東京ゲームショウ2010レポート

Gamania Digital Entertainment CEO Albert Liu氏インタビュー
地域別に適したタイトルを提供する戦略を採用、今後はソーシャル/モバイルゲームにも注力


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


幕張メッセ入り口にもアドバルーンを設置してアピール

 東京ゲームショウで過去最大規模のブースを出展し、コンシューマーゲームメーカーに混じって一定の存在感を示していたガマニアデジタルエンターテインメント。同社は2002年、2006年に続いて3度目の出展となる。ワールドカップイヤーだけに出展することに特に深い意味はないようだが、本拠地の台湾で実施されているTaipei Game Showには一切出展せず、以前から東京ゲームショウを主戦場としてきた珍しい台湾メーカーである。

 2002年の出展は、日本法人の設立から間もなかったため、メーカーの認知そのものが目的だった。2006年の出展ではパブリッシャーからデベロッパーへの事業拡大を内外にアピール。2010年の出展では、自社開発スタジオを前面に押し出し、台湾と日本から世界を目指すグローバル企業への脱皮をアピールした。

 強烈なリーダーシップでガマニアグループを率いるAlbert Liu氏は、2月にも台湾でインタビューを行なっているが、今回は東京ゲームショウ出展の狙いと、グローバル展開の具体的な戦略について話を伺った。



■ 自社開発ラインを増強し、各リージョンに合ったタイトルを提供

Gamania Digital Entertainment CEO Albert Liu氏
ガマニアブース。手前には台湾パビリオンがある

編: 東京ゲームショウ出展おめでとうございます。日本以外のメーカーの出展としては最大規模になりますが、出展の感想を聞かせてください。

アルバート氏: ガマニアでは出展は3回目ですが、1番成功していると思います。ユーザーさんやメディアさんからの反応も良いです。

編: 海外メディアからの反応はいかがですか。

アルバート氏: 海外のメディアもたくさんきていただいて、未展開の国のメディアから、いつ参入するのですかといった質問も受けました。地域に応じたタイトルごとの関心が強いです。

編: インタビューの前にブースを見てきましたが、「Tiara Concerto」が90分待ちの盛況でした。

アルバート氏: ゲームデペロッパーとして、90分も待ってプレイしていただけるのは感動的ですね。ここまでの来場者とは予想していませんでした。

編: 今回8タイトルを発表、出展されましたが、それぞれの社内における製品カテゴリーと、展開想定エリアをそれぞれ教えていただけますか。

アルバート氏: まず「DIVINA」は、元々「ルーセントハート」のユーザーベースをさらに発展させる形で開発しました。地域は日本、香港、台湾です。

 「Langrisser Schwarz」は、日本発のタイトルですので日本のユーザーに対する調整に一番力を入れています。日本で実施したチューニングは中国や香港に対しても有効だと思います。「Langrisser Schwarz」はアジアでも有名なタイトルで、中国や韓国のユーザーにもなじみがあるので、そういった地域でも人気が出ると思います。

 「Reign of Assassins」は映画を基にしたタイトルで、中華圏の武侠を好むユーザーにアピールできると思っています。ただ、武侠系のタイトルは日本のユーザーにはいまひとつ関心が低いと思うので展開するかどうかは検討中です。

 次に「Soul Captor」はかわいい系のタイトルで、日本、台湾、香港向けです。次に「WARRIOR OF DRAGON」は中国向けのタイトルです。グラフィックセンスが中国のユーザーに人気が出ると思います。

「Tiara Concerto」は日本向けのグラフィックスなのですが、日本に好まれるテイストは台湾や香港にもマッチすると思います。さらに人気が高くなると韓国や中国にも伝播すると思います。「HERO:108」は欧米のユーザーにアピールしていきます。「Core Blaze」はグローバルタイトルです。「Core Blaze」は各国のメディアから注目度が高かったです。

編: 大型コンテンツである「Core Blaze」は試遊台がありませんでしたが、どうしてですか?

