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スクエニ、「ドラゴンクエスト新作発表会〜いま開かれる新たな扉〜」
Wii/Wii U「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン」を2012年に発売
堀井氏「ドラゴンクエスト」の進化系のひとつと思ってもらえれば幸い


2011年9月5日 発表


【ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン】
ロゴ
スクリーンショット

 株式会社スクウェア・エニックスは、人気RPGシリーズ「ドラゴンクエスト」最新作に関する発表会「ドラゴンクエスト新作発表会〜いま開かれる新たな扉〜」を都内で開催した。正式タイトルは、Wii/Wii U「ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族 オンライン(以下:DQ X)」。キャラクタデザインは鳥山明氏、音楽はすぎやまこういち氏。2012年発売予定で、価格は未定。速報記事に引き続き、本稿では発表会の詳細についてお届けする。

 シリーズ生みの親である有限会社アーマープロジェクト ゲームデザイナーの堀井雄二氏は、発表会の冒頭でシリーズ初期から現在までの経緯を振り返った。ROMカセット容量が64KB(現在の待ち受け画像1枚分程度)しかなく、そこにプログラム、グラフィックス、サウンドなどすべてのデータを詰め込んでいた時代を経て、以降、ハードウェアの進化など25年の間にめまぐるしい発展を遂げたが、「自分が主人公になり、バーチャルな世界で冒険を体験する」というシリーズコンセプトに変わりはなく、ただ遊んだ記憶だけでなく友人知人と「レベルどこまでいった?」、「太陽の石が見つからない!」、「俺がクラスで1番最初にラゴスを見つけたんだ」といった“人とのコミュニケーションが生まれた”という事象と、DS「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」で流行したマルチプレイとすれ違い通信に言及。新作は、そうしたシリーズの系譜につらなる「『ドラゴンクエスト』の進化系のひとつと思ってもらえれば幸いです(堀井氏)」という。

 「コンピューターは機械的で冷たいイメージがあった。できるだけ温かい世界を作ろうと思った」という堀井氏は、ゲーム中に登場する村人のセリフや仲間のAI(『ドラゴンクエストIV』)など「本当に人がいるような感じにしよう」と常に気を配ってきたという。シリーズ最新作は、ある意味その究極形ともいうべきもので「『DQ X』はオンライン。村にいる人々、仲間が本物の人間。当然そうなることのメリット、デメリットはあると思う。コンピューターが操る仲間キャラなら気を遣わずに操作できたが、本物の人間相手だと気を遣うという人もいるかもしれない。さまざまな問題も考えられるが、その辺はシステム側が気を遣って、なるべくそういう状況がおきないよう(対処する)。このゲームに『ドラゴンクエスト』という名前をつける以上、気軽にログインして、短時間プレイでも気持ちよくログアウトできる。そんなオンラインRPGを目差したいと思っている」とコメントした。

 「DQ X」プロデューサーの齊藤陽介氏によれば、開発はスクウェア・エニックス社内で行なわれており、オープニングムービーも、社内の映像制作部門「ビジュアルワークス」によるもの。すべてを社内で制作するのは、シリーズ初の試みになるという。齊藤氏は、自社開発のメリットについて「場面ごとに現場でちょくちょく打ち合わせができたのが、凄く良かった。1番大きいのは、いちプランナーやデザイナーが堀井さんと話す機会はなかなかないが(今回は)モノができているタイミングで、直接作っている当事者と堀井さんが打ち合わせできたのは良かった」と説明する。

「ドラクエX」の基本コンセプト

 齊藤氏は「DQ X」開発コンセプトとして「新しい感動を」、「ずっと遊べる喜びを」、「安心して遊べる信頼を」の3項目をあげた。「新しい感動を」では、世界観やシナリオに期待するファンに「作りこまれた世界観。見ているだけでも楽しい(堀井氏)」と前置きしつつ新情報を公開。新たな冒険の舞台は、5つの大陸からなる「アストルティア」で、そこにはオーガ、エルフ、ドワーフ、ウェディ、プクリポといった5つの種族が住んでいる。「これぞ『ドラクエ』!」といった誰もが納得のタッチについて、堀井氏は「僕もこれを見てビックリした。最初5つ種族を頼んだが、普通のゲームであればひとつくらいは『これ、なりたくないよね』というのがあると思うが、これはどの種族にもなりたいな! っていう絵があがってきて『さすが鳥山さんだ!』と感心した」とコメント。齊藤氏によれば、社内テストでも各種族がまんべんなく使われているという。

