ネクソン、MOアクションRPG「マビノギ英雄伝」の先行体験会を実施
2人のキャラでボス討伐ミッションを体験。CBTは11月3日より!


10月1日開催

会場:テクノブラッド大会議室



 株式会社ネクソンは9月28日、MOアクションRPG「マビノギ英雄伝」の先行体験会を東京・テクノブラッド大会議室で実施した。先行体験会では抽選より選ばれたユーザーがゲームを体験したほか、本作のクローズドβテストが11月3日より実施されることが発表された。本稿では先行体験会での発表内容と、さらにゲームメディアもゲームを体験できたのでインプレッションをお伝えしたい。

 弊誌でも何度か取り上げている「マビノギ英雄伝」は、韓国NEXONが開発したMOアクションRPG。韓国では2010年1月に正式サービスが開始され、欧米市場を意識したアクション性の高いタイトルであることから、先行して北米でもサービスを開始している。MMORPG「マビノギ」の世界の遙か前の時代を舞台として、プレーヤーはこの世界を脅かそうとする、魔物達に立ち向かっていく。アクション性の高い戦闘と、リアルなグラフィックスが魅力の作品だ。



■ 「マビノギ」の前の時代を舞台とした、リアルで美しいMOアクションRPG

ゲームの説明を行なったネクソン運用部運用3チーム杉本誉幸氏
司会を担当したマーケティング室マーケティングチームの佐野康行氏
先行体験会で何人かのユーザーに声をかけてみたが、「マビノギ」をプレイしている人が多かった

 体験会は、抽選で選ばれたユーザーを招く形で行なわれた。イベントではネクソンマーケティング室マーケティングチームの佐野康行氏が司会を務め、運用部運用3チーム杉本誉幸氏によりゲームの概要と今後のスケジュールが発表された。

 「マビノギ英雄伝」は世界を脅かす魔物達と戦うMOアクションRPG。MMORPG「マビノギ」の過去の世界を舞台としているが、黒い翼を持つ女神「モリアン」が物語に登場したり、街の鍛冶屋に「ファーガス」というNPCが登場したりと「マビノギ」と共通のキャラクターが登場する。スキルにも休憩する「キャンプファイア」や、周りの敵を攻撃する「ウインドミル」など共通するスキルもあるという。

 「マビノギ英雄伝」の大きな特徴は、米Valve Softwareが開発したSourceエンジンによるリアルなグラフィックスと、多彩なアクション要素だ。金属の光沢や、水面の反射など物の質感を美しく表現し、さらに、キャラクターのアクセサリーや、兜に付いた房飾りなどが物理エンジンで揺れる。アクションは連続で切り刻んだり、まとめて切りつける派手で爽快な斬撃アクションに加え、回避、盾での防御など敵の攻撃に対応することで有利に戦いを進められる。また敵やオブジェクトをつかみ投げ付けたり、鎖を投げつけ敵の動きを止めたりといった要素もある。

 「マビノギ英雄伝」では使用できるキャラクタータイプはあらかじめ決まっており、プレーヤーは数タイプからキャラクターを選び、外見や使用スキルをカスタマイズしていく。今回紹介されたのは「リシタ」、「フィオナ」、「イヴィ」の3キャラクターで、今後使用キャラクターはアップデートで増えていく予定だ。

 リシタは両手に片手件を持ち、スピードを活かして敵を切り刻む男性の戦士のキャラクター。攻撃に特化し、連続攻撃で敵を斬る。2つに分かれる長槍「デュアルスピア」も使いこなす。フィオナは盾と片手剣を使う、防御と攻撃のバランスのとれた女性の戦士。パーティ全体の盾ともなるキャラクターだ。「ロングハンマー」という、動きは重いが敵に大ダメージを与える武器が使える。

 イヴィは強力な攻撃魔法と、回復魔法を使う女魔法使い。さらに「マビノギ」にも登場した「錬金術」を使い、ゴーレムを使役することもできる。体力に難があるが、防御魔法の「マナシールド」を使うことができる。巨大な鎌「バトルサイズ」で物理攻撃と魔法を組み合わせた攻撃もできるという。

 杉本氏はさらにモンスターや冒険の舞台を紹介した。巨大なハンマーを持つノール種族のボス「ノールチーフデン」は駆け出し冒険者の壁となって立ちはだかるという。氷に閉ざされたダンジョン「氷谷」のボスモンスター「イミルク」は強固な鎧に身を包んでいる。ダメージを与えるためにはこの鎧を破壊する強力な攻撃を与える必要がある。

 巨大な熊「ジャイアントホワイトベア」は最も巨大なモンスターで動きを止めるには複数のプレーヤーが鎖で動きを止める必要がある。「アユルン」というダンジョンに登場する「カリッシュ」は派手な攻撃をする敵。彼の攻撃は強力で、敵の攻撃は回避を心がけなくてはいけない。炎をまとった「プリンス」は今回紹介するモンスターの中で、最強の敵だという。

