YNK JAPAN、新作MMORPG「AILA Online」のプレスカンファレンスを開催
非戦闘系キャラも育成可能。自由度の高い成長システムや、独自のシステム「カオスタイムモード」で独自性をアピール

1月19日開催

YNK JAPAN本社



 株式会社YNKJAPANは、1月19日、本社会議室にて「AILA Online(アイラオンライン)」のプレスカンファレンスを開催した。サービススケジュールは、2010年春サービスインを予定し、ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制。

 「AILA Online」は、「シャイア」などを開発した韓国のメーカーSONOVが開発したMMORPG。韓国では「N.E.O Online」というタイトルで2009年5月からサービスを行なっている。日本では株式会社YNK JAPANが運営を行なう。

 本作には職業やクラスといった概念がなく、自由度の高い成長が楽しめる。また、生産や採取などの非戦闘系要素でも経験値を取得して、キャラクターを育てることができる。また、キャラクターの行動がゲーム内の環境を変える「カオスタイムモード」システムという、独自のシステムを採用している。プレスカンファレンスでは、「カオスモード」で村に巨大なモンスターが登場している様子が紹介された。

 また、プレスカンファレンスには、女性総合格闘団体「ジュエルス」の井上由美子さんがイメージガールとして登場してゲームの魅力を語った。井上さんは、ゲーム会社に勤務したことがあるほどのゲーム好きで「『AILA Online』をPRしながら、私も遊びたいです」とコメントした。記念撮影では、得意の回し蹴りやスリーパーホールドを披露した。


【「AILA Online」のプロモーション映像】

イメージガールの井上由美子さんも試遊にチャレンジYNK JAPANの「AILA Online」プロダクトマネージャーの荻原優希氏YNK JAPANのマーケティング担当の小川進
井上さんは格闘家と主婦を兼業しており、戦闘と生活の両立を目指すゲーム性とマッチしていることからイメージガールに選ばれたという。井上さんは、ハイキックとスリーパーホールドを披露。「本気でやってもいいですよ」という荻原さんだったが、すぐにギブアップしていた



■ 日本向けのローカライズではPKを禁止、BOT・RMT対策を強化

「AILA Online」のタイトルロゴ

 「AILA Online」は中世風のファンタジー世界を舞台に、戦闘や生活を楽しむMMORPGだ。日本名の「AILA」は「Another Ideal Life Adventure(もうひとつの理想的な生活・冒険)」の略で、プレーヤーの行動によって、ゲーム内の環境が変わるという変わったシステムを採用している。

 「N.E.O Online」からタイトルを変えて日本でサービスを始めるにあたり、日本人にあまり好まれない無差別PKの廃止や、キャラクターグラフィックスのバリエーションやエモーション、BGMなどの追加、そしてアイテム強化システムの仕様変更、生産対象物配置の変更など多くの仕様が日本人向けに変更され、日本人向けの新しいオンラインゲームとして再生している。

 日本人向けにローカライズする上で、特に重視したのがPKの廃止と、BOT、RMT対策。特にBOT、RMT対策については、BOTの蔓延に嫌気したプレーヤーのゲーム離れを招き、過疎化の要因になるので対策の強化はユーザーのためだけではなく、運営側としても重要だ。

 YNK JAPANでは独自に開発した不正発見システム「BRET」を「AILA Online」でも採用して、徹底的に不正ツールの使用や業者を取り締まり、快適なプレイ環境の提供を目指していく。また、プレーヤーサポートについても、他のゲームでも導入している、原則的に翌日までに問い合わせに解答するというシステムは、当然本作にも適用されるなど、プレーヤーへのサポートの手厚さを強調した。

 他にも正式サービスまでに実装される「ラジオチャット」などコミュニケーション機能の強化も行なわれる。「ラジオチャット」は、ゲーム内であらかじめ用意されたメッセージを音声と文字表示で仲間に伝えることができる機能。「SOCOM」や「カウンターストライク」など、欧米のFPSではポピュラーなシステムだ。また、ゲーム内でメールを送るための「ポストシステム」もある。もちろん、アイテム売買のための個人商店も完備されている。


「AILA Online」というタイトルの意味日本版では多くの要素が追加・変更される不正対策の強化と、サービスの充実を約束



■ 自由度の高い成長システム。非戦闘系キャラクターの育成も可能

自由度の高い成長システム

 キャラクターの成長システムは、レベル制とスキル制をあわせたものになる。本作には、職業という概念は存在せず、基本的には全てのプレーヤーが全てのスキルを取得することができる。クラスによる装備の制限などもないので、例えばプレート装備で杖を持って戦うといったことも可能だ。また同じキャラクターが、剣や銃や杖を使い分けて、その時々の役割をこなしながら戦闘を行なうこともできる。キャラクターの移動はマウスとキーボードのWASDキーのどちらでも可能で、戦闘は近づいて相手をクリックするとオートバトルが始まり、そこに適宜スキル攻撃を挟んでいくというオーソドックスなスタイルだ。

