G-Star 2010レポート

ncsoft、「The Tower of AION」ショートインタビュー

「2.1」に続くアップデートでついに「Vision」の1要素を実装!


11月17日 収録

会場:ncsoft本社



 韓国ncsoftで11月16日に開催された「G-Star 2010」に関するプレスカンファレンスの翌日、「The Tower of AION(タワー オブ アイオン)」についてのインタビューを取れたので、その内容をお伝えする。

 今回のG-Starでは、本作に関するアップデート情報は特に出されていない。そこで日本で11月30日に実装予定の「バージョン2.1」から、さらにその先のアップデートに関しての情報を引き出すべく、「AION」開発室室長を務めるキム・ヒョンジュン氏と、デザインチーム担当のクァク・ジウン氏にお話を伺った。なにぶん短時間のインタビューだったため、細かい部分にまで言及できていない面もあるが、この先の展開で気になる部分にフォーカスして質問をぶつけてきたので、ぜひ一読していただきたい。




■ 「2.1」は2回に分けての実装。約20万点を修正

 韓国では「バージョン2.1」の実装が終わり、「AION」開発室では現在、その次のバージョンを開発中だという。こちらは公式名称は決まっていないが、内部では「2.5」と呼んでいるそうだ。

 「バージョン2.1」では、既に日本でも伝わっているとおり、ドロップ率の向上などを始めとした調整が加えられる。その修正点数は20万点にも及ぶそうで、あまりに膨大な量があるため、韓国でのアップデートは2回に分けて行なったという。これでも当初は3回を予定していたものを1回減らして詰め込んだのだそうで、そこからも規模の大きさが伺える。

 1回目のアップデートでは、ドロップ率を修正。2回目では採集と制作におけるバランス修正や、レベリングの改善を行なったという。新規コンテンツはないものの、プレイ感は大きく変化しており、韓国のプレーヤーからは「これは一時的なイベントではないのか?」と言われたほどだそうだ。

 これらのアップデートは、「今まで『AION』のプレーヤーがハードルと感じていた部分の緩和」を目的としたものだという。具体的には、モンスターのドロップにポーションなどの消耗品が加わるようになった。これによって相対的にギーナ(ゲーム内通貨)が得やすくなり、その分だけ攻略も楽になるし、他のコンテンツも利用しやすくなる。キム氏は「以前は全体のコンテンツの一部しか楽しめなかったが、今後は余裕を持って遊べる。モンスターも相対的に弱まる。アップデートの後、インスタンスダンジョンの攻略が活発になった」という。




■ 「2.5」でゲームエンジンをアップデート! 高画質版クライアントを別途提供

日本では次々回のアップデートとなる予定の内容について、キム・ヒョンジュン氏が特別に話を聞かせてくれた
ちょうど1年前に公開された「Vision」。ついに目玉要素の1つが実装される

 続いて現在開発中という「2.5」の内容についても尋ねてみた。これについては「韓国でもまだ未発表。『Vision』の映像に含まれる内容は、今後全て入れていくという意思表示」と前置きした上、「2.5」においてゲームエンジンのアップデートを行なうことを明かしてくれた。これは「Vision」で見せられた、グラフィックスの高画質化がついに実現することを意味している。

 このアップデート以後、「AION」は2つのクライアントが提供される。一方は従来のグラフィックスのもの、もう一方はアップデートされたゲームエンジンを利用するものだ。グラフィックスがリッチになる分、PCもより高いスペックが要求されるので、既存ユーザーを守るためにも、2種類のクライアントを提供するのだという。

 新たなゲームエンジンは登場するが、それでしかプレイできないコンテンツを実装する予定はないとしている。つまり、どちらのクライアントを使っても、同じゲーム内容をプレイできる。ただ機能的には若干の追加があり、ゲームとパワーウィキが連動し、特定のインスタンスダンジョンでアイテムを獲得すると、ゲーム内でガイドしてくれるようなものを実装する予定だという。これは日本など、韓国外でのサービスを意識したもので、より多くの情報を得やすくするための配慮なのだそうだ。

 「Vision」ではこれ以外にも、いくつかの新要素が発表されている。これらの実装時期については、「さらに後のアップデートで実装する。本当は全部一気にやりたいが、開発にも限界があるので、1つずつ実装していく」としている。ユーザーにとっては、発表以来、長らく待ったものがようやく実現することになるだけに、果たして次に何が来るのかと、早くも先のアップデートが気になってしまうところだ。


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(2010年 11月 19日)

[Reported by 石田賀津男]