EA、PS3/Xbox 360「シャドウ オブ ザ ダムド」ジャパンプレミアを開催
栗山千明さん、浅野忠信さんなど豪華キャスト起用の日本語版は9月22日発売!


6月21日開催

場所:WAREHOUSE



 エレクトロニック・アーツ株式会社は6月21日、都内のクラブWAREHOUSEにて、“「シャドウ オブ ザ ダムド」ジャパンプレミア”を開催した。「シャドウ オブ ザ ダムド」は、株式会社グラスホッパー・マニファクチュアが開発を担当するプレイステーション 3/Xbox 360用“地獄パンクアクションゲーム”だ。6月21日は、イベントは奇しくも海外版の発売日に実施され、日本語版の発売日が9月22日であることが発表された。

 「シャドウ オブ ザ ダムド」日本語版は主役のガルシアに浅野忠信さんを起用するなど豪華なキャストを起用した完全日本語版となる。価格は7,665円で、CEROレーティングはZ(18歳以上推対象)。ジャパンプレミアでは、エグゼクティブディレクターの須田剛一氏、クリエイティブプロデューサーの三上真司氏、サウンドディレクターの山岡晃氏が登壇し、本作の想いを語った。



■ ドクロを相棒に、光を武器に地獄を巡る「シャドウ オブ ザ ダムド」

エグゼクティブディレクターを務めたグラスホッパー・マニファクチュアCEO/ゲームデザイナーの須田剛一氏
クリエイティブプロデューサーを務めた三上真司氏
エレクトロニック・アーツ代表取締役社長のロバート・キム氏

 「シャドウ オブ ザ ダムド」の主人公、ガルシア・ホットスパーは“デーモンハンター”を生業としており、地獄の帝王を仕留めるが、その代償は大きく、最愛の女性、ポーラが地獄へと連れ去られてしまう。ガルシアは、悪魔に連れさられた恋人ポーラを救出するため、様々な姿に変形する奇妙な相棒のドクロのジョンソンと共に、邪悪が集う地獄へと向かう。

 「シャドウ オブ ザ ダムド」は“光と闇”のギミックを盛りこんだアクションアドベンチャー。闇の中ではガルシアは体力を失い、敵は闇をまとっており光を当て闇をはがさなくてはダメージを与えられない。相棒のドクロのジョンソンはたいまつから、ショットガンや拳銃など様々な武器に姿を変える。光を活用する謎解き要素、スタイリッシュなアクション、奇妙な世界観と見所たっぷりの作品だ。

 ジャパンプレミアでは最初にエレクトロニック・アーツ代表取締役社長のロバート・キム氏が挨拶を行なった。「今日は海外版の発売日です。グラスホッパーの皆さんをはじめ、全ての開発に携わってくださった方に、ほんとうに素晴らしいゲームにしてくださったと感謝します。今日は須田剛一さん、三上真司さん、山岡晃さんに気になる日本語版の『シャドウ オブ ザ ダムド』を存分に語っていただきます」と語った。

 キム氏の紹介で登壇したのはエグゼクティブディレクターを務めるグラスホッパー・マニファクチュアCEO/ゲームデザイナーの須田剛一氏、クリエイティブプロデューサーの三上真司氏。須田氏は細かい刺繍の施された特注のガルシアの衣装で登場した。三上氏もガルシアの刺青を描いたTシャツを着ており、作品世界を前面に押し出していた。

 須田氏は最初に「皆様に最初にお願いしたいのは、メッセサンオー(秋葉原で輸入ゲームを扱う店)に行かないで欲しい、ということです。メッセサンオーは素晴らしいお店ですが、『シャドウ オブ ザ ダムド』に限っては、国内版を買って欲しいですね」と語って笑いを誘い、国内版の発売日が9月22日であることを発表した。日本語版に関しては、ガルシア役に浅野忠信さん、ポーラ役に栗山千明さん、ガルシアの相棒のドクロのジョンソン役に我修院達也さん、悪魔王フレミング役に吉田鋼太郎さん、他にも田口トモロヲさん、廣田行生さん、嶋田久作さんといったキャストを起用するという。発売は東京ゲームショウの後となるため、東京ゲームショウでもアピールが行なわれる予定だ。

