「エヌ・シー・ジャパンが行く! 2009年ユーザー感謝祭」 「リネージュ」編

ドラゴンアップデートやハーディンの続編など今後の展開を発表


12月26日 開催

会場:THE GRAND HALL

参加費:無料



 エヌ・シー・ジャパン株式会社は、オフラインイベント「エヌ・シー・ジャパンが行く! 2009年ユーザー感謝祭」を、12月26日と27日の2日間、東京・品川のTHE GRAND HALLにて開催した。参加費は無料。

 このイベントは、同社が提供しているWindows用MMORPGを柱とした3部構成になっており、12月26日には「リネージュ」と「リネージュ II」、27日には「The Tower of AION」のイベントが開催された。このほか、麻雀ゲーム「雀龍門」と、野球ゲーム「パーフェクトナイン」の試遊台も置かれた。

 本稿では、「リネージュ」のイベントの様子を中心にレポートをお届けする。3タイトルのトップバッターとなった「リネージュ」の部では、用意された席は開場直後に満席となり、会場ホール脇には多数の立ち見が出るほど盛況なイベントとなった。



■ もっとドラゴンに会える!「ドラゴンアップデート」は春ごろ実装か?

左から、アシスタントディレクターの等々力満氏、開発プロデューサーのキム・キュホ氏、ローカライズプロデューサーの片山正浩氏
日本独自コンテンツとして実装された「秘譚 魔術師 ハーディン」。ストーリーコミックの試みもなかなか好評だったようだ
「ドラゴンアップデート」など今後の展開についても発表があった

 本イベントの目玉企画となる「開発チーム アップデートディスカッション」では、今後のアップデートについての発表や、ユーザーとの質疑応答が行なわれた。壇上には、開発プロデューサーのキム・キュホ氏、ローカライズプロデューサーの片山正浩氏、アシスタントディレクターの等々力満氏が上がった。

 まずキム氏より、9月に実装された「秘譚 魔術師 ハーディン」についての報告が行なわれた。この制作意図について、「日本独自のコンテンツを作ることが第1の目的。ハーディンはストーリーにおいて重要なキャラクターだが、あまり知られていなかった。今回はこのハーディンにフォーカスを当てて作り上げた」と説明した。

 ちなみにこのアップデートで登場する「ブラック ウイング ケレニス」は、出現条件が隠されていたのだが、約2カ月で発見された。これについてキム氏は「半年はかかると思っていた」と、ユーザーの探求の早さに驚いていた。

 続いて2010年のアップデートの話題に移った。片山氏は「既に韓国版で情報を得ている方も多いはずですが」と前置きした上で、実装予定の「ドラゴンアップデート」の概要として、「『アンタラス』がリニューアルされ、専用ダンジョンが追加される。今度の『アンタラス』は32名の人数制限がある」と語った。このアップデートについてキム氏も答え、「今までのドラゴンは姿を見るだけでも大変な存在だったが、今後はイベントなどでよく見かける存在にしたい」と語っている。

 こちらは現在も実装に向けた作業中だという。実装時期については、「日本独自仕様の実装を強めているので、もう少し時間がかかる。春ごろには何とかしたい」としている。

 この他のアップデートとしては、ウインドウモードの実装が決定したと発表された。「リネージュ」では、公式な情報サイトである「パワーウィキ」のサービスも始めており、ウインドウモードが可能になれば、情報を検索しながらプレイしやすくなる。こちらの実装時期は、「韓国でも未実装なので、まだいつとは言えない」としている。

 最後に、3氏がユーザーからの質問に答えた。「昔あったイベントをもう1回できませんか?」という質問には、片山氏が「技術的には可能だが、昔のグルーディン村を持ってきたりはできないので、形は変わる。昔取り逃したアクセサリが欲しいという声もあるので、何かしらで再度取れるようにしたい」と答えた。また等々力氏も、「当時とはレベルが違うので、アレンジは必要」としつつも、「各種イベントの終了後にアンケートを取っているので、そちらで希望を書いて欲しい」と述べた。

 このほかの質問では、「ドラゴンナイトの技の変身が使いづらい」(報告はしているがどうなるかは未定)、「ナイトの一部のスキルドロップが限定的」(イベントなどで出せるが、バランスに影響するので慎重に考えたい)、「ウィザードのレベル50のメリットは?」(レベル50に限らず、広い範囲で考えている)といった質疑応答が見られた。



■ ボスモンスター討伐やクイズなどのワールド対抗イベントを実施

2種類のマップでボスモンスターを倒してポイントを競うイベント
ステージ上にもPCがあり、目立つ場所でプレイした

 トークイベントのほかに、来場者参加によるイベントが2つ実施された。1つ目は「ワールド対抗ボスモンスターポイントアタック」で、事前に選ばれた各ワールドの代表者が12名ずつ4つのチームに分かれ(一部チームは2つのワールドの連合軍)、20分の制限時間内にボスモンスターを倒して、そこで得られるポイントを競った。

 マップは、各チーム固有の「危険度(小)」マップと、全チーム共通の「危険度(大)」マップの2種類。「危険度(大)」マップではPVPが可能で、もし倒された場合はそれまでに得たポイントをドロップしてしまう。そのためボスモンスターを倒すだけでなく、他のチームのプレーヤーを倒してポイントを奪うのも重要になる。

 ところが設定ミスか「危険度(大)」マップにおいてもPVPができない状態になっており、全参加者がひたすらボスを探す展開に。思ったとおりの内容にはならなかったものの、多数のプレーヤーが「ヤヒ」を取り囲んで討伐するシーンなど、バトルとしてはなかなか盛り上がっていた。なお優勝チームには特別なくじを引く権利が与えられ、「エリクサー」の引き換えチケットなどが当たっていた。


PVPができず、混沌とした展開にはならなかったものの、大型のボスモンスターとの戦いで会場は沸いていた

 2つ目のイベント「ワールドレポートクイズ」では、「リネージュ」のイベントでは定番となった各種データを公開する「ワールドレポート」を、クイズ形式で発表していくというもの。+10のテーベ/ティカル武器がないワールドはアークトゥルス(ただし全ワールド唯一の+11がある)など、面白いデータが公開された。


クイズ形式で発表された「ワールドレポート」。「マリス エレメント スタッフ」はあまりオーバーエンチャントされないので、総数では多くなるのだそうだ



■ 「秘譚 魔術師 ハーディン」の次のアップデートも準備中

「秘譚 魔術師 ハーディン」の続きを作っているというキム氏

 全てのイベント終了後の最後の挨拶の中で、キム氏が「秘譚 魔術師 ハーディン」の次回アップデートを制作中であることを明かした。「シナリオの制作が終わり、ゲームに繋ぎこんでいるところ。上半期中にはお話しできるようにしたい」と述べた。順番的には、「ドラゴンアップデート」の次ということになりそうだ。

 最後に片山氏は、「2009年は皆さんと一緒になって作ってきた。2010年はさらに上を目指したい」と挨拶。サービス開始から8年が経つ長寿タイトルながら、さらなる飛躍を誓った。


イベント協賛各社がPCや周辺機器を出展。このPCを使って、オーバーエンチャントに成功すればくじが引けるミニアトラクションが実施された

【その他の出展タイトル】
先日正式サービスを開始した麻雀ゲーム「雀龍門」は、Windows 7のタッチパネル機能で操作できる試遊台を設置。マウスやキーボードなしで快適に遊べていたオープンβテスト中の野球ゲーム「パーフェクトナイン」も試遊台を設置

(2009年 12月 28日)

[Reported by 石田賀津男]