昨年の東京ゲームショウに続き、iPhoneの楽しみや最新アプリを紹介するイベント「iLove iPhone」シリーズの番外編として「iLove iPhone in Tokyo Game Show」が今年も開催された。モバイル＆ソーシャルゲームコーナー内のGames for Smartphone & tabletに出展している各ゲームメーカーが登壇し、最新ゲームの紹介や今後の戦略、未公開のタイトルなどの発表を行なった。

■ タイトー

タイトー ON!AIR事業部 ゲームデザイナー 石田礼輔氏

　株式会社タイトーは、ON!AIR事業部 ゲームデザイナーの石田礼輔氏が、自らが制作した最新作「GROOVE COASTER（グルーヴコースター）」を紹介。ゲームがリズムに合わせてタッチしていくものなのでリズムゲームのジャンルで呼ばれているが、石田氏は「いままでにないプレイ感覚のなので、グルーヴゲームという新ジャンルを提唱させていただきたい」と語った。その「GROOVE COASTER」は近日中にバージョンアップを行ない新曲をいくつか追加する予定だという。そのうちの1曲は、「ダライアスバースト」の人気曲「Hello 31337（小倉久佳音画制作所）」が用意されていることを明かし、ゲームショウ会場で先行体験できることも紹介した。なお、追加曲は無料のものもあれば、有料のものもあるという。さらに楽曲追加以外の大幅なバージョンアップを予定されていることも発表した。

　石田氏は「今後も既存のタイトルとオリジナルタイトルを開発していく」と述べ、サプライズとして現在開発しているゲームの戦闘機を披露。この赤い機体のドット絵は「レイフォース」のものと思われる。シューティングゲームファン待望の名作が遊べる日も近いのかも知れない。

■ セガ

源平大戦絵巻開発チーム 悪徳プロモーター キラ★ロッソ氏（左）と、平家の末裔 新小田夢童氏（右）

　株式会社セガは、「源平大戦絵巻」でおなじみの悪徳プロモーター キラ★ロッソ氏と、虚無僧の姿をした新小田夢童氏が登場し、同作をプロモーション映像とともに紹介した。キラ★ロッソ氏がゲーム説明をするなか、なぜか新小田夢童氏が終始ステージの中央に立ち、いろいろなポーズを取っていた。そのためスクリーンを紹介する写真のすべてに映り込んでしまっている。

　キラ★ロッソ氏は「源平大戦絵巻」の実績として日本国内で10万ダウンロードを突破したことを明かし、その後9月1日から「SAMURAI BLOOD SHOW」のタイトルで全世界配信を行なったことを紹介。さらに、9月末から10月にかけて無料のアップデートを行ない、新曲の配信や新ステージの追加、バランス調整を実施することも明かした。

　最後にサプライズとして、続編となる「百鬼大戦絵巻」を開発していることも発表した。開発中の画面には、大ボスや超大ボスなどの大きなキャラが登場することや、大将が参戦して戦うことも明らかにした。こちらの配信予定日は未定となっている。

■ ゲームロフト

ゲームロフト ビジネス部 PRマネージャーの稲葉芳恵氏

　ゲームロフト株式会社は、広報担当の稲葉氏が登壇。まず同社がこれまでに全世界100カ国以上で配信し、iPhone/iPod touch用が90タイトル以上、iPad用が50タイトル以上にもおよび、さらに年内に15タイトルを配信することを明かした。

　配信中のゴルフゲーム「レッツ！ゴルフ3」では、大幅アップデートを来月に行なうことを発表。新コースや新アイテムの追加などを予定していることなどを紹介した。その中でも驚きの情報なのが、AppleTVを利用してiPhoneやiPadからAirPlayでテレビに映して遊べるようになる新機能だ。まるでiPhoneやiPadがコンシューマーゲームのように家の大画面テレビで遊べるようになり、それらのコントローラーとしてiPhoneやiPadが使われる。ちなみにこれはiOS 5から搭載される新機能を使ったものになる。

　また、今秋配信予定の2つの新作タイトルもプロモーション映像とともに紹介された。1つは人気FPSシリーズの最新作「モダンコンバット3: Fallen Nation」で、前作よりも精細で美麗なグラフィックスを実現し、よりリアリティや迫力あるものになっている。ゲーム内容も前作よりグレードアップし、マルチプレーヤーモードでは最大12人が参加して6種のモードで対戦できることや、武器にアタッチメントを追加してカスタマイズできるようになったことを発表した。

