E3 2011レポート

Nyko、Kinect専用アタッチメント「Zoom for Kinect」を出展
Kinectに必要なスペースを40%削減、120cmでプレイ可能に


6月7日~9日 開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



 米Nykoは、E3の自社ブースにおいて、Xbox 360 Kinectに装着することで、Kinectのプレイに必要なスペースが40%短くなるKinect専用アタッチメント「Zoom for Kinect」を発表した。発売日は8月16日を予定し、価格は29.99ドル。

1人分のスペースで2人同時プレイが可能に
KinectとZoom for Kinectの必要なスペースの違い。縦に短く、横に広くなっている
「Zoom for Kinect」をKinectに装着した状態

 米MicrosoftはE3 2011のMedia Briefingにおいて、Kinect向けのコンテンツやサービスを大プッシュしたが、住宅事情が厳しい日本では、諸手を挙げて喜べないのが現状だ。Kinectをプレイするためには、1人プレイ時で1.8メートル、2人プレイ時で2.5メートルほどのスペースを確保する必要がある。

 激しく動くことも踏まえて多少の余裕も考えるとやはり1人プレイ時で2メートル、2人プレイ時で3メートルぐらいの空間の確保が必要になる。これはリビングルームに広いスペースを確保する文化のない日本ではなかなか厳しいハードルで、多くのゲームファンはスペースの確保に苦労を強いられているのが実情だろう。

 Kinectをプレイするのになぜこれだけの距離を確保する必要があるかというと、全身をくまなくトラッキングする必要があるからだ。とすれば、「Kinectのレンズを広角レンズに替えれば、もっと短い距離で遊べるのでは!?」とは誰しも考えつくが、それをいち早く実行に移したのが、ユニークなゲーム専用機向けペリフェラルの製作で知られるNykoだ。

 「Zoom for Kinect」は、Kinect前部のレンズ部分にカパッとはめ込む同色、同質のアタッチメントで、ソフトウェアや電源、ケーブルなどは必要なく、はめ込むだけで機能する。これにより、1人プレイ時で2メートルが1.2メートルに、2人プレイ時で3メートルが1.8メートルまでそれぞれ短くなる。もちろん、すべてのKinectタイトルに対応している。広報担当者によれば、Zoom for Kinectの導入によって検知の精度に変化はなく、デメリットも特にないとしている。

 ちなみに、副次的なメリットとして、これまで2人プレイ時では窮屈なプレイを強いられていたが、Zoom for Kinectの魚眼レンズ効果でかなり離れた状態でも認識するようになっているという。もちろん、その分、横方向へのスペースの確保は必要になるが……。

 Nykoブースでは実際にZoom for Kinectのアタッチメントを装着した状態でKinectタイトルをプレイできるようになっていた。フロアにはわざわざ標準で必要な距離と、Zoomを装着した際に必要な距離が明示され、その効果が一目でわかるように工夫されていた。1人プレイが0.8メートル、2人プレイ時で1.2メートル縮まるため、いま1人プレイを行なっているスペースが確保できれば、2人プレイも行なえるという計算になる。これは「1人プレイはギリギリ確保したけど、2人プレイ分のスペースを確保するのはちょっと……」という方には朗報だろう。

 実は北米でもニューヨークなどの都市部で、Kinectのスペースに対する改善要望は多かったという。Nykoでは北米のみならず、グローバルでの展開を考えており、日本展開も含まれているという。日本マイクロソフトにとって福音となるかもしれないプロダクトだ。


【Zoom for Kinect】
Zoom for Kinectを装着した状態のKinect。アタッチメントは非常に軽い

【デモンストレーション】
1人分の距離で、2人で遊べるようになるのが嬉しいところ。下段の写真は、あえてソファーに印が描かれており、Zoomを導入することで、ソファを動かさずに2人プレイが可能となる

(2011年 6月 9日)

[Reported by 中村聖司]