NHN Japan、ベルトアクションRPG「ELSWORD」運営インタビュー
3月17日に「ベスマ」地域拡張とともに正式サービス開始


3月5日 収録

3月17日 正式サービス開始予定


「ELSWORD」タイトルロゴ

 NHN Japan株式会社は、Windows用ベルトアクションRPG「ELSWORD(エルソード)」の正式サービスを3月17日より開始する。

 「ELSWORD」は、アクションゲームRPG「グランドチェイス」を手がけた韓国KOG Corporationが開発した横スクロールタイプのアクションRPG。ラッシュのように連続して攻撃を繰り出し、次々と敵を倒していく爽快感のある作品だ。また簡単な操作でアクションが楽しめるほか、3Dグラフィックスであるものの比較的低スペックのPCで動作することも特徴だ。

 2月17日のタイトル発表に始まり、翌週の2月25日には先行テストが開始された。先行テストは3月4日まで実施されたものの、あまりの展開の速さにテストに参加できなかった人もいることと思う。そこで今回は、本作のプロデューサー南舘怜氏とディレクター坪田律紀氏に、「ELSWORD」を提供するまでの経緯や先行テストの状況、また正式サービス開始時のアップデート内容について伺った。




■ 簡単な操作性と導入部分で小中学生をメインターゲットに

プロデューサーの南舘怜氏
ディレクターの坪田律紀氏

――先行テストを終えて、今の手応えはいかがですか?

南舘怜氏 :今回は人数制限なしの先行テストを1週間実施させていただきました。テスト中は1度緊急メンテナンスがありましたが、サーバーダウンはなく、クライアントとサーバーともに非常に安定していて落ち着いたテストができたと思っています。お客様の反応もよく、ゲームの遊びやすさと完成度の高さから非常に高い評価を得られたと感じています。

坪田律紀氏 :先行テストの終了時には、レベルキャップの30に到達していた方が3名しかおらず、先行テスト時点での到達難易度は高かったようです。ただレベル20から29の方が参加者のうち約4分の1いらっしゃいましたので、継続的に遊んでもらえていたようです。参加者の方々には「ELSWORD」の魅力である、1度プレイすると次々に遊びたくなる楽しさを感じてもらえたと思っています。

――「ELSWORD」を日本でサービスしようと思ったきっかけは何ですか?

南舘氏 :「ハンゲーム」には様々なゲームジャンルがあります。その中で新たなゲームをサービスする際には、今までにないようなゲームで、なおかつ多くのお客様に支持いただけるものはないか? といった探し方をしています。弊社が取り扱っているパブリッシングタイトルの中には、横スクロールアクションで、低スペックのPCでも遊べるゲームがなかったので、色々なタイトルの中から条件が合致した「ELSWORD」に決定しました。キービジュアルや、ゲームバランス、遊びやすさ、インストール時間の短さなども決め手となりました。

――カジュアルなゲームを探していたわけですか?

南舘氏 :カジュアルというよりも、簡単な操作性で、導入に時間がかからないゲームを探していました。インストールに長時間かかるとそれだけで嫌になってしまうと思います。ただブラウザゲームのようなものではなく、それよりも深みがあって手軽に遊べるといった、ブラウザゲームとコアなゲームの中間的な位置づけのゲームを探していました。

――本作のどんなところに魅力を感じましたか?

坪田氏 :何度も遊びたくなるところです。アクションの操作性がよく、動かしているだけで楽しいので、何度も遊びたくなってしまいますね。ボタンを連打するだけで連続して攻撃できたり、派手なスキルが簡単に使えるので、アクションが苦手な方でも楽しめると思います。またダンジョンは短いところだと3~4分程でクリアできるので、1日15分ほどでも十分遊べるのも魅力です。

南舘氏 :インストールが簡単で、説明書を見なくても操作できるお手軽さなのに、実際に遊んでみると意外と面白いところですね。遊んでみる前は手軽さに魅力を感じていたのですが、実際に遊んでみるとやりこみがいがあると感じました。

――やりこみ要素にはどういったものがありますか?