アルバート氏: 2つの理由がありまして、わざと試遊台なしで期待度を高めようということが1つです。また、「Core Blaze」のプロデューサーがゲームの完成度を高めてからお見せしたいという意向がありました。メディアさん向けには試遊台を置きましたが、ユーザーさんには置かないことにしました。

編: 「Core Blaze」はグローバル向けとのことですが、具体的な地域を教えてください。

アルバート氏: まずは香港からです。そこでシステムやローカルのユーザーからのフィードバックを貰って調整する予定です。香港以降のリリーススケジュールは来年夏なので、細かいスケジュールは未定です。私としては韓国にチャレンジしたいと考えています。

編: 韓国ですか。

アルバート氏: 韓国にどうして挑戦したいかと言うと、私自身が「Core Blaze」に自信があるからです。ゲーム性もグラフィックスも韓国のビッグタイトルにも拮抗できるのではないかと考えています。韓国のメディアさんからも反応が良かったです。

編: 日本についてはいかがですか。

アルバート氏: 日本のマーケットを申し上げますと、グローバルの中で優先順位が高いですが、浅井が慎重なタイプなので、かなりの完成度が無いと日本には入れたくないという考えがあります。「DIVINA」や「Tiara Concerto」など日本をターゲットにしたタイトルは元々多いので、それらが一段落してからということになると思います。

編: ガマニアの基本戦略として、それぞれの地域ごとに、地域の嗜好に沿ったタイトルを開発して提供していくということなのでしょうか。

アルバート氏: そうです。正直ガマニアの開発体制ではすべてのタイトルをグローバル展開することは難しいと考えています。それぞれの地域にあわせたコンテンツを提供することをグローバル戦略として考えています。

編: 今アルバートさんが最も関心を持っている地域はどこですか。

アルバート氏: ホットかどうかはともかく、個人的に関心を持っているのはロシア、ポーランド、トルコです。私の知り合いがドバイでゲーム開発会社をやっているのですが、ドバイも可能性がありますよといわれました。

編: それはどういった理由からですか?

アルバート氏: 興味はあるのですが、調査によると3地域ともオンラインゲームの成長率が高いです。しかし、現時点で進出などの具体的なプランがあるわけではありません。この3つの地域に関心を持ったのは、ヨーロッパに進出したところでそのあたりの情報も色々手に入れることができたからです。

編: Gamaniaのヨーロッパ法人は現在どういう状況ですか?

アルバート氏: ヨーロッパのHQはアムステルダムにあります。メインの地域にブランチがあります。イギリスにはブライトン、ドイツにはベルリン、そしてスイスのローザンヌにあります。

編: 今展開しているタイトルを教えてください。

アルバート氏: 現在準備しているのは「HERO:108」。次に「ルーセントハート」になると思いますが、それ以降は未定です。まだ準備中の段階です。今年中にはクローズドβテストを行ないます。




■ “かわいい系”の差別化と展開スケジュールについて

ブースでもっとも人気の高かった「Tiara Concerto」。Albert氏のいう“かわいい系”は4タイトルあり、すべて日本で展開を予定している
初日に行なわれた発表会でグローバル展開を表明するAlbert氏

編: 新規タイトルに話を戻します。今回発表された8タイトルのうち、「Tiara Concerto」や「DIVINA」、「Langrisser Schwarz」などなど、いわゆる“かわいい系”のタイトルがいきなり増えましたが、これらをどのように差別化していくのですか?

