「2011 International CES」レポート Sony&Microsoft編

3D立体視&PS MoveのSony、Kinectタイトルに力を入れるMicrosoft


会期:1月6日~9日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Center



 ITおよび家電関連の世界最大の展示会「2011 International CES」がラスベガスにおいて1月6日~9日(現地時間)の日程で開催された。その中でゲーム関連の出展レポートをお届けする。「International CES」は、ITおよび家電関連の新製品の発表の場として、各種ハードウェア、ソフトウェアが展示されるが、ここ数年、MicrosoftやSonyがゲームプラットフォーム関連の出展を行なっている。また、周辺機器に関しても、多数のメーカーが出展を行なっている。

 


■ Sonyブース

天井が吹き抜けのためかなり大きく見えるSonyブース

 CESのメインホールであるセントラルホールで、MicrosoftやIntelとちょうど対角の位置に大きく構えられたSonyブース。今年のSonyブースは過去最大のフロア面積となっており、内容的にも充実。ハードウェアとソフトウェアを、家電とゲーム、そして電子出版というカテゴリで有するSonyはまさに、激しさを増す次世代のメディア戦争に勝ち残るために世界に冠たる総合エンターテインメント企業として本気を見せているという姿が伺える。

 基調講演で語られた主なカテゴリーは「デジタルイメージング」、「次世代型テレビ」「3Dソリューション」、「コネクト型製品」の4つだったが、これらがブースの至る所に配備されているのみならず、ブース最奥の巨大スクリーンでデモ動画を3Dで流していた。

 ではゲームはどうかというと、上記のカテゴリの中では「3Dソリューション」の中に位置づけられている。なるほど昨年末に発売されたばかりの「PlayStation Move」も体感型ゲームということでは3Dである。一方ソフトはというと、「Little Big Planet2」、「Motorstorm Apocalypse」、そして「KILLZONE3」の3作がプッシュされていた。

 ブースの最奥は大きな液晶画面でデモ動画が流れていたが、その手前一面では昨年末に発売された「PS Move」タイトルが展示されていた。多くのデモが3D立体視画面で出展されており、こちらでも3Dへの意気込みをフルに感じさせてくれる。

「PlayStation Move HEROS」

 「PlayStation Move HEROS」は「PS Move」用のアクションパズルゲームで、基本的なプレイ内容はボーリングとピンボールの混合といったところか。会場では3ステージクリアでゴールドメダルが獲得できるチャレンジモードが試遊できた。

 「ジャック×ダクスター」の「Jak」、「怪盗スライ・クーパー」の「Sly Cooper」らから選べる操作キャラクターで、リモートコントロール可能なボールをボウリングスタイルで投げ、目標の檻(ケイジ)を破壊する。このボールは「PS Move」モーションコントローラーを手首を捻って回転させることにより左右にコントロールすることができ、ターゲットを外して壁にぶつかったりして勢いが弱くなってきた場合や、ターゲットと隣接した際に爆破することができる。時間制限があるので、勢いが弱くなってきたらさっさと爆破して次のボールを投げるのが得策。今回のデモではボールは無制限に投げることができたが、実際にはレベルによって数が制限されるようだ。

 横で観ているのと実際にプレイするのとでは大きく違うという印象で、慣れるまでに少し時間がかかったが、操作性というよりはゲームで要求されるコントロールのスキルによるものだろう。細い道を通したり、建物を越えて空中に飛んでいったりする際に必要なジャンプ台(移動する上にボール2個分くらいの幅しかない)を利用するのに苦労したが、楽しくプレイできた。目標物に到達するまでには空中を浮遊している空箱などの障害物をかわすか、爆破していくことになり、またコントローラーを上にひょいと持ち上げることで、ボールがジャンプする。このジャンプを利用しないと破壊できない障害物があるなど、MOVEの機能をフル活用してゲームを楽しむ工夫がされているのが感じられた。1人よりは、友達や家族とワイワイ楽しめるゲームだ。

右画面の奥に映っている赤い物体が破壊目標の檻。特定の数を時間内に爆破させることでステージクリアとなる

「Little BIG Planet 2」(日本発売は2月10日)

 美しいグラフィックスとゲームのストーリーやキャラクターを自分で創作できる自在性の高さにより人気になった、「Little BIG Planet」の続編。3Dには対応していないが、「PS Move」には一部の機能で対応している。試遊はPS3コントローラーのみで、主にアナログスティックの操作性が向上したのが前作に比べての売りという。

 ストーリーモードでは、ゲームの内容としてはオブジェクトをつかんで、特定の場所に移動させたり、壊れた橋を修復させるために、代替の部品を運んで破損箇所を埋めるなどのパズル的要素の強いもの。操作性は悪くないが、ときおりミッション自体が何なのかわからないことがあったのは、筆者がこのゲームをプレイするのが初めてだったからだろう。