 三上氏は開発をふり返り、「最初の企画から2転3転しましたが、最終的にはグラスホッパーさんらしいユニークなゲームになったと、喜んでいます。しっかり遊べるゲーム内容になったと思っています」と語った。元々は敵の上にのしかかり殴り倒すマウントパンチをするようなゲームとして考えられたが、「やっぱり銃だろう」と、EA(エレクトロニック・アーツ)からのフィードバックもあり、現在の形に固まったという。

 初期のコンセプトから貫かれているのは「光と闇」だ。闇の中では敵は強くなり、ガルシアは体力を失う。燭台に光を灯し、光の場所を作り出すパズル的な探索要素、そして敵との戦いでもまず闇をひきはがすというギミックがある。須田氏は「良くなりましたよねえ、面白いゲームだと思います」。三上氏は「スタッフのみんなは良く僕たちについてきてくれましたよね」と語った。海外メディアでのレビューの点数は好評で、盛り上がっている。EAとの契約で、レビューの点数が100点満点中80点以下だったらペナルティーが付くというものがあり、須田氏も三上氏も驚いたという。そのハードルは確実にクリアできたとのことだ。

 ストーリーに関しては、三上氏から「須田さんはラブストーリーが書けるのか?」といわれたという。最終的に大人のラブストーリーとなったが、実は三上氏のお気に入りは、だめ出しを食らってボツになった“第2案”で、こちらはかなり“下ネタ”がきつかったとのこと。キャラクター描写としては、愛と狂気が一体となっている部分もある。「ガルシアとポーラがどういう結末を迎えるか、そこにユーザーの興味も集約して欲しい」と須田氏は語った。


須田氏と山岡氏はガルシアの衣装で登場。中央はゲーム内のラップを披露する我修院達也さん。右は今後発売されるグッズの1部
ガルシア役の浅野忠信さん、ポーラ役の栗山千明さん、悪魔王フレミング役の吉田鋼太郎さん



■ 「オリジナルは国内版」。即興のラップまで登場する、豪華俳優による日本語版

サウンドディレクターを務めたグラスホッパー・マニファクチュアCCOの山岡晃氏
ガルシアの相棒のドクロのジョンソン役に我修院達也さん

 シナリオは須田氏が日本語で作り、そこから英語に翻訳された形になる。「オリジナルは国内版」であり、さらに日本語版では豪華なキャストが実現し、彼等の個性によりプラスアルファが生まれているという。吹き替えにはサウンドディレクターを務めたグラスホッパー・マニファクチュアCCOの山岡晃氏のこだわりも存分に活かされているという。

 山岡氏は「声以外の、音楽、サウンド全部僕1人でやりたかった」と語る。須田氏も三上氏も注文はなく、全て山岡氏にまかせたとのこと。山岡氏がこのゲームで使った曲は250曲以上。例えば2度目のプレイの場合に違う曲が流れるなどインタラクティブ性を重視した曲の使い方をしているとのこと。ロード中の5秒しか使われないような曲にもこだわりを持っている。山岡氏は、日本人ならではの演出や世界観を意識して曲を作っていったという。

 本作のタイトルを須田氏から知らされたとき、山岡氏はすぐ、イギリスのパンク・ロック・バンド「The Damned」との関係で世界観が浮かんだ。そして本作の制作が発表されたとき、「The Damned」のドラムを担当するPinch氏から曲と共に「一緒にやらないか」と提案が来たという。山岡氏は逆に「このときだけ僕を『The Damned』に入れてくれ」と曲と共にイギリスに訪れ、レコーディングを行なった。いわば、「The Damned」の提案された曲にダメ出しをして、自分の曲を演奏してもらったのだ。