南舘氏 :単なる格闘ゲームやアクションゲームではなく、アクションにRPG要素が加わっているところです。レベル上げや、装備品の強化、レアアイテムの収集などがやり込み要素となっていて、先行テストでもお客様に非常に高い支持を受けていると感じています。


「ELSWORD」メインビジュアル

――先程、キービジュアルも決め手になったと言われていましたね。

坪田氏 :ゲームを一目見た時に、キャラクターに惹かれました。「ELSWORD」では全ての装備品にグラフィックスが用意されていて、着用すると見た目が変わります。ボスから入手したレアな装備品を着用していた場合には目立ちますし、「あの装備はどこで手に入れたのだろう?」といったように他のプレーヤーの憧れの的になるかもしれません。武器を強化しても見た目が変わりますし、自分なりのキャラクターが作れるという意味でも面白いかと思っています。

――キービジュアルとゲーム内のキャラクターの見た目に大きな違いがないのも面白いですね。

南舘氏 :開発会社によると、キャラクターなどのデザインをもとに、キャラクター性とストーリー性を重視してゲームを開発しているそうです。

坪田氏 :デザイナーと開発の方々が日本の文化を気に入っているということを聞いています。これがデザインにも現われていて、日本のお客様にもすんなりと受け入れられるものに仕上がっていると思います。

――どういったユーザー層をターゲットにしているのですか?

南舘氏 :操作性と導入の容易さから、小学生や中学生をメインターゲットに、10代前半から20代前半くらいを想定しています。キャラクターも特徴的なので、お客様に2次創作という形で楽しんでもらえば20代後半以降の方もターゲットになりますね。

 小中学生がターゲットと明言したのは「ハンゲーム」のパブリッシングタイトルの中で「ELSWORD」が初めてになります。これにはオンラインゲームの背景として、要求されるPCのスペックが上がっていることが関係しています。自分のPCを持たない小中学生は親のPCで遊んでいることが多いため、そういった方でも遊べるように比較的軽いゲームクライアントになっています。ゲームは3Dグラフィックスを採用していますが、低スペックのビデオカードでも遊べるように設計しています。

――先行テストの年齢層はどういう状況でしたか?

坪田氏 :先行テストだからまだ遊ばなくていいと思っていた方も多いようで、実際に参加されていたのは20代前半の方が3割ほどでした。予想よりは高めの年齢層になっていました。

南舘氏 :また参加者のうち3分の1ほどが女性で、オンラインゲームの中ではそこそこ女性が多いようです。




■ パーティーが組みやすい環境と、盛り上がりを見せる対人戦

――先行テストでは「エルス」、「アイシャ」、「レナ」の中でどのキャラクターが人気でしたか?

南舘氏 :1番人気だったのは剣士タイプの「エルス」で、2番目は弓タイプの「レナ」、3番目は魔法タイプの「アイシャ」となっています。データ的にはそうなっていますが、ほぼ横一列で突出して人気のあるキャラクターはいませんでした。大半の方は見た目で選んでいるようで、次に職業で選んでいるという感じでした。先行テストではキャラクタースロットが2つだったので、3つのキャラクター全てを体験できたわけではないですが、3つのキャラクターが万遍なく遊ばれていました。


【プレーヤーキャラクター】
エルス(ファイター)アイシャ(マジシャン)レナ(アーチャー)


――遊び方としてはソロプレイ、パーティープレイ、対人戦とありますが、主にどれが遊ばれていましたか?

南舘氏 :先行テスト初日からパーティーでレベルを上げる人が多かったですね。1度パーティープレイを体験した方は、その後もほぼパーティーで遊んでいる感じでした。

坪田氏 :パーティーを組んでいる方達は、他のオンラインゲームを遊んだことのある方が中心となっていたようです。ソロプレイの方もいましたが、先行テスト最終日にはほとんどの方がパーティーを組んでいました。パーティープレイのほうがダンジョンの難易度が下がって早くクリアできるため、効率がよかったようです。

 「ELSWORD」はパーティーが組みやすいのも特徴です。パーティー募集専用のフィールドがあるので、そこでパーティーを募集するとキャラクターの頭上にウインドウが表示されます。あとは他のプレーヤーがクリックするだけで参加できます。また、参加者募集中のパーティーの一覧表示も可能で、パーティー募集中の状態がわかりやすい設計になっています。

南舘氏 :ダンジョンに行くには、必ずパーティー募集専用のフィールドを通らなければならないため、1人で遊ぼうと思っていてもパーティー募集中のウインドウが目に入ります。そこで同じ目的のダンジョンへの参加者が募集されていれば、参加してみようということもあると思います。

――パーティープレイの雰囲気はどうですか?

