マイクロソフト、「ライオットアクト2」先行体験会レポート
さらに広がった自由度、対戦も新機軸のフリーローミングTPS

6月1日 開催

 

試遊会場には16台のXbox 360がズラリ

 マイクロソフトは6月1日、Xbox 360用新作TPS「ライオットアクト2」のプレス向け試遊会を開催した。本作はMicrosoft Game Sutudios傘下のRuffian Gamesによるフリーローミングスタイル(世界を自由に移動・探索可能なゲームデザイン)のTPSで、2008年に発売されたXbox 360「ライオットアクト」の続編。前作に引き続きCEROレーティングはZ(18歳以上対象)で、7月8日に7,140円で発売予定だ。

 ゲームの特徴はなんといっても「自由度の高さ」。現代的な都市環境の中で、ひと跳びで数十メートルの大跳躍が可能という超人的な「エージェント」を操り、各種のミッションやコレクタブルアイテムの収集といった目標に自由に取り組める。都市内の様々なオブジェクトを利用して、工夫を凝らした戦い方ができるといった面にも注力された作品だ。

 またマルチプレイモードにも力が入れられており、最大16人での対戦に対応。また、キャンペーンミッションを最大4人で協力プレイすることもできる。今回の体験会では、キャンペーンミッション、マルチプレイモードの双方を試すことができたので、その内容から本作の雰囲気をお伝えしよう。



■ 舞台は10年後の「パシフィック シティ」。正義の味方「エージェント」となって大暴れ!

ゲームの紹介を行なったマイクロソフトの南雲聡氏
「エージェント」、「セル」、「フリーク」のみつどもえの戦いが展開

 今回の体験会では、マイクロソフトXboxマーケティング本部の南雲聡氏によるタイトル紹介に続いて、キャンペーンモードの序盤と、マルチプレイモードを16人でプレイすることができた。まずはゲームの基本的な内容からご紹介していこう。

 「ライオットアクト2」の舞台は、前作から10年後の世界。正義の味方「エージェント」の活躍により平和を取り戻した都市は発展を遂げ、高層ビルが立ち並ぶ巨大都市へと変貌していた。そこに現われたのが謎のウィルス。感染した市民は「フリーク」と呼ばれるミュータントと化し、「パシフィック・シティ」に再び危機が訪れた……。

 舞台となるパシフィック シティはシームレスに広がる広大な都市環境で、強力な移動能力を持つプレーヤーにとってはビルの屋上も「庭」のようなものだ。その中でプレーヤーは、超人的な「エージェント」として街に平和を取り戻すための戦いを繰り広げていくことになる。敵となるのはゾンビ化した市民である「フリーク」と、治安悪化により出現したテロリスト集団「セル」だ。

 チュートリアルからスタートするキャンペーンでは、本作で使用する一通りのアクションを確かめることができる。基本アクションは移動・射撃・近接攻撃。射撃では敵の特定の場所にロックオンして、足を撃って動きを止めるといった作戦が可能。移動では、段差にしがみついてさらに高い場所へ上るなどの方法で、都市環境をフルに活用することが本作のプレイの幅を広げる一要素となっている。


舞台となる「パシフィック シティ」。謎のウィルスが蔓延し「フリーク」と呼ばれるミュータントが跋扈している。さらには「セル」というテロリスト集団まで出現。正義の味方「エージェント」の活躍で平和を取り戻せ!


・プレイの幅を広げる、5つのスキルと成長要素

都市に配置された「アジリティ オーブ」を獲得して移動スキルを向上
機動力を活かしてビルの屋上からアクションを展開

 本作の遊びの幅を広げているのが、プレーヤーキャラクターの成長要素だ。「エージェント」には移動、射撃、格闘、爆破、運転という5つの大スキルが存在し、プレイを通じてそれぞれのスキルが向上していく。例えば射撃・格闘・爆破は、それによって敵を倒すことで成長する。移動スキルは都市のあらゆるところに配置された「アジリティ オーブ」というアイテム集めることなどによって成長させることができる。

 移動スキルは本作のアクション全般において非常に重要だ。ジャンプ力が向上することで移動可能な場所が増え、同じミッションでも全く違うやりかたで攻略することが可能になる。また、各所に隠された数百の「アジリティ オーブ」は、高い移動スキルを前提とする場所に配置されているものもあるため、まず移動テクニックを磨くことがプレイの幅を広げてくれるわけだ。

 ストーリーを進めていく上では、「エージェント」の本部から指示される各種ミッションをこなしていくことになる。体験会でプレイした範囲では、テロリスト集団「セル」の拠点を確保するミッションをプレイすることができた。「セル」の拠点は簡易な要塞のようになっている。ミッションをクリアするためにはまずその中心部を確保し、ヘリによる援護射撃を要請して周辺のテロリストを一掃するといった流れになる。

 ちなみに都市には時間の流れがある。昼間は「セル」が活動し、夜行性の「フリーク」たちは夜に活動するという周期だ。「フリーク」の存在が厄介になる夜間は「セル」に対する作戦を進めるのが難しくなることもありそう。プレーヤーは時間による環境の変化も考慮に入れながらゲームを進めていく必要があるわけだ。

 そういった環境要素もありつつ、本作の特徴はやはり「自由度の高さ」。メインミッションそっちのけで「アジリティ オーブ」集めに精を出しても良いし、夜を待って「フリーク」狩りを始め、戦闘スキルの向上を図ってもいい。特定の枠にとらわれずにプレイできる、それが「ライオットアクト2」の本質だといえそうだ。

都市内で手に入る様々な乗り物を使用したアクションも醍醐味のひとつ。運転スキルを向上させることによりさらに機動力をアップできる
前作以上に「爆発」へのこだわりが増したゲーム性。爆発性のオブジェクトも多く配置されており、敵を爆発に巻き込ませて一気に撃退、なんて作戦も有効だ


■ 爆発、また爆発のマルチプレイ。乗り物の活用が勝利の鍵を握る?

