セガ、「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」
全国ファン感謝祭2011 supported by カロリーメイト決勝大会を開催
「PSO2」の画面初公開! 新要素のキーワードやメッセージも


開催日:4月24日

開催場所:秋葉原クロスフィールドイベントスペース「AKIBA_SQUARE」



 4月24日、株式会社セガの「ファンタシースターポータブル2インフィニティ」の全国大会となる「全国ファン感謝祭2011 supported by カロリーメイト」の決勝大会が、東京秋葉原の「AKIBA_SQUARE」にて開催された。

 「インフィニティグランプリ」は、感謝祭のメインイベントとして全国で開催されてきた、規定クエストでのクリアタイムで日本一の最強最速タッグの証「インフィニティグランプリ王者」の称号を懸けて争う大会。

 本来の予定では、大会の予選は東京、大阪、名古屋、福岡、札幌の5都市で開催される予定だったが、東日本大震災の影響により福岡会場と札幌会場は残念ながら中止。決勝大会の開催も一時期危ぶまれていたが、「こんなときだからこそ」という意向もあっての開催となった。

 決勝大会の盛り上がりの様子や、会場でサプライズ発表された「ファンタシースターオンライン2(以下、『PSO2』)」の最新情報などをお伝えしていこう。




■ 「PSO2」の画面がついに公開! 新要素の鍵を握るキーワード、酒井プロデューサーからのメッセージも

 会場ではサプライズ発表として、「ファンタシースターオンライン2」のプロモーションムービーが披露された。このPVには、初公開となる「PSO2」の画面が多数登場するほか、新システムについてその断片を探ることができるいくつものキーワードが存在した。今回はPV収録内容からの画像、作品の鍵を握る“キーワード”が公開されている。

 また、プロデューサーである酒井智史氏よりメッセージも公開されている。「PSO2」という作品の根底にある“出発点”、“方向性”、“想い”がまとめられたものだ。こちらからも、おぼろげながら「PSO2」の姿が見えてくる。

 補足として、PVを見てその内容から確認できたものを記述していこう。TPS視点(キャラクターの肩越し視点)で、移動しながら上空の敵を射撃している様子。これまでのシリーズでは見られなかったような、無数とも言える大量の敵。敵を上空へ跳ね上げ、自分も跳んで空中でコンボを決め、最後に地面へ打ち落とす。ジャンプしながら移動し、段差も乗り越える。そしてPVの最後には……。最後を含め詳細については、PVが公開されるのを楽しみにしてもらいたい。

【「ファンタシースターオンライン2」のキーワード】

・「無限の宇宙を旅する船団『オラクル』」
・「未知数の星々で待つ、新たな冒険」
・「宇宙を包む「悪意」の侵略」
・立ち向かう者達、その名は『アークス』」
・「宇宙を守れるか、宇宙が喰われるか」
・「その結末は、英雄(きみ)達にの手に委ねられる」

・今、RPGに冒険はあるのか?
・いつも、初めての場所へ。ランダムフィールド
・オリジナルコンボ
・TPSスタイル
・ジャンプアクション
・ハイブリッドカスタムアクション
・何かを予感させる……シームレスウェザー
・毎回何かが起きる!? インタラプトイベント
・目指すものは「無限の冒険」
・終わりなき冒険を、今ふたたび。

【「ファンタシースターオンライン2」について】

 ついに皆さんに「ファンタシースターオンライン」の正統後継作品である「ファンタシースターオンライン2」の画面を見ていただける日が来ました。

 今回、完全新作として「ファンタシースターオンライン2」を作るにあたって、「ファンタシースターオンライン」で感じたオンラインゲームの楽しさ、驚きや発見を再び感じてもらえるもの、今のRPGに失われつつある「冒険」を感じてもらえるものを目指しています。

 ファンの皆さんや、オンラインゲーマーの皆さんはもちろん、まだその楽しさを知らない多くのユーザーの方に、さらに新しい面白さ、楽しさを味わっていただきたいのです。

 長く、より多くの人に参加していただくために、我々は自由度の高い、PCというプラットフォームを選択しました。PCを新調しなければできないゲームではなく、これまでPCでゲームをしなかった、という方が自分のPCで思わずプレイしたくなるようなゲームにする、という事を目標に作っています。

 今回お見せした要素は、「ファンタシースターオンライン2」の持つ数々の新たな楽しさのほんの一部です。もっと詳細な発表はαテスト前にまた行なえればと思いますので、それまではいろいろと想像しつつお待ちいただければと思います。

 αテストでは、今日お見せした部分よりももう少し先まで、新たな試みを感じられるものになると思います。実際に皆さんにプレイしていただき、より良い作品を目指していきますので、まだ応募されていない方は是非αテストへの参加をお願いいたします。テストに参加できない方も、新たな「ファンタシースター」の世界の一端を味わっていただけたかと思います。

 次の10年の幕開けとなる「ファンタシースターオンライン2」、これからの情報にもどうぞご期待ください。

 「ファンタシースターオンライン2」プロデューザー 酒井智史




■ 「ファンタシースター」ファンが多数つめかけた感謝祭。「Go Infinity」のライブスペシャルバージョンで開幕!

