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Game Developers Conference(GDC) 2010現地レポート

カプコン、iPhone/iPod touch「ストリートファイターIV」
サンフランシスコでのイベントに手塚氏・小野氏が来場


3月10日 (現地時間)開催

会場:Apple Store San Francisco


会場となったApple Store San Francisco。GDC会期中とあってか、平日にも関わらず店内はかなり賑わっていた

 株式会社カプコンは3月10日(現地時間)、iPhone/iPod touch用対戦格闘「ストリートファイターIV」のトークイベントを、Apple Store San Franciscoにて開催した。

 このイベントは、本作が3月9日(現地時間)より配信されたことに合わせて開催されたもの。日本から「ストリートファイターIV」プロデューサーの小野義徳氏と、iPhone/iPod touch版プロデューサーの手塚武氏が会場に駆けつけ、本作に関するさまざまな質問に答えた。

 会場となったApple Store San Franciscoは、GDC 2010が開催されているMoscone Centerから歩いて数分の場所にある。イベントは事前予約などが必要なく誰でも参加できたので、GDCのトークセッションのつもりで見に来た人も見受けられた。以下では会場でやりとりされた質問と回答の内容をお伝えする。




■ iPhone/iPod touch版への質問に手塚氏・小野氏が回答

iPhone/iPod touch版プロデューサーの手塚武氏
「ストリートファイターIV」プロデューサーの小野義徳氏

――手塚さんはこれまで「ストリートファイター」とどのように関わっているのですか? また移植する際に気をつけたことは?

手塚氏 : カプコンに20年前に入社して最初にやった仕事が、「ストリートファイターII」のデバッグでした。iPhone/iPod touch版を作るのに1番気を配ったのは操作性の部分です。ハードウェアキーがないので操作しにくいのではないかと思っていました。

――なぜiPhone/iPod touchで「ストリートファイターIV」を出そうと思ったのですか?

手塚氏 : 私の場合は逆からの発想です。iPhoneは全世界で80カ国以上で出荷されていて、そこに全部配信できます。アーケードゲームであれば色々な国で遊べるのですが、コンシューマーゲームは国によってはないこともあります。全世界で望まれるタイトルとして、「ストリートファイターIV」を選びました。

――小野さんは最初にiPhone/iPod touch版を見た時どう思いましたか?

小野氏 : できあがりを見た時には、「(iPhone/iPod touchでこれほど遊べるなら)プレイステーション 3版を作らなくていいようになったかな」と言いたくなるほど、驚きました。手塚には「うまくやったらできるよ!」と茶化していたのに、本当にできてしまった悔しさもありました。

――実際に発売されてからは?

小野氏 : 「ストリートファイターIV」のプロデューサーだと言えば、アップルストアで割引してもらえるかな、という希望が生まれました(笑)。

――iPhone/iPod touch版ではカジュアルユーザーに向けたチューニングを行なっていますか?

手塚氏 : 私はもともとアーケードゲームの開発をしていました。iPhoneプラットフォームは、アーケードプラットフォームとお客様が似ています。非常に安い額でゲームを始められるからです。これがコンシューマーゲームだと数万円かかってしまいます。こういったお客様がどういうイメージを持ってプレイするかはアーケード時代に実感していましたので、今回はそのテイストを入れています。今回、「道場」というモードを入れているのですが、これは操作方法などの遊び方ではなく、戦い方がわかるモードです。これによって、初めて上級者と戦えるように成長を促します。そういうものがないと、初めてやるときに大変です。こういった要素はカジュアル向けといえると思います。ぜひ、奥様やガールフレンドと対戦して欲しいですね。

小野氏 : 「ストリートファイターIV」の開発者が会場の後ろにいるのですが、ぜひ聞いて帰って欲しい話ですね。

――逆に、コアユーザーでも楽しめますか?

手塚氏 : 「スペシャルアシスト」という機能を使うことで、必殺技が簡単に出せるのですが、いわゆる波動拳や昇龍拳のコマンド技ももちろん出せるようになっています。ハードコアユーザーに納得してもらえて、カジュアルユーザーにも楽しんでもらえるという、非常に難しいチャレンジをしています。コアユーザーの方からも、「きちんと『ストリートファイターIV』になっている」という評価をいただけているようで、非常に光栄に思っています。「道場」はコアユーザーでもSランクはなかなか取れないので、意外と楽しんでもらえると思います。

小野氏 : ちなみに私は1つもSを取れないんです。あやうくiPhoneの液晶を割ってGenius Barに持っていくところでした。今それを聞いて、やっぱり難しいんだなと納得しました。

(以下、来場者からの質問)

――登場キャラクターが8人に減っていますが、この8人はどうやって選んだのですか?続編ではもっと多くのキャラクターが出てくることを期待していいのですか?

