ゲームを振り返る! 年末年始はこのゲームで決まりだ!!








 今年は海外ゲームの“当たり年”だった。「Mass Effect 2」、「Forza Motorsport 4」、「Call of Duty: Modern Warfare 3」、「The Elder Scrolls V: Skyrim」……。数々のシリーズの続編が発売され、「KILLZONE 3」や「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」といったPS3専用タイトル。「Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ」や「Dance Central 2」といったXbox 360 Kinectならではのゲームも多数発売された。

 今回は「年末特別企画」ということで、GAME Watchで海外ゲームを担当しているライターのひとりとして、筆者の独断による「オススメゲーム5本」と「ガッカリゲーム5本」を挙げていきたいと思う。オススメもガッカリも総合的なゲームの善し悪しを評価するものではない。どちらも、今年を代表するゲームとしてぜひプレイして貰いたい作品群だ。

 オススメを選ぶ上に置いて注目したのは「テーマ」である。迸るように激しくテーマを主張し、プレーヤーをその渦に巻き込み、そして素晴らしい世界に連れて行ってくれるゲームを選んでみた。

 「ガッカリゲーム」という表現は誤解を招きやすいが、“クソゲー”という意味では無く、オススメゲームと同様に、筆者がやり込んだゲーム達ではあるが、遊んでいくうちにほんのちょっと“ズレ”を感じたゲームである。しっかり作られていて、世間の評価も高い。筆者自身もクリアするまで夢中になってやり込んだのだが、小さく感じた心の中の問いを書き出してみた。こういった作品への思いは、誰でも感じたことがあるだろう。筆者の意見に同意したり、反発することでもう一度自分の中の“ゲーム観”を見つめて欲しいという想いで、オススメの言葉と共に、ズレを感じた部分を書き出してみた。



■ まだ間に合う! 絶対プレイすべき「オススメゲーム」5本

・「The Elder Scrolls V: Skyrim」

ドラゴンとの戦いが熱い

メーカー:ゼニマックス・アジア
価格:7,980円
ジャンル:RPG
CERO:Z(18歳以上のみ対象)

 「今年ベストのゲームは何?」と聞かれれば、筆者は「The Elder Scrolls V: Skyrim(以下、「Skyrim」)」と即答する。2011年はたくさんのゲームが出た。どれも楽しかったが、「Red Dead Redemption」や、「Alan Wake」のような“魂が揺さぶられる”という衝撃を受けるほどのゲームには出会えなかった。そんな筆者にとって「Skyrim」は、年末に現われた、逆転満塁ホームラン的なゲームだった。「Skyrim」はファンタジーRPGの決定版とも言えるゲームだ。世界を自由に旅し、探険することで様々なドラマが生まれるという自由度に加え、通常のRPG1本分に匹敵する壮大なストーリーが、何本も用意されている。さらにプレーヤーの行動で、世界そのものも変わっていく。

 「ある勇者の100の冒険」とも言うべきボリュームに加え、世界で暗躍する謎の組織や、それぞれの思惑を持つ地方領主と中央政府、邪教集団や、異世界からこの世界に干渉する存在、滅びてしまった超古代文明など、ゲームを進める程に世界の奥深さが明らかになっていく。まるで汲めども汲めども尽きぬ泉のようだ。もうずっとこの世界にいたい、この世界で生きていきたいと思わせるゲームである。ゲームを初めてから60時間以上、それでもまだ進めてないクエスト、未踏派の地域ばかりだ。

 筆者はこの作品に「ゲームブック」の匂いを感じた。かつて社会思想社から発売されていた「火吹き山の魔法使い」や「運命の森」といった、選択に応じたパラグラフを読み進めるゲームは、“偶然”巻き込まれるイベントが実に多かった。その選択をしなければ出会わないイベントや、小さなドラマが散りばめられていて、筆者はそれらを探すのに夢中になった。「Skyrim」もまた偶然が楽しい。歩いているとNPCに話しかけられたり、強力なモンスターのテリトリーに入ってしまったり、見かけた洞窟の中に恐ろしい秘密が隠されていたりする。どんなことをしても大冒険に繋がっていくのが、たまらなく楽しい。

