E3 2011レポート

Ubisoftブースレポート 前編
「ACR」、「Ghost Recon」、「Driver SF」など新作4本を試遊!


6月7日~9日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 今年のUbisoftブースは発売を間近に控えた作品が多く展示された。目玉となる「Assassin's Creed: Revelation」や「Tom Clancy's Ghost Recon: Future Soldier」、「Driver San Francisco」を始め、25周年の記念作品「RAYMAN ORIGINS」や映画とのコラボタイトル「THE ADVENTURES OF TINTIN: THE GAME」、オンラインゲームの「Tom Clancy's Ghost Recon Online」と「TrackMania2 Canyon」、Kinect用のフィットネスゲーム「Your Shape Fitness Evolved (2012)」などが展示された。モバイルゲームを開発する兄弟会社のGameloftがあるからなのか、タブレットやモバイル向けの展示はなくすべて据え置き機用のゲームだ。

カンファレンスで発表された「Far Cry 3」や「Call of Juarez: The Cartel」、「Brothers in Arms Furious 4」らの新作はすべてステージのスクリーンでトレーラーが上映されただけでプレイアブルなものはなかった。ブースレポート後編では、新作のトレーラをたっぷり掲載するので、こちらも必見だ。また、本物のギターを使う音楽ゲーム「Rocksmith」については別に試遊レポートをまとめてあるのでそちらを読んで欲しい。


【Ubisoftブースの様子】
「Tom Clancy's Ghost Recon: Future Soldier」の試遊コーナー。今回シングルキャンペーンの序盤を体験できた「Assassin's Creed: Revelation」のプレイデモには多くの人が集まったクローズドβテストの募集が始まっている「Tom Clancy's Ghost Recon Online」
本物の車のトランクルームを使った「Driver San Francisco」の試遊台。金髪美女による解説付きだ「Driver San Francisco」の試遊台を横から見たところちょうど「Tom Clancy's Ghost Recon: Future Soldier」のKinectによるコントロールデモが行なわれていた



■ 「Assassin's Creed: Revelation」のマルチプレイを体験!

 「Assassin's Creed: Revelation」はシングルモードのトレーラーと、オンラインマルチプレイの試遊台が出展された。オンラインマルチプレイは、4対4に分かれたチーム戦「マンハント」を試すことができた。マルチプレイのシステムは「ブラザーフッド」から大きな変化はないが、UIが改良されてアビリティ選択画面が見やすくなった。舞台とキャラクターは、今回のストーリーモードで舞台となるオスマントルコの風景と人物に変わっていた。

 今回はスクリーンショットとともに、主人公デズモンドが不思議な場所を訪れる謎に満ちたトレーラーを紹介する。トレーラーに出てきた場所は、エツィオを主人公にしたトレーラーの最後にも一瞬だけ登場しており、エツィオ、デズモンド、そしておそらくアルタイルをつなぐ重要な場所になりそうだ。

 


8人で参加するマルチプレイの体験コーナー舞台はトルコ風の暗殺者が闊歩する「Revelation」の街に変わっているシステム自体に「ブラザーフッド」から大きな変化はないが、UIが分かりやすく改良された
【スクリーンショット】
エツィオ最後の戦い。ついに今作で、初代「アサシン クリード」から続くすべての謎が明らかになる



■ 米軍特殊部隊になりきる「Tom Clancy's Ghost Recon: Future Soldier」

クールな映像美で近未来の情報戦を表現している

 米軍特殊部隊の活躍を描いたタクティカルTPS(サード・パーソン・シューティング)ゲーム「Ghost Recon」シリーズの最新作。北米ではプレイステーション 3とXbox 360用として2011年10月1日に発売される。日本でも発売は決定しているが時期は未定。本作はKinectに対応しており、ステージはKinectでの操作デモも行なわれていた。本作以降の「Tom Clancy's」シリーズはすべてKinect対応になる予定だ。

 試遊では4人で人質の救出に向かうというミッションをプレイした。シングルプレイでは他の3人はNPCだが、オンランマルチでのCoopプレイも可能だ。これまでの「Ghost Recon」シリーズは自分が指揮官になって他のNPCに指示を出しながら戦っていたが、忙しくて難易度が高いという声を受けて今回からはプレーヤーも1兵士として作戦に参加することになった。

 ゲーム進行のポイントポイントで白い円が表示されることがある。この円の中に立って、画面の指示通りにボタンを押すとイベント的なアクションがみられる。例えば人質が捕まっているコンテナの前で押すと、かっこよくそこに突入して人質を救出する。

 「Ghost Recon」の特徴は、戦場のデータを収集して戦略を考えるシミュレーション的な要素だ。例えば衛星からの映像や、自分でコントロールできる小型の偵察ヘリからの情報で戦闘が始まる前に敵の位置や数を把握して最適なルートを探す。カバーからカバーへと自動的に素早く移動する便利な機能があり、移動に手を取られることなく頭脳プレイを楽しめるよう工夫されている。