 そして日本語版に関しては、キャスティングは須田氏と山岡氏が、イメージで浮かんだ人に依頼した。ガルシア役に浅野忠信さん、ポーラ役に栗山千明さん、ガルシアの相棒のドクロのジョンソン役に我修院達也さん、悪魔王フレミング役に吉田鋼太郎さんといった豪華なキャストを起用することができた。今回はドクロのジョンソン役の我修院達也さんが登場し収録の模様を語った。

 山岡氏は「この人じゃないと」という想いでキャストを選んだという。浅野忠信さんはゲームの吹き替えは初めてだというが、役になりきり、休憩をほとんど挟まない熱意で収録に臨んだという。三上氏は日本語吹き替え版で、「声で引っ張られてさらに雰囲気が変わった。ホラーなのに楽しい、僕がオッと笑ってしまった」と感想を語った。我修院さんは、「僕は声を当てるときは人間じゃないことが多いのですが、ドクロでヤッターと思いました」と語った。

 収録では、山岡氏と我修院さんは休憩中にもいろいろなことを語った。「我修院スタッカート」や、「我修院テヌート」といった、演奏記号に合わせた専用の用語が作られた。スタッカートは一音符ずつ切り離して歯切れよく演奏することでその通り短く声を出す。「ここは我修院スタッカートで」といった感じで収録を行なっていったという。さらに現場で山岡氏が作詞したものを我修院さんが即興で節を付け、ラップも歌った。会場でも「ジョンソンラップで1、2、3、ホネホネラップで上機嫌♪」と楽しい感じで歌ってくれた。もちろんこの歌も収録されている。

 また現場で収録した俳優のメッセージも聞くことができた。栗山さんは「ポーラは普段のかわいらしい部分と違う、狂的な部分も是非聞いていただきたいと思います。私を含め役者さんにより、ストーリーも映画のように楽しんでもらえると思います。是非お楽しみに」。浅野さんは「初のゲームの声優をやらせていただきました。それがガルシアで本当に良かったと思っています。ガルシアに力をもらえているような感じで楽しかったですし、ファンの方に『ガルシアの声やってください!』といわれるのかなと楽しみです」と語った。

 質疑応答では「海外のメーカーとのゲームづくりではこれまでと違ったか」という質問が出た。須田氏は「合理的で細かい方法論でゲームを作っているのがわかった」と答えた。三上氏はEA側の合理性と須田さんが合わなくなる部分に関して、須田さんを応援しながら、進めていったという。我修院さんへの「苦労した点は」と言う質問には「僕はやり過ぎかな、というのをわざとやってから削っていくのですが、今回は全く止められなかった。やりやすかったです」と応えた。

 ユーザーへメッセージとして山岡氏は「国内版は単に吹き替えではなく、これまでのビデオゲームではなかった豪華な仕様になっていると思います。是非期待してください」。三上氏は「しっかり楽しめる、笑える作品にもなっています。期待してください」。

 須田氏は「3年半という制作期間と、国内版では豪華な俳優さんが参加してくれ、結果として最高の作品に仕上がったと思います。三上さんと共に、新しいゲームを作ると諦めなかった結果が面白いゲームになったと思っています。遊んで面白いだけではなく、ゲーム世界に没入し、全く新しい体験ができる作品になったと思います。胸を張って、皆さんにお勧めできるゲームです」と語った。


【スクリーンショット】
地獄にさらわれたポーラを追って、ガルシアは地獄の門をくぐる
本作の地獄は陰惨だが、独得のセンスに彩られている
相棒のジョンソンは様々な武器に姿を変える
至近距離の攻撃や、光と闇の要素、ボスキャラクターなど様々な要素が詰まっている
ポーラの偽物はガルシアを苦しめる。悪魔を次々と倒しながらガルシアは進んでいく

(c) 2011 GRASSHOPPER MANUFACTURE INC. Shadows of the Damned is a trademark of GRASSHOPPER MANUFACTURE INC. EA and the EA logo are trademarks of Electronic Arts Inc. All other trademarks are the property of their respective owners.