アルバート氏: 素晴らしい質問です(笑)。ガマニアのそれぞれの開発チームは日本が大好きなので、日本市場の好みにあったタイトルを作っているのですが、たしかにおっしゃる通りグラフィックスはかわいい系が多いですが、ストーリーとゲームシステムはそれぞれ異なりますので、それらをアピールするようなマーケティングを考えていきます。

編: ガマニアさんは1人のユーザーにすべてのタイトルを遊んでもらいたいということでしょうか。

アルバート氏: 1人のユーザーがガマニアの全部のタイトルを遊ぶのはおそらく難しいと思います。リソースとしてはそういった方向に行きたいですが、ユーザーのそれぞれの好みに合わせられるようなコンテンツは提供したいと考えています。

編: ガマニアブースで「Tiara Concerto」に並んでいる人たちは、単純にキャラクター性に惹かれている印象を受けました。キャラクター性についてガマニアさんはどのように考えていますか。

アルバート氏: 「Tiara Concerto」の開発会社は最近ガマニアと合弁した香港のスタジオなのですが、最初は漫画を制作する会社で、日本でもリリースしたことがあります。絵柄がすごくうまいです。

編: ビジュアルに関して本社サイドからこうして欲しいということを言っているわけではないと?

アルバート氏: ガマニアの開発は1世代目の開発タイトルが出て、今回のタイトルも第2世代のタイトルです。これまでの開発方針としては自由にやってもらっていたのです。こういう方針でヒットさせたらこういった方針を続けますが、売れないタイトルであれば開発チームに自分で直させます。開発スタジオは会社ではなくマーケットに対応する方針です。

編: 今回発表された8タイトルは2011年までにグローバル展開されると考えてよろしいのでしょうか。

アルバート氏: 2011年末まではすべてリリースする予定ですが、2011年末の時点では、全タイトルがすべての展開予定地域でサービスしているという段階にはならないと思います。

編: これだけのタイトルを一気に発表したのはガマニアの歴史上初めてだと思います。現在ガマニアの売り上げは150億円くらいですが、これらが全部リリースされた際にはどれほどの売上高になると見込んでいますか。

アルバート氏: 新規タイトルにつきまして、今年の第4四半期から台湾で徐々にリリースしていく予定です。「DIVINA」は日本でオープンβテストをしていますが、他のタイトルのサービスは来年になる見込みです。2010年度の売上高は60億台湾ドル(約168億円)になる予定です。去年の売り上げは52億台湾ドルで、150億円前後です。

編: 2011年はどのようになるでしょう。

アルバート氏: 難しいですね。実際のところは分かりませんが、個人の目標としては80億台湾ドル(約224億円)は超えたいと思っています。簡単な数学で、今年は去年にくらべて10億元の成長がありましたが、来年は20億元の成長があるだろうと考えています。

編: 日本での展開スケジュールを教えてください。

アルバート氏: 「DIVINA」は始まりました。「Langrisser Schwarz」は来年の第1Qで、「Soul Captor」と「Tiara Concerto」は第2Q以降です。それ以外のタイトルについては未定です。




■ ブラウザゲームは日本発のプロジェクト。今後は台湾でも開発

ソーシャルゲームやモバイルゲームについてはガマニアの対応は遅いという。ブラウザゲームの開発をガマニアジャパンが主導する背景にはそうした事情もあるようだ
初日に発表された「ファントムブレイブ」。ガマニアジャパンと日本一ソフトウェアの共同開発タイトルとなる。詳細はこれからということのようだが、ブラウザ型のオンラインゲームになることが想定されている
Gamaniaが開発しているFacebook向けのソーシャルゲーム「OPEN! CITY」。中央にいるOPENちゃんを育成するゲームだ

編: 日本に関しては大量のブラウザゲームを発表しました。すでに日本では「キングダムサーガ」と「Web恋姫†夢想」の2タイトルがあって、今回さらに「パワードール」と「ファントム・ブレイブ」という2タイトルのブラウザゲームを追加しました。ガマニアジャパンが日本発のブラウザゲームにこだわる理由は何ですか?

アルバート氏: ガマニアの自社開発タイトルはヘビータイトルが多いのですが、カジュアルユーザーのニーズも高いです。こうしたカジュアルなタイトルでも日本向けのタイトルが必要ではないかと考えまました。

編: しかし、2月に台湾を取材した際は、ブラウザで遊ぶソーシャルゲームは日本よりも台湾の方が進んでいる印象を受けました。なぜ台湾ではなく日本なのでしょうか?

