ゲームポット、オフラインゲーム大会「パンヤジャパンカップ 2009」開催
今年の最強プレーヤーが決定。みんなで魔王を倒す新要素も発表
株式会社ゲームポットは12月13日、Windows用オンラインゴルフゲーム「スカッとゴルフ パンヤ(パンヤ)」のオフラインイベント「PANGYA JAPAN CUP 2009」を東京・竹芝のNew Pier Hallにて開催した。
本イベントは、12月1日から15日までオンラインとオフラインの両方で開催されているイベント「ゲームポットフェスタ 2009」の中で行なわれたもの。「ゲームポットフェスタ」自体は今年で3回目となるが、2007年、2008年に開催されたゲームポットフェスタでは、同社が運営する様々なオンラインゲームのイベントが1日の間に詰め込まれていた。今年は開催日程が分けられ、12月6日は2D横スクロールアクションMMORPG「トキメキファンタジー ラテール」、12日はオンラインアクションRPG「ファンタジーアース ゼロ」、13日は「パンヤ」のイベントと変更されたことで、お目当てのゲームイベントを1日中堪能できるようになった。
また事前に、2,000円の前売チケットが抽選で700名に販売されていたことで、混雑は起こらなかった。とはいえ、開場30分前には300人近い行列ができ、列は会場前を迂回して歩道まで達していた。その後開場してからも人の流れは続き、会場内の約700席は来場者で埋め尽くされた。
本イベントは、今年最強のプレーヤーを決める「PANGYA JAPAN CUP 2009 グランプリ」を中心に、速さと正確さを競うスピーダー大会や女性限定大会が行なわれた。そのほか、大会の間には韓国と日本の開発者によるトークセッションなども行なわれた。本稿では初めに、トークセッション内で発表された今後のアップデート情報からお伝えする。
会場のNew Pier Hall。入り口から道路沿いの歩道まで300人近い行列が続いていた |
■ 「リサイクル」システムや、みんなで魔王退治など今後のアップデートを発表
トークセッションには、「パンヤ」の開発元である韓国Ntreev SoftのRyu氏と、ゲームポットからGMの「(でんき)カフェ」氏、「(わいん)ぜりー」氏、「(てんし)みつば」氏、「(かさ)サラミ」氏が登壇し、今年8月に発表された「5周年プロジェクト」の進捗状況と、今後のアップデートについて語った。司会進行は、「パンヤ」のオフラインイベントに長年出演している声優の磯村知美さん。
まず初めに、「5周年プロジェクト」で実装予定の「リサイクル」システムの開発が遅れていることについて、登壇者一同頭を深く下げて謝罪した。開発が遅れている理由は、バランス調整に時間がかかっているからだという。
「リサイクル」システムは、ゲーム内アイテムをリサイクルして獲得したポイントを消費して、別のアイテムと交換できるシステム。現在は、ゲーム内の全てのアイテムをリサイクル可能にした上で、さらにリサイクル後のアイテムをプレーヤーが選択できる方向性で動いているそうで、このポイントのバランス調整に時間がかかっているのだという。今のところPPアイテムのリサイクルについては未定だが、“それほど遠くなく、近い将来”に実装できる段階までこぎつけているそうだ。
そしてもう1つ、「5周年プロジェクト」で実装予定のチャットルーム用の新アバターについて発表された。チャットルーム用の新アバターは、チャットルームで自分が表現できて、色々な遊び方ができるものを考えているという。開発中のものには、通常のキャラクターよりも巨大なアバターや、速く走れるようになるものなどがあるという。入手方法は、スピーダーなどの特別賞を受賞した際に賞品として配布する予定としている。
突如公開された「魔王の地」のイメージイラスト |
一通り「5周年プロジェクト」に関するトークが行なわれた後、突如スクリーンに「魔王の地」と書かれたイメージイラストが公開された。これは、今後アップデート予定のもので、平和なパンヤ島を狙う魔王をプレーヤーが協力して倒すというもの。詳細は語られなかったが、現在の明るい世界観とは一変して、シリアスでダークなイメージになるという。今回は残念ながらこれ以上の話はなかった。「パンヤ」の枠を大きく飛び越えそうな発表だけに、続報が待たれる。
他には、韓国版には12月4日に実装済みで、今後日本版に実装予定のアップデートとして、「スペシャルシャッフルモード」と、「カードパック Vol2」が発表された。「スペシャルシャッフルモード」は、全てのホールからランダムに選ばれたホールが17ホールまで自動的に割り当てられた後、18ホール目にオリジナルホールが登場するモード。「カードパック Vol2」は、多様な機能と能力をコンセプトに作られた新たなカードパックだという。
全ホールからランダムで17ホールまで選ばれ、18ホール目はオリジナルとなる「スペシャルシャッフルモード」 | 「カードパック Vol2」。画像は韓国版のものだが、今までになかった「ルーシア」のカードが確認できる |