南舘氏 :一般的なオンラインゲームでは、「自分は下手だから邪魔をしてしまいそう」というように、プレーヤースキルの問題でパーティープレイを躊躇してしまう人もいると思います。しかし「ELSWORD」は自分の行動があまり他人に迷惑をかけるようなゲームではないので、単純に考えても2人で遊んだほうが強いし、早くダンジョンをクリアできるようになっています。またパーティーに必須の職業といったものもないので、気軽に参加してみんなで楽しみながら遊べる雰囲気になっていると思います。

――対人戦はいかがですか?

南舘氏 :決闘場での対人戦に関しては、運営側では何の誘導もしていませんでしたが、自然とお客様の間で盛り上がっていたようです。1週間で何千試合もされている方もいました。お客様の方で新たなコンボを色々と模索していたようで、単に相手を倒すだけでなく、コンボを成功させることも楽しまれていたようです。

――正式サービス時にはユーザーにどういった風に遊んでもらいたいですか?

南舘氏 :様々なコンテンツの準備ができているので、今後は早いタイミングで続々と導入していこうと思っています。お客様には、1つの遊び方に捕らわれずに、色々なコンテンツを遊んでもらいたいと思っています。「決闘場は怖いからやらない」という人も中にはいるかもしれませんが、1度遊んでみると面白さがわかってもらえると思っていますので、幅広い方に遊んでいただきたいです。

坪田氏 :今までアクションゲームが苦手で手を出しづらかった方や、他人に迷惑をかけるのでパーティープレイを遠慮していた方でも、簡単な操作なので気軽に楽しめるようになっています。そういった方にこそ是非遊んでもらいたいと思っています。




■ 3月17日に「ベスマ」地域を実装し、正式サービスを開始

インタビュー時には、「ベスマ」地域のイラストやゲーム画像が公開された

――今後のサービススケジュールを教えてください。

南舘氏 :3月17日より正式サービスを開始します。3月4日に先行テストを終えてから、長い間サービスを待ち望んでいたお客様も多いと思います。そこでお客様に喜んでもらうため、正式サービス開始時にアップデートを実施し、新たなエリア「ベスマ」地域を実装します。「ベスマ」は村と街道で構成された地域で、街道には7種類のダンジョンがあります。

 今までの「ルーベン」地域と「エルダー」地域は、森と城下町のダンジョンでしたが、「ベスマ」地域はその森と城下町を抜けた先にある鉱山が舞台となっています。「ベスマ」のスタート地点は荒野の中にある先住民の町のようなところで、そこから山を登るとトロッコや採掘場などが配置されている鉱山へとたどり着きます。そして鉱山を抜けると、空を飛んでいる飛空艇が最終的な戦いの舞台になります。


【ベスマ地域】
峡谷や湖、鉱山といった陸地以外にも、空を飛んでいる飛空艇など7つのダンジョンがある


坪田氏 :ストーリーは、太古の時代に魔力によって動いていた機械達を中心に展開していきます。機械達の文明は過去に滅びていたのですが、何者かの魔力によって再び動き始めます。今回だけでなく、今後のストーリーにも関係してきます。機械達は前半のダンジョンではあまり登場しませんが、後半のダンジョンに進むに従って続々と登場するようになります。

――ダンジョンの適正レベルはどうなっていますか?

坪田氏 :「ベスマ」地域は、レベル20から30のプレーヤーが対象です。ダンジョンにはトラップが設置されています。トラップは各ダンジョンによって異なり、トーテムポールのようなトラップであれば炎を噴き出しているという感じです。ボスモンスターも特徴的で、姿を透明にするものや、2体同時に襲い掛かってくるもの、攻撃を受けても一切怯まないものなどがいます。ソロプレイは可能ですが難しく、パーティーを組まなければクリアしにくい難易度となっています。

南舘氏 :また「ベスマ」地域の実装に伴ない、新たな製造システムや、NPCやモンスター、装備品なども実装するほか、1つのアカウントで作成可能なキャラクター数を4つに拡張します。今まではキャラクターを2つしか作れませんでしたが、これによって色々なキャラクターを遊んでもらいたいと思います。


