E3 2011レポート

「ファイナルファンタジー XIII-2」試遊レポート
ユーザーの声が反映されたリニューアルを随所に確認


6月7日~9日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 今回はEidos開発のタイトルが多かったスクウェア・エニックスブースだが、日本開発のタイトルでは「ファイナルファンタジー XIII-2」が初めてプレイアブルに出展された。このレポートでは試遊レポートからわかった新要素などを紹介したい。「FF XIII-2」は日本、北米とも2011年末にプレーステーション 3とXbox360で発売される予定だ。

 E3の会場で、プロデューサーの北瀬佳範氏とディレクターの鳥山求氏に「FF XIII-2」について語ってもらうことができた。このインタビューは後日掲載予定なので、楽しみに待っていて欲しい。


【ブースの様子】
周りをゾンビや海兵隊(のゲーム)に囲まれて、「FF XIII-2」は今回のE3では異色作の部類だったかもしれない



会場で配布していた、新しい主人公「ノエル・クライス」のキャラクターカード。裏側には公式ホームページのHPとリンク用のQRコードが印刷されている

 以前にプライベートショウで公開されたトレーラーは、鎧を着たライトニングが佇んでいる映像だったので、当然ライトニングを使用できると思っていただけに、試遊台で使えるキャラクターがセラだったことには驚かされた。

 アメリカのスクウェアエニックスE3公式ページの情報によれば、舞台は前作でライトニングたちがコクーンを救ってから数年後、生き残った人々はグラン=パルスで新しい生活を始めている。しかしライトニングの姿はなく、多くの人々は死んだと思っている。ある日、セラの住む町がモンスターに急襲されるが、ノエル・クライスという不思議な少年がセラを助けてくれる。セラとノエルはライトニングを探す旅に出る。

 プレイして感じたのは、前作で批判の対象となっていた部分がかなり積極的に改善されているということだ。試遊をスタートすると、ワープポータルのような場所から魔法のステッキを持ったモーグリと、セラ、ノエルが現われる。2人の会話からは、そこがコクーンの中でノエルはここに来るのが初めてだと言うことがわかる。ポータルを出た場所は街になっていて、避難民らしき人や警備兵がいる。前作では敵だった兵士たちだが、今回は普通に話をすることができる。

 NPCは前作同様近づくと自動的にしゃべっていることもあるが、会話することもできる。会話には選択肢が出るものもあって、話かけるとストーリーに関する色々な情報を得ることができる。街中も1本道ではなくそこを拠点にダンジョンを攻略するような場所になっている。キャラクターは任意にジャンプでき、小さい段差なら飛びあがったり飛び降りたりできる。


インタラクティブなカットシーン演出や、エンカウント方式の変更など、多くの変更によって前作とは似て非なるゲームになっている

 街の出口付近には結界のようなものがあり、それを超えるとモンスターが出現するようになる。モンスターとのエンカウント方法はかなり大きく変わっている。前作ではモンスターは最初から画面上にいたが、今作はエンカウント方式になった。エンカウントすると「Mog Clock」というメーターが出る。

 エンカウントしてもすぐには戦闘が始まらずに、一定時間「Mog Clock」のメーターが上がっていく。メーターがいっぱいになる前に逃げれば戦闘に入ることなく離脱できる。逆に戦闘する場合は、メーターの貯まり具合によってボーナスがつく。メーターが貯まりきってから戦闘に入ると、ペナルティーがついてしまう。

 戦闘方法はおおむね前作と同じだが、いくつか新要素が追加されている。試遊では突然暴れ始めたタイタンと最初の戦闘をすることになる。セラはモーグリが変身した弓を使う。タイタンのHPが減ると「Cinematic Action」というQTE(クイックタイムイベント)の演出が挟まる。上手くボタンを押せば特別な演出で敵を倒してくれる。

 もうひとつの新要素が倒したモンスターを仲間にできるようになったことだ。試遊では3種類のモンスターがあらかじめセットされていて、ロールを切り替えると例えばアタッカーならベヒーモス、ブラスターならプリンが現れて一緒に戦ってくれた。

 前作では受け身になることが多かったが、今作はQTEを始めプレーヤーが能動的に動く部分が増えている。前作は良くも悪くもRPGというには独創的な要素が多かったが、今作では「FF」のファンがこうあるべきと考えるベーシックな形により近づいたと言えるだろう。


【スクリーンショット】
ノエルはグラン=パルスの住人のようだ。今作では、グランパルスの秘密が更に明らかになるのだろうか?

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(2011年 6月 11日)

[Reported by 石井聡]