アルバート氏: 確かに仰るとおり台湾ではソーシャルゲームが盛んですが、そのこととガマニアグループの地域戦略は異なります。台湾は大型タイトルに力を入れようという方針ですが、日本の浅井は先読みがうまくてブラウザゲームを「やりましょう」とかなり早くから言っていました。ただ、実は台湾でもソーシャルゲームを作っていまして、今年の末から来年にかけて台湾でのタイトルも発表する予定です。

編: 余談ですが、今回台湾の独立系デベロッパーであるXPECを取材して、アーロン会長に色々話を伺いましたが、XPECはソーシャルゲーム開発が盛んですよね。中でもFacebookタイトルは台湾らしい細やかさを感じました。

アルバート氏: アーロンさんとは関係が良くて、事前に全部見せていただいているのですが、とても良い品質で、ガマニアのタイトルにいかがですかといった打診も受けています(笑)。

編: XPECさんのタイトルをガマニアジャパンでリリースすることもありえるのですか。

アルバート氏: 日本市場のことはガマニアジャパンのことは浅井に任せているので彼に聞いてみてください。ガマニアジャパンはブラウザゲームやソーシャルゲームを積極的に検討しているので、やる可能性は十分にあると思います。

編: かつて台湾でライバルだったSoftstarさんが現在ではパブリッシングパートナーになっていますが、XPECさんも今後新たなパートナーになるのですか?

アルバート氏: ガマニアはグローバル会社にしていきたいです。台湾国内のXPECさんやソフトスターさんにはライバルという気持ちはまったくなくて、彼らの良いタイトルを他の地域でガマニアが展開できればそれは光栄なことです。

編: ちなみに現在、台湾のソーシャルゲームはどういった状況でしょうか。

アルバート氏: 台湾のソーシャルゲームは、去年「開心農場」が大ヒットしましたが、ゲーム性の問題でそれ以上は成長は止まっています。Facebook向けのソーシャルゲームも全体としては鈍化して、タイトルも増えて1人勝ちの様相ではなくなってきました。台湾のソーシャルゲームはそれでもまだ飽和状態にはなっていないと思います。「開心農場」は非ゲーマー層のエントリータイトルになりました。そこでFacebookで他のタイトルを見つけてゲームをするようになったユーザーも非常に増えました。

編: 2月に取材させていただいたときはコンビニ経営シミュレーションゲーム「便利商店」をFacebook向けに開発しているという話でしたが。

アルバート氏: 「便利商店」来年の第1Qにリリースしたいです。それから台湾のセブンイレブンの人気キャラクター「OPENちゃん」のゲームを開発しています。セブンイレブンが提供しているミニゲームは、20万人のユーザーを集めました。我々が開発しているのは「OPENちゃん」を育てるゲームです。

編: 日本には「OPENちゃん」のゲームは展開しないのですか?

アルバート氏: 台湾ローカルのものですからね。でもキャラクターデザインは電通さんが手がけたものです。かわいいですよ。

編: 次にモバイルゲームについて質問させてください。日本ではFacebook向けではなく、DeNAやGREEが展開するモバイル向けのソーシャルゲームの人気が急激に高まっていますが、この点についてどのようにご覧になっていますか。

アルバート氏: ここ数か月、日本からそういった情報が次々に入っています。日本ではモバイルゲームはすごいぞと日本の知り合いによく言われています。ガマニアグループとしてクライアントベースのオンラインゲームタイトルの周辺タイトルとして開発はします。ガマニアの反省すべき点としてモバイルに対する反応が遅い。今後は変えていきたいと思います。