【新たなNPC】
ベスマの村にはアイテムの生産や販売をするNPCが登場する
【新装備品の一部】
「エルス」、「アイシャ」、「レナ」のそれぞれに新たな装備品が追加される
【新モンスターの一部】
アルマジロやサボテンのような生物系のモンスターから、機械型のモンスターまで登場する


――正式サービス後のアップデートについて教えてください。

南舘氏 :翌週の3月25日には、属性エンチャントシステムというものを実装予定です。これは装備品の新たな強化システムで、武器や防具に属性を付与して使います。武器の属性エンチャントでは、今までモンスターが使っていた特殊攻撃がプレーヤーでも使用可能になります。属性は6種類で、石化や氷結、炎や毒によるダメージといったものがあります。

 この属性エンチャントシステムによって、対人戦が大きく変化すると思います。例えば、一定時間相手の動きを止めて攻撃したり、じわじわとダメージを与える属性で時間をかけて戦うといったように、プレイスタイルの幅が広がると思います。対人戦を遊んでいるお客様には好まれるシステムだと思います。

――防具についてはいかがですか?

南舘氏 :防具の場合は属性に応じた抵抗力が上がるようになっています。例えば近づかなければ攻撃できない場合は、遠距離の職業に距離をとられてじわじわとダメージを受けないように、その属性に対する抵抗力を上げて対抗できます。

坪田氏 :属性エンチャントはエフェクトが派手なのも特徴で、各属性によって見た目が変わります。武器自体が光りますし、攻撃時のエフェクトも変化します。ちなみに属性エンチャント用の素材はモンスターから入手可能です。


【属性エンチャントシステム】
武器に属性エンチャントをすると、その属性に応じた色のエフェクトが表示される


――レベルキャップはどうなりますか?

坪田氏 :同じく3月25日にレベルキャップを現在の30から35まで引き上げます。ダンジョンには「普通」、「難しい」、「激ムズ」の3種類の難易度があり、「ベスマ」地域のダンジョンを「普通」の難易度でクリアする場合にはレベル30程度で十分ですが、それよりも高い難易度になるとレベル30以上が推奨されます。このレベルキャップの引き上げによってダンジョンの難易度が緩和されると思います。

――有料アイテムはどんなものが販売されるのですか?

南舘氏 :3月末頃にアイテムモールを実装して、有料アイテムを販売する予定です。今のところ想定している有料アイテムは、ダンジョンで倒れてしまった場合の復活アイテムや、カバンの拡張アイテム、スキルポイントの初期化アイテムなどです。

――カバンの拡張アイテムの効果は永久ですか?

南舘氏 :韓国の仕様では期間限定になっているのですが、日本では永久に拡張できるようにしたいと思っています。お客様が期間限定のアイテムを好んでいない傾向があるので、できる限り永久的なアイテムを実装していきたいと思っています。

――有料アイテムの価格設定はどれくらいですか?

南舘氏 :300円前後のアイテムが多くなっています。今のところ最も高額なのはスキルポイントの初期化アイテムで、1,500円前後を予定しています。


レベル15以上で転職できる上位職業

――4月以降のアップデートはどうなっていますか?

南舘氏 :4月の上旬頃には転職システムの実装を予定しています。3人のキャラクターそれぞれに2種類ずつ上位職業を追加します。

坪田氏 :「エルス」には、既存の職業を強化した「ソードナイト」と、剣の攻撃に魔法が追加された「マジックナイト」を追加します。「ソードナイト」は瞬間的な攻撃力が高いスキルなどがあるため1対1に適していて、「マジックナイト」は魔法を使った範囲攻撃で大勢の敵を相手にするタイプの職業になります。


【ソードナイト】
「ソードナイト」には範囲攻撃もあるが、基本的に単体攻撃を得意とした職業
【マジックナイト】
「マジックナイト」は剣に魔法を追加した範囲攻撃で、複数の敵を同時に攻撃できる


坪田氏 :「アイシャ」の上位職業には、既存の魔法を特化させた「ハイマジシャン」と、毒などの闇の魔法が使える「ダークマジシャン」を追加します。どちらも遠距離から攻撃できますが、使えるスキルが異なっています。