 一方で、初心者にはインターフェイスが少しわかりにくい部分があるし、山を越える道がわからなかったり、地形に引っかかりかねない問題などもある。特にPS3版は長時間プレイしているとかなり重くなってしまう問題が発生している。こちらは今後パッチによる修正を行っていくということで、早急の対策を期待したい。ちょっとクセの強いところもあるが、プレイして絶対損をしないゲームであることは、自信を持って主張したい。


広大な世界に溢れるストーリー。これこそがまさに夢に見た「冒険」だと思う
Amazonで購入

The Elder Scrolls V: Skyrim (C)2011 Bethesda Softworks LLC, a ZeniMax Media company. The Elder Scrolls, Skyrim, Bethesda, Bethesda Game Studios, Bethesda Softworks, ZeniMax and related logos are registered trademarks or trademarks of ZeniMax Media Inc. in the U.S. and/or other countries. All Rights Reserved.


□ゼニマックス・アジアのホームページ
http://www.bethsoft.com/jpn/
□「The Elder Scrolls V: Skyrim」のホームページ
http://elderscrolls.jp/
□関連情報
【2011年12月7日】PS3/Xbox 360ゲームレビュー「The Elder Scrolls V: Skyrim」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20111207_496182.html


・「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス」

メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
価格:5,980円
ジャンル:アクションアドベンチャー
CERO:D(17歳以上対象)

主人公ネイトの冒険はさらにパワーアップ

 「Skyrim」はクセのあるゲームといえるが、「アンチャーテッド 砂漠に眠るアトランティス(以下、「アンチャーテッド3」)」は万人にオススメの、丁寧に作られた冒険活劇である。これまでのシリーズの楽しさを受け継ぎ、キャラクターの“過去”を掘り下げ、主人公ネイトと、彼の師匠でありパートナーのサリーとの絆が描かれる。シリーズのファンの期待を裏切らない作品だ。

 「場末の酒場での殴り合い」という超ベタなシーンがチュートリアルになってたり、「おいおい、これの後どうなるの?」というところで、いきなり過去にストーリーが飛んだりと、序盤から一気に作品世界に引き込まれる。今作は特にシナリオと演出に力が入っていると感じた。ゲーム性の部分ではパズルが特に楽しかった。個人的には、ゲームにおける過度なパズル要素は、作品世界の没入を阻害されてしまい、萎えることも多い。しかし本作の場合、「ある理由で隠された秘宝」という感じで、歴史を感じさせる大掛かりな仕掛になっていて、面白い。

 飛んでいる飛行機の中での戦いや、まるでサルガッソーのように朽ちた船が集まる場所、小さなクモが波のように押し寄せる生理的嫌悪を感じる場面など、印象的なシーンが連続する。前作を楽しんだ人には文句なくオススメする。シリーズは初めて、という人には「2」からプレイした方がキャラクター達のドラマを楽しめるかもしれない。


今作ではサリーとの絆が描かれる。ファンが満足する続編だ

(C)Sony Computer Entertainment America LLC. Developed and Created by Naughty Dog, Inc.