編: 台湾のモバイルゲーム事情はいかがですか。

アルバート氏: 台湾では日本のGREEのようなサービスは無いのです。実際やってみたところがありましたが、売り上げは非常に少なかった。台湾にはiPhoneやスマートフォンのゲームはやっている人が多い。ただ、スマートフォンについては実際どれほどの数字が出ているかはわかりません。

編: ガマニアはスマートフォン向けのタイトルはありますか。

アルバート氏: Android向けはありませんが、iPhone向けに「HERO:108」と「Reign of Assassins」の2つのタイトルのiPhone版を提供しています。どちらも無料タイトルです。

編: オンライン版との連動はありますか。

アルバート氏: 「HERO:108」の方はオンライン版のアイテムコードが出ます。「Reign of Assassins」は現在開発中なので未定です。

編: iPhoneタイトルだけで収益を上げるモデルではないのですね。

アルバート氏: そうです。初めてのタイトルなのでそれ1発で利益を上げるようなことは考えていないです。開発知識を蓄積している段階です。

編: 今後日本のDeNAやGREE、mixiのアプリケーションベンダーとしてタイトルを提供する予定はあるのでしょうか。

アルバート氏: この辺のガマニアの反応は遅いのですが、これらの会社さんにも提案したいなと思っています。社内で討論しているところですので、いつになるかは未定です。

編: 今回発表したブラウザゲームは、将来的にはモバイルゲームとして提供していく見込みはありますか。

アルバート氏: そういった展開になるように期待しています。社内会議ではそれぞれの地域でも話しましたが、それぞれの地域で流行っているソーシャルゲームも、ソーシャルゲームのプラットフォームも違いますので、日本でもそういったプラットフォームがあることは理解していますので、今後考えていきたいと思います。




■ ガマニア第2世代のフラッグシップタイトル「Core Blaze」

「Core Blaze」はトレーラーのみの公開だった
メディア向けには発表会を開催。大きな期待を寄せていることがわかる

編: 「Core Blaze」についてもう少し質問させてください。「Unreal Engine 3」採用で、ゲームパッドを使ったコンシューマーライクなアクションタイトルになっています。このタイトルの目指すところは何でしょうか。

アルバート氏: 「Core Blaze」のコントロール方式はキーボードにもパッドにも対応しています。本作は第2世代のタイトルではフラグシップタイトルになります。技術もゲーム性もかなり高く表現していまして、ガマニアのマイルストーンのタイトルになります。

編: コンシューマ市場への進出の布石という意味合いは無いのでしょうか。

アルバート氏: 「Core Blaze」のようなタイトルを作ることが出来ればコンソールゲームも作れるだろうと聞かれるのですが、正直なところはこれでコンソール市場に進出することは考えていません。将来コンソールもPCもすべてのタイトルがマルチプラットフォームになると見ています。私自身の目標としてオンラインゲームでグローバル進出する、そしてそれらがマルチプラットフォームになったときに、ガマニアがノウハウを蓄積してその時に備えたいという気持ちです。

編: 「Unreal Engine 3」はライセンスコストが高いことで知られていますが、開発コストはどのくらいですか。

アルバート氏: もちろん開発コストは高いのですが、色々計画はありまして、そこまでは考えていません。

編: これまでのタイトルの中で最も開発コストが高くなるのではないですか?

アルバート氏: そうなりますね。

編: リッチなグラフィックスを実現した反面、かなりヘビーなゲームになっています。必要なPCのスペックはいかがですか。

アルバート氏: ガマニアのタイトルの中で最も高くなると思います。

編: 日本では特に高いPCスペックを要求するオンラインゲームはなかなか受け入れられない傾向にありますが、要求スペックの高さはどのように対処しますか?

