ネクソン、MOアクションRPG「マビノギ英雄伝」先行体験レポート
チュートリアル、新ミッション、コンボや鉤鎖アクションをたっぷり体験


11月3日よりクローズドβテスト開始予定




 株式会社ネクソンは11月3日よりクローズドβテストを予定しているMOアクションRPG「マビノギ英雄伝」のメディア向け先行体験会を実施した。体験会では先日取材したユーザー向け体験会と同じバージョンのクライアントで、前回とは違うミッションを体験することができた。

 今回は、オープニングムービーとチュートリアル、キャラクター作成と最初のミッションである「傭兵団訓練場」とレベル10以上のミッション「氷の渓谷」を紹介する。ゲームの基本要素はユーザー向け体験会の記事で紹介しているので、今回はより細かい部分をチェックしていきたい。



■ 異変の起きた村、悲しみに暮れる巫女。壮大な物語が始まる

キャラクター選択画面。今回は「リシタ」と「フィオナ」が選べた
巫女ティイ。「マビノギ」のナオのような、本作を象徴するキャラクターだという
キャラクター作成画面。造形の整ったキャラクターだ

 ゲームではまず作成するキャラクターを選ぶ。今回は両手に片手剣を持ち、スピードを活かして敵を切り刻む男性の戦士「リシタ」か、盾と片手剣を使う防御と攻撃のバランスのとれた女性の戦士「フィオナ」を選ぶことができた。これらのキャラクターには名前が付いているが、いわば「キャラクタータイプ」というべきもので、実際はプレーヤーが彼等の外見を決め、好きな名前を(他プレーヤーと被らなければ)付けることができる。

 キャラクターを選択するとムービーが始まる。攻城戦に使うような巨大な石弓「バリスタ」に矢をつがえる兵士達。狙っているのは巨大な蜘蛛だ。蜘蛛は巨大な鐘を設置した塔を上っていく。兵士の隊長が攻撃命令を出そうとした瞬間、1人の少女がバリスタの前に立ち、両手を広げる。「少し時間を下さい、私が話をしてみます」。

 少女の名前はティイ。村の巫女であり、蜘蛛と交感する能力を持っていた。蜘蛛は本来は村の守護神だった。しかし最近蜘蛛の様子がおかしい。村に雇われた傭兵団は蜘蛛の排除を決意したのだった。必死に止めるティイに傭兵団の隊長は願いを聞き入れ、彼女を護衛して鐘塔の中に入る。すると突然あたりが結界で封鎖され、黒いもやの中から魔族が現われた。魔族達の不意打ちに傭兵達は次々と倒される。傭兵は倒れる寸前プレーヤーキャラクターを見る。「新入り……巫女様を頼む」。チュートリアルでは、プレーヤーはティイを守りながら塔を上っていく。

 チュートリアルでは画面にキーが表示され、操作を学びながら戦闘ができる。左クリックで通常攻撃、右クリックで強攻撃。左クリックを押した回数で右クリックでの技が変わってくる。体験会ではマウス右ボタン押しっぱなしで溜め攻撃が放てたが、チュートリアルではできなかった。溜め攻撃などの技はスキルという扱いでレベルアップして覚えていくものだという。

 Eキーで敵や物を掴み、再度Eキーで投げることができる。敵を掴んでいるときは左クリックだとホールドしたまま敵を殴り、最後は膝蹴りを食らわした。右クリックでは敵を持ち上げ敵の背中をヒザの上に落下させる、バックブリーカーを繰り出した。右クリックは状況によって出る技が違い、他の敵がいる場合にはその敵にぶち当てるように敵の体を蹴り、壁際の時は壁に投げつけてから体当たりを食らわした。状況によって変化する技は試してみるのが楽しかった。また樽をつかんでるときは左クリックでは樽を振り回して殴ったりする。

 チュートリアルでは途中、ティイが倒れてしまう。彼女の体を抱え、塔の外縁で敵と戦うシーンがあるのだが、高さの表現が怖い。塔の上では巨大な蜘蛛との対決になる。細かい毛が生えた蜘蛛は生理的な嫌悪感を生む。途中バリスタの援護があり、空から槍のように大きな矢が降り注いでくる。この矢は引き抜いて武器にするのも可能だ。一定ダメージを与えると蜘蛛は逃げだし、そして全身をバリスタの矢に貫かれ、鐘の下敷きになって絶命する。ティイは蜘蛛の体に取りすがって泣く。それをじっと観察していた影を映し出し、チュートリアルは終了する。

 チュートリアルの後に、キャラクター作成画面となる。今回はフィオナを試してみたが、髪型や肌の色を変えただけで大きくイメージが変わる。身長や、胸の大きさも変えられる。縦ロールのお嬢様ヘアから、ドレッドヘアまで色々な髪型があって面白い。瞳の色や表情なども変更可能だ。外見を決定すると、いよいよ冒険の開始となる。クエストを受け、NPCと会話ストーリーを進めながら、船着き場から様々なMOミッションに向かっていくのだ。


