NVIDIA、立体視ソリューション「NVIDIA 3D Vision 2」を発表

互換性を保ちつつ明るさを2倍に改善。眼鏡のかけ心地も向上


11月中旬以降 発売予定

価格:未定



「NVIDIA 3D Vision 2」を紹介したエヌビディア ジャパンのテクニカル・マーケティング・エンジニアのスティーブン・ザン氏

 NVIDIAは10月14日、新たな立体視ソリューション「NVIDIA 3D Vision 2」を発表した。

 「NVIDIA 3D Vision」は、同社が2009年から展開している立体視ソリューション。アクティブシャッター方式の眼鏡と、120Hzの液晶モニターを組み合わせて使うことで、解像度を損なうことなく毎秒60フレームの3D立体視を楽しめる。現在までに液晶モニターやノートPCなどで60機種以上の対応製品が発売されており、550タイトル以上のゲームソフトが対応している。

 今回発表された「NVIDIA 3D Vision 2」は、そのアップグレード版となるもの。最大の変更点は、従来よりも3D立体視を明るく見せる「NVIDIA 3D LightBoost」に対応したこと。アクティブシャッター方式では、立体視を利用する際にスクリーンが暗く見えてしまうという欠点があるが、「NVIDIA 3D LightBoost」では、ゴースティング(左目の映像が右目に入ったりして残像が見える)が少ないタイミングでのみ、液晶モニターのバックライトを強くするという制御を行なうことで、従来の約2倍明るい立体視映像を実現している。

 眼鏡も従来品より改善されている。レンズの大きさは約20%拡大して視界が広くなっている。形状も変更されており、ゴーグルのように縁を出っ張らせることで、部屋の照明などの周辺光が入りにくくなっている。また耳当ての部分も平らな形状にすることで、眼鏡の上からオーバーイヤータイプのヘッドフォンを使った時の快適性を向上させている。またキーボードなど、画面以外の周辺を見た際の明るさも改善されている。

 従来品との互換性もあり、「NVIDIA 3D Vision 2」の眼鏡は従来のモニターでも使用可能。「NVIDIA 3D Vision 2」対応のモニターと従来の眼鏡の組み合わせでも使用できる。ただし「NVIDIA 3D LightBoost」は、「NVIDIA 3D Vision 2」対応の液晶モニターと眼鏡の組み合わせでのみ利用できる。

 ソフトウェア側の対応は不要で、「NVIDIA 3D Vision」に対応したソフトは全て「NVIDIA 3D Vision 2」に対応する。必要なビデオカードやPCスペックにも変更はない。

 北米では10月発売予定で、眼鏡とIRエミッターをセットにしたワイヤレスキットが149ドル、眼鏡単体が99ドル。日本では11月中旬以降に発売される予定で、価格は未定。対応する液晶モニターはASUSから27インチの製品が発売予定となっている。従来の対応モニターは21インチないし23インチだったが、今回27インチの製品が登場することもトピックスとなっている。


従来品との比較。眼鏡のレンズが大きくなり、「NVIDIA 3D LightBoost」によって明るさも増している
眼鏡の形状も変更され、横から周囲の光が入りにくくなった。ヘッドフォンの同時装用でもより快適に使える従来品との互換性も保たれている。ただし「NVIDIA 3D LightBoost」は「NVIDIA 3D Vision 2」対応の組み合わせでのみ利用できる立体視だけでなく、2D表示時に120Hzの滑らかな映像を表示できるのも「NVIDIA 3D Vision」対応モニターの強み
ソフトは「NVIDIA 3D Vision」対応であれば「NVIDIA 3D Vision 2」でも利用できるASUSの27インチ液晶モニターは日本で発売される予定。その他の製品は今のところ未定となっている北米での価格は149ドル。日本でも従来品と変わらない程度の価格で発売されそうだ
ゴーグルのような覆いがついた新型の眼鏡。周囲の光が入りにくくなったおかげで、立体視の映像をより鮮明に出せるという効果もある
電源ボタンは左側のロゴ横にある。この下にはUSBコネクタがあるつるの部分は従来品より厚くなり、当たり方もソフトになったASUSの27インチモニターによるデモ。従来品との比較で、立体視の明るさがはっきりと向上していた

(2011年 10月 15日)

[Reported by 石田賀津男]