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Game Developers Conference(GDC) 2010現地レポート

PlayStation Home 関連セッションレポート

MMOの実装事例を紹介。新たに「着ぐるみ」を実装


3月9〜13日 開催(現地時間)

会場:サンフランシスコ Moscone Center



 プレイステーション 3用モーションコントローラー「PlayStation Move」が発表され、GDC 2010でも来場者の注目を集めているソニー・コンピュータエンタテインメントだが、既存コンテンツに関しても忘れてはいない。同社はGDC 2010において、PS3で無料公開されている3Dオンラインコミュニティ「PlayStation Home」(以下、Home)に関するスポンサードセッションをいくつか開いている。

 これらのセッションの中で、Homeの現状や、今後の展開についての情報がいくつか明らかになった。基本的には開発者向けのセッションであり、今すぐ何かのコンテンツが実装されて一般ユーザーが利用できるという話ではないが、「Homeでは近い将来こういったものがでてくる」という認識で読んでいただければと思う。




■ Homeは現在1,200万ユーザー。今後さらにゲームプラットフォームとしてアピール

Jack Buser氏

 SCE AmericaのJack Buser氏による講演“PlayStation Home as a Game Platform(ゲームプラットフォームとしてのPlayStation Home)”では、Homeの現状に関する様々なデータが公開された。

 まずHomeの基本的なデータとして、ユーザー数が全世界で1,200万ユーザーに達したことを明らかにした。ユーザー数の伸びは、2009年6月に600万、12月に1,000万としており、現在も堅調に伸びていることをアピールした。また全世界での月間売り上げが100万ドル、リピートユーザー率は85%、平均利用時間は60分。さらにHome上のコンテンツとして、100以上のゲームがプレイ可能で、350以上のイベント、50以上のラウンジ、3,000種類以上の仮想アイテムがあるといったデータを示した。

 次にセッションの主題である、Homeに向けたゲームを作るメリットが紹介された。まずHomeはゲーム作りにフォーカスしたプラットフォームであるとし、その理由として、マルチプレーヤーフレームワークや課金システム、アバターやUIが用意されており、簡単かつ効率的に開発できて開発期間を短縮できることを挙げた。また数百万ユーザーに即時に露出できるマーケティングツールとしても優秀であると付け加えた。

 ゲームの実装事例として、北米で提供されているHome初のMMOタイトル「Sodium One」が紹介された。ロボットを操作して戦う3Dアクションシューティングゲームで、プレーヤーは攻撃と防衛に分かれてプレイするタイプのゲームモードが収録されている。最高50レベルのうち5レベルまでは無料で提供され、その後は有料で提供される。

 本作はサービス開始からの6週間で、SCE Americaだけで130万登録を記録したという。本作のポイントとしては、アイテムの量と機能性が鍵であり、またゲームの案内と説明が重要だとしている。Buser氏は本作を評して「ゲームとコミュニティの交差点」と呼んでおり、ゲームを通してコミュニティスペースとしてのHomeの活性化も期待しているようだ。

 なお、「Sodium One」はいまのところ日本のHomeでは提供されていない。Homeのコンテンツは地域別に分けられているため、地域ごとに内容に差が出ている。これについては、来場した開発者からも不満の声が上がっていたが、今のところは様々な障壁があり共通化は難しいようだ。特に「Sodium One」は日本でも高評価が得られそうな内容だけに、ぜひ日本で提供して、ユーザーやデベロッパーに刺激を与えて欲しいところだ。


Homeの利用者が1,200万人になったことなど、現状のデータが公開された 既にHomeが持っている要素を使って開発することで、比較的容易にPS3向けゲームが作れる点をアピール 具体的な開発コストや収益モデルの例も示された
「Sodium One」の紹介ムービー。ロボットが機敏に動き、派手な撃ち合う様子は、「ゆったりしたソーシャル空間」という今までのHomeのイメージとかけ離れたもので非常に衝撃的だ



■ アバターに着ぐるみが登場。独自の歩行モーションやエモーションを利用可能

David Hamblin氏
Robin Ledger氏
実は見せているスライドもHomeの一部。機能をスライドで紹介し、すぐにHomeに戻って実例を見せた

 SCE EuropeのDavid Hamblin氏とRobin Ledger氏によるセッション“Creating Convincing Environments and Avatar Clothing for PlayStation Home(PlayStation Homeにおける説得力のある環境とアバター衣装作り)”では、Homeの舞台や背景、アバターのデザインについて、そのツールと実例が紹介された。

 セッションでは、デベロッパーに学習用として公開されている飛空船のようなラウンジを使い、各種機能の解説が行なわれた。既にある機能についても一通り説明されており、後半に実装されたばかりの最新機能が紹介された。

 Homeにおけるアバターの衣装は、帽子、髪、手、胴部、脚部、靴、イヤリング、眼鏡、ヘッドフォンに分かれている。さらに胴部と脚部といった一部のパーツを繋いで1パーツとして作ることも可能だ。そして今回の新機能ではさらに踏み込んで、全ての衣装部位を繋いだフルボディスーツが登場する。早い話が、着ぐるみである。

 紹介された作例を見ていると、犬や猫などのいかにも着ぐるみというものもあれば、フランケンシュタインやロボットのようなものもあった。説明としては着るものなのだろうが、実際には元のアバターが中に入りそうにないものもあり、モデルを丸ごと置き換えているというイメージだ。

 さらにこのフルボディスーツでは、独自の歩き方・走り方やエモーションを設定できる。犬や猫の着ぐるみであれば動物的な歩き方をしたり、ウサギの着ぐるみで走らせると両足を揃えてピョンピョン飛んだりしていた。これまでのHomeのアバターは、見た目は変わってもモーションが変わらないため違和感の残るものもあったが、これであれば(フルボディスーツに限られるが)動きまで思いどおりのものが作れる。

 モデルやモーションが欧米的で、日本のコンテンツを当ててもいまひとつしっくりこないところがあったHomeのアバターだが、これを使えば今後は大抵のものは作れてしまうだろう。実際にどう使うかはデベロッパー次第なので、日本のPS3ユーザーの話題に上るようなユニークなものが出てくることを期待したい。


まずは既に実装されている機能やツールが紹介された。これらの実例は飛空船の中で確認できる
こちらはアバターの仕様。9つの部位に分かれたパーツをデザインできた
新たに導入されるフルボディスーツの仕様 独自の歩き方やエモーションを付けられるのが特徴 ブレンドシェイプを使って、表情などを調整できる
Homeの世界観的には着ぐるみなのだが、人が入りそうにないスーツもある
見た目もさることながら、独自のモーションを使えるというのが大きな利点。これまでのアバター衣装とは一線を画す自由度の高さが魅力だ

(2010年 3月 15日)

[Reported by 石田賀津男]