□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□「アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス-」のページ
http://www.jp.playstation.com/scej/title/uncharted/3/#/top/
□関連情報
【2011年11月19日】SCEJ、PS3「アンチャーテッド -砂漠に眠るアトランティス-」。
テレビCMにハリソン・フォードを起用! またも冒険の旅へ?」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20111019_484871.html

・「Dance Central 2」

多数の新機能が盛り込まれた

メーカー:日本マイクロソフト
価格:5,880円
ジャンル:ダンス
CERO:CERO:A(全年齢対象)

 体を動かすって楽しい。「Dance Central 2」は万年運動不足な筆者にすら、音楽に合わせてダンスする楽しさを教えてくれるゲームである。洋楽中心なためAKB48の楽曲を盛り込んだ「JUST DANCE」に比べると、正直日本のユーザーへのアピールは弱い。しかしKinectならではのゲーム性と、適度な難易度、ノリノリの日本語音声など、「ダンスに憧れはあるけど、自分には……」という人のためらいを吹っ飛ばす楽しさがある。

 版権の関係から、日本では前作の「Dance Central」が6月に発売され、そこから間をおかずのリリースになってしまっているが、前作を持っている人にもオススメだ。今作では2人並んで踊れるのが最大のセールスポイントだ。いち早く正確にダンスを決めるとボーナスがもらえるような対戦モードもあって熱い。指定された曲を踊る「クルーチャレンジ」や、「フィットネス」モードで様々な曲に触れられるのも、前作にはなかった要素で、色々な曲と踊りに挑戦できる。

 特に「フィットネス」モードはダンスの正確さよりも、とにかく体を動かせ! という方向性が斬新である。ダンスゲーム、リズムアクションゲームは正確さを求める方向性になりやすく、ビギナーには無理なものになりがちだが、本作は違う。またボイスコマンドが便利なのも楽しい。「場所を確保する」というのが家庭によっては大変だが、Kinectのタイトルの中でも、オススメ度の高いゲームだ。


今作では2人で踊れるのが楽しい。ボイスコマンドも便利だ
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(C) 2011 Harmonix Music Systems, Inc. All rights reserved. Dance Central, Dance Central 2, Harmonix and all related titles and logos are trademarks of Harmonix Music Systems, Inc. Dance Central 2 developed by Harmonix Music Systems, Inc. All other marks are the property of their respective owners. Microsoft, KINECT, Xbox, Xbox 360, Xbox LIVE, and the Xbox logos are trademarks of the Microsoft group of companies.


□Xbox 360のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/
□「Dance Central 2」のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/Marketplace/Product/dancecentral2/
□関連情報
【2011年11月3日】Xbox 360ゲームレビュー「Dance Central 2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20111031_487709.html

・「L.A.ノワール」

戦後直後の社会の闇が描かれる

メーカー:ロックスター・ゲームス
価格:7,770円
ジャンル:クライムスリラー
CERO:Z(18才以上のみ対象)

 「Grand Theft Auto IV」や「Red Dead Redemption」を生み出したロックスター・ゲームスの新しい推理アドベンチャー。美しく表現された1947年のロサンゼルス、鋭い視点による時代の描写、そして展開していく大きな謎を秘めたストーリー。間違いなく一級品の作品である。しかし一方で、ハマる人はハマるが、そうで無い人は戸惑いを感じる作品とも言える。「Grand Theft Auto IV」や「Red Dead Redemption」のような、爽快感のあるアクションアドベンチャーとは全く違う作品なのである。

 プレーヤーは刑事として難事件に立ち向かっていくのだが、戦争を体験した人々や、誰もがスターを夢見るハリウッドの暗部、女性の社会進出による偏見など、当時の時代が抱えていた問題をえぐり出す“社会派”のドラマになっていて、これまでの作品以上に雰囲気が重い。また、選択肢を間違っても進んでしまい、より良い評価を目指し同じミッションを繰り返すゲーム性も賛否があるところだろう。尋問パートでは相手の表情を見て心の奥を探るのだが、表情の違いが初見では判別しにくい。キャラクターの表情はとても見事だが、斬新なシステムだけに、洗練し切れてないところもある。

 そして中盤以降、プレーヤーがおぼろげに見えてきた真相に到達できずに、ゲームが進んでいく。ここがもどかしいのだ。ここはゲーム性よりもストーリーを優先した結果に思える。雰囲気やストーリーにはまりきらないと、“ズレ”を感じるところがある。しかしそれでも筆者は、この特性を踏まえた上で、「L.A.ノワール」をオススメしたい。