 冒険の舞台となる最初のマップは「廃墟」。かつては古代種族の都市だったが、今はノール種族が住み着いている。次が人が踏み入れることのなかった氷に閉ざされた場所「氷谷」。ここには伝説の種族「イェティ」が暮らしている。3つ目が「アユルン」。元々はカボチャ祭りが有名だった小さな村だったが、異界の存在により侵略されゴーストタウンになってしまっている。フィールドは高低差があったり、トラップがあったり、吊り橋が突然落ちたりと、様々なギミックやトラップがあり、これらを活用した戦い方をすることで有利に進めることができると杉本氏は語った。

 この後、杉本氏は「NEXONの公約」として、「月1回のアップデートの実施」、「より一層のセキュリティ対策の強化」を掲げた。韓国でサービス開始時に指摘されたコンテンツ不足という問題に対して、日本ではアップデートを頻繁にすることで対応していくという。セキュリティに関してはワンタイムパスワード、2次パスワードに対応することでアカウントハックといった問題に対処していくということだ。そして説明の最後に本作のクローズドβテストが11月3日に開始されることが発表された。またこの体験会は大坂でも実施される予定で、詳細は後日発表されるとのことだ。


「マビノギ英雄伝」では3人のキャラクターでプレイできる。左から「リシタ」、「フィオナ」、「イヴィ」。使用キャラクターは今後順次追加されていく
登場モンスター左上から、「ノールチーフデン」、「イミルク」、「ジャイアントホワイトベア」、「カリッシュ」、「プリンス」。NPCの中には「マビノギ」と共通のキャラクターも
冒険のフィールド。美しいグラフィックスと多彩なギミックに期待したい


■ パーティープレイで強敵“ノールチーフデン”に挑む。船の形のロビーなどユニークな要素も

スタート地点の村「コレン」。ここで買い物をして準備を整え、仲間を募って出発する
船着き場の掲示板。挑戦するミッションを選ぶ
巨大なハンマーを振るノールチーフデン。今回は復活しまくって力押しで倒してしまったが、実際のプレイではキャラクターのポテンシャルを活かして挑みたい

 杉本氏はゲームの説明の後、キャラクターメイキングを実演して見せた。「マビノギ英雄伝」はキャラクタータイプ、性別は固定されており、「リシタ」は美形の男性で、「フィオナ」、「イヴィ」は美女。キャラクターのバリエーションは「マビノギ」ほど幅広くはないが、リアルでありながら日本人にも受け入れやすい、柔らかな雰囲気がある。種族はいまのところ人間のみとなっているが、今後ジャイアントが追加される予定となっている。

 髪型や肌の色、目の色や眉の形を変えるだけで大きく雰囲気が変わる。また身長を変えたり、普段の立ち姿も設定できる。武器を構えたり、背をそらして立ったり、腕組みをしたり、こういったところでもキャラクター性を主張できる。女性の場合は胸の大きさも設定できる。将来まとうことになる装備もいくつか見ることができる。今後髪型などは追加されていくという。面白いのはSourceエンジンによる物理演算をこのキャラクター作成画面でも見ることができるところ。キャラクターモデルを動かすとふわりと髪が揺れたり、装備が動く。作っていて、思わずキャラクターをぐりぐりと動かしてしまう。

 キャラクター作成の後基本操作の説明が行なわれた。「マビノギ英雄伝」はキャラクターの姿が常に見えるTPS風の画面となっている。操作方法はマウスで視点移動しキーボードでキャラクターを操作するタイプと、キーボードのみで操作するタイプが選択できる。マウス+キーボードはWで前進、AとDで左右移動というFPSでおなじみの操作で、キーボードの場合はスペースキーを押すとカメラがキャラクターの正面にカメラが移動する。また、ゲームパッドの対応も予定している。今回は1つずつボタンを設定しなくてはならなかったが、今後は数パターンの設定を用意し、ゲームパッドでも楽しめるようにする予定だ。

 今回はマウス+キーボードの操作で体験してみたが、左クリックで通常攻撃、右クリックで強攻撃。強攻撃は弱攻撃の回数で出る技が変わるほか、溜め押しすることで強力な技が出る。Eキーでものを拾ったり敵をつかむ。Fキーは投擲武器の使用、1~6の数字キーでショートカット発動。スペースキーでリシタは回避、フィオナは盾で防御する。

 「マビノギ英雄伝」は巨大な石柱が壊れて破片になったものをつかめたり、敵の武器を拾って投げたりと、つかみと投げのアクションが充実している。敵をつかみ上げ床にたたきつけたり、壁際では壁に押しつけたりと場所でも変わる。アクションはかなり凝っており、練習することでキャラクターのポテンシャルを引き出していけそうだ。