 「ずっと遊べる喜びを」では「“成長し続ける世界”。ログインするたびに変化のある世界を、なるべく作りたいと思った(齊藤氏)」と前置きしつつ、長く遊んでもらうための施策を一部公開。職業は、戦士、魔法使いといった従来シリーズでおなじみのものに加えて、新たな職業を追加。転職システムを採用し、発売後にも色々な職業を出していくという。「ドラゴンクエストIX」で登場した“クエスト”は、同等かそれ以上のペースで配信予定。職業関連や複数話で構成されたボリュームのあるクエストも用意されるほか、さまざまな季節イベントも検討しているという。

 「安心して遊べる信頼を」については「ひとりでも100%楽しめる」、「わかりやすさ」、「気軽にログアウト」といった3項目をあげた。「ひとりでも〜」は、一緒にパーティを組めるCPUキャラクターを用意するなど、ソロプレイでも楽しめる環境を整えるという意味。わかりやすさは「なんとなく触っているうちにわかるような。『ドラゴンクエスト』の文法さえわかっていれば、ある程度すぐ遊べちゃうような感じ(堀井氏)」と説明。「気軽にログアウト」は、ムービーとともにディレクターの藤澤仁氏から説明が行なわれた。

 ムービーには、リアル頭身の主人公キャラクタが登場。画面構成はシンプルで、画面左上に現在の地名、左下にレーダー、右下にパーティメンバーが表示される。AIで動く仲間を連れてひとりで冒険に出ることが可能。仲間は「酒場」で集める。職業や種族を指定することもできる。「ドラゴンクエストIX」のように、装備アイテムがキャラクターグラフィックスに反映される。モンスターシンボルと接触すると戦闘に突入。戦闘システムは、一定時間ごとにコマンド入力の順番が回ってくるターン制を採用。他プレーヤーの戦闘を観戦することも可能で、周囲にいる他プレーヤーは半透明で表示される。なお、戦っている他プレーヤーを応援する機能があり、応援されたプレーヤーのキャラはテンションが上がるというメリットがある。ゴーレムに戦いを挑んだ藤澤氏だが、あえなく全滅。このとき「助けを待つ」というコマンドが表示され、これを選ぶと「他プレーヤーが、自分たちが敗れて倒れているところを見つけて、生き返らせてくれることがある(藤澤氏)」という。

 「DQ X」では、戦闘関連の職業だけでなく、武器や防具の制作、衣服の縫製など、生活に関わる職業「職人システム」が用意される。ムービーでは、鉄を叩いて槍を作るシーンが登場。練金では、武器に特殊効果がつけられる。作った装備を他プレーヤーに使ってもらうと、少しずつ“名声値”が上がっていくという。街中の敷地に自宅を建てることも可能で、内装や外装も自分で自由にエディットできる。

 ここで再びゴーレムに挑む藤澤氏。スキルを改めて割り振り、装備を整えてリベンジ。他プレーヤーに声をかけて仲間に誘い、パーティ人数を増強。先ほどは“1”しか入らなかったダメージが飛躍的に増加。周囲にいる他プレーヤーの応援によりテンションが上がっているが、具体的にどういった効能があるかは不明。ゴーレムの体力は数値やゲージで明示はされないが、名前の色の変化でおおまかな状態が把握できるとのこと。見事ゴーレムを倒したパーティに、周囲の他プレーヤーから拍手と祝福のメッセージが投げかけられた。

 最後に紹介された「自分を酒場に預ける」は、自分が遊んでいないとき“自分を酒場に預ける”ことで、そのキャラクタを他プレーヤーに使ってもらうというもの。前述の「気軽にログアウト」はこの機能を指しており、使ってもらっている間はそのぶん経験値が加算される。ただし、実際に自分が使っているときよりも加算比率は若干減らされるようだ。



会場で公開されたスライド。「ドラクエX」の根幹をなす方向性などについて矢継ぎ早に発表された


「ドラクエX」のクエストの一端を示すスクリーンショットが映し出された。齊藤氏は「あまり映すといろいろしゃべっちゃいけないことまでしゃべりそうなのでこの辺で」とコメントし、早々に打ち切った