開場前の様子だが、多数の来場者が早い時間から詰めかけていた

 「ファンタシースターポータブル2インフィニティ 全国ファン感謝祭2011 supported by カロリーメイト」のラストを飾り、「インフィニティグランプリ」の決勝大会会場となったのは、東京秋葉原の「AKIBA_SQUARE」。昨年は「リトルウィンググランプリ」の決勝戦が行なわれたこの場所に、今年もファンが集うこととなった。

 昨年とは違い、“グランプリが感謝祭の中のひとつ”である今回は各予選会場同様に、設定画の展示コーナー、ナギサの武器「スティールハーツ」の展示コーナー、記念撮影コーナー、お絵かきコーナー、物販コーナーなど、様々なコーナーが設けられていた。

 特に物販コーナーの人気は高く、物販コーナーのみ午前10時からの早い開場であったにも関わらず、開場前から長蛇の列ができていた。なお来場者は1,000人を超えたという。


今年は“感謝祭”というコンセプトで、メインイベントのインフィニティグランプリ以外も充実。左下のカロリーメイトの山は、優勝賞品のカロリーメイト1年分だ

 13時からは、いよいよメインイベントである「インフィニティグランプリ」の決勝大会。そのオープニングを飾ったのは、メインテーマを歌うAnnetteさんによるスペシャルライブだ。楽曲は「Go Infinity」のライブスペシャルバージョンで、ステージには作曲者である小林秀聡サウンドディレクターも銀のジャケット姿にショルダーキーボードで登場! ツインギターと共に、迫力のサウンドと歌声を聴かせてくれた。


「Go Infinity」のライブスペシャルバージョンは、ロングアレンジされ、ギターとキーボードが前面に出た迫力のバージョン。うねりと速弾きが加わったギターサウンド、鮮烈なキーボード、そしてパワフルなAnnetteさんの歌声と、圧倒されるようなパフォーマンスだった




■ 「インフィニティグランプリ」決勝大会は、1秒を争う熱戦につぐ熱戦!

右から、解説を務めた酒井プロデューサー、菅沼ディレクター、そしてスペシャルゲストの能登有沙さん、小倉 唯さん
「∞GP 1stステージ」では「ギール・ゾーク」にいかにチェインを繋げて大ダメージを与えるかがポイントに。驚きの70チェイン越えに会場が湧いた

 いよいよ、グラール最速を決定する「インフィニティグランプリ」決勝大会がスタート。解説を務めたのは、酒井プロデューサー、菅沼ディレクター、さらにスペシャルゲストとして、能登有沙さん、小倉 唯さんも加わった。なお、T隊長こと寺田シニアディレクターは入院中ということで、今回は残念ながら欠席となった。

 決勝大会は、各予選を勝ち抜いた14チームで争われ、1回戦で上位9チームに、セミファイナルでさらに上位3チームにしぼられ、そしてファイナルで優勝が決定するという流れになる。

 まずは、第1回戦、予選でも使われてきた「∞GP 1stステージ」での戦い。14チームがA~Eの5ブロックにわかれて、3チームずつ(Eブロックだけ2チーム)「∞GP 1stステージ」のスピードクリアに挑んだ。

 「∞GP 1stステージ」は各予選でも使用され、たっぷりとやりこまれてきたステージ。攻略方法が完全に確立されており、フォースのペアでボスの「ギール・ゾーク」をテクニックで一気に倒すのが基本となっている。

 第1回戦では予選大会よりもさらにプレイが洗練され、タイムがさらに早くなっていたのが印象的。例えば東京大会の上位3チームのタイムは2分20秒台だったのだが、今回の第1回戦で最速だった「チーム生主」のタイムは1分48秒と、30秒ちかく縮めている。これにはさすがの菅沼ディレクターも想像を遙かに超えたようで、「すごいね……」とあっけにとられて言葉も出ないといった様子だった。

 戦術は全チーム同じで立ち回りも一緒。そこでポイントになるのが、チェインをどこまで伸ばせるかだ。攻撃を重ねてチェイン数が伸びるほどフィニッシュのダメージが増すだけに、各チームともギリギリまで粘り、それを見守る来場者もチェイン数の伸びとともにテンションが高まっていく。上位のチームは60~70チェインまで繋げてフィニッシュダメージ2,600越えを叩きだしており、驚きの声や歓声が挙がっていた。