 実際にゲームをプレイしてみたが、MMO空間である村に集まり、パーティーを組んでMOマップに移動するというスタイルだ。スタート地点の村「コレン」はのどかな小さな村。1つの建物の中には複数のNPCがいて、話しかけることで取引ができたり、ストーリーが進行する。NPCはイラストで表示されており、油絵風のタッチが面白い。街中は犬が走り回っていたり、オブジェクトの細かさをチェックするのも楽しい。

 パーティーを組むと船着き場からスタートとなる。船着き場には掲示板があり、ここにのっているミッションをパーティーリーダーが選ぶ事で挑戦できる。掲示板から挑戦するコンテンツを選ぶという方式は「マビノギ」の影ミッションと同じ方式だ。パーティーは4人まで組むことができ、コンテンツの難易度は「Normal」、「Hard」、「Heroe」と変更できる。また「騎士の誓い」という項目があり「12分以内で戦闘勝利」、「ライフポーションを使わずに戦闘勝利」といった条件を達成すると評価が上がる。

 パーティーリーダーがミッションを選ぶと船着き場に「船」が現われる。ここがミッションスタートのためのロビーとなる。面白いのはこの船の上で大暴れできること。船の上には冒険の準備のためか、果物を入れたカゴや樽など様々なものがあるが、武器でこれらを破壊できる。オブジェクトを壊してもゲームには何の影響もないため、他のメンバーが準備完了をするまで船の上はいつもメチャクチャになってしまうだろう。ミッションスタート次にはそれぞれのキャラクターにカットシーンの演出が入る。自分のキャラクターが大写しになるのは楽しい。

 今回挑戦したミッションではノールがすみついてる廃墟が舞台となった。襲いかかってくるノールに4人で立ち向かう。キャラクターが剣を振ると、ノールの血が飛び散る。剣でのアクションや多数の敵を相手にするところなどは「真・三國無双」シリーズを思わせるが、モンスターが血を吹き出して倒れたり、敵をつかんで叩きつけたりと、よりバイオレンスな雰囲気だ。攻撃は爽快で、クリックし続けるだけで敵が倒れていく。左クリックを連打してから右クリックで様々な技が出るのも面白い。技の中には敵を気絶させるキックなどもあって戦い方を覚えたいと感じた。

 リシタは2刀流で素速く敵を切り刻み、フィオナは盾による打撃も交えて戦う。ザコモンスター相手には剣を振って倒せるが、強力な敵に対して対処する方法はリシタは回避、フィオナは盾で戦い方も異なってくる。今回は体験できなかったが、魔法使いのイヴィはまったく戦い方が違ってきそうで楽しみだ。

 ボスモンスターは「ノールチーフデン」。ハンマーを振り回す強敵で、今回に関しては回復薬を多用し、4人で取り囲んでタコ殴りにするという力押しで倒した。「マビノギ英雄伝」では敵の動きを止める鎖を投げつけるアクションがあるが、今回は試すことができなかった。気絶攻撃など、もっとゲームをやり込めば対処できそうだが、何度もたおされながらの戦闘になった。ちなみに仲間を復活させるアイテムは「フェニックスの羽」という「マビノギ」と共通のアイテムだった。

 敵をつかんでからのアクションが楽しかったり、置いてある樽や石の破片、敵の体も投げつけられたり、アクションが豊富で、「マビノギ英雄伝」の戦闘はエキサイティングで楽しいと感じた。街の中では服も売っていて、アバター要素も楽しそうだと感じた。個人的にちょっと気になったのは女性の「胸揺れ」で、厚手の服だとわからなかったのだが、薄い服や下着姿で走ると強調しすぎな感じで揺れる。好みがわかれる要素だが、不自然だと感じる人もいそうだ。他にも柱の横だと寄りかかったり、焚き火の側で腰掛けたり、街中では特別なアクションができる場所があり、そういった場所を探すのも楽しそうだ。今後「マビノギ英雄伝」は弊誌でもさらに取り上げていく予定なので、期待して欲しい。


キャラクター作成画面。肌の色や髪型で大きく雰囲気がかわる
スタート地点のコレン。建物の中はメニューのみのシンプルなものだ。ファーガスは「マビノギ」プレーヤーならなじみ深いキャラクター。時代を超えて登場する
ロビーとなる船。オブジェクトを破壊できる。スタート時にはキャラクター1人1人がアップになる
2本の剣を振るリシタ。素速く敵を切り刻む。パーティーでの攻撃の要となるキャラクター
こちらはパーティーの盾となるフィオナ。重い攻撃を繰り出す
強敵のノールチーフデンはハンマーを振り回し近づけなくなる。どう止めるかがテーマとなるだろう
つかみアクション。敵をつかんで強攻撃をするとバックブリーカーを繰り出すことができる
村で買える服。右は焚き火の周りで座るキャラクター。オブジェクトで様々なアクションができるという

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(2011年 10月 4日)

[Reported by 勝田哲也]