 戦後すぐの時代背景に、じっとりとしたドラマを描く。松本清張の作品や、たくさんのミステリードラマを作り出した日本が、どうしてこういった上質な「大人のゲーム」が作れなかったのか。欧米から出たのか、筆者は悔しさを感じる。日本人でも、この作風にベストマッチする人は多いはずだ。これこそ大人が楽しめるゲームだ。推理小説が好きな人や、「土曜ワイド劇場」などミステリー番組が好きな人は、ハードごと購入して、これ1本だけプレイしても、充分出費に見合う楽しさを体験できると思う。


人間の心の裏を暴き立てる。とても渋く、心に残るゲームだ
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(C) 2011 Rockstar Games, Inc.


□ロックスター・ゲームズのホームページ(英語)
http://www.rockstargames.com/
□「L.A.ノワール」のページ
http://www.lanoire.jp/
□関連情報
【2011年7月14日】PS3/Xbox 360ゲームレビュー「L.A.ノワール」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20110714_460337.html

・「デウスエクス」

機械の体を得た人間は、幸福なのだろうか?

メーカー:スクウェア・エニックス
価格:7,980円
ジャンル:アクションRPG
CERO:Z(18歳以上のみ対象)

 サイバーパンクを正面から扱ったSF作品である。人間の体を機械に代える。生身を切り捨て人間を越えた能力を獲得する、その時人はどう変わっていくのか。本作の主人公アダムは企業テロにより恋人を奪われ、自分の体も機械に代えられてしまう。アダムはその機械の体の能力を使い、企業テロの謎を探っていく。

 物語は機械の体を受容する世界で疑問を投げかける。アダム自身も全く望んでいなかった機械の体だが、プレーヤーは彼の体をドンドン強化していく。アダムは自分の運命を変えたサイボーグ達と同じ存在になっていく。そしてその先に何が待つのか、SFが好きな人にグッと来る物語と、テーマである。

 ゲームとしては、昔のPCゲームのようなシビアさがと理不尽さがある。かつてのPCゲーマーならニヤリとさせられる部分だ。腕に覚えのある人なら自分のテクニックを試せるし、数歩歩いてセーブして一息つく筆者のようなチキンプレイでも楽しい。1つの事柄に、いくつもの選択肢があるゲーム性も、色々なことを試すことができて面白い。独特の味があるゲームで、欧米で人気を博したのも納得できる。


人類は超人的な力を得ても、社会の不安や、対立は解消できていない
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DEUS EX (C) 2011 SQUARE ENIX LTD. Published by Square Enix Co., Ltd. SQUARE ENIX and the SQUARE ENIX logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Holdings Co, Ltd. DEUS EX, the DEUS EX logo, EIDOS, the EIDOS logo, EIDOS MONTREAL and the EIDOS MONTREAL logo are registered trademarks or trademarks of Square Enix Ltd.


□スクウェア・エニックスのホームページ
http://www.square-enix.com/jp/
□「SQUARE ENIX EXTREME EDGES」のページ
http://www.sqex-ee.jp/
□「デウスエクス」のページ
http://www.square-enix.co.jp/deusex/
□関連情報
【2011年10月20日】PS3/Xbox 360ゲームレビュー「デウスエクス」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20111020_484693.html


■ もう少しで大絶賛、だからこその“ガッカリ”ゲーム5本

・「Mass Effect 2」

メーカー:エレクトロニック・アーツ/マイクロソフト
価格:7,665円
ジャンル:SFシューティングRPG
CERO:D(17歳以上対象)

 「Mass Effect 2」では主人公シェパードの乗る船、「ノルマンディー」がいきなり撃沈されるという衝撃的なシーンから始まる。死んだと思われたシェパードはある組織に蘇生されており、彼は新しい船と共に、「宇宙全体の危機」を探るべく調査を開始する。

