東京ゲームショウ2010レポート

スクウェア・エニックスブースレポート その3
PS3/Xbox 360「フロントミッション エボルヴ」
PS3/Xbox 360「MIND JACK」、PSP「ロード オブ アルカナ」


9月16日~19日 開催(16日、17日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 株式会社スクウェア・エニックスブースレポートその3では、プレイステーション 3/Xbox 360「フロントミッション エボルヴ」、PS3/Xbox 360「MIND JACK」、PSP「ロード オブ アルカナ」の3タイトルのレポートをお届けする。


■ PS3/Xbox 360「フロントミッション エボルヴ」
ヴァンツァーと歩兵の両方を操る、『フロントミッション』最新作
試遊台には製品版のほか、3Dグラス対応のPC版も設置

発売日:発売中(2010年9月16日)
(Windowsダウンロード版は2010年9月28日)
価格:PS3/Xbox 360:8,190円(税込)Windows:オープン価格
対応機種:Playstation 3/Xbox 360/Windows
ジャンル:ドラマティックアクションシューター



 これまで様々なジャンルで発売されてきた『フロントミッション』シリーズだが、その最新作がアクション性の高いドラマティックアクションシューターへと変貌を遂げて登場した。プレーヤーは主人公のディランが搭乗する人型機動兵器「ヴァンツァー」を操作し、世界中で発生する事件の真相を追いかけていく。ロボットアクションゲームの爽快感はそのままに、時にはヴァンツァーを降り歩兵として戦うパートもあるためTPS(サードパーソンシューター)ライクな楽しみもある。

 ビジネスデイ1日目にあたる9月16日に発売となった本作だが、すでに購入してプレイ済みというユーザーも多いのではないだろうか。昨年は体験版のみの出展だったが、今回は製品版が出展されており、試遊時間15分の間はたっぷりと本作を楽しむことができるのだ。

 プロデューサーの橋本真司氏からは本作について、「ヴァンツァーという素材を使って、色々なジャンルを提案していきたいというのが今回のコンセプトです。今までのシリーズで主流のジャンルだったシミュレーションではなくTPSというジャンルを採用したので、新規に遊ぶお客さんにも楽しんでもらえるはず」と語って頂いた。実際に触ってみるとシンプルながら高い水準のアクション性を秘めており、初心者から上級者までしっかりと楽しめる作りになっていると感じられた。

 試遊台はPS3版、Xbox 360版、PC版の3種類が用意されており、Xbox 360台とPC台ではシングルキャンペーンモードを体験することができた。ブース内には操作説明のインストカードが用意されているが、第1章から始めれば操作に関するチュートリアルを受けることができる。ヴァンツァーの基本操作はシンプルだが、初回プレイでは分かり辛いダッシュやホバーなどの特殊な操作もあるため、シングルキャンペーンを遊ぶ場合はまず第1章の初めからプレイするのをオススメしたい。PC台は立体表示に対応しており、3Dグラスをかけることによってさらに迫力のあるグラフィックでプレイすることができた。

 また、本作の目玉の1つであるヴァンツァーのカスタマイズも体験することができた。シングルステージで稼いだポイントを使って行なうことができ、胴体や腕などのパーツはもちろん、両腕と両肩に装備するミサイルやマシンガンなどの武装、武装へ装着することで特殊な効果が発動するバトルスキル、機体のカラーリングやデカールなどをプレーヤーの好みでカスタムすることができる。こちらにもしっかりとチュートリアルが用意されているため、どんな組み合わせにしようか迷ってしまうことはなかった。

ヴァンツァー同士の戦闘には部位破壊の要素があったり、機体のコンセプトによって対戦にも有利不利が発生したりとアクションゲームとしての奥行きも深い

 PS3台はマルチプレイ用になっており、4人対4人で撃墜数を争う「チームデスマッチモード」を遊ぶことができた。機体はスナイパータイプや格闘タイプなどの既にカスタマイズされたものが用意されているが、自分で1からカスタマイズすることもできる。どちらのチームも4人のうち1人はスタッフがプレイし、マイクによる解説でサポートしながら一緒に戦ってくれるので集団戦の楽しさを十分に味わうことができた。橋本氏からも、ぜひマルチプレイの楽しさを体験して欲しいとのこと。製品版にはないマルチプレイモードのチュートリアルとして楽しんでみるのもいいかもしれない。

 迫力のあるロボットアクションとしても、緊張感のあるTPSとしても、世界中のプレーヤーと対戦できるマルチプレイゲームとしても楽しめるという1本で3度おいしい本作。「購入を悩んでいる方に、ちょっと触ってみてサクサクと遊べる感覚を確かめてもらいたい」との橋本氏からのコメントも頂いたので、会場に来た際はぜひ一度プレイして欲しい。

橋本氏自ら「衝撃の3Dバージョンです。火花や弾の飛び散り方など、本作のようなTPSは演出として非常に3D向き。もはや別世界です!」と語って頂いたPC版。3Dで更に迫力を増した本作を試遊したら、きっとPC版も欲しくなってしまうかも


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■ PS3/Xbox 360「MIND JACK」
乗っ取りシステムを堪能できるプレイアブルが出展

発売日:2011年発売予定
価格:未定
対応機種:PlayStation 3 / Xbox 360
ジャンル:マインドハックシューティング



 ゲーム内に登場するキャラクターの意識を乗っ取って操作できる「マインドハック」システムが注目のサードパーソンシューティング「MIND JACK」。会場ではPlayStation 3、Xbox360共に4台をリンクさせたマルチプレイモードを体験することができた。今回プレイアブル出展されていたゲームモードでは、主人公となってキャンペーンステージを進行する「HOST PORTAL」と、そこへ味方や敵として乱入できる「HACK PORTAL」のいずれかを担当するというシステムとなっていた。このモードは製品版にも搭載されており、オンラインに対応した最大6人によるマルチプレイが可能となるようだ。

