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レベルファイブ、会社説明会を東京と福岡で開催
実話に基づいた舞台劇「ゲーム・クリエイター物語」を披露


2月9日 開催

会場:渋谷C.C.Lemonホール


代表取締役社長の日野晃博氏

 株式会社レベルファイブは、2011年度新卒を対象とした会社説明会を9日に東京で開催した。会場では、2008年に好評を博した舞台劇「ゲーム・クリエイター物語」を再演。同社の会社説明会は今後、2月24日に福岡・サンパレスホールで開催される。

 説明会では、まずガイダンスビデオと同社作品のプロモーションビデオが上映された。ガイダンスビデオでは、代表取締役社長の日野晃博氏、プランナー、アートデザイナー、デザイナー、プログラマー、テスティング、広報、マーケティングと、同社の現役クリエイターがそれぞれ“ゲーム作り”についてコメント。続いてステージに登場した日野氏は、会社の沿革を説明。売上実績では、今期予測を100億円に設定。これまでの累積出荷本数は、自社ブランドだけで1,116万本、全作品では2,364万本になるという。

 自ら「右肩上がり」と表現する同社躍進の理由について、日野氏は「パブリッシャー事業の成功によるもの」とコメント。「自社パブリッシャータイトル成功の秘訣は「まず我々が考えたことは、ゲームを販売するだけではなく、その知名度をあげる“仕掛け作り”が大切」といい、「レイトン教授」や「イナズマイレブン」シリーズ、今春発売予定の「ニノ国」を例に、クロスメディア(メディアミックス)展開などの具体的な取り組みが説明された。同社は、事業拡大を理由に3月上旬より福岡市内の新オフィスに本社を移転。今年1月には東京オフィスを設置。海外でソフトをリリースすべく米国に新会社設立を検討しているという。


会場として使用された渋谷C.C.Lemonホール。説明会は2部制で行なわれた。リクナビによるエントリーは1万に迫る勢いだったといい、同社の人気の高さがうかがえる
ガイダンスと同社プロダクツの各ビデオを上映。熱心に見入りつつも、大半の学生さんたちは片時も重要なワードをメモすることを忘れない
これまでの実績や作品への取り組み方を説明する日野氏。だが、それだけで会社を選んで欲しくはないという

 「みなさんが本当に人生を預けたいと考える会社は、恐らく実績とかそういったものだけとは思いません。1番大事なものは“自分が本当にやりたいと思っていることと”が、その会社にあるかどうか。自分のやりたいことを、会社のなかで見つけること。レベルファイブのなかに、はたして皆さんのやりたいことが待っているのかどうか、会社説明会の途中ですが、しっかりと最後まで見極めてもらいたいと思います」という日野氏。

 「会社説明会というのは、本来“会社のなかで、どんなことができるのか”を知ってもらう会。それを伝えるのが目的なんですけど、ただ伝えるのは面白くない。ちょっと変わった趣向で皆さんに会社を説明したいと思います」と前置きして、2008年にも披露された舞台劇「ゲーム・クリエイター物語」が再演された。ゲームクリエイターの日々をドラマ仕立てにしたもので、モデルはもちろんレベルファイブ社内。さまざまな実話を元にしたストーリーで、マスターアップを控えた開発現場に、ヒット作を多数手がけた著名クリエイターがヘッドハントされてやってくるというもの。内容は2008年公演(!?)からさらにパワーアップ。メインキャストはアメリカザリガニの柳原哲也さんと平井善之さん。スペシャルゲストは、東京会場が原口あきまささん、福岡会場が「どきどきキャンプ」の岸学さん。どちらもヘッドハントされた著名クリエイターを熱演する。


メインキャストは、アメリカザリガニの柳原哲也さん(上画像・右)と平井善之さん(同・左) スペシャルゲストの原口あきまささん。登場するなりお得意のモノマネを披露! サブキャストの女優陣も強烈な個性の持ち主ばかり。一瞬、新喜劇かと……
好評を博したという2008年の舞台を、さらにパワーアップ。生演奏のBGMという念の入りようには恐れ入る。さまざまな実話を元に構成されたというストーリーは、笑いあり、涙ありの充実した内容。一瞬、会社説明会であることを忘れてしまうほど

 舞台劇のあとは、レベルファイブのトップクリエイターによるセッションと質疑応答が行なわれた。参加クリエイターは、日野氏、マネージャーの本村健氏、デザイナーの長野拓造氏、プログラマーの熊谷宇祐氏、広報の須藤萌恵氏の5人。

 「ゲーム作りって大変?」というテーマでは、ゲーム序盤では「まとめるのが大変(本村氏、長野氏など)」、形ができてくる終盤では「ついつい『これどうでしょう?』と、少しでも足したくなる(熊谷氏)」、「スケジュール管理が大変(須藤氏)」など、現役クリエイターならではの貴重な話が披露された。物凄く乱暴に総括すると「物凄く大変」なのだが、皆一様に「やりがいがある」と誇らしい表情をされていたのが印象的。