 前作よりシステムは洗練され、ゲーム性は充実し、世間の評価は高い。前作以上に仲間が増え、前作のキャラクターのエピソードはさらに掘り下げられて、より深く作品世界にのめり込めた。個性的な仲間と連携し、多彩な武器と「アビリティ」を使う戦闘は、エキサイティングだ。また資源を求めて宇宙を探索するのも楽しい。「最高のSFRPG」という評価も目にする作品である。「スペースオペラ」を題材にした作品でこれほどまでに質の高い作品はそれほどないだろう。

 ガッカリポイントは、「未知なる宇宙の秘密」へのロマンだ。前作は銀河宇宙に進出した人類と、そこに対して様々な思惑を持つ異星人達……人類が「銀河世界」に踏み込んだとき、何を見るか。ここが描かれていた。古典SFのような、宇宙の広大さと、そこが秘めている秘密に挑む興奮があった。しかし今作はより“人間くさい”仲間のエピソード重視にシフトしてしまった。物語そのものも、明確な敵による宇宙全体の脅威が描かれた。仲間への思い入れはさらに深くなり、ストーリーは“わかりやすい”ゲームになった。しかし、コアなSFファンの筆者は、もっともっと宇宙に眠る謎、宇宙に進出した人類が出会う驚くべき“何か”を提示して欲しかった。物語のスケールが、しぼんでしまったように感じたのだ


壮大なスペースオペラだが、荒唐無稽さは減った印象だ
Amazonで購入

(C) 2011 EA International (Studio and Publishing) Ltd. EA and EA logo are trademarks of Electronic Arts Inc. BioWare, BioWare logo and Mass Effect are trademarks of EA International (Studio and Publishing) Ltd. All other trademarks are the property of their respective owners.


□エレクトロニック・アーツのホームページ
http://www.eajapan.co.jp/
□Xbox 360のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/
□「Mass Effect 2」のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/Marketplace/SplashPages/masseffect2
【2011年1月12日】Xbox360ゲームレビュー「Mass Effect 2」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20110112_419706.html

・「セインツロウ ザ・サード」

メーカー:THQジャパン
価格:7,770円
ジャンル:クライムアクション
CERO:Z(18歳以上のみ対象)

 「セインツが帰ってきた!」街を舞台に、さらにハチャメチャに、さらに激しく暴れる「セインツロウ ザ・サード」は前作までの“ノリ”を受け継ぎ、さらにパワーアップした。序盤から飛行機を飛び降りての空中戦、海の上で戦ってから、SMクラブに潜入など先の読めない展開。彼等の大暴れは、サイバー空間まで広がる上に、ビーム兵器を使う未来戦闘機まで登場してしまう、やり過ぎなほどにスケールアップした作品だ。

 外見のカスタマイズに加え、お気に入りのスーパーカーを装甲車並みの強度を与えたり、武器に発火能力を付与したりお気に入りのプレイスタイルを追求できる。仲間も多彩で、個性的なギャングと共に敵の拠点に殴り込みをかけるのだ。自由度、やり込み度合いはたっぷりで、強力な力で思う存分お馬鹿な活躍ができるのだ。

 ガッカリポイントは、“悪役”のエピソードだ。もっともっとプロレスネタを盛り込めたし、サイバー空間は広げられたはずである。これは本作が制作半ばで方向転換したのが原因かもしれない。とはいえ、この方向転換があったからこそ、お馬鹿なノリが強調されている部分もあり、なによりプレイのしやすさは「2」より断然上である。本作により、シリーズの“路線”は確固たるものになった。開発スタッフは「『セインツ』で求められるもの」を明確につかんだと思う。だからこそ今後発売されるDLCで、悪役に対してさらに掘り下げられるエピソードが追加されれば完璧になると思う。


ハチャメチャなノリには大満足だが、悪役の扱いがもう1つ
Amazonで購入

(C)2011 THQ Inc. Developed by Volition, Inc. THQ, Volition, Inc., Saints Row the Third and their respective logos are trademarks and/or registered trademarks of THQ Inc. All rights reserved. All other trademarks, logos, and copyrights are property of their respective owners.