【ハイマジシャン】
「アイシャ」の基本職業のスキルがさらに強力になった「ハイマジシャン」
【ダークマジシャン】
「ダークマジシャン」は闇の魔法を使い、毒を利用したスキルなどでダメージを与えていく


坪田氏 :「レナ」には、「スナイピングレンジャー」と「コンバットレンジャー」が追加されます。「スナイピングレンジャー」は弓に特化していて、空高くジャンプしてから下に向けて強力な矢を放つ範囲攻撃スキルなどが使用できます。「コンバットレンジャー」は体術に特化したもので、主に1対1の戦いに向いています。


【スナイピングレンジャー】
「スナイピングレンジャー」は弓に特化した職業で、遠距離からの範囲攻撃スキルなどが使用できる
【コンバットレンジャー】
「コンバットレンジャー」は体術に特化しており、基本的に1対1の戦いに向いた職業


――上位職業において攻撃のコンボはどう変化しますか?

坪田氏 :上位職業の全てにおいて、通常攻撃のバリエーションが増えます。例えば「マジックナイト」は火の玉を駆使したコンボが可能になったり、「ソードナイト」はジャンプ攻撃を複数絡めたコンボや、隙が大きな技をキャンセルしたコンボなどが可能になります。上位職業への転職により、ダンジョンや決闘場でのプレイスタイルが広がると思います。

――転職はどうやって行なうのですか?

南舘氏 :まずはキャラクターをレベル15以上にする必要があります。その後は街のNPCから、なりたい上位職業に転職するクエストを受けます。レベル15までは早い人で2時間ほどなので、1日に30分ずつプレイしたとしても、1週間以内にはレベル15には到達すると思います。

 転職専用のクエストは複数のクエストで構成された、やや困難なものになっています。レベル15で転職用のクエストを受けたとしても、転職が完了する頃にはレベル20まで上がっている感じです。一部のクエストには制限時間が決められているものもあるので、パーティーを組まないと大変かもしれません。

――韓国版で実装済みのアップデートに関しては、日本ではいつ頃実装予定ですか?

南舘氏 :すでに韓国版で実装済みのギルドシステムや、アイテム倉庫となる銀行システムといったものは、4月中に毎週アップデートを行ない、順次実装していこうと考えています。ギルドシステムは韓国版では昨年11月に実装されたもので、アップデートとしては比較的新しいものになりますが、コミュニティの形成に重要だと考えているので、日本では早めに実装します。韓国で実装されているギルドシステムには、ギルドメンバー全員でポイントを貯めると、常時キャラクターのステータスが上昇したり、特殊なスキルが使用できるギルドスキルがあるのですが、この仕様に関しては日本向けに調整しようと思っています。

――随分とアップデートのペースが早いですね。

南舘氏 :「ELSWORD」は韓国でサービスされてから結構時間が経っているので、韓国版の情報をリサーチしているお客様もいるようです。アップデートに対する期待感が大きいようなので、私達としても早めに対応して楽しんでもらいたいと思っています。

――4人目以降の新キャラクターの実装予定はありますか?

南舘氏 :他国ではすでに2種類のキャラクターが追加されていて、お客様からは「早く新しいキャラクターが使いたい」という意見があります。1つ目は黒髪の「レイヴン」という男性キャラクターで、「ベスマ」地域の機械と関連があります。左手が機械の爪に改造されていて、この爪を使って攻撃する剣士タイプのキャラクターです。


【レイヴン】
左手が機械の爪に改造されている「レイヴン」。右手の剣と左手の爪を使った攻撃スタイルとなる


南舘氏 :もう1つは「イブ」という女性タイプのアンドロイドのキャラクターです。「イブ」の周囲にはペットのような小さな機械が飛んでいて、この機械が攻撃します。この2キャラクターの実装予定日は決まっていませんが、かなり早い段階で実装していきたいと思っています。


【イブ】
「イブ」は女性の姿をしたアンドロイドで、自身の周囲を飛んでいるペットのような小さい機械で攻撃する



■ ユーザーと意見を交換してアップデート方針を決定

――日本オリジナル要素は何か考えていますか?