さらに直近のアップデートとして、キャラクター「クー」のモーション変化アイテムを12月17日に実装することが発表された。どんなアイテムなのか詳しいことは明かされなかったが、「クー」が爆弾にしがみついていたり、何かを爆破しているイメージイラストが公開されており、派手なアイテムとなりそうだ。
「クー」のモーション変化アイテムのイメージイラスト。コンセプトは爆発のようだ | 右側には、爆弾にしがみついている「クー」の姿が描かれている |
また日本版オリジナル要素として、クラブセットやアズテック以外の、新たな音声アイテムの追加が予定されている。この音声アイテムに起用予定の声優は、戸松遥さん、早見沙織さん。そしてアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」とのコラボレーションキャンペーンでも起用された福山潤さんが参加する。この3人の他にも、さらに声優を起用する予定だという。
新しい音声アイテムに起用される声優。左から順に戸松遥さん、早見沙織さん、福山潤さん |
■ 「PJC 2009」では昨年に引き続き「-yusk-」選手が優勝
1,600人の中から最強のユーザーを決定した「PJC 2009」 |
イベントの目玉に据えられた「PANGYA JAPAN CUP 2009 グランプリ(PJC 2009)」は、総勢1,600人の参加者の中から優勝者を決めるもの。事前に行なわれたオンライン大会とネットカフェ大会を勝ち抜いた上位4名ずつ、合計8名が本大会に出場した。
出場選手は、「-yusk-」、「☆☆コウ☆☆」、「【佳司】」、「BRAVE_PHOENIX」、「ゆりしぃ~」、「(てんし)一輝」、「サイクロンpsgp」、「つばめ(あくま)」の8名。このうち「-yusk-」選手は昨年のグランプリ選手だ。
昨年度の「PJCグランプリ」優勝者、「-yusk-」選手 | 戦国パンヤの天下統一戦に優勝した「☆☆コウ☆☆」選手 |
「シード争奪戦」に優勝した「【佳司】」選手 | 「シーズンカップ」に優勝した「BRAVE_PHOENIX」選手 | オンライン予選を1位通過した「ゆりしぃ~」選手 |
オンライン予選2位の「(てんし)一輝)」選手 | オンライン予選3位の「サイクロンpsgp」選手 | オンライン予選4位の「つばめ(あくま)」選手 |
大会は2部構成で、まず決勝大会1回戦で8名が4名に絞られ、その後4名により最終戦の決勝ファイナルでグランプリが決定する。決勝大会のルールは、「オートキャリパス」など一部のアイテムが制限された独自ルールとなっている。40分の制限時間もあるため、テクニックだけでなく、ホール毎のペース配分にも注意しなければならない。
決勝大会1回戦は、コース「Sepia Wind」のフロント18ホール。試合中は多くの選手が「トマホーク」を中心にホールインワンやチップインを手堅く狙う中、「サイクロンpsgp」選手はPP目当てでビームインパクトを狙っていた。「サイクロンpsgp」選手は1ホール目からビームインパクトを決め、イーグルで好調な滑り出しを切った。
「【佳司】」選手も確実に「トマホーク」を決めてイーグルでホールアウト。一方で優勝候補の「-yusk-」選手は1ホール目で「トマホーク」を使うが、残り数ヤードのところでカップに届かず。不調かと思われたが、その後正確なプレイを取り戻し、ホールインワンとチップインを立て続けに決めていった。
「サイクロンpsgp」選手は、序盤は好調だったものの、6ホール付近から失速。風や高低差を考慮した弾道には納得していたようだが、パワーのタイミングが上手く合わないようで、惜しいところでカップを逃していた。また1ホール目でスーパーショットを決めたためかスクリーンに映し出されることが多く、緊張してしまったのかもしれないが、パンヤの失敗が続いた。
全選手において、普段とは違うPC環境に慣れないのか、1ドット2ドットの微妙なパワーコントロールに苦労していたようだ。パンヤには成功するものの、ショートやオーバーを繰り返していた。そんな中「【佳司】」選手は8ホールまで毎ホール2打以内に抑えて、手堅いプレイを続けていた。その後15ホールでは半数以上の選手が「トマホーク」を失敗するという波乱が起こったり、さらに18ホール目で「【佳司】」選手が残り3秒でギリギリホールアウトし、来場者が息をのむ場面もあった。
結果は1位から順に「【佳司】」、「-yusk-」、「☆☆コウ☆☆」、「サイクロンpsgp」、「ゆりしぃ~」、「(てんし)一輝」、「つばめ(あくま)」、「BRAVE_PHOENIX」選手となった。このうち上位4名の選手が決勝ファイナルに進出した。
試合はスクリーンに4分割で映し出された | 1ホール目からイーグルを決めた「【佳司】」選手 | 優勝候補の「-yusk-」選手は安定した攻めを見せた |
「サイクロンpsgp」選手はヘルメットに裸という姿で登場 | ゲーム内のキャラクターと同じ姿でプレイ | 途中からヘルメットが邪魔という理由で素顔になっていた |
8名から絞られた4人で争われる事実上の最終決戦、決勝ファイナル |
決勝ファイナルは、「Eastern Valley」と「Deep Inferno」の2コースをプレイしたスコアを合計し、その結果グランプリが決定する。スコアが同じ場合には、PPが多いほうが勝ちとなる。