全てが敵の「デスマッチ」。いかに強力な武器を手にいれるかがカギだ
乗り物の中でもヘリは特に強力。スナイパーライフルでパイロット席を打ち抜くことで対抗しよう

 本作の対戦モードでは、Xbox LIVEを通じて最大16人で対戦することができる。プレーヤーは全員が「エージェント」で、高い跳躍力を活かして戦いは非常に立体的。用意されているステージも、高層ビルが立ち並ぶ都市環境など、非常に起伏に富んだものとなっている。

 サポートされているゲームルールは「デスマッチ」、「チームデスマッチ」、そして本作固有のルールである「ロケットタグ」の3種類。「ロケットタグ」というのは、いわゆる鬼ごっこの変形みたいなもので、全体で1つだけ存在する「オーブ」を確保し、他のプレーヤーから逃げ回りつつ、生き延びた時間の長さを競うという内容だ。

 まずはゲームバランスについて。本作における射撃にはロックオン機能がついているため、攻撃を命中させるだけなら簡単だ。そこで差をつける要素となっているのが、マップ各所に配置されている各種の武器や兵器類だ。

 武器としてはマシンガン系からロケットランチャーまで幅広く用意されており、出現場所は固定。例えば高い場所にはスナイパーライフルが置いてあり、他のプレーヤーに気づかれずに確保できれば一気に有利となる。特に差がつくのがその攻撃力。ロケットランチャーなどの爆発物系は、直撃しなくとも相手プレーヤーを一撃で倒す威力があり、まず強い武器を確保することが有利に立つための条件となっている。

 それに輪をかけて強力なのが乗り物系の兵器類。本作ではバギー、装甲車、攻撃ヘリといった乗り物が用意されており、いずれも素早く、敵の攻撃をかわしながら備え付けのロケットランチャーで有利に戦うことができる。特に攻撃ヘリは凶悪だ。捉えにくい空中からロケット弾の雨を降り注がせ、爆発につぐ爆発で一方的に大量のキルを奪うことが可能。

 とはいえ、それがスコア差でも圧倒的になることは少ない。本作では「安易なキル」と「難しいキル」に大きな得点差がつくようになっている。例えばヘリで一方的に倒した場合は15点、肉薄して格闘で倒せば60点といった感じだ。乗り物を駆使して大量のキルを稼ぐか、より難しい戦い方でハイスコアを目指すか、デスマッチ系ルールに独特の戦略性があって面白い。

多様な武器、兵器を駆使したデスマッチ。まずはマップの構造を把握し、各アイテムの配置場所を覚えることがハイスコアへの一歩となりそうだ


・壮絶鬼ごっこ「ロケットタグ」

爆風が吹きすさぶ壮絶な展開となる「ロケットタグ」
「オーブ」を確保したプレーヤーは金色に光り、マップ上にも強調表示され、集中攻撃を受ける

 独自ルールの「ロケットタグ」はハラハラドキドキの連続だ。このルールでの全プレーヤーの目的は、マップ中に1個だけ配置されている「オーブ」をできるだけ長い間確保すること。「オーブ」を獲得したプレーヤーは全身が黄金に輝き、所有武器が弱体化されてしまう。それを他の全員が追いかけて倒し、「オーブ」を奪うという変形鬼ごっこだ。

 ポイントは、追いかける側のプレーヤー全員が強力なロケットランチャーを装備していること。このため逃げる方のプレーヤーは常にロケットランチャーによる爆発の雨あられを食らうことになるのだ。追撃をジャンプでかわし、ビルをよじ登って追っ手の目をくらませる。見つかった瞬間、周囲は爆発で覆いつくされる勢い。

 こうして大抵の場合、「オーブ」を獲得したプレーヤーは10秒と持たずに倒されてしまう。そしてドロップされた「オーブ」の周辺には、確保を目指して寄ってくるプレーヤーの群れ。絶え間なく続くロケット弾の爆発で、確保寸前に倒れるプレーヤー達。その中で運のいいプレーヤーが「オーブ」を獲得し、追われる側に変身するわけだ。

 正直に言って非常に大味なゲーム性だが、大味なりにゲームとしてのバランスはとれており、常にハラハラドキドキの展開が楽しめるという点で「ロケットタグ」ルールは秀逸。ストイックにハイスコアを目指すというよりも、スリリングな雰囲気をワイワイと楽しむようにプレイするモードと言えるだろう。

 ソロプレイ志向のプレーヤーも、マルチプレイ志向のプレーヤーも存分に楽しめそうな本作「ライオットアクト2」。この夏大注目のフリーロームTPSだ。





(2010年 6月 8日)

[Reported by 佐藤カフジ ]