東京ゲームショウ 2011レポート
ゼニマックス、PS3/Xbox 360「Skyrim」日本語版を初公開
ついに完成に近づいてきた超弩級RPG、日本語吹き替えも実装開始!
ゼニマックス・アジア株式会社は、開発子会社である米Bethesda Softworksが現在開発しているRPG「The Elder Scrolls V: Skyrim」(以下、「Skyrim」)を東京ゲームショウにプレイアブル出展した。これに合わせて幕張メッセ近くのホテルを会場にメディア向けの試遊会を開催した。日本語版の試遊はこれが初めての機会で、ローカライズ作業の順調な仕上がりを確認することができた。本稿ではメディア向けプレビューの模様を大量のスクリーンショットと共にお届けしたい。「Skyrim」日本語版は2011年12月発売予定で、価格は未定。なお、試遊会では来月10月6日に発売を予定しているFPS「Rage」の試遊および開発者インタビューも行なわれた。こちらは別稿にて詳しくお届けするつもりだ。
北米では11並びの2011年11月11日、日本では12月の発売を予定している「Skyrim」の日本語版がいよいよ秘密のヴェールを脱いだ。もともと当初の予定では東京ゲームショウは「Rage」一本に集中し、「Skyrim」を出展する予定はなかったということだが、世界的にも高い注目を集めている大作であることから、8月に開催された米国のゲームイベントPAX 2011に出展されたバージョンをベースに、急遽日本語データを組み込み、日本語版の試遊台を出展することに決めたという。
このため、日本語の組み込みは完璧ではなく、キャラクターによって日本語だったり、英語だったり、あるいは日英が混在したりしていたが、逆になんとかして日本語版を一般ユーザーにご覧に入れたいという並々ならぬ熱意が伝わってきて好印象だった。会場では、今回メディアが体験したものとまったく同じバージョンがマイクロソフトブースの18禁コーナーに3台限展されているので、「The Elder Scrolls」シリーズのファンはぜひこの機会に体験しておきたいところだ。
今回は1時間ほど集中してプレイすることができたが、終わってみれば一瞬だった。せっかくなのでファストトラベルを使っていろいろな景色を見てみたいと思ったが、それはできないということなので、キャラクターメイキングから、序盤のクエストを進めるところまでをつまみ食いしてみた。
感想を先に書いてしまうと、まず「Oblivion」ユーザーの視点で見ると、あらゆる点がRPGとして前作からパワーアップしており、5年分の進化をかみしめながらまるで別のゲームのような感覚でサクサク楽しめる。次に「Fallout 3」ユーザーの視点で見ると、ベースのシステムは比較的似ているし、ロックピックのミニゲームなど完全に「Fallout 3」から持ってきたシステムもあったりするほどだが、照りつける陽光や青々とした緑には確かな違いが感じられるし、豊かな色彩で楽しい。リアルタイムで展開されるバトルや会話も緊張感があって新鮮だ。
最後にRPGファンとしてみると、まさに欧米産RPGの集大成という印象で、その自由度の高さ、奥行きの深さに驚かされるし、どう遊んでもかまわないというそのすがすがしいまでの突き放しっぷりがたまらない。食事も忘れてプレイしてしまいそうな吸引力がある。個人的には「BFG 2011」と「E3 2011」で2度リアルタイムデモを見ているため、ある程度の内容は予想できたが、やはり体験してみると改めて良いゲームだと唸らされる。
さて、今回出展されていたバージョンは、日本語が組み込まれている以外にも様々な点でブラッシュアップが図られており、実に快適にプレイすることができた。一例を挙げると、移動のモーションがなめらかになり、E3の時点ではまだ中途半端だったもやや霧といったエフェクトもより自然で美しくなっていた。唯一気になったのはローディングの長さで、村での家屋の出入りするたびに数十秒のローディングが発生していた。製品版ではこれより短くなるということなのでよりいっそうのブラッシュアップに期待したい。
デモはキャラクターメイキングからスタート。キャラメイクは前作「Oblivion」と同様に、種族、性別、顔、髪型をスライダーをいじって調整するお馴染みの方法でお好みのキャラクターを作成することができる。「Oblivion」での進化点は体型を変えられるようになったこと。ゲーム性に変化はないが、さらに個性的なキャラクターの作成が可能となった。
キャラクターを作成すると、細長い洞窟からスタートし、以前から行動を共にしていたらしいRalofと共に、洞窟を抜け、彼の妹がいるという街Riverwoodを目指して旅を始めることになる。“らしい”というのは、洞窟に入る以前のストーリー設定がまだ伏せられているため、どういう関係性なのかよくわからないためだ。Riverwoodの次に赴くことになる街Whiterunでは、「おまえは手配人だな、知っているぞ」と突然凄んでくる住人もいて、今回の主人公も“訳アリ”の人物であることは間違いなさそうである。