試合前のコメントは、「【佳司】」選手が「平常心」、「-yusk-」選手が「自信がありません」、「☆☆コウ☆☆」選手が「誰か1人にでも勝ちたいと思います」といった控えめな返答が続く中、「サイクロンpsgp」選手は「決勝大会1回戦のあとは寝ていました。決勝ファイナルではパンヤの数だけチップインが決まると思います」と、とても強気な発言で会場を沸かせていた。
第1試合「Eastern Valley」の1ホール目では、「-yusk-」選手と「【佳司】」選手が「トマホーク」でチップイン。「サイクロンpsgp」選手はビームインパクトを決め、「有言実行」と発言。一方「☆☆コウ☆☆」選手は1ホールで「トマホーク」をミスしてバーディー。続く2ホール目でOBを打ってしまい、他の選手に遅れをとってしまった。序盤は「-yusk-」選手と「【佳司】」選手も大きなミスなく、首位を争う展開となった。
7ホール目には、「【佳司】」選手が残り302ヤードのところで、小島の手前からロングチップインするスーパープレイを魅せた。11ホールでは、全選手パンヤ失敗でバーディとなりスコアは変わらず。12ホールでは「☆☆コウ☆☆」選手がイーグル、「サイクロンpsgp」選手がアルバトロスを決めて追い上げた。最終的に「-yusk-」選手が35アンダー、「【佳司】」選手が31アンダー、「サイクロンpsgp」選手と「☆☆コウ☆☆」が27アンダーで第1試合を終えた。
7ホールで「【佳司】」選手が見せたスーパープレイ。302ヤードの距離を豪快にロングチップイン。パワー重視でこそ成せる技だ | ||
「☆☆コウ☆☆」選手は小さなミスが出て、「-yusk-」選手にやや離される展開に | 「-yusk-」選手は「トマホーク」を使用して堅実に攻めた | 決勝ファイナル第1試合の途中結果。「-yusk-」選手が35アンダーでトップ |
続く第2試合「Deep Inferno」では、1ホール目から「-yusk-」選手と「【佳司】」がバックスピン、「サイクロンpsgp」選手がビームインパクトでチップインを決めた。「☆☆コウ☆☆」選手は「トマホーク」のコマンド入力を失敗してしまった。普段とは違うキーボードに苦戦したようだ。
「-yusk-」選手は2ホール目をホールインワン、3ホール目をビームインパクトでチップイン、4ホール目は85%のラフの中、バックスピンでナイスアプローチと好プレイを魅せた。追う展開の「サイクロンpsgp」選手は6ホール目で、1Wではなかなか難しいビームインパクトに成功した。続けて「☆☆コウ☆☆」選手もビームインパクトを狙うが、僅かに届かずバーディーでホールアウト。PPは9ホールの時点で、「サイクロンpsgp」選手がトップで、次に「【佳司】」選手、「-yusk-」選手、「☆☆コウ☆☆」選手という順番になっていた。
その後の14ホール目では、「-yusk-」選手と「☆☆コウ☆☆」選手がグリーンの少し外からのアプローチでチップインに失敗。グリーンの傾斜がきつい「Deep Inferno」に、各選手苦戦していたようで、何度もグリーンとの距離を見直し、慎重に落下地点を決めていたのが印象的だ。
2試合が終わり、総合順位が発表された。優勝は、62アンダー、17,722PPの「-yusk-」選手で、前大会に続きグランプリとなった。続いて2位は57アンダー、15,294PPの「【佳司】」選手。3位は55アンダー、15,473PPの「サイクロンpsgp」選手という結果になった。2位と5打差をつけるあたりが、2連覇を達成した王者の貫禄といった感じだ。
同日開催された「PJC スピーダー 2009」では、速さと正確さを競う大会でオンライン大会を勝ち抜いた4名によって争われ、「変神たるとん」選手が優勝した。また女性限定の「レディース大会」では、当日の会場で参加登録をした10名の中から、「Jenny128」選手が優勝した。
イベントを取材して感じたのは、大勢のスタッフの方が全員でユーザーを盛り上げようと頑張っていたということ。会場内はスタッフから大きな声で挨拶が飛び交っていた。また7時間という十分な時間が確保されていたので、トラブルもなく進行していた。ただ、予想よりも早く試合が終わってしまい、30分以上待ち時間が発生することが多々あった。待ちくたびれて寝てしまう来場者もいたので、次回はスケジュールを早められるように調整していただきたいところ。
とはいえ、間近で上級者のプレイが見れるということで、来場者も満足そうな表情をしていた。特に決勝戦最後の試合では、会場が静まり返り、1打1打を食い入るように観戦しており、「スカッとゴルフ パンヤ」が非常に愛されているゲームだと感じられた。今後もハイレベルな戦いが繰り広げられるイベントを期待したい。
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□ゲームポットのホームページ
http://www.gamepot.co.jp/
□「スカッとゴルフ パンヤ」のページ
http://www.pangya.jp/
□「PANGYA JAPAN CUP 2009」のページ
http://www.pjcweb.jp/
(2009年 12月 14日)