米Microsoft、「Kinect」の累計販売台数が800万突破を報告
アバターでビデオチャットが楽しめる「Avatar Kinect」を発表、「Age of Empires Online」は来春サービス開始


1月5日正式発表(現地時間)


 米Microsoftは現地時間の1月5日、米国ラスベガスにて現在開催中の2011 International CESにおいて同社CEOのスティーブ・バルマーが基調講演を行なった。その中でXbox 360を中心としたエンターテインメント分野に関していくつかの発表と報告を行なったので、ゲーム関連の要素だけまとめてお伝えしたい。

ボディランゲージを交えながらビデオチャットが楽しめる「Avatar Kinect」

 今回の報告の中心となったのは、同社が11月4日(日本では11月20日)より発売を開始したXbox 360の新しいインターフェイス「Kinect」。出荷台数については、予想の500万台を大幅に上回る800万台を記録。Xbox 360の売り上げについては、この「Kinect」の追い風もあり、年末商戦期を含む、過去6カ月にわたってゲームコンソールの販売台数の首位を記録したという。日本を含む各市場ごとの販売台数については明らかにしていない。

 「Kinect」関連の発表については、スポーツ、ムービー、テレビ、ミュージック、ソーシャルなど、ゲーム以外の分野の発表が中心となっているが、中でも今回注目されるのがXbox LIVEの新サービス「Avatar Kinect」である。

 「Avatar Kinect」は、Kinectのインターフェイスをフルに活かしたXbox LIVE上で展開されるソーシャルサービスとなる。基本的な機能としては、Xbox LIVEのアバターを使ったビデオチャットシステムで、音声はもちろん、身振り手振り、そして顔の表情まで、Kinectを通じてモニター内のアバターに入力され、ビデオカンファレンスのような雰囲気でLIVEユーザーとチャットが楽しめる。「Avatar Kinect」は来春、Xbox LIVEゴールドメンバーシップメンバーを対象にサービス開始予定としている。日本でのサービスについては未定。


【「Avatar Kinect」のプロモーション映像】
適度なプライバシーは維持しながら、ボディランゲージを交えた本格的なチャットが楽しめる「Avatar Kinect」

【Avatar Kinect】
「Avatar Kinect」ではステージ(背景)を変えることで、単なるコミュニケーションの場のみならず、キャスターやシンガーなどの各種ロールも楽しむことができる


Xbox 360の人気RPG「Fable III」がWindows PCでも楽しめる

 ゲーム方面では、Windows PC向けのゲームプラットフォームサービス「Games for Windows」向けと、同社が手がける新たなモバイルゲームプラットフォームWindows Phone 7向けのラインナップが発表された。

 Games for Windows向けとしては、Xbox 360からの移植版となるWindows版「Fable III」と、Games for Windowsのオンラインサービス「Games for Windows - LIVE」専用タイトルとして現在開発が進められている「Age of Empires Online」の2タイトルの存在が改めて明らかにされた。

 Windows版「Fable III」は発売時期、価格は未定のままだが、「Age of Empires Online」は来春サービス予定で、ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制。デベロッパーは「Age of Empires」シリーズを手がけたEnsemble Studiosの元メンバーが設立したRobot Entertainmentが担当しており、いわば本家本元によるシリーズ最新作となる。

 基本的なゲーム内容は、「Age of Empires」シリーズが培ってきたリアルタイムストラテジー(RTS)としてのエッセンスを活かしながら、ソーシャル要素をふんだんに取り入れた都市経営シミュレーションの魅力を併せ持った作品となる。プレーヤーは複数の勢力から1つを選び、クエストをこなしながらレベルを上げ、勢力を成長させ、他のユーザーとの対戦に挑んでいく。言い換えればシングルプレイキャンペーンの継続性と、マルチプレイモードの対戦の楽しさを、サーバー型のオンラインゲームとして兼ね備えた作品のようだ。日本サービスは不明だが、日本でも「Age of Empires」シリーズの人気は高いため、日本展開も十分期待できる作品だ。


【「Age of Empires Online」のプロモーション映像】
「Age of Empires」シリーズ最新作はついにオンラインゲームに。ビジュアルのテイストは若干変化しているが、ゲームの流れやバトルの雰囲気はまさに「AoE」だ


マイクロソフトのスマートフォン向けOS「Windows Phone 7」では、Xbox LIVEを通じて様々なゲームやサービスを提供していく

 Windows Phone 7関連の情報としては、モバイルプラットフォーム独自のXbox LIVEサービスを提供するほか、ゲームコンテンツを提供するサードパーティーの名前が明らかになっている。大手ではElectronic ArtsやTHQ、konami、Namco Bandai、Gameloftなどで、カジュアルゲームメーカーが目立っている印象だ。

 Xbox LIVE機能は、3D表示のアバター、フレンド機能、実績、メッセージ交換などをサポートし、アバターの衣装替えや、フレンドとの実績の比較、プラットフォームを意識しないメッセージのやりとりなどを無料で提供する。なお、Windows Phone 7は日本では端末の発売そのものが未定であるため、これらのサービスの展開時期も未定となっている。


【Windows Phone 7タイトル】
左から順に「Full House Poker」、「Pocket God」、「Pro Evelution Soccer(ウィニングイレブン)」、「Game Room」。日本展開がまったく見えないのが残念なところ


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(2011年 1月 7日)

[Reported by 中村聖司]