□THQジャパンのホームページ
http://thqgame.jp/
□「セインツロウ ザ・サード」のページ
http://www.saintsrow.jp/
□関連情報
【2011年11月16日】PS3/Xbox 360ゲームレビュー「セインツロウ ザ・サード」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20111116_491176.html

・「バットマン:アーカム・シティ」

メーカー:ワーナーエンターテイメントジャパン
価格:7,980円
ジャンル:アクション
CERO:C(15才以上対象)

 「もっと広い場所を、なによりもゴッサムシティに行きたい!」。前作「バットマン アーカム・アサイラム」をプレイした人全てがそう思ったはずだ。「バットマン:アーカム・シティ」はその夢を叶え、刑務所と化した街を思う存分飛び回れる。前作と比べマップサイズは5倍となり、オープンワールドスタイルのゲームデザインとなった。もちろんジョーカーやトゥーフェイスなどおなじみの悪役も多数登場する。

 バットマンは特殊装備を身につけているが、生身の人間である。前作での特殊装備は最初から使え、今作はさらにパワーアップさせられる。工夫することで様々な道具を使って敵を倒すことが出来、プレーヤーがやり込めばやり込むほどバットマンになりきれる。ストーリーでは、とりあえず敵の罠に必ずハマってしまうバットマンがやきもきさせられるが、ここもファンならば「バットマンは必ず敵に騙されなくちゃね!」というところだ。本当に濃いバットマンゲームである。

 ガッカリポイントは、ゲームとして前作より作りが甘いところだ。広大になったフィールドは全部刑務所になっているために、地上に降りるとどこでも即戦闘がはじまり、探索ができない。「Grand Theft Auto」シリーズの街と比べて魅力が薄い。やたら距離を移動させられるサブミッションが冒頭からあるところなど、、ゲーム性も粗い部分がある。前作は場所を限定しているからこそ楽しめたのだが、本作はフィールドを大きくしながらも、ゲーム性そのものは、前作の正当進化に落ち着いてしまった。もっとオープンワールドとしての特性を練り込んで欲しかった。


街を飛ぶバットマン! 夢が叶ったように思ったのだが

BATMAN: ARKHAM CITY software (C) 2011 Warner Bros. Entertainment Inc. Developed by Rocksteady Studios Ltd. All rights reserved.DC LOGO, BATMAN and all characters, their distinctive likenesses, and related elements are trademarks of DC Comics (C) 2011. All Rights Reserved. WB GAMES LOGO, WB SHIELD: & (C) Warner Bros. Entertainment Inc. (s11)


□ワーナー エンターテイメント ジャパンのホームページ
http://www.warnerbros.co.jp/
□「バットマン:アーカム・シティ」のページ
http://wwws.warnerbros.co.jp/batman-ac/mainsite/
□関連情報
【2011年11月21日】ワーナー、PS3/Xbox 360「バットマン:アーカム・シティ」
有村昆さんが思い入れを語り、椿姫彩菜さんはキャットウーマンで活躍
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20111116_491176.html

・「キルゾーン 3」

メーカー:ソニー・コンピュータエンタテインメント
価格:6,980円
ジャンル:FPS
CERO:D(17歳以上対象)

 「キルゾーン3」は前作での衝撃のラストから始まる。敵ヘルガスト軍のリーダーであるヴェサリを倒したものの、ヘルガスト軍は全く戦いをやめようとしなかった。主人公達ISA侵攻軍は少なくなった戦力で、絶望的な戦いを繰り広げて行く。