徹底的にやりこんできているだけに、ボスのギール・ゾーク戦に入るまではほぼ横一線。初戦から熱い戦いとなった

セミファイナルはボスに「オルガフロウ」が待ち受ける「∞GP 2ndステージ」での戦い。こちらはさらに熱い戦いに

 続いてセミファイナル。勝ち上がったのはA~Eブロックの各1位のチームと、そのほかのチームからクリアタイム上位4チームの全9チームで、セミファイナルでは3チームずつのA、B、Cブロックにわかれて上位1位のチームがファイナルへと進んでいく。

 セミファイナルは、ボスに「オルガフロウ」が待ち受ける「∞GP 2ndステージ」が戦いの舞台。こちらも発売後にステージが配信されているので、最速クリアに向けた攻略方法が煮詰められてきていた。ビーストとニューマンのハンター&フォースの組み合わせで挑み、カオスブリンガーは角に追い込んで一気に倒す。オルガフロウはステージの周囲をまわるので攻撃しづらい第1形態をいかに素早く倒すか、第2形態ではチェインから一気に倒してタイムを縮めるといった戦略だ。

 こちらも予選からは圧倒的にタイムが縮まっていた。予選ではだいたいのチームが3分台なかば、後の予選で情報を得ているチームでも3分を切るかというところだったのが、なんと1位と2位のタイムは2分47秒の同タイム。オルガフロウ第1形態を10秒に満たないハイスピードで倒し、第2形態撃破のクリアデモに同時に入るという大激戦。なかでもBブロックはわずか1秒差で「チーム生主」が勝利するなど、劇的な展開となった。これには場内も沸きに沸いた。


ほぼ同時にボス撃破のイベントシーンに入るという、超接戦! 1秒差で勝敗がわかれるほどで、会場からもどよめきや大きな歓声が沸いた

この日はじめて公開された「∞GP ファイナルステージ」。「手加減しなかった」と菅沼ディレクターが語るとおり、クリアだけでも苦労するような強烈な内容になっている

 次はいよいよファイナル。グラール最速のチームが決定する。ファイナルではこれまで誰もプレイしていない「∞GP ファイナルステージ」が使用される。ファイナルの前に、菅沼ディレクターと、“マガ殺の伝道師”こと小林サウンドディレクターによるデモプレイが行なわれた。このプレイを参考に、ファイナル進出チームは作戦を練ることになる。

 「∞GP ファイナルステージ」は、ブリガンティア、ナーゲヴァール、イヴァーラ2体が登場し、“本気で倒しにかかってくる”という布陣。そしてボスは最後を飾るにふさわしいダークファルス・ディオスだ。これを見た場内からは盛り上がりの歓声と同時に、そのエグさから「うわぁ~……」と苦い声が漏れていた。

 菅沼ディレクターいわく、T隊長こと寺田貴治シニアディレクターが「∞GP ファイナルステージ」に挑んだときには「5秒ぐらいで死んでました」とのこと。また、「今までのステージはちょっと手加減をしていた。でもここは、一切手加減のないステージになっている」という。

 菅沼ディレクターと小林サウンドディレクターのプレイでは、開始直後から何度も戦闘不能になりそうな危ないシーンが続き、見守る会場からもその激しさに声が挙がる。手加減なしのシビアさが伝わってきた。ボスのダークファルス・ディオスは弱点の部位が移動する巨大ボス。足下だけでなく、頭や胴にも弱点が移動し、プレーヤーはショートカットオーダーで空中と地面に移動しつつ戦うことになる。ボスまでも厳しいが、ボス戦はさらに長く厳しい戦いになる。


ファイナルの前に、菅沼ディレクターと小林サウンドディレクターがプレイ

ファイナルに勝ち上がった3チーム。初めてのステージだけにキャラクター選びがわかれ、それが結果にも大きく影響したかもしれない

 いよいよここまでを勝ち上がってきた上位3チームによるファイナル。勝ち上がったのは、大阪会場から勝ち上がり、前回リトルウィンググランプリの優勝チームである「チーム生主」、ニコニコ動画CUPから勝ち上がった「怪物兵団」、東京大会から勝ち上がった「いぬじる」の3チーム。

 初めて挑むステージだけに、3チームのキャラクター選びにも違いが出てきた。「チーム生主」と「怪物兵団」はビーストとニューマンの組み合わせ、「いぬじる」はニューマンとキャストの組み合わせを選択した。

