アートディンク、PSP「カルネージハート エクサ」

「操縦型OKE」の登場など新要素を搭載し、4年ぶりにシリーズ最新作登場


10月28日 発売予定

価格:5,880円



イメージイラスト

 株式会社アートディンクは、PSP用ロボットバトルシミュレーション「カルネージハート エクサ」を10月28日に発売する。価格は5,880円。

 ロボットが登場する他の大多数のゲームが自分で操作することに主眼が置かれている中で、「カルネージハート」シリーズはプレーヤーが「ロボット(『カルネージハート』ではOverKill Engine=OKEと呼ばれる)をどのように行動させるか?」といった“戦闘思考(行動ルーチン)”を設計し戦わせるシステムを採用。自律型のロボット同士の戦いは、AIプログラムいかんによって決着が付くことになる。

 シリーズ最新作となる「カルネージハート エクサ」では、戦闘思考を組み立てるチップに、新たにボタン判定を取れるチップなどを追加。これまでの自律型ロボットに加え、操縦型ロボットを設計し戦わせることができるようになった。

 さらに、アドホックモードを使った最大6人までの同時通信プレイに対応。フィールド選択や勝利条件、転倒の有無、さらには使用チップの制限まで細かく戦闘ルールを指定でき、納得できる環境で存分にOKEの戦いを堪能できる。


【プロモーションビデオ】

設計するOKEのカードを選択して作業する。ここでカードをコピーしたものにプログラミングの手を加えていくといった方法もとれるOKE設計画面。まずは物理的な設計、つまりハードウェア設計を行なう。追加装甲や武装などを選択
外観のカラーリングを変更することもできる。性能には一切影響しないが、自分好みに仕上げたいところエンブレムの作成と貼る位置の設定も行なえる。ちなみに、スクリーンショットを見てもらえればわかるとおり、エンブレムの作成はかなり細かく凝ったことができるようだ
「カルネージハート」シリーズの面白さの根源とも言えるソフトウェア設計。「プログラムチップ」を並べていき、OKEのAIを作成する。基本的にプログラムの知識は全く必要ないが、OKEが状況によってどういった行動を取るか論理的に考えていく必要があり、ある意味フローチャートを作っていく作業にも似ている。左画面はプログラムチップの選択画面。この中からチップを選び配置していく。中央画面はメインのチップ編集画面。右画面もチップ編集画面だが、設定した条件に従って分岐させる事もできることをあらわしている
バトルアリーナ画面。様々な条件を設定し戦うことができる。戦ってはプログラムを見直し、また戦いを挑む。このストイックさがこのシリーズの楽しみといえるし、まさに尽きることのない楽しみとも言えるバトル相手選択画面。画面右側にはデータが書かれているフィールド選択画面。地形の状態はランダムに変化する
バトルモードでは、特定のチップの使用禁止まで設定できるほど細かく条件設定を行なえる操縦方法の一例。アナログパッドを使用することもできるショップ画面。バトルアリーナで勝利すると得ることのできる戦績ポイントを溜め、ショップでボディや武装、追加装甲やオプションなどを購入することができる

 OKEの戦闘は3機1組のチーム戦(敵味方合計6機)が基本となっている。アドホックモードで1プレーヤーが1機担当すれば、6人まで戦闘に参加することができる。自律型と操縦型を混在させることも、ルール設定で「操縦型のチップは使用禁止」といった設定も可能で、様々なルールで戦闘が可能となっている。参加プレーヤーが6人未満となった場合、1プレーヤーが2機以上を担当することも可能だが、1プレーヤーあたり操縦型は1機しか出撃することはできない。

戦闘シーンのスクリーンショット。戦闘シーンはAI任せだったが、今回は自分で操縦できる部分があるため、操縦が可能となる「ボタン判定チップ」を組み込めば、戦闘シーンにプレーヤーが介在する場面が増えることになる




 前述の通り、今作では操縦型OKEが登場する。これまでのシリーズでは戦闘が始まるとOKE任せとなるため、戦闘シーンは眺めるだけだったが、今作では「ボタン判定チップ」などが加わったことで、プレーヤーのボタン入力を判定しその後の行動を分岐させることができる。この他にもアナログ判定チップなども存在し、アナログパッドのアナログ値の大きさを判定して分岐させるといったプログラミングも可能となっている。

【プログラムチップ】
「ロックオン解除」。ターゲットロック中の時、ロックを解除する「カメラビュー変更」。機体後方を見るカメラビューや上空から見下ろすビューなどに変更可能「アナログ判定」。アナログパッドを判定して思考経路を分岐させる。操縦型OKE用チップ「ボタン状態を取得」。ボタン状態を取得する。操縦型OKEを設計するためには必須となる
「ガンサイト起動」。ガンサイトの起動・解除を機体に命令。ガンサイトを利用すると任意の方向に射撃することができる「ガンサイト移動」。ガンサイトの移動を機体に命令する。操縦型OKEにおいて手動で照準をつける場合などに使用「カウンタ指定ガンサイト移動」。カウンタを使用してガンサイトを移動。自律型OKEに敵の移動方向を予測させながら射撃させる場合などに利用「カウンタ操作」。カウンタを使って演算を行なう。三角関数の演算も可能になった
「カウンタ入力」。カウンタに各種データを入力。ロックしているターゲットの速度など入力可能なデータが増えている「サブプログラム呼び出し」。サブ領域にあるプログラムを実行。サブ領域内でさらにサブプログラムを呼び出すことが可能「ジャンプ」。敵の弾の回避など機体をジャンプさせる。斜め方向のジャンプも可能に「ターゲット動作判断」。動作状態を判断して思考経路を分岐。「オーバーヒート」や「シールド発生中」の状態を識別する