 飛行揚陸艇でのバトルや、空中をジャンプするように飛べるジェットパックでの空中戦、さらには潜入ミッションなど、オーソドックスなFPSだった前作に比べ、様々な新要素が盛り込まれている。新兵器や、謎に満ちた惑星の真の姿、そして内部対立を繰り広げるヘルガスト軍の上層部など、ストーリー要素も濃くなっている。

 ゲームとしては楽しいし、エキサイティングなのだが、本作でガッカリしたのは、ストーリーの大前提そのもの、「ヘルガスト軍はなんで戦争を継続できるのか」という疑問に納得できる答えが提示されなかったところだ。貧しい国力、少ない資源、軍事国家といういびつなヘルガスト軍が、なんであんなに強大兵器を作る事ができ、しかも兵士達のモチベーションを維持できるのか、その疑問はゲームが進むごとに大きくなっていった。

 「そんなに戦力あるなら、最初から出せよ!」と敵軍に対し、何度も突っ込んでしまった。だからこそ、追い詰められる自軍であるISA侵攻軍の状況に感情移入できなかったし、ヘルガスト軍にもリアリティを感じなかった。これはひょっとしたら日本と米国で戦争に対する視点のズレがあるかもしれない。“戦争の描き方”を考えさせられる作品である。


前作以上の圧倒的な戦力差で、絶望的な戦いが描かれる
Amazonで購入

(C)Sony Computer Entertainment Europe. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Guerrilla.


□プレイステーションのホームページ
http://www.jp.playstation.com/
□「KILLZONE 3」の公式サイト
http://www.jp.playstation.com/scej/title/killzone/3/
□関連情報
【2011年2月23日SCEJ、PS3「KILLZONE 3」の「ISA社 ヘルガーン社 合同会社説明会」を開催
http://game.watch.impress.co.jp/docs/news/20110223_428959.html

・「ファイターズアンケージ」

メーカー:ユービーアイソフト
価格:5,880円
ジャンル:アクション
CERO:B(12歳以上対象)

 「Kinectで格闘したい!」という誰もが思うことに、いち早く応えた格闘ゲームである。敵の攻撃をかわしパンチをたたき込む爽快感。蹴りを入れたときの興奮、そして勝利したときの疲労感。まさにKinectならではの、Kinectでしか体験できないゲームだ。

 パンチ、キック、さらに回し蹴りやバックハンドなど、プレーヤーの動きに合わせてキャラクターが動き、敵に攻撃をたたき込む。ゲージが溜まったとき、声を出して技を出すと強力な必殺技を繰り出すこともできる。一戦が終わると心地良い疲労感もあり、実際に戦ったような気持になれる。

 最初は興奮してゲームを進めていたのだが、徐々に“ガッカリ”が大きくなっていった。戦いが単調なのだ。技の相性がわかりにくく、下手な技を出すと反撃で大ダメージを喰らってしまう。このため、勝つためには相手の隙を狙う消極的な作戦となった。敵の個性も乏しく、敵との戦いがパターン化しやすかったのが残念だった。

 例えば任天堂の「パンチアウト」のように、個性的な対戦相手と、独得な攻略法があったりすれば、このゲームは大きく化けたと思う。色々な技で勝つといった「自分との戦い」が楽しめる部分もあるが、ゲーム性としてもう少しだと感じたゲームだ。


Kinectで格闘! 着眼点は素晴らしかったが、もう一ひねり欲しかったところか
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(C)2010 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Fighters Uncaged, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the U.S. and/or other countries.


□Xbox 360のホームページ
http://www.xbox.com/ja-JP/
□「「 ファイターズ アンケージ」 」のホームページ
http://marketplace.xbox.com/ja-JP/Product/Fighters-Uncaged/66acd000-77fe-1000-9115-d8025553084e
□関連情報
【2011年5月23日】Xbox 360ゲームレビュー「ファイターズ アンケージ」
http://game.watch.impress.co.jp/docs/review/20110523_447240.html

(2011年 12月 29日)

[Reported by 勝田哲也]