フリープレイでは、次の行き先を示すクエストの矢印を無視して自由に歩き回ってみた。Riverwood周辺は緩やかな丘陵地帯になっており、オオカミやそれを狩るハンター、そしてお馴染みの野党のたぐいが潜んでいる。ガーディアンストーンも設置され、アクセスすることでアビリティを収録することができる。
視点を足下に移すと近くにある小川の清流は水しぶきが飛び、魚も鳶はね、岩陰にはカニまでいる。空を見上げると雄大な山岳風景が広がる。山には雲やもやがかかり、非常に美しい。遠方に本作の物語の重要な鍵を握るドラゴンが飛行しているところも確認できた。「Oblivion」や「Fallout 3」とは段違いの風景描写だ。ちなみに視界に入る風景は実際にその場所まで行くことができるという。
Riverwoodでは様々な村人に話を聞くことができ、ドラゴンへの恐怖を語る住民や、アルバイトを持ちかける人、どうでもいい噂話を語る人など多種多様な人々に出会うことができた。時間もないので会話もそこそこで切り上げ、小高い丘陵を超えてWhiterunの街まで進んでみたが、途中でジャイアントと戦う3人組の怪しいパーティーに遭遇した。新たなストーリーの予感を感じて早速ジャイアントとの戦いに参加してみたが、誤ってギルドメンバーを攻撃してしまい、3人に問答無用で襲いかかられいきなりゲームオーバーという「The Elder Scrolls」シリーズの洗礼を浴びた後、再度やり直してジャイアントの討伐を終えた彼らに話しかけたところ、彼らは歴としたギルドに所属するメンバーたちで街に本拠を置くギルドへの入会を勧められた。
街へ入って少し進んだところでプレイ時間終了となったので、その先はわからないのだが、こうした話しかけることで世界が少しずつ広がっていく感じは「Oblivion」や「Fallout 3」とまったく同じで、RPGファンなら誰でも楽しめる普遍性の高いRPGだと感じられた。
最後に、細かいUI周りの話をまとめておくと、メニューはスキル、魔法、アイテム、マップの4項目があり、カーソルキーの上下左右にそれぞれ割り当てられている。スキルを選ぶと、星座状になっているスキルリストを確認でき、魔法は3Dエフェクト付きで習得魔法を確認できる。アイテムはすべてが3Dモデル化されており、360度自由に回転させることができる。アイテム表示が3Dモデル化されたおかげで、マジックアイテムはその効果、属性によって異なる色のオーラをまとうようになっており、一目でそれとわかり、見つけた時のうれしさも倍増である。最後のマップは、こちらも3D表示ようになっており、表示する際のひねりを交えた拡大縮小が格好いい。
なお、起用している声優陣は総勢70名。日本語版ではまだローカライズ途上ということで総勢何名になるかはまだわからないということだが同等の人数になる見込みで、膨大な量のテキストの翻訳も含めると、海外ゲームとしては最大規模のローカライズプロジェクトとなっているようだ。日本語版の完成まではもう一息という感じだが、プロジェクトは着実に進行している。完成が非常に楽しみだ。
【美しいグラフィックス】 | ||
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「Skyrim」を実際にプレイして最初に驚いたのはグラフィックスの美しさだ。「Rage」のメガテクスチャによる風景も衝撃的だが、こちらもパターン+丁寧な手付けの美しさがある |
【メニュー画面】 | ||
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「Skyrim」のメニュー画面は機能的にも視覚的にも洗練されており、心地よく使うことができる |
【スクリーンショット】 | ||
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発表から現在までの公式スクリーンショットをすべてまとめてみた。1点1点確認しながらいろいろ想像してみてほしい |
□CESAのホームページ
http://www.cesa.or.jp/
□「東京ゲームショウ 2011」のホームページ
http://tgs.cesa.or.jp/index.html
□ゼニマックス・アジアのホームページ
http://www.bethsoft.com/jpn/
□「The Elder Scrolls V: Skyrim」のホームページ
http://elderscrolls.jp/
(2011年 9月 15日)