スクエニ、「FINAL FANTASY XI ヴァナ♪コン Anniversary11.11.11」
東京フィルハーモニー交響楽団の演奏よる、濃密かつ贅沢なコンサートが実現
ライブ冒頭に登場した田中弘道氏。「いろんな思い出を、すてきな音楽と一緒に思い出して欲しい」と挨拶 |
株式会社スクウェア・エニックスは11月11日、プレイステーション 2/Xbox 360/Windows用MMORPG「ファイナルファンタジー XI(FF XI)」のオーケストラコンサート「FINAL FANTASY XI ヴァナ♪コン Anniversary11.11.11」を開催した。演奏を行なったのは東京フィルハーモニー交響楽団。会場となったのは東京・かつしかシンフォニーヒルズ モーツアルトホール。
コンサートの冒頭、プロデューサーの田中弘道氏が登場し「2011年11月11日という記念すべき『FF XI』の日に、皆さんと一緒に過ごせないかと色々とスタッフと考え、いつもと違う雰囲気ですが、クラシックコンサートを開催しました。βテストから大体10年くらい。いろいろな思い出を、すてきな音楽と一緒に思い出して欲しい」と挨拶しコンサートはスタートした。
まず1曲目は「Procession of Heroes ~ Vana'diel March Medley」で幕開け。司会を担当した加藤英美里さんが「プライベートでも『FF XI』をプレイしていますが、(この曲を聴くと)キャラクター作成のボタンを押したくなります」と紹介したが、コンサートの幕開けを文字通り飾る1曲となった。
続いて「Ronfaure」、「Griffons Never Die」と披露され、ここで水田直志氏が登場し曲について振り返った。「FF XI」での曲作りについて「基本的にボツはないのですが、1番最初に作った曲がボツだったんです。まだ設定資料なども見ていなくて、RPGの最初の村は小さな村だろうと考えて牧歌的な曲を作ったら、『全然スケールが小さい』と言われボツとなりました」と秘話を披露。ちなみに直前に披露された「Griffons Never Die」は水田氏のお気に入りの1曲だとか。
続いて「Fighters of the Crystal」と「Ragnarok」が続けて披露され、増田いずみさんを迎え、第1部を締めくくる「Distant Worlds」が演奏された。加藤さんの「ゲームで苦労した分、増田さんの曲を聴いていろいろなものがこみ上げて感動しました」との感想に「そういったメールをたくさんいただきました。初めて曲を歌ったときは、オーケストラをバックに、妖精を声で演じているかのようでした」と語り、「Distant Worlds」を熱唱。会場からは熱い拍手が鳴り止まなかった。
第2部は「Awakening」でスタート。ここでゲストの谷岡久美さんが登場。特別なアレンジによる「The Sanctuary of Zi'Tah」と「Gustaberg」を、谷岡さんのピアノ演奏で披露。谷岡さんはこのアレンジについて「ゲームをプレイしている時の雰囲気を壊さないよう、視点を少し変えた程度のアレンジにとどめました」とコメント。谷岡氏の2曲の演奏で、会場はしっとりとした雰囲気に包まれた。さらにオーケストラをバックに谷岡さんのピアノの演奏で「Four Nations, One Sky ~ A Tribute to the Cities」が披露された。谷岡さんは「オーケストラをバックに演奏するなんて、生まれて初めてです。これも皆さんのおかげです。ありがとうございます」と感謝の意を表すコメントを残した。
ここからエンディングに向け「A New Horizon - Tavnazian Archipelago」、「Sword Songs ~ Battle Medley」、「Melodies Errant」と披露されていった。最後に水田氏は「このような本当に素晴らしいコンサートができたのは、皆さんが遊んでいただいたおかげです。コンサートは終わりますが、『FF XI』は終わりません。昨晩も新しい曲を作ってきたばかりです」と挨拶。まだまだ新展開が期待できるコメントが最後に飛び出した。
そしてアンコールで「Main Theme - FINAL FANTASY XI Version」が披露され、熱い余韻に浸りながら観客は会場をあとにした。会場には海外からの来場者も見かけられ、世界的なイベントだったと言えるだろう。東京フィルハーモニー交響楽団の演奏は時に繊細に時に迫力満点で、緩急自在に「FF XI」の世界を表現した。濃密かつ非常に贅沢なコンサートであったことは間違いない。なかなか難しいかもしれないが、こういった機会がまた実現し、より多くの人に楽しんでいただきたいと願うばかりだ。
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(2011年 11月 12日)