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ナナオ、新型“超解像技術”搭載のIPS液晶モニター「FS2332」を発表
テキストから動画、ゲームまであらゆるHDコンテンツを美しく表示


【FORIS FS2332】

7月15日発売予定

価格:オープンプライス
(EIZOダイレクト販売価格:39,800円


 株式会社ナナオは6月30日、液晶モニターの新モデル「FORIS FS2332」を発表した。本製品はEIZOブランドの中でエンターテイメント向けと位置づけられる「FORIS」シリーズのエントリーモデルで、改良型の超解像機能を搭載。また1フレーム以下の低遅延というゲーム向けの特性を前モデルより引き継いでおり、ゲーミングモニターとしても注目の製品となる。価格は39,800円で7月15日の発売を予定している。


実機デモの写真。PCでのエンターテイメント用途に適する超解像処理技術「Smart Resolution」を搭載し、EIZOブランドエントリーモデルとして普及を目指す


■ 「FS2331」の後継として進化した超解像技術を搭載。コストパフォーマンスも向上

「FORIS FS2332」。本体デザインは前モデル「FS2331」とまったく同じになっている
「Smart Resolution」の効果。左がオン、右がオフ。左は「Smart Resolution」の効果によりディテールが強調されているが荒くはなっていない

 本製品「FS2332」は、昨年11月に発売された「FORIS FS2331」の後継機種。エンターテイメント用途のPCモニターとして様々な改良が加えられており、ゲーム機やPCゲームでの利用に加えて、PCでの様々なデジタルコンテンツの視聴に適したEIZO独自の超解像技術を搭載することが特徴となっている。

 基本スペックとしては、液晶サイズは23インチ、解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)、液晶パネルにはオーバードライブ回路搭載のIPSパネル(ノングレア)、LEDバックライトを採用。VAパネルを搭載していた前モデルに比べてさらに良好な視野角性能と動画描画性能を実現した。コントラスト比は1000:1、応答速度は中間階調域で6ms。映像入力端子はDVD-D 24ピン、D-Sub 15ピン、HDMI×2の4系統。音声入力端子としてステレオミニジャックを1系統装備し、モニタ本体に500mW+500mWのステレオスピーカーを内蔵する。

 本製品の新機能の核となるのが、EIZO独自の超解像技術「Smart Resolution」だ。この技術は前モデル「FS2331」に搭載されていた解像度強調技術を全面的に刷新したもので、PCでのエンターテイメント用途に適した複数の機能で構成され、動画、ゲーム、静止画など、表示コンテンツに合わせて適切な高画質化処理を行なうというものだ。以下では各機能を解説していこう。

・ノイズ成分推定

 超解像処理の際、原画像を単純にエッジ強調するのではなく、画像に含まれるノイズ成分とぼやけ量を推定。ノイズの強調を防ぎながら、ぼやけ具合を適切に補正し、画像を先鋭化する技術。元画像の印象を保ちつつスムーズでクッキリとした映像を得ることができる。

・フォーカス感追加

 奥行きのある画像の前景・背景を解析し、それぞれに最適なフォーカス感を与える技術。単純な超解像処理ではフォーカスが合っていない場所など本来ぼやけているべき要素まで先鋭化されてしまうが、「Smart Resoulution」では元画像の奥行き感が適切に維持されるようになっている。

・肌補正

 人物の肌エリアを検出し、超解像処理を抑える。単純に全面的な超解像処理をかけることで肌の細かな凸凹が強調され荒れた映像となってしまうが、「Smart Resoulution」では本来の肌質を維持したまま、輪郭や髪の毛、衣服といった部分を適切に先鋭化する。

・文字補正

 表示領域内のテキストコンテンツを自動判別し、不要な超解像処理を行なわないようにする。フルスクリーン型の超解像技術ではテキストに超解像処理が行なわれ、輪郭荒れや文字色の変化といった副作用が起きるが、「Smart Resoulution」ではそれを避けるように超解像処理を適用する場所を自動的に検出する。

・動画領域補正

 静止画に対する超解像処理が不要な場合、動画領域を自動判別し、その領域に対してのみ超解像処理を実施する。現行の他モニターでこれに近い機能を備える製品はあるが、領域を自動で判別する機能を搭載するのは業界初とのことだ。この機能を有効にすれば、Web動画サービスで高解像処理された動画を見ながら、他の作業が快適に行なえる。


 上記の機能による「Smart Resolution」技術を搭載することにより、本製品では超解像処理のクオリティが向上しただけでなく、超解像機能をONにしたままテキストや画像の閲覧など作業を快適に行えるようになっている。また、IPSパネルを搭載することで視野角性能が向上、またLEDバックライト採用により前モデルに比べて最大消費電力を25%削減している。

 またコストパフォーマンスも向上しており、前モデルに比べて5,000円安い価格を実現している。その上でEIZO独自のカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」への対応や、10bitガンマ補正による滑らかな諧調表現、メリハリのある映像を表現する「Power Gamma」機能など、前モデルの機能はすべて継承している。

ノイズ成分推定機能。映像が荒くなる副作用を抑えつつ、エッジの効いた映像を表現する
肌補正の効果。左は前モデル「FS2331」で、肌や唇がザラついた感じになっている。右は本製品「FS2332」で、肌表面がなめらかなまま、エッジが強調された絵になっている


■ 遅延1フレーム以下! 「FS2332」の優れたゲーミング性能

「Power Gamma」機能にはゲーム向けの設定がプリセットされている
カラーマッチングツール「EIZO EasyPix」でキャリブレート中の様子

 気になるゲーム性能の面では、本製品は前モデルの特徴であった遅延1フレーム以下の高速応答をそのまま継承している。これは1,920×1,080ドットネイティブ解像度入力をはじめとする「黒枠なしのフルスクリーン表示」時に、入力された映像信号を即座に表示にまわすという機構があるためだ。

 超解像機能やその他の画質補正機能を有効にした状態でも、画質補正処理を最低限の単位で行なうことで表示遅延を生み出さないようになっているため、遅延は1フレーム以下で変わらない。前モデルでは回路上の表示遅延は2.1ミリ秒程度とされており、本製品でもそれを継承していると見られる。しかも、前モデルでは比較的応答速度の遅いVAパネルを搭載していたが、本製品ではより高速なオーバードライブ回路搭載のIPSパネルを採用している。したがって総合的な応答性能はさらに向上していると考えていいだろう。

 これに加えて、本製品では画質補正機能「Power Gamma」にゲームに適した設定を搭載している。「Power1」モードではコントラスト感を強調し、メリハリのある映像を表現。「Power2」では暗部を補正し、暗いシーンを見やすく補正してくれる。また、コントラスト拡張機能を使用すればさらに引き締まった映像を得ることが可能だ。

 さらに超解像処理を組み合わせれば、実解像度が1,280×720ドット程度のHD世代ゲームタイトルを、より解像感のある見やすい映像でプレイすることが可能となる。画質にこだわるユーザーならカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」を使ってさらにオリジナルに近いイメージを志向する、という選択肢もある。

 ただ本製品は60Hzのモニターであり、3D立体視に対応していないこと、倍速120Hzあるいはネイティブ120Hzに対応していないことが唯一の弱点となるが、それ以外の点では多くのアドバンテージを持ったゲーミングモニターと見ることができる。EIZOブランドの中では比較的手頃な価格で発売されることもあって、注目に値する製品だ。


3色のカラーバリエーションを用意



 

(2011年 6月 30日)

[Reported by 佐藤カフジ]