 本作は、Wii版とWii U版をそれぞれ発売。ゲーム内容は同じだが、Wii U版はグラフィックスクオリティが向上。齊藤氏は「いまうちの開発スタッフが、全力をもって! Wii Uで奇麗な絵を出そうとがんばっています。ぜひ楽しみにしていただければと思います」とコメント。両機種で一緒にオンラインプレイも可能。3DSとの連動も検討されており「ニンテンドー3DSにキャラクタを移し変えて『IX』でやった“すれ違い”みたいなことができれば面白いなと思いまして。街ですれ違った人とオンラインで再会すると、何かいいことがあるみたいな。そういうアイデアがあります(堀井氏)」という。同社は、近日中に「DQ X」のベータテストを実施。「プレイに必要なもの」のなかにある「USBメモリー」の情報も含め、詳細は近日中に「DQ X」公式サイト(ティザーサイト)または「ドラゴンクエスト」シリーズ公式サイト「ドラクエ・パラダイス」に掲載するとしている。


ベータテストも開催される予定となっている

 発表会には、ゲストとして任天堂株式会社 取締役社長の岩田聡氏が登場。「堀井さんも私も家庭用ゲーム機の黎明期からこの仕事に関わってきたが、25年というのは新婚カップルが銀婚式を迎える期間。一般的にはとても長いとされるが、物を作り続けてきた立場からすると、長いようで短い期間で、感慨深い。世の中に長寿命の作品は色々あるが『ドラゴンクエスト』の特徴的なところは、25年前の作品が今も多くのファンの心を深くつかんで離さないこと。前作がシリーズ史上最大の売り上げ本数と、歴史と名前だけでなく“現役”でもっとも楽しまれているゲームという状況が維持されている。『マリオ』や『ゼルダ』もそうでありたいと思っているが、これからも多くのみなさんに楽しんでもらえるゲームであるよう、お互いに切磋琢磨していきたい」という岩田氏。

 続けて「一方、この25年間でビデオゲームは大きく、今も激しく変化し続けている。『ドラゴンクエストIX』はすれ違い通信で新たなRPGの遊び方を提案し、社会現象にまでした。その『ドラゴンクエスト』が次に目差すものが、新たなオンラインRPGの姿。『DQ X』はシリーズ初のオンラインゲームになる。

 かつて“敷居が高い”といわれたRPGを誰もが遊べるものに変え、RPGという言葉を日本中に知らしめ、RPG人口を劇的に増やした実績を持つ『ドラゴンクエスト』が、オンラインRPGをどのように変え、拡大していくのか。堀井さんが考える理想のオンラインRPGが実現できた、ということをお聞きできているだけに、私自身もとても楽しみにしている。

 『DQ X』は、現在もっとも普及台数が多いWii版にくわえ、来年発売されるWii U版も発売される。オンラインゲームは長期に渡って楽しめるのが大きな特徴だが、Wii、Wii U、両プラットフォームへの展開。言い換えると、今までに例のない横ではなく縦、後継世代へのマルチプラットフォーム展開により、最初にWii版で始めたゲームをWii U版を購入してそのまま引き継ぐこともできる。長く楽しんでいただけるものになるのではないか。3DSへの連動を含め、また新しい構造を提案していただける。今後の展開がますます楽しみで、これからもゲーム人口を一緒に拡大させましょう。任天堂もしっかりサポートしていきます」とコメントした。


エグゼクティブプロデューサーの三宅有氏 プロデューサーの齊藤陽介氏 ディレクター藤澤仁氏

有限会社アーマープロジェクト ゲームデザイナーの堀井雄二氏 任天堂株式会社 取締役社長の岩田聡氏



【椿姫彩菜さん】 【安元洋貴さん】
タレントの椿姫彩菜さんと声優の安元洋貴さんが司会進行を担当。安元さんは、9月12日から配信されるWEBラジオ「スクエニチャンネル」メインパーソナリティを担当。椿姫彩菜さんは第1回目の特別ゲストとして登場する

【会場に展示されていたシリーズ関連グッズ】
会場の入口には、発売中または発売予定の関連グッズが大量に展示されていた。気になるものは公式サイトなどでぜひチェックしていただきたい


(C)2011 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

(2011年 9月 5日)

[Reported by 豊臣和孝]