 今作では自由に戦うことができる「バトルアリーナ」が設置されている。ここではあらかじめ収録された多数の敵OKEと戦うことができる。バトルアリーナで勝利すると戦績ポイントをゲットすることができる。その戦績ポイントを消費しショップにおいてボディや装備、より強固な装甲などを購入し、OKEを強化していくこととなる。こうして、強化とチャレンジを繰り返し、際限なく高みを目指していくことが「カルネージハート エクサ」の楽しみとなる。

 ちなみにショップでは武装だけでなく、本編中に入手できないバトルフィールドなどを購入することもできる。

【登場「OKE」の一部】
アグリオス。射撃戦、格闘戦に優れた2脚型OKE。ガンタイプの武装とランチャータイプの武装をそれぞれ2種類装備可能ケイローン。リーチの長い格闘攻撃を繰り出せる多脚型OKE。左腕にある盾には防御能力が備わっているグレイブストーン。大火力を持つホバー型OKE。ミサイルやロケットの搭載量が圧倒的に多い。しかし、ガンタイプの武装はできない
ゲイザー。機動力の高い車両型OKE。急ブレーキからの高速ターンなど一輪を活かした機動力が魅力。ただし、安定性は低いアビスパ。火力と機動力のバランスが取れている飛行型OKE。ショットガンを搭載することが可能ローケン
冥界ターゲットドローンノーランダー

【武装例】
プラズマビームガン。弾速が速く、射程距離も長いフォーゲッター。相手のCPUを麻痺させる電磁パルスガン。もちろん、相手の思考が一時止まるF8ショットシェル。発射後に拡散するショットガン。攻撃範囲は広いが、射程は短い
イーフリート。威力抜群の大型ロケット弾。直撃すると1発で撃破できる可能性も持つムラマサ。中型ミサイル。目標付近でマイクロミサイルを発射するため、命中率が高いデススフィア。対地地雷。近づいた敵に転がっていき爆発する
ソニックブラスター。衝撃波を放つ特殊な武装。飛んできたミサイルやロケットの弾頭を衝撃波で破壊する自爆装置。周囲を巻き込みOKEを自爆させるオプション装置。複数搭載することで威力が増すシールド発生装置。機体をエネルギーシールドで包み込むオプション装置。一定時間だがダメージを軽減できる




リプレイ動画の出力なども行なうことができる

 このほかの特徴として、「カルネージハート エクサ」では戦闘シーンを「リプレイ保存」し、ムービーを撮影することができる。リプレイデータは、カメラアングルを自由に編集することができ、カメラタイプを「追跡移動」、「ペア周回」、「全体周回」、「機体周回」、「後方固定」の5種類の中から切り替え、さらに細かい補足設定も可能。カメラの切り替えは最小1秒単位でできるという。こうやってリプレイデータを編集し、完成したものをムービーとして出力することができる。

 出力画像は低・中・高の3タイプから選択でき、出力するとPSPのメモリーカードのVIDEOフォルダにファイル保存され、PSPからそのまま再生することはもちろん、このファイルをPCに転送し動画投稿サイトなどにアップすることも可能。

 データ通信という点では、ユーザーが設計したOKEの「チームデータ(機体、チーム編成、レギュレーションなどのデータ)」や「リプレイデータ」は、アドホック通信やメール、アートディンクの専用サーバー「SATLOKE(サトローク)」を利用することで受け渡しを行なうことができる。「SATLOKE」を利用すれば、自分のデータにコメントを付けてアップロードすることができる。またレーティング登録を行なえば戦績結果がサーバーに反映されレーティングとして表示されるようになる。利用は無料で行なえる。

 受け取った他のプレーヤーデータの利用方法は様々で、自分のデータと戦わせることができるのはもちろんのこと、シナリオモードを代わりに戦ってもらったり、遠く離れたユーザーと擬似的に対戦共闘することができる。




シナリオモードのトップメニューのスクリーンショット
イベントCG

 同作は“戦闘思考”を考え、練り上げ、作り上げていき、OKEを戦わせることが楽しさのキモだが、一方でシナリオモードも本格的なものが用意されている。シナリオモードではヒロインが機体の設計方法など基本的な楽しみを教えてくれるチュートリアルも用意されており、入門として楽しめるようなっている。シナリオは「神曲奏界ポリフォニカ」のシリーズ構成、脚本や「スクラップド・プリンセス」を手がけた榊一郎氏。

 この他のスタッフも豪華で、OKEデザインはシリーズおなじみの横山宏氏に加え、今回新たに6体追加となる新OKEのデザインを「FFCC The Crystal Bearers」を手がけた松本秀幸氏、新規楽曲を細江慎治氏、キャラクターデザインを碧風羽氏がそれぞれ手がけている。


主人公のカイルヒロインのチーリン準ヒロインとなるパルティータ
ストーリーが進行するアドベンチャー画面。緊迫のストーリーが完全フルボイスで進行する。シナリオモードではヒロインが機体の設計方法などを解説してくれる場面もある。ストーリーモードを進めていくことでチュートリアルの意味合いも兼ねている。シナリオは、「神曲奏界ポリフォニカ」のシリーズ構成・脚本なども手がけた榊一郎氏
ストーリーモードのレクチャー画面。ミッション開始にあたってのレクチャーだけでなく、OKEの概要からソフトウェアの設計についてまで様々なことについてレクチャーしてくれるようだ。チュートリアル的な役割も持っている

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(2010年 7月 9日)

[Reported by 船津稔]