 キャラクターが覚えることができるスキルには、戦闘系と生産系がある。このうち生産系の豊富さが、本作の特徴の1つだ。生産系のスキルは、さらに「生産系」、「収集系」、「休憩系」の3つに分かれている。「生産系」スキルには、「料理」、「裁縫」、「鍛治」などがあり、「収集系」には「採掘」、「採鉱」、「釣り」、「石拾い」、「休憩系」には「たき火」、「休憩」などがある。アイテム総数は4,500以上。

 これらの生産要素でもキャラクターのレベルアップに必要な経験値を得ることもできる。このため戦闘を経ずに、生産行為だけでキャラクターを育てることも可能だ。村にはたくさんの家畜がいて、NPCも気軽にプレーヤーに話しかけてくるなど、日常の風景の演出にも力が入っている。ただ、カンファレンスでは生産を試すことはできなかった。

 また、装備にはレベル制限のようなものがないので、レベル1でも強い武器や防具を装備することができる。鎧だけではなく、季節にあったコーディネイトが楽しめるコスチュームや、日本独自のコスチュームも開発中ということなので、発表されたもの以外にもどんどん新装備が出てきそうだ。

 キャラクターの成長はプレーヤーが自由に方向性を決めることができる。そうやって育てていく中で、特定の条件を満たすと「称号」を獲得できる。「称号」を装着することで、キャラクターのステータスが上下するので、自分にあった「称号」を選択して付けることになる。


銃を使って遠くの敵を引きつけることもできる多彩な生産要素では、経験値を取得してキャラクターを育てることも可能道の真ん中で料理も可能?



■ 「カオスゲージ」がたまると、強力なモンスターが現われる「カオスタイムモード」

プレーヤーが意図的に「カオスタイムモード」を発生させることもできる

 本作のもっとも特徴的なシステムが「カオスタイムモード」だ。これは、プレーヤーの行為がゲーム内の環境に変化を与えるという、本作の売りとなっているシステムで、多くのプレーヤーの行動が突発的なイベントを引き起こすというものだ。

 本作では、基本的に全てのNPCと戦うことができる。例えば、村の中にいる犬や家畜の豚とも戦闘が可能だ。ただし、あまりに無法な行為をしていると、村の中にいるガードが襲ってくるようになるので、基本的には村の外にいるモンスターと戦うことになる。村の外にいるモンスターの中には、体の周囲を星型のアイコンが回っているものがいる。このモンスターを倒すと、そのエリアの「カオスゲージ」が上昇する。このゲージはパーセントで表示されていて、100%になると空が掻き曇り、一定時間の間、異変が発生する。100%にするには、かなりの数の敵を倒さなくてはならないため、1人だけの力で「カオスタイム」を発生させるのはかなり困難だ。

 また、プレーヤーは、網を使って弱らせたモンスターを捕まえることができる。捕まえたモンスターを村に連れ帰ると、コインがもらえるのだが、「カオスゲージ」が100%になると、このモンスターたちが檻から抜け出して襲ってくる。試遊機では、かなり強そうなボスが村の中で暴れまわっていた。他にも「カオスゲージ」がたまると、そのエリアのフィールドには、普段よりも強いモンスターが出現するようになる。そのフィールドにいる適正レベルのキャラクターは、グループ戦に参加するかどうかを任意で選ぶことができ、参加申請を行なうと3つのチームのいずれかに自動で振り分けられる。この状態でモンスターに勝利すると、名声値やお金を獲得できる。


街の外にいるモンスター。体の周りを星型のアイコンが回っている檻に入れて村に連れて行くと、報酬が手に入るが……「カオスタイムモード」に突入すると大脱走して村がカオスに



■ βテストは3月、正式サービスは4月以降の予定

 本作はどちらかというと生活要素の強いゲームなので、大規模な戦争のシステムはないが、PvPを行なうことは可能だ。PKがなくなる代わりに、PvPには1対1で戦う「決闘モード」を追加するほか、ギルド戦や、パーティー同士の対決などがあり、様々な状況で対人戦を楽しむことができる。また、パーティープレイを楽しむためのインスタントダンジョンもある。

 他にも少し笑えるモードとして「SDモード」がある。これはシステム設定でオンにすると、NPCも含めた人間型キャラクターの顔がすべて大きくなるというもの。普通の人間が、大きな顔のかぶりものをつけたような姿なのだが、顔はいたって真面目なままなのでかなり笑いを誘う姿だ。

 気になるサービスの予定だが、3月にβテストを行ない、4~5月ごろから正式サービスが始まる予定だ。生活要素があるスキル制のゲームは最近あまりなかったので、期待するユーザーも多いだろう。近年、サービスが始まったMMORPGでは、ゲームの内容以前に運営のBOT対策やサービスの姿勢が批判され、結果として評判を落としてしまうという事例が少なくないだけに、発表の段階で見せた不正者への毅然とした姿勢を、サービス開始後にも貫いて欲しい。


【スクリーンショット】
生活系らしく家畜の種類も豊富にいる


Copyright 2010 ALIA Online by YNK JAPAN Inc. All Right Reserved.
Copyright 2009-2010 N.E.O online by SONOV CORPORATION.All Right Reserved.,

(2010年 1月 19日)

[Reported by 石井聡]