キュー、オフラインイベント「Qonline Fiesta 2011」開催

自動操作が特徴のMMORPG「BraveSongOnline」をプレイレポート


4月24日 開催

会場:東京都立産業貿易センター浜松町館 2F展示室

入場料:無料



 キューエンタテインメント株式会社は、同社のオンラインゲームタイトルを集めたオフラインイベント「Qonline Fiesta 2011」を、4月22日に東京都立産業貿易センター浜松町館にて開催した。入場は無料。

 このイベントは、2010年12月から全国8会場を回って行なわれているもの。3月に予定されていた東京会場が締めくくりとなる予定だったが、東日本大震災の影響で開催を延期。仕切りなおして4月24日に開催された。イベントでは、同社のオンラインゲーム「AngelLoveOnline」、「エンジェル戦記」、「XenepicOnline Revo」の3タイトルのグッズ販売や、購入者を対象とした抽選会、ゲーム内アイテムがもらえるアトラクションが設置された。

 また同社の運営スタッフとユーザーが互いにコメントを寄せられる「みんなの掲示板」が用意され、来場者がその場でコメントを書いたり、現場にいる運営スタッフが直接意見を聞いたりする様子も見られた。会場かなり広々とした場所が用意されたこともあり、ユーザー同士で集まって話をしている様子もあちこちで見られ、公式なオフ会のような雰囲気も感じられた。


物販コーナーには来場者がひっきりなしに並んでいたグッズを購入すると福引参加券や特製グッズがもらえたこちらは無料で参加できるアトラクション。ゲーム内アイテムが賞品
「XenepicOnline Revo」の開発資料が掲載されていた。日本版と北米版のNPCイラスト比較がなかなか面白い
「みんなの掲示板」には運営担当者の声も寄せられており、来場者は熱心に見入っていた今回のイベントのために作ったというバルーン。今後のイベントにも持ち出すらしいのでご期待いただきたい「AngelLoveOnline」のカードイラストが並んだタペストリー。「これが欲しい!」という声が何度も聞かれた

「BraveSongOnline」の試遊コーナー。周囲にはプレーヤーキャラクター達のタペストリーが飾られていた

 そして本会場において、同社がサービスの準備を進めているWindows用MMORPG「BraveSongOnline」の試遊台が用意された。本作はまだクローズドβテスト(CBT)も始まっておらず、これが日本初公開となる。筆者も早速プレイしてみたので、本作の見所をお伝えしよう。なお今回の内容は、CBTに先駆けて行なわれた体験会のもので、ローカライズやゲームバランスの調整などが途中のものとなっている。この内容がそのまま正式サービスに実装されるわけではないので、あらかじめご了承いただきたい。

 本作は俯瞰視点のMMORPGとなっており、基本的な操作感や画面の印象は、「AngelLoveOnline」や「XenepicOnline Revo」に近い。しかしこれらのタイトルと決定的に違う点として、本作は操作を自動化した部分が極めて多い。クエストの目的地に自動的に移動するのは当然として、本作ではMMORPGの要とも言える戦闘すらもかなり自動化されている。

 まず本作には、NPCやモンスターを仲間にして一緒に戦える「サモンシステム」がある。フィールドにいるモンスターを捕まえて仲間にできるほか、一定の条件を満たすことで街のNPCや「英雄」と呼ばれる強力なキャラクターも仲間にできる。仲間にしたキャラクターは、最大3体まで自由に呼び出せる。仲間には予め動きを設定でき、「プレーヤーを攻撃してきた敵に反撃する」というもののほかに、「自分から周囲の敵に積極的に攻撃する」というものもある。プレーヤーが何もせずに、勝手に敵を倒させることも可能だ。

 さらに本作は、プレーヤーの行動さえも自動化する「ねじ巻きシステム」も搭載している。使用するスキルやアイテムを設定しておけば、クライアントが動いている限りずっと自動的に行動し続ける。しかも「HPが設定量以下になった時」、「倒されてしまった時」、「他のプレーヤーにパーティーに誘われた時」といった状況に応じた行動も設定できる。

 もう1つ、本作においてポイントとなるのが、ハウジング的な要素となる「荘園」だ。プレーヤーごとに所有できるプライベートスペースで、一部の場所を除いて、どこからでも自由に出入りできる。中には農園があり、作物を植えておくと、一定時間後に収穫できる。見た目的にも仕組み的にも、農場系のソーシャルゲームのような仕組みだ。

 また、ギルドごとに自分達の城を所有できる。フィールドのあちこちに、城を建てられるポイントが用意されており、そこから好きな場所を選んで城を建てる。城の中では、街では買えないアイテムを入手できたり、仲間になるNPCを増やしたりといった要素があるという。ちなみに城を建てる場所は早い者勝ちで、他のギルドの城を奪う方法はないが、建設できる場所はかなりの数があるので、城を持てないギルドはおそらく発生しないそうだ。

 そのほか今回は試せなかったが、15人のプレーヤーキャラクターから選んでプレイするところも本作の見所といえる。「エクスカリバー」を持つ女性騎士から、禿頭の僧侶、少女の姿に化けている魔女など、魅力的なキャラクターが揃っており、それぞれに物語が用意されているという。

 実際にプレイしてみた印象としては、「自動化されたカジュアルなMMORPG」という感覚も確かにある。しかしそれよりも「MMORPG的にも遊べる、作りこまれたソーシャルゲーム」という感覚のほうがより強かった。戦闘の自動化は、一般的なMMORPGで言うところのBOTの存在そのものであり、それを公式ツールとして用意するのは「禁断の一手」と思われるだろう。だが、MMORPGの固定概念を捨てて、放っておいても進むゲームなのだと思えば、意外としっくりくる。

 既存の3タイトルとは似て非なるものだと理解した上で、ブラウザゲームを始めるくらいの感覚でプレイするのがいいだろう。必要なPCスペックもかなり低く、ノートPCでも十分に動作するという。なお同社は現在、CBTに参加するテスターの追加募集を28日13時まで行なっている。弊誌でも特別枠を設けて募集しているので、興味がある方はこちらの記事からぜひご応募いただきたい。


捕まえたモンスターや、NPCを呼び出して一緒に戦わせる「サモンシステム」。さらに強力で固有のイラストを持つ「英雄」のNPCも用意されている
仲間にプレーヤーの護衛指示を出しておくと、プレーヤーが敵に攻撃されると自動的に反撃する。3体の仲間が一斉に動くので、攻撃もかなり派手になる
本作の肝となる自動操作の「ねじ巻きシステム」。倒された時の挙動など、かなり細かい条件を設定できるプレーヤーが各自持てる「荘園」の入り口は、小さい家として表示される。自由に呼び出せて、他のプレーヤーの「荘園」にも入れる
「荘園」の中には、農場が用意されている。種をまいて水をやり、一定時間が経つと収穫できる
ギルド単位で所有できる城。中はかなり広々としていて、いくつかの機能が用意されている
仲間のほかに、騎乗できるペットもあるエモーションコマンドも充実。ネコのイラスト入りの絵文字が可愛らしい

(2011年 4月 25日)

[Reported by 石田賀津男]