 戦術シミュレーション的な部分を楽しむゲームなので、単身突っ込んだらどうなるのだろうと思って実行してみたが、あっさり倒された。倒されるとやり直しではなく、仲間のNPCが生きていれば駆け寄って救護してくれる。AIはかなり良くできていて、人質を助けた後は人質を囲って護衛しながら進んだりと“らしい”動きでプレーヤーをその気にさせてくれる。

 詰め将棋のような地味さから、これまで少し遊ぶ人を選ぶゲームだったが、今作は映画的な演出やたくさんのカットシーン、近未来を感じさせるクールなUIなどビジュアル的に大きく進化した。FPSよりもTPSの人気が高い日本市場にどのくらい斬りこめるかが気になるところだ。

 


【スクリーンショット】
オンラインマルチプレイで、友達4人で協力し合いながらミッションを遂行していく



■ オンラインでも戦略性が重要な「Tom Clancy's Ghost Recon Online」

特徴の違う3つのクラスで、最大16人のオンライン対戦が楽しめる
試遊コーナーでは4対4のチーム戦を体験できた

 「Tom Clancy's Ghost Recon Online」は、Ubiシンガポールが開発している、「Ghost Recon」のフィーチャーを生かして生まれたFree-to-Play(基本無料)のオンラインTPS。最大16人が参加できるオンライン対戦が楽しめる。

 今回紹介するのはWindows版だが、先日任天堂のラウンドテーブルでWiiU用にも発売することが発表されている。Windows版はダウンロードするだけで遊べるが、WiiU版がどういった形で配布されるのかはまだ発表されていない。北米版は運営もUbisoftが行ない、北米では2011年夏にクローズドβテスト、2011年末に正式スタート開始の予定だ。日本でのサービスは未定。

 試遊コーナーでは4対4のチーム対戦を体験できた。選べるクラスは急襲を得意とする「Assault」、偵察が得意な「Recon」、防御力に優れた「Specialist」の3つ。ライフルはバレル、グリップ、サイト、マガジンの4個所がカスタマイズ可能。パーツによって暗殺性能が上がったり、威力が上がったりと異なったステータスが設定されているので、それらを組み合わせてオリジナルの武器を作れるようになっている。

 操作はWASDで移動、マウスクリックで攻撃という部分はベーシックな形で、「F」ボタンでクラスの固有アビリティを使える。今回使った「Recon」の場合、「F」を押すと周辺の情報がワイヤーフレームで表示される。隠れている敵の位置まで一目瞭然だ。この情報を仲間と共有して「Ghost Recon」シリーズの特徴であるタクティカルな動きをオンラインでも可能にする。

 また、倒されてりスポーンを待っている間にステージマップと現在の敵味方の位置情報を見ることができるので、待っている人が司令官になって他のプレーヤーに指示することができる。隠れる場所が非常に多いので、隠れながら敵のすぐ側まで近付いて急襲することも可能。クラス性能を生かした作戦が盛り上がりそうだ。

 自分のキャラクターが見えるTPSなので、装備のカスタマイズなど日本人好みの遊び方もより楽しめる。日本でもぜひサービス開始を待ちたいところだ。

 


【スクリーンショット】
相手の場所をサーチする「Recon」の能力を上手く使って、有利なポジショニングから相手を追い詰めていくチーム戦が楽しい



■ マップにいる車はどれでも乗り放題な「Driver San Francisco」

街を走っている車ならどれでも乗り放題だ
広いサンフランシスコの街を使った自由度の高さが魅力

 今回、筆者が一番気に入ったゲームが、サンフランシスコの街を舞台にしたオープンワールドのカーアクションゲーム「Driver San Francisco」だ。ゲームはストーリーモードと、フリードライブのモードに分かれており、試遊したのはE3用に時間制限ありのフリードライブモード。

 本作の特徴は、サンフランシスコをクルージングしているすべての車を操作できることだ。フリードライブモードをスタートすると、最初に上空から見たサンフランシスコの地図が表示される。好きな場所に向かってズームしていくと、街中を走っている車が見えてくる。スポーツカー、セダン、トラックと種類は様々だ。その中から乗りたい車を選んでボタンを押せば、その車をコントロールできるようになる。

 大暴れして車がボコボコになってしまったら、別の車に乗り換えることもできる。パトカーに乗ると、犯罪者の車がマップ上に赤いしるしで表示されるようになるので、それを逮捕するために追いかける。逆にその犯罪者の車に乗ることもできる。もちろんその日の気分で適当な車を見つくろって、広大なオープンワールドをドライブしてもいい。その日の気分で遊び方が選べるのが最大の魅力だ。

 ストーリーモードでは昏睡状態の主人公John Tannerが見ている夢という設定で、車を乗り換えて様々なミッションをこなしながら、サンフランシスコを脅威に落とし入れようとしている犯罪集団のボスCharles Jerichoを追い詰めていく。オンライン対戦も可能で、様々な対戦モードが用意されている。北米ではプレイステーション 3/Xbox 360/Wii用に2011年8月30日に発売される。


【スクリーンショット】
ストーリーモードでは、昏睡状態の主人公が夢見る幻のサンフランシスコが舞台になる

(C) 2011 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved.

(2011年 6月 12日)

[Reported by 石井聡]