 このゲームのもう1つの売りが「カスタマイズ機能」。キャラクターだけでなくストーリーそのものを作ってしまうことができる。今回の特色は乗り物の作成で、これまでよりも簡単に作成できるだけではなく、操作もかなり簡単になっている。現場にいたゲーム開発に携わったスタッフの1人によると、乗り物の操作性における最大の変化は「飛行、照準合わせ、発射」がアナログスティックを使って同時に簡単にできること。実際にやってみたが、確かに簡単に操作できた。

 これらの乗り物を作成した後には、ゲームのストーリー自体を作成していくわけだが、乗り物を使ったFPSやレーシングゲームなんかのデザインも可能だというから夢が膨らむ。まさにユーザー次第で無限に楽しむことができる仕組みを持ったゲームに仕上がっている。

 試遊した感想としては、やはりグラフィックとその自由度の高さに感動させられる。前作からよりパワーアップした操作性と50のストーリーモードが世界中のユーザーを楽しませることだろう。

ストーリーモードだけでなく、強力なカスタマイズが可能操作性をよくするために、コントローラーの各ボタンと乗り物の機能を関連させることができる。コントローラー型の物体が表示され、文字通り「ひもづけ」していくCES 2011版のUFOを作ってみた

「KILLZONE3」(日本発売は2月24日)

 「KILLZONE3」は「PS Move」および3D立体視にも対応している。前作に比べ、グラフィックスのさらなる向上、マップも格段に広くなっているという。「シャープシューター」と呼ばれるガンコントローラーは、「MS Move」のモーションコントローラをバレル側に、ナビゲーションコントローラをグリップ側にはめこんで使うサブマシンガンのような形状。北米での発売は2月22日で、ガンコントローラーは別売で同日発売予定(日本での発売は不明)。

 コントローラーは軽く、照準も比較的合わせやすかったが、やはり慣れるまでには数時間のプレイが必要になるだろう。先端に付いているスフィアはゾーンにより色が変化するようだ(プレイ中は原則赤色点灯)。

3D立体視で出展されていた「シャープシューター」と呼ばれるガンコントローラーは、「PS Move」のコントローラー2つをはめ込んで使う

【Motorstorm 3: Apocalypse】【INFAMOUS2】
「Motorstorm 3: Apocalypse」(日本版タイトルは『モーターストーム3』で、3月17日発売予定)も3D立体視で出展されていた「INFAMOUS」(日本版タイトルは「INFAMOUS~悪名高き男~)の続編も出展。2011年発売予定だが、日本版のリリースは未定

■ Microsoftブース

Kinect試遊スペースでプレイされていたのは同梱のスポーツゲーム「Kinect Sports」とダンスゲームの「Dance Central」のみ。「Kinect Adventure」も筆者がいる間はプレイされた様子がなかった。新作の体験はなかった模様

 CESのメイン会場であるセントラルホールの入口付近に位置するMicrosoftブース。今年は新しいWindows OSの発表がなかったので、メインの展示は昨年発売されたばかりに関わらず既に800万台を売り上げたとされるXbox 360用の体感型ゲーム周辺機器のKinect、そして、モバイル端末用のOS Windows Phoneだった。

 すでにAvatar Kinectについてはお伝えした通りだが、これはKinectの機能を活用してユーザーの顔の表情を読み取り、相手に伝えるなど、アバターを活用したソーシャルサービスとして展開される。5億人といわれるユーザーを抱えるFacebookを筆頭としたソーシャルゲームのプラットフォームは、さらに広がりを見せることになる(ただし、今回は展示なし)。

 ブースではゲームの試遊にあまり力が入れられていなかった様子で、その中でも1番目立っていたのはやはりKinect。隔離された大きな3つのスペースで試遊が可能となっており、Xbox 360の試遊コーナーが3基、その背後にはPCゲームの試遊スペースがあり、あとはWindows Phoneのゲームが小さくあったのみ。これまではPCゲームが主流だったのが、モバイルと体感型ゲームに切り替わっているのが一目瞭然だった。

【Xbox 360】
出展されていたのは「Halo: Reach」とXbox LIVEアーケードの「FULLHOUSE POKER」の2つ
【Windows版 Fable III】【Age of Empires Online】
Xbox 360から移植されたWindows版を展示「Age of Empires Online」はインターフェイスが一新されたシリーズの最新作。キャラクターデザインなどがカジュアルゲームを意識したデザインに変更されているのが伺える。リリース時期の詳細は未定だが、来春を予定しているという

(2011年 1月 12日)

[Reported by 立入勝義]