手塚氏 : 開発期間とコストと……色々な事情があって8人になりました。特徴のあるキャラクターであるというところと、iPhoneのユーザーは30代後半の方が多いので、「ストリートファイターII」の時になじんだキャラクターを多めにしようと思って選びました。

小野氏 : 今日来ている人はどう見ても20代ばっかりですけどね(笑)。私の机の上からキャラクターデータをいっぱい持っていったので、おそらく期待に添えるんじゃないかと思います。

――このiPhone/iPod touch版をiPadで遊ぼうとすると、ビジュアルパッドがものすごく大きくなって操作が難しそう(基本的にiPadではiPhone/iPod touch用アプリが動作する)。iPad専用版を出してもらえませんか?

手塚氏 : iPadは端末が重いので、持ち方を変えないと遊びにくいと思います。その辺りは、実際に触ってから研究して、遊びやすいものを作ろうと思います。

――配信ギリギリまでタイトルを発表しなかったのはなぜ?

手塚氏 : スティーブ・ジョブズの真似をして、発売日に発表しようと思っていたのですが、PRの担当者から「もっと早く言え」と言われ、発売前に言わされてしまいました(笑)。

――移植で難しかったところは?

手塚氏 : コントローラーだけで10カ月くらいかけてチューニングしています。「ストリートファイターIV」を出すと言った時、「昇龍拳は出るのか」とばかり聞かれたのですが、ちゃんと出ますのでぜひ遊んでみてください。

――攻撃ボタンに弱、中、強の違いがなくなりました。ゲームはどうなりますか?

手塚氏 : 厳選した技、というとアーケードに要らないのかと言われて問題なのですが。カジュアルな人でも簡単に遊べますし、コアな方にはレバーを入れながらの入力で技を使い分けられるようにして、楽しんでもらえるようにしています。


来場者からのユニークな問いかけと、小野氏の数々のジョークで、会場は何度も笑いに包まれていた

――iPhone/iPod touch用の「スーパーストリートファイターIV」はいつ発売されますか?

手塚氏 : 先程見たら、1日でTop Grossing App(売り上げランキング)のナンバー1になっていたので、この分なら作れるんじゃないかと思います(笑)。

小野氏 : 4月26日に出るんじゃないですか?(翌日の4月27日はPS3/Xbox 360用「スーパーストリートファイターIV」の北米版発売日)

――このアプリで対戦はできますか?

手塚氏 : もちろんできます。「ストリートファイターIV」の面白さは対戦にあるので、きちんと対戦できるように作ってあります。ぜひ遊んで欲しいと思います。

――電波状態が悪くなるとゲームが止まってしまうことがあります。この症状はご存知ですか?

手塚氏 : それがゲームのせいなのか、ハードのせいなのかはわかりません。

――隠し要素はありますか?

手塚氏 : 入れたかったのですが、余裕がありませんでした。今回はないので、次回は入れたいです。アップデータのネタは色々と企画中のものがあるので、どんどん入れていきたいと思います。

小野氏 : Akuma(豪鬼)のデータも持っていっているので、出ちゃうかもしれません。

――フレームレートはどのくらいですか?

手塚氏 : 秒間30フレームは出ていると思います。

――コンシューマーゲームとiPhone/iPod touch用ゲームでは、開発期間に違いはありますか?

手塚氏 : かなり違います。iPhoneのゲームは旬があるので、あまり長い期間をかけて作れません。

――「MARVEL VS. CAPCOM 2」など、他のタイトルは移植されますか?

手塚氏 : 期待されているものにはぜひ応えたいと思います。

小野氏 : 「Darkstalkers(ヴァンパイアシリーズ)」はどうですか?

手塚氏 : 納得できるものでないと出せないので、長い間待ってもらわなければならないかもしれません。




複数の試遊機が置かれ「ストリートファイターIV」を体験できた

 来場者からの熱心な質問が続いたが、イベントの時間切れで質問と回答はここまでとなった。この後は会場に設置された試遊機で、実際に「ストリートファイターIV」を体験できるスペースも設けられ、こちらも非常に賑わっていた。

 イベント終了後、小野氏に感想を伺ったところ、「GDCの会期中ということで、iPhoneを持っているゲームファンが多数集まっています。先程もレストランで食事をしていたら、前後の席の人が『ストリートファイターIV』を対戦していたりして、私もあちこちで声をかけられました。このiPhone/iPod touch版を契機に、『ストリートファイターII』のような広い層に遊んでもらえるタイトルになってくれればと思っています」と答えてくれた。

 iPhone/iPod touch用「ストリートファイターIV」は、米国では9.99ドル、日本では900円で発売中。発売から1日しか経っていないにも関わらず、米国では前述のとおり売り上げランキングで1位、日本では有料アプリと売り上げのランキングの双方で1位を獲得している。


(2010年 3月 11日)

[Reported by 石田賀津男]