Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

任天堂、E3 2010カンファレンスで多数のWii/DS新作発表

「Wii Party」、「Golden Eye 007」、「黄金の太陽」など


6月15日(現地時間) 開催



 任天堂株式会社の米国子会社であるNintendo of Americaは6月15日(現地時間)、プレスカンファレンス「2010 Nintendo E3 Presentation」を実施した。

 今年の任天堂の目玉は何といってもニンテンドー3DSだが、WiiとニンテンドーDS向けの新作も豊富なラインナップを揃えている。キーとなりそうなのは大きく2点あり、1つはパーティーゲーム。もう1つは、名作の復活だ。

 なお「ゼルダの伝説」シリーズ新作の「The Legend of Zelda: Skyward Sword」についてはこちらの記事でレポートしているので、合わせてご覧いただきたい。




■ 「カービィ」や「黄金の太陽」、「ドンキーコング」の新作が登場

 まずは名作タイトルのシリーズ新作から紹介する。Wii用アクション「Kirby's Epic Yarn」は、「星のカービィ」シリーズの最新作。本作はパッチワークのような雰囲気のグラフィックスを採用しているのが特徴。またプラットフォームをWiiとしたことで、従来のシリーズ作品とは異なるゲームプレイを実現しているという。

 グラフィックスを見る限りでは、さまざまな変身能力は本作も健在。巨大なカービィが戦車のようにロケットを撃ち出すという派手なものもある。気になるのは頭から生えた1本の糸のようなもので、これを使って障害物に捕まったり、敵を攻撃したりと、複数のアクションが仕込まれているようだ。北米地域では今秋発売予定。


布と糸で作られたような独特な世界は、カービィの可愛らしさをうまく引き出している。Wiiならではのゲームプレイにも期待したい

 2つ目は、DS用RPG「Golden SUN: Dark Dawn」。「黄金の太陽」シリーズのタイトルで、昨年のE3で「黄金の太陽DS」が発表されてから、丸1年経って正式名称が発表された。ゲーム内容については特に語られていないが、DSの上下2画面をフルに使った、召喚したと思われる巨大な精霊の姿などが見られた。こちらは北米では今年のホリデーシーズンに発売予定。


「黄金の太陽」シリーズがDSで復活。DSの2が目のフルに使った演出にも注目

 3つ目は、Wii用FPS「Golden Eye 007」。1997年のニンテンドー64で発売されたゲームの続編で、本作はActivisionから発売される。タイトルについての説明はほとんどなく、ムービーの上映のみとなったが、その中で64版の特徴だった4画面分割対戦に加え、オンライン対戦も可能になると書かれていた。こちらも北米では今年のホリデーシーズンに発売予定。


オンライン対戦にも対応しつつ。4画面分割対戦にもきっちり対応。64版を思い出してプレイしたい人も多いのでは



 最後は、Wii用アクション「Donkey Kong Country Returns」。「ドンキーコングカントリー」は、スーパーファミコン版「スーパードンキーコング」のリメイクタイトルで、本作はそれをさらにWiiに向けてリメイクした作品となるようだ。上映されたムービーでは、「ドンキーコング」シリーズならではの、ツタを使ったアクションが見られた。


ツタからツタへと飛び渡る、「ドンキーコング」のアクションがWiiで復活



■ カジュアルなパーティーゲームが登場

 パーティーゲームでは注目タイトルが2本発表された。1本目はWii用スポーツゲーム「MARIO SPORTS MIX」。タイトルのとおり、「スーパーマリオ」シリーズのキャラクター達が登場するスポーツゲームである。特徴は、複数のスポーツゲームを1本のソフトに収録しているところ。ムービーでは、バレーボール、ホッケー、ドッジボール、バスケットボールの4種目が確認できた。発売は2011年の予定。


確認できただけでも4種類の競技を収録した、お買い得なスポーツゲーム集

 もう1本は、Wii用パーティーゲーム「Wii Party」。一言でいえば、Miiを使って遊ぶミニゲーム集で、シンプルな対戦ゲームが収録されている。雰囲気は「はじめてのWii」に近いように感じるが、こちらは4人対戦も可能で、なおかつMiiを積極的に使ったものになっている。発売は今年のホリデーシーズンを予定している。


Miiで遊べる対戦ゲーム集。みんなでWiiリモコンを取り合うようなユニークな遊び方のゲームも収録されている



■ ウォーレン・スペクター氏が手がけるディズニーゲームが登場

ウォーレン・スペクター氏

 発表された中で異色の存在だったのは、Wii用アクション「Disney Epic Mickey」だ。本作は「Deus Ex」などで知られるウォーレン・スペクター氏が制作している作品で、Disney Interactive Studiosから発売される。

 主人公のミッキーは、噴水のように吹き出る「絵の具」と「薄め液」を使って、世界に色をつけたり、薄めたりする。3Dで描かれながらもディズニーアニメ調のグラフィックスにまとめられた世界を、好きに色付けしていくというだけでも楽しさを感じてしまう内容だ。ただしスペクター氏によると「どのように色をつけたかによって、その後の展開が変化する」のだという。

 また、別世界へと続く扉を抜けると、横スクロールのアクションゲームステージに移動できる。内容は昔懐かしさも感じるシンプルな内容で、これらの世界を行き来しながらゲームを進めていくのだという。


色合いが地味でわかりづらいが、3Dグラフィックスでディズニーアニメの雰囲気がある映像を作り出しているのが何より見事。色がテーマのゲーム内容も世界観にマッチしている

 このほか、Wii用アクション「METROID: Other M」の北米での発売日が8月31日になったと発表された。日本では9月2日発売予定。


任天堂とコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが協力して制作されている新生「メトロイド」。いよいよ発売が近づいてきた

イベント開始前に映し出されていたトリビア的クイズ。昨年よりも日本のサードパーティータイトルの話題がずいぶん増えた印象

(2010年 6月 16日)

[Reported by 石田賀津男]