　もうひとつは、ギャングアクションゲームシリーズの最新作「ギャングスターRIO: City of Saints」。今作ではリオデジャネイロを舞台に暴れ回れるようになっている。しかもナイトクラブや病院など、10施設以上の建物の中に入れるようになることや、NPCが増えて街が活気あふれるものになっていることも明かした。さらに戦車や飛行機などの乗り物に乗れることや、ナタや爆発するサッカーボールなど新しい武器が用意されていることも紹介した。

■ コナミデジタルエンタテインメント

コナミデジタルエンタテインメント SNS事業統括室 樺沢尋之氏

　株式会社コナミデジタルエンタテインメントからはSNS事業統括室の樺沢尋之氏が登場し、音楽シミュレーションゲームの取り組みと今後の展開を紹介した。まず「jubeat plus」の新しい楽曲パックを今後も続々と追加していく予定で、その中の1つとしてAKB48によるユニット「渡り廊下走り隊7」の「へたっぴウインク」を収録した楽曲パックが近日配信予定であることを明かした。イベントでは「へたっぴウインク」のプロモーションPVも流した。

　さらに、アーケード用の対戦型リズムアクション「REFLEC BEAT」をiPad用として配信することを発表した。価格は未定で、配信は2011年内の予定となっているが、実機デモも見せていたので、そう遠くない時期に配信されそうだ。

■ タカラトミーエンタメディア

タカラトミーエンタメディア デジタルメディア部 プロデューサー 森下将和氏

　株式会社タカラトミーエンタメディアはデジタルメディア部 プロデューサーの森下将和氏が登壇し、配信中の親子で楽しめるアプリ「ファミリーアップス」を説明した。アプリを構成する「まなび」や「あそび」の要素などを丁寧に解説し、タカラトミーグループや協賛企業との取り組みなども紹介した。

■ チュンソフト

チュンソフト 事業推進部 谷口浩子氏（左）、黒川氏（右）

　株式会社チュンソフトは、事業推進部の谷口浩子氏がコンシューマーで人気のサウンドノベルゲーム「428 ～封鎖された渋谷で～」のiPhone版を披露した。ゲームは渋谷で起きた誘拐事件を中心に、見ず知らずの5人の主人公の運命が絡み合っていく内容になっている。ステージ上では実機を使って黒川氏がデモンストレーションを行ないながら、谷口氏が解説していく形で進められた。

　移植にあたって操作感の部分でこだわりをもって開発していることを明かし、iPhoneで片手でも快適に操作できるように工夫されたインターフェースがを紹介した。画面をタップしながら物語を読み進めていき、タイムチャートの切り替えや読み戻しなどもフリック操作で快適に行なえる。配信日や価格は未定となっているが、かなりできあがっている様子なので、近いうちに配信されそうではある。最後に谷口氏は、本作の反響次第で他のサウンドノベルシリーズをiPhoneに移植する可能性があることも明らかにした。

■ Neurowear

Neurowear 加賀谷友典氏

　ゲームアプリではないが、Neurowearが現在開発中のニューロコミュニケーションマシン「necomimi」が加賀谷氏によって披露され、これまでの開発の経緯や資料などが紹介された。これは、脳波に反応して頭に装着したネコミミが動くというもので、集中すると耳が立ち、リラックスすると耳が垂れ下がる。2012年の発売を目指して開発中で、脳波の状態などを見られるAndroidアプリも開発されている。iPhoneやiPadなどのiOSデバイスにも対応予定としている。

■ アプリヤ

アプリヤ 新城健一氏

　最後にイベントの司会を務めたアプリヤ株式会社の新城氏が、去年と同様にiPhone3G国内販売直後から最近までにランクインしたiPhoneゲームの日本ランキングを分析し、その考察を発表した。売上ランキングの分析によると、最近伸びているゲームアプリは、アプリ内課金（In-App Purchase）を採用したタイトルで、それらのアプリでは売上上位に長期に渡ってランクインする傾向があると述べた。そしてこの傾向はこれからも続くだろうと締めくくった。