 酒井プロデューサーのスタートの声とともに、ファイナルステージ開始! さすがここまでを勝ち抜いてきた3チーム。強烈な敵の攻撃を前にしてもぐいぐいと進んでいき、ほとんど大きな差のないままダークファルス・ディオス戦へと突入した。そのプレイに拍手と歓声が湧きあがる。

 ダークファルス・ディオス戦ではBGMにメインテーマが流れ、その高揚感、ファイナルの緊張感、想像を上回るスピードで進むプレイ、それらに会場のテンションは最高潮。

 「いぬじる」が1歩リードでダークファルス・ディオスの最終段階に突入! それを追うように他の2チームも続いていく。そして、「いぬじる」がリード保ったまま、ダークファルス・ディオスを撃破! その瞬間、会場はこの日最も大きな拍手と歓声に包まれた。


シビアなステージにも関わらず、ハイスピードに進んでいく3チーム。「いぬじる」が一歩リードを保ったままフィニッシュ! クリアの瞬間、会場からは大きな拍手と歓声が沸き起こった

見事優勝した「いぬじる」には多数の賞品のほか、「オリジナルアイテムを作れる権」の目録が贈られた。このアイテムは後日PlayStation Storeにて無料で配信される

 最終結果、グラール最速のペアは「いぬじる」でクリアタイムは3分47秒。準優勝は「怪物兵団」でクリアタイムは4分35秒。3位は「チーム生主」でクリアタイムは4分40秒となった。「いぬじる」が頭ひとつ抜けている形になったが、2位と3位の差もわずかで、激戦となった。

 上位3チームにはファイナリスト進出記念の盾、そして、アートワークチームによるイラストの入った副賞のサイン色紙が贈られた。優勝した「いぬじる」にはさらに、特製クリスタルトロフィーと、武器アイテムをオリジナルで作成できる「オリジナルアイテムを作れる権」の目録が贈られた。このオリジナル武器は、後日PlayStation Storeにて無料で配信される。「∞GP ファイナルステージ」も、同様にダウンロードコンテンツとして配信予定だ。

 また、優勝した「いぬじる」には、この感謝祭をサポートしている大塚製薬株式会社より、カロリーメイト1年分2名分も贈られた。

 「いぬじる」のお2人いわく、「∞GP ファイナルステージ」を見て「∞GP 2ndステージと大きな違いはない」と判断したという。ダークファルス・ディオスに関しても「最後にふさわしいボス」ということで、ステージ公開前に予想はできており、余裕を持って挑めたという。2人は優勝の喜びと感謝の気持ちを、友人たち、そして家族へと伝えていた。

 表彰式の直後、本記事では冒頭に伝えている「ファンタシースターオンライン2」のプロモーションムービーが上映された。シーンごとに「うおおー!」という声が湧き、上映終了後には興奮の拍手と歓声が沸き上がった。酒井プロデューサーもその喜んでもらえた反応をみて安堵の表情をみせていた。これからの情報にも期待頂きたい。

熱い戦いに、最高潮の盛り上がりをみせた「ファンタシースターポータブル2インフィニティ 全国ファン感謝祭2011 supported by カロリーメイト」。今のところここだけでしか見られない「PSO2」のサプライズ発表もあり、充実したイベントとなった

 「ファンタシースターポータブル2インフィニティ 全国ファン感謝祭2011 supported by カロリーメイト」もラストを迎え、大会の解説を行なった酒井プロデューサー、菅沼ディレクター、能登さん、小倉さんからのコメントで締めくくられた。

能登有沙さん:「全国をまわらせて頂いて、そして決勝の熱い戦いをみて、なによりも絆を感じることができました!『PSO2』も本当にプレイしたいと思いました!」

小倉唯さん:「たくさんの人が会場に集まってくださって。改めて、みなさんに愛されている作品だというのを感じることができました。これからも応援に参加させて頂けたらいいなと思います!」

菅沼ディレクター:「僕らの想像以上に盛り上がってもらえて、すごく良かったです。また『PSO2』もありますが、まだまだこれからも、みなさんと共に歩んでいきたいと思います!」

酒井プロデューサー:「熱い戦いと、その仲間たちの熱い絆を感じることができて、“絆が無限の力になる”というキャッチコピーを体現してくれた戦いだったと思います。『PSO2』ですが、これからαテストに向けて作り込んでいき、新しいオンラインゲームの幕開けになるようなソフトにしていきたいと思います。これからもファンタシースターシリーズをよろしくお願いします!」

 最後は、会場全員でインフィニティポーズ! 大きな拍手と歓声に包まれながら、「ファンタシースターポータブル2インフィニティ 全国ファン感謝祭2011 supported by カロリーメイト」は閉幕した。

(C) SEGA

(2011年 4月 25日)

[Reported by 山村智美]