アルバート氏: おっしゃる通り日本ではネットブックを持つユーザーが多くそういったトレンドも把握しています。「Core Blaze」の目標としてグローバルで勝負するという方針です。ただネットブックで動作するタイトルもガマニアはたくさん持っています。「Core Blaze」をやりたいというユーザーはそれなりのスペックのPCをある程度持っていると考えています。

編: 日本では「FF IVX」が9月30日にリリースされますが、オンラインゲームパブリッシャーのトップとしてどのように見ていますか。

アルバート氏: 若い頃からスクウェア・エニックスのタイトルは大好きでした。素晴らしいとしかいえないです。

編: 東京ゲームショーの前後でスクウェア・エニックスさんが中国で盛大さんを通じて同作をサービスするという発表がされました。

アルバート氏: この発表も興味深いですね。中国で言われていることはハイスペックのオンラインゲームは売れないといわれています。ハイスペックのPC自体が普及率が低いといっても絶対数は多いはずです。盛大さんもスクウェア・エニックスさんもそのあたりはしっかりリサーチされていると思います。中国での展開を楽しみにしています。

編: ガマニアさんのほうで、台湾で「FF XIV」をやってみたいという考えはありますか。

アルバート氏: 台湾でももちろんチャンスがあればサービスしたいです。ガマニアとスクウェア・エニックスさんで「ファンタジーアース」でお付き合いがありますので、色々なタイミングで話したいと思います。




■ 「DIVINA」には大きな成功を期待。新規タイトルでは「Langrisser Schwarz」に注視

CEOとしてどれかひとつは選べないが、強いて言えば日本の有名IPを使った「Langrisser Schwarz」に期待しているという
日本では9月21日より正式サービスをスタートする「DIVINA」。Albert氏の目標設定は非常に高い

編: 新規タイトル盛りだくさんといった状況ですが、これから来年にかけて、ガマニアグループは日本市場に対してどのようなビジネスを展開していくのか教えてください。

アルバート氏: 今年から来年にかけてさらに高い成長を期待しています。今回のブースの様子を見て自信がさらにつきました。日本のユーザーさんにはさらに良いコンテンツを提供したいと考えています。

編: 来週から「DIVINA」の正式サービスが始まります。PlayCooの「ルーセントハート」はかなりヒットしましたが、その次回作に当たる「DIVINA」の抱負を聞かせてください。

アルバート氏: 「ルーセントハート」の倍の成績を上げたいです。最初の週で4万人の会員数を獲得できました。社内の目標として同接2万人を基本目標にしています。ノルマは高いですよ(笑)。

編: 日本のブラウザゲームタイトルへの期待はいかがですか。

アルバート氏: こちらのブラウザゲームはすべてガマニアジャパン発ですが、私からのプレッシャーはまったくかけていないので、詳細は浅井に聞いてください(笑)。ただ、話を聞くと日本市場では手軽に遊べるブラウザゲームが成長する可能性があります。MMOなどのオンラインゲームと、ブラウザゲームのような手軽なゲームで幅広いユーザーにサービス提供する戦略です。

編: 日本展開予定のタイトルのうちもっとも期待を持っているのはどのタイトルですか。

アルバート氏: 4つのタイトルがそれぞれ社内の別のチームなのでどれかひとつは選べないです(笑)。ただ、「Langrisser Schwarz」は日本の有名IPとの初の提携なので、今後の共同開発の良い先例になるように期待しています。「Langrisser Schwarz」は台湾、中国、香港で人気がありますので、知名度が高いです。PC版、コンシューマ版を皆さん遊ばれていると思います。

編: 来年のTGSも出展されるのでしょうか。

アルバート氏: 今年来年のゲームショーの企画はまだこれからです。年末に各地域の意見を聞いて決まりますが、来年も出展する可能性は相当あります。

編: 日本のユーザーさんにメッセージをお願いします。

アルバート氏: 日本ユーザーに対して良いコンテンツを提供したいと思います。会場の中に長時間並んでプレイしていただけるユーザーさんには感動しまして、自信とともに今年来年と絶対良いタイトルを提供していきますので是非ご期待下さい。

編: ありがとうございました。


(C)2010 Gamania Co.,Lyd.All Rights Reserved.

(2010年 9月 20日)

[Reported by 中村聖司]