 プレーヤーはゲーム内において、肉体の無い魂のような状態「ワンダラー」となり、フィールド内で動き回っているNPCに対して「マインドハック」を行ない肉体を乗っ取ることで、敵と戦闘を繰り広げていく。マインドハックが可能なNPCは、自分が操作しているワンダラーの持つ色によって異なり、キャンペーンにおいて敵サイドとなる赤のワンダラーは兵士や戦闘メカを、主人公サイドとなる青のワンダラーは主人公や民間人に加えて、瀕死状態の敵を味方NPCとして洗脳できる「マインドスレーブ」で支配した敵サイドのNPCもマインドハックが可能になっていた。

 また、操作に関してはマインドジャックとマインドスレーブという特殊な機能に加えて、TPSシューターでは馴染みの深いカバーアクションや緊急回避なども搭載されているため、多くのボタンを用いる少々複雑なものとなっていた。しかし、プレーヤーが現在おかれている状況によって、必要となる操作はその都度画面上に表示されるようになっていたため、不自由なくスムーズにゲームに参加することができた。

 今回のプレイアブルで試遊できたキャンペーン序盤のステージは、細長い通路と中央に開けた大きなホールが特徴的な、空港を彷彿とさせる構成となっており、プレーヤー間の戦闘は主に中央のホールで繰り広げられることになった。ステージ内には初期武装が強力な兵士や、自爆攻撃ができる足の速い小型メカ、足は遅いが防御能力に長けた大型メカなども配置されており、これらのユニットを駆使して相手を押し込んでいく赤のワンダラーは、序盤から非常にタクティカルな戦闘を楽しむことが可能となっていた。

 対して、基本能力の高い主人公キャラクターを除いては、初期装備や体力が貧弱な民間人しか操れない青のワンダラー側のプレイも、状況に応じて有利となるユニットをマインドスレーブで支配して、徐々に戦局を逆転していくという歯ごたえのあるドラマチックな展開を繰り広げられるため、どちらを担当しても大いに満足できる内容となっていた。能力に一長一短がある豊富なNPCを、戦局や個人のプレイスタイルによって自由に変更することができるというシステムは、今作ならではのユニークな魅力を持っているように感じられた。


マインドハックの対象は攻撃を受けてダウンした時に切り替えられるほかに、プレーヤーが任意に切り替えることも可能となっていた


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■ PSP「ロード オブ アルカナ」
体験版では配信されていない竜帝バハムートと戦える高難度の特別プレイアブルを体験可能

発売日:2010年10月14日 発売予定
価格:UMD版5,980円/ダウンロード版4,980円
対応機種:プレイステーション・ポータブル
ジャンル:マルチプレイアクションゲーム



 発売まで残り1カ月を切り、盛り上がりを見せている「ロード オブ アルカナ」。試遊ブースではシングルプレイはもちろん、マルチプレイコーナーも用意されていて、本作の大きな特徴である仲間との協力プレイも楽しめるようになっている。試遊内容としては、すでにPlaystation Networkで配信済みのチャプター3までに加えて、ゲームショーでは特別に「竜帝バハムート」と闘えるクエストも用意された特別バージョンとなっているため、既に体験板を楽しんでいるというユーザーにもオススメのブース内容となっている

 特別バージョンでは、各種の武器をはじめとした様々な装備やスキルなども用意されていて、それらを自分で組み合わせてカスタマイズすることができるなど、より多くの要素を楽しめるようになっている。一足早くロードオブアルカナの世界を堪能したいというユーザーにはうってつけの調整がなされているという印象を受けた。

 今回の目玉ともなるバハムートと戦うことができるクエストだが、これは聖堂から受注することでプレイすることが可能だ。戦闘の舞台となるのは、新たに開示されたフィールド「ブランクアッド溶岩道」。その名前が示すとおり煮えたぎる溶岩地帯が印象的なマップとなっていて、道中にはガードを多用するタイプのザコモンスターなどを確認できた。限られた数のポーションを有効活用するために、なるべくダメージを抑えてバハムートの出現地点まで向かいたいところだが、これらのザコ敵も侮ると思わぬダメージを受けることにもなりかねないので、慎重に進めていきたい。

 なおバハムートとの戦いに入る際は、すでに配信済みのマスターガーディアン戦であるアグニと同様、フィールドに現れるワープのようなものに触れることで戦闘に突入する仕様となっている。なお肝心のバハムートは多彩な攻撃手段と、高い攻撃力を持った非常に強力なモンスターとなっており、一筋縄ではいかないと覚悟しておいた方がいいだろう。特に全身が黒く染まった際に使ってくるメガフレアは、即死級のダメージを広範囲に与える非常に強力な攻撃となっており、この状態になった時には不用意な攻撃は避け、逃げに徹したほうがいいかもしれない。

 このように、かなり難易度が高めに設定されているために、体験版をやりこんだプレーヤーでもかなり苦労することが予想されるバハムート戦だが、それだけにクリアしたときの達成感は高く、プレイすることで製品版にも期待したくなる完成度となっている。なおブース内にはプレイアブル以外にも、Playstation Storeなどで配布中の体験版のダウンロードサービスも行なっているので、まだダウンロードしていないユーザーはこの機会にダウンロードしてみてはいかがだろうか?



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(2010年 9月 18日)

[Reported by 桃井サカコ(ねこひげ合同会社)]