南舘氏 :今のところ、あまり考えていません。これには理由があって、1つは「ELSWORD」のコンテンツ量がかなり多く、完成度が高いと判断しているからです。クライアントのアップデートをしていくだけでも、多くのお客様の支持を得られると考えています。

 もう1つは、日本のローカライズに関して、私達の考えだけでなく、お客様の声を取り入れていきたいと考えているからです。今の段階でオリジナル要素を考えるのではなく、お客様と会話をして何を実装すべきか考えていければいいと思っています。お客様と運営陣とプロジェクトのスタッフが一緒になって日本の「ELSWORD」を考えていきたいですね。

――キャラクターの日本語音声は実装する予定ですか?

坪田氏 :韓国版では韓国の声優さんが起用されているのですが、日本ではそのまま使えず、先行テストでは音声を排除していました。現在は日本語音声を入れる準備をしており、声優さんを選んでいる段階です。声優さんの具体的な名前は出せない段階ですが、5人のキャラクターを全て実装してから、日本語音声も実装したいと思っています。

――ゲームパッドの対応はどうなっていますか?

南舘氏 :3月17日の正式サービス開始時に、弊社が提供しているハンゲーム推奨のゲームパッドが対応します。それ以外のゲームパッドに関しては、適切なボタン配置にできるように現在開発中です。早ければ4月か5月くらいには実装できると思います。

――今後のイベントとしてはどういったものを予定していますか?

坪田氏 :主にゲーム内のコンテンツを利用したイベントを実施していこうと思っています。今のところ予定しているのは、ゲームの接続時間に応じて報酬アイテムが貰えるイベントであったり、期間限定のクエストイベントになります。イベント中にある条件を満たすともらえる専用の称号システムというのもあるので、そういったイベントを実施していこうと考えています。

――ゲーム外でのキャンペーンは何か考えられていますか?

南舘氏 :正式サービスを開始する3月17日に「ハンゲーム」用のアバターをプレゼントするキャンペーンを実施予定です。また先行テストに参加していただいた方にもゲーム内アイテムを配布予定です。

――公式サイトを見て気になったのですが、ランキングの項目には何を表示する予定ですか?

南舘氏 :ランキングは公式サイトのコンテンツの1つです。キャラクターのレベル、対人戦に関するもの、あとは何か面白いランキングをできないかと考えています。例えば死亡回数ランキングなど、本来は競うものではないものも考えています。1度に全てのランキングを導入するのではなく、段階的にランキング項目を増やしていく予定なので、早ければ4月か5月には実装できると思います。

――ランキングと連動した特典などはありますか?

南舘氏 :ゲームシステムとしては用意していませんが、運営チーム側で表彰して何かをプレゼントするといったことは考えたいと思います。

――公式サイトにはカレンダーという項目もありますが、これは何ですか?

南舘氏 :公式サイトではデスクトップ用の壁紙を配布しているのですが、それと同じような形でカレンダーを配布します。ただ壁紙とは別のデザインで、毎月異なったカレンダーを配布していきたいと思っています。

坪田氏 :カレンダーはキャラクターが5人出揃ってからのほうが色々な見せ方ができると思っているので、5人のキャラクターを実装してから公開する予定です。

――最後に、読者に向けてメッセージをお願いします。

南舘氏 :「ELSWORD」は要求されるPCのスペックが低く、ほぼ説明書いらずで操作できてしまうので、初めてオンラインゲームを遊ぶ方や、今までオンラインゲームを敬遠していた方に是非遊んでもらいたいと思います。きっと簡単にできて、とても面白いゲームだと思っていただけるはずです。お友達など、皆さんで一緒に楽しんでください。

坪田氏 :私はオンラインゲームをサービス業だと思っているので、もっとサービスに力を注いでいこうと思っています。オンラインゲームはお互いの顔が見えないのですが、できる限りそこを改善して、お客様に見える運営を心がけていきます。「ハンゲーム」には「サークルHG」という掲示板によるコミュニティがあるのですが、そういったコミュニティの場でお客様の意見を聞き、それを開発会社と共有して、その結果をお客様の元に届けたいと思っています。そういったことを1つ1つこなしていき、「ELSWORD」のゲーム内容だけでなく、サービスも一緒に楽しんでもらいたいです。

――ありがとうございました。

Published by NHN Japan Corporation.
Copyright (C) KOG Corporation. All rights reserved.
※画面は開発中のものです。

(2010年 3月 16日)

[Reported by 日高文典]