異常な行動を起こす守り神。傭兵達は排除を決意するがティイが止めに入る
塔に入った者はプレーヤーキャラクターをのぞいて倒されてしまう。ティイを守りつつ進んでいく
ティイを抱えて進む場面も。巨大な蜘蛛との対決中には空からバリスタの矢が降り注ぐ
ティイの思いは届かず倒されてしまう蜘蛛。それを見つめる怪しい影。物語はこうして始まるのだ
フィオナの作成画面。髪型や肌の色、目の色などを変えると大きくイメージが変化する。リアルな方向性のキャラクターデザインだ


■ 大掛かりな仕掛けや、「鉤鎖」のアクションなど、本作の可能性を探る

船着き場の猫が売っている投擲武器。ゲーム内での設定が気になる
アーマー収集のクエスト。詳細はテストで確かめてみたい

 「マビノギ英雄伝」では船着き場の掲示板の前に立ち、ミッションを選ぶことで「船」を作り、MOフィールドへ向かう。船は他のゲームのロビーにあたり、ここではオブジェクトをガンガン壊したりもできる。開始時はキャラクター達の顔がアップになる演出も面白い。

 今回挑戦した「傭兵団訓練場」は「マビノギ英雄伝」での最初のミッション。チュートリアル同様キー操作の画面が表示される。操作説明では別ウインドウでキャラクターがアニメーションで動いているのが細かい。このアニメーションの演出はスキルの説明でも使われている。傭兵団訓練場の敵は丸太を組み合わせた「ウッドマン」で、かなり弱くなぎ倒していける。

 ここではフィオナを使ったのだが、強攻撃の盾を構えての体当たりが爽快だった。また数発斬ってからの強攻撃の場合敵を蹴り飛ばす。吹っ飛んでいく敵が楽しい。敵をつかんだときのアクションや、敵から奪ったモーニングスターを振り回してみたり、様々なアクションを試すことができた。日本のコンシューマーゲームにも劣らないアクションは、格闘ゲームのプレーヤーも楽しめると感じた。

 フィオナはスペースキーを押すと盾を構える。ボスの「ウッドマン番人」の攻撃はこれでガードし、隙を突いて連続技をたたき込む。ちなみにリシタはスペースキーでバックダッシュして攻撃をかわす。力押しだけでなく相手の攻撃に合わせたアクションも学んでいく。ボスや敵を倒すと、黒いもやのような「イーヴルコア」が落ちる。これを拾うと様々なアイテムが入手できる。

 次に挑戦したのはレベル10以上のミッション「氷の渓谷」だが、その前に準備してみたいものがあった。韓国などで見た「マビノギ英雄伝」のプロモーションムービーでボスの動きを止める「鉤鎖」を使ったアクションだ。鉤鎖はミッション中に使える投擲武器のようだが、街には売っていなかった。調べたところ、何故か船着き場の猫が販売していた。一体どういう設定になっているか、今後調べたいところだ。猫は他にも爆弾なども売っていた。投擲武器は槍や鉤鎖、爆弾などがありミッション中は変更できない。パーティーメンバーと打ち合わせて役割を決める感じだ。

 「氷の渓谷」は氷に包まれたダンジョン。敵は手足の細いヒューマノイドタイプのモンスター「コボルト」だ。こちらではリシタを使った。素速い動きで敵を切り刻めるのは爽快だった。途中、カメラが強制的に固定され天井にあいた穴を見上げる形になる。そこからは他のミッションでのボスとなる「ジャイアントホワイトベア」が現われ、こちらに威嚇の叫びを上げた。巨大な敵が穴の向こうに現れるという構図は、特撮番組のようで面白かった。

 またこのミッションではスパイクの生えた釣り天井が登場する。レバーを攻撃すると天井が落下し、その下の敵を串刺しにする。今回は広報スタッフと2人でプレイしたのだが、間違ってスタッフの人が通路を進んでいるときに天井を落としてしまった。天井にはさまれると一撃で死んでしまう。筆者は慌てて謝った。こういうことも起こりえるので、仲間を復活させる「フェニックスの羽」は常に持ち歩きたい。

 ボスは巨大なコボルト「利口なトゥインク」。ここで鉤鎖を使ってみたのだがうまく足止めできなかった。何度か試したところ、偶然成功した。利口なトゥインクが斧を力一杯振り下ろす攻撃をしたとき、氷に斧が刺さり引き抜こうと隙だらけになる。このときに鉤鎖を打ち込むと利口なトゥインクは一定時間倒れ殴り放題になる。今回実際に使ってみて、有効に使うには様々な条件があることを実感した。攻略しがいがある要素だろう。

 今回の体験はここまでだったが、他にも街で装備のセットを集めるクエストがあったり、様々な要素が詰め込まれているのが確認できた。筆者は韓国や北米で実装されているジャイアントのキャラクター「カロック」を個人的に楽しみにしている。年末にかけて「マビノギ英雄伝」の今後の展開に注目していきたい。


掲示板でミッションを選び、出発する。船の上で大暴れできるのが楽しい
木を組み合わせた敵が相手となる。強攻撃やつかみ攻撃の使い方を学んでいく
ボスとの戦いでは、防御も学ぶ。倒すと様々なアイテムが手に入る
氷の洞窟での戦い。巨大熊の顔見せや釣り天井など様々な要素も盛りこまれている
ボスとの戦い。鉤鎖は使うタイミングが重要なようだ

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(2011年 10月 13日)

[Reported by 勝田哲也]