 「レベルファイブに入って良かったと思った瞬間」というテーマでは、全員が「仲の良さ」に言及。「ドラゴンクエストIX 星空の守り人」制作時は険悪な雰囲気になることもあったが、それはあくまでも「クオリティ向上のためのケンカ」であり、互いに納得して先に進むため、チームワークに悪影響を及ぼすことはなかったという。日野氏は、開発セクションと広報セクション、「作る側」と「売る側」、ふたつの視点に基づいて「ひとつのものを作り上げていく」ことの大切さに言及。これが実践できている社内の風土を「誇りに思えるところ(日野氏)」という。

 セッションの最後に、来場者との質疑応答が行なわれた。「御社を受験するにあたり、やっておいたほうがいい、できたほうがいいことは?」との質問には、「何をしておかなきゃいけない、ということはないと思うんですけども。どっちかといえば、勉強一筋よりも、よく遊んで知識を得ておくことが大切(日野氏)」、「学校で、という話なら……“チーム”で制作を経験して欲しい。なにかしら、必ずひとつ最後まで制作してみるという経験は、あったほうがいいと思います(熊谷氏)」と回答。

 「ニンテンドーDS作品が多いが、以前のようにプレイステーションで作品を出す予定はあるか?」との質問には、「今、PS3とかWiiで作品を制作しています。(媒体などには)未発表ですが(笑)。ただ、僕らがDSで作るのは、新規タイトルを打ち出すのに1番向いているマシンと判断したから。据え置き機の研究・制作は続けていますが、自社ブランドで作品を作るうえでは“勝算のあるプロダクト”を打ち出していかなければならない。まもなく、新たな据え置き機タイトルを発表すると思います」と回答。

 「世界一のブランドを目指すというが、具体的には?」との質問には、「世界一の売上げを目指す会社ではない。ブランドとしてレベルファイブの作品が世に出るのであれば『この作品は無条件で買いたい』と思ってもらえる、“ブランドとしての世界一”。製作会社としてのイメージ、まずはその世界一を目指そうと思っています」と回答した。

 説明会の最後、日野氏は「レベルファイブは大企業ではありません。けれども、レベルファイブという会社のなかには“大きな可能性がある”と思っています。僕は、いちゲーム会社としてではなく、エンターテインメント業界に君臨していくというか、娯楽ジャンル全体に影響力を持つブランドに育てたいと思っています。今、『ニノ国』や『ダンボール戦機』などの作品を作り続けています。そのすべてが、映画、TVアニメ、漫画といった多方面のメディアに展開することになっています。つまり、うちで作った原作を、エンターテインメント業界に広げていくことが、今のレベルファイブの大きな目標。いちゲーム会社としてではなく、エンターテインメントの大きなブランドになれるよう、スタッフ一同で手を尽くしているところです」と説明。

 続けて「まだ遠い先のこと……5年後、10年後かはわかりませんが、今、スタッフは『それが本気でできるんじゃないか』と思い始めています。みなさんもぜひ、僕らの仲間となり、同じ夢をおいかけていただきたい、そういう仲間を作りたいと思っています。これから就職活動が色々と続くと思いますが、先ほど言いましたように、もしレベルファイブに来なかったとしても、その会社の大きさや実績だけでなく“自分のやりたいことが、その会社にあるのかどうか”を真剣に考えて会社を選んで欲しいと思います」とコメントした。


本村健氏 長野拓造氏 熊谷宇祐氏 須藤萌恵氏

 レベルファイブの会社説明会は、予定時間を約10分ほど押して終了。会場の外には、第2部の開催を待つ新卒者の列が待ち構えていた。第1部を終了して会場を後にする学生さんからは「チョー面白かった!」、「来て正解だったよね!」といった声が多数きかれたが、筆者は「逆に“怖い”あるいは“敷居が高い”と感じた人はいないのかなぁ」と思ってしまった。なぜかといえば、物事は常に“表と裏”で成立しているからだ。

 会社説明会に舞台劇が取り入れられたのは、日野氏自身がコメントしておられるように「ただの会社発表会では面白くないから」というのが大元だろう。そして、新卒学生として会場を訪れ、目前で展開された舞台劇を心から楽しむのは、普遍的かつ正常な反応といえる。だが“裏”を返せば、入社後はそうしたエンターテインメントを提供する側になる。ただ笑い、涙する“受け手”ではなくなるということだ。サービス精神とは、他人の笑顔に自分の喜びや生きがい見出せる人であれば、大小を問わず誰もが持っているものだと思う。それを生業(なりわい)にするとは、どういうことか。同社の発表会は、そうした根本的な事柄を“エンターテインメント”というオブラートに包んで、やんわりと志望する新卒学生に問いかけているようにも見えた。ただの考えすぎといわれそうだが、少なくとも筆者にはそう思えた。




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(2010年 2月 9日)

[Reported by 豊臣和孝]