PS3/Xbox 360/Win「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」先行体験レポート
アメリカ本土に敵襲来! 前作を凌ぐ迫真の戦場ドラマが展開


12月10日発売予定(PS3/Xbox 360版)
価格:7,980円

12月23日(Windows版)
価格:オープンプライス

CEROレーティング:D(17歳以上対象)


 株式会社スクウェア・エニックスは、米Infinity Wordが開発したファーストパーソン・シューティング(FPS)「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」を、12月10日と12月23日の両日にPS3/Xbox 360/Winの3プラットフォーム向けに発売する。価格はPS3/Xbox 360版が7,980円、Win版がオープンプライス。

 本作は世界的なヒットを記録した「Call of Duty 4: Modern Warfare」の続編。現代よりほんの少し未来の世界を描いており、現用兵器と現在の世界情勢を反映させたリアルで迫力のある「現代戦」を描き出している。日本に先がけて英語版が発売されており、ワールドワイドパブリッシャーの米Activisionからは11月12日、北米と英国で発売から1日で470万本を販売したという発表が出された。日本でも多くのファンが発売を待ち望んでいる作品である。

 今回、スクウェア・エニックス本社において、発売に先がけて「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」を触る機会に恵まれた。今回はシングルプレイの感触を中心にレポートしたい。なお、発売後により本作の内容、プレイ感にフォーカスしたレビューを掲載予定である。お楽しみに。


■ リアルな現代戦を描く「モダン・ウォーフェア」再び! よりスケールを増し、迫力を増した新たな戦い

試遊台の画面を撮影。起きあがってくる標的を撃つ。標準の合わせ方で前作の感触を思い出す
ステージ合間のムービーシーン。セリフは全部吹き替え。洋画系声優達の演技で国家間の駆け引きが感じられる、緊張感のあるドラマが楽しめる

 「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア2」(以下、「MW2」)は前作「コール オブ デューティ モダン・ウォーフェア」(以下、「MW1」)の5年後の物語となる。プレーヤーは再び世界へ脅威をもたらそうとする謎の組織と戦うことになる。前作同様プレーヤーは複数の主人公となり世界の戦場で戦っていく。前作以上に衝撃的な展開が待ちかまえている、迫力たっぷりの作品だ。

 今回はPS3版を体験した。PS3版はインストール機能はないが、インストールなしでもステージ間のムービー以外のローディングは発生しなかった。Xbox 360版も同様だが、インストール可能とのことだ。驚かされるのはやはり「戦場」の表現だ。爆発の炎、土煙、怒号、廃墟となった建物、走ったときの揺れる画面、全てが戦場の過酷さを物語っている。実際にその場に立たされたら足がすくんで動けなくなりそうな迫力だ。

 フレームレートは60fpsを実現している。戦場を動き回る敵、空を駆け抜ける航空機、刻々変わる状況、乗り物に乗ったときに流れる風景、全てがなめらかに動き、瞬時に判断できないような大量の情報が視覚に飛び込んでくる。

 音声もまた情報に溢れている。本作は日本語吹き替え版になっており、英語音声は収録されていないが、多数の兵士の話し声まで全てきちんと翻訳されているところを高く評価したい。「あの車を狙え」、「ヘリが出てきた」、「こっちからも敵が!」、兵士達の怒号や悲鳴は戦場の混乱を増幅する。“瞬時に理解できる言葉”だからこその臨場感が生まれている。

 最初のステージは訓練だ。前作「MW1」もそうだったが、この訓練ステージが意外に難しいというか、厳しい。ターゲットに向かって的確に弾を当て、時間内に走り、うまく武器を使わなくてはならない。実際の戦闘と違い倒されることはないが、逆に戦場では生き残るのが第一で無理に駆け抜けて次のチェックポイントにすべりこんだりと、“荒い”プレイも可能だ。しかし、チュートリアルではそういう強引さは許されず、うまくできないと容赦なく教官から注意される。前作でも「チュートリアルが厳しいなあ」と感じたことを思い出した。

 チュートリアルでは様々な要素が学べる。照準モードを1度解除し素早く変えることで狙えるシステムや、リロードよりも早い武器の切り替え、接近時の格闘術、走り方、手榴弾の投げ方などなど、結構込み入った内容であるため1度目は誰でも好成績は出せないと思われるが、標的の出現パターンを覚え、練習を積むことで歴戦の勇士にふさわしく行動できると感じた。特に今回の訓練では「新兵にお手本を見せろ」と教官に言われてのスタートとなる。訓練だけでも思わずやりこみたくなってしまう。

 次のステージからプレーヤーは過酷な戦場に放り込まれる。今作で感じたのは「多彩な戦場」だ。戦禍で荒廃した道を進むとき、ゲリラと民間人をどう見分け対処するか、戦場を駆け抜けるときにふと視界に入る生活の痕跡、廃墟となった軍事施設、敵地のど真ん中への侵入など、前作以上にユニークな戦場が待っている。

 「MW2」はストーリー要素もパワーアップしている。今作のストーリーも前作同様複数の主人公の視点でドラマが展開する。巨大な組織と陰謀に、米兵、世界の精鋭を集めたレンジャー部隊、潜入捜査官など多彩な視点から物語が進み、1つの大きな物語へと進んでいく。世界の各地を俯瞰的に見ながら、各地の情勢を追う緊迫したドラマが展開する。戦うだけでなく、国家、組織が絡み合うストーリーにも注目である。


訓練ステージ。プレーヤーは「先輩」として手本を見せなくてはならない。教官の叱責に耳が痛いが、プレイの基礎を学んでいこう
こちらはスクリーンショット。今作は前作以上に多彩なシチュエーションが待っているようだヘリの上から攻撃したり、車両の上から掃射を加えたりと、兵器もまた多彩だ
もちろん携行武器も様々なものが登場する。中央のシールドは今作が初登場だ。これらの武器はもちろんマルチプレイにも登場する


■ 雪原、防衛、侵入……世界各地の戦場で、刻々と変化する状況に対応しながら戦え!

崖を登っていく。E3で公開された有名なワンシーンだが、危機一髪のシチュエーションが連続し、登り切ったときにはゲームの中のキャラクターの疲労感を追体験できる
リオデジャネイロの街。ごみごみとしたスラムの表現が見事だ

 今回の体験会では、様々なステージを体験することができた。雪原を進み敵基地に侵入するステージでは雪に覆われた崖を、両手に握ったピッケルを交互に突き刺し上っていく。目もくらむような高さの描写と、落ちたら一発でゲームオーバーという緊張感が楽しい。ピッケルを突き刺した氷が体を引き上げるときにドンドン亀裂が大きくなっていくという演出が、背筋をゾクゾクさせる。

 崖を登り切ってからは、「心音センサー」を使って敵の位置を把握して先制攻撃を加える。1メートル先も見えない吹雪の中、センサーに写る光点だけが敵の位置を示す。最初は戦い方のこつがわからずまごついてしまうが、一緒に行動するベテラン隊員が的確に敵を倒してくれる場面もあり、仲間の心強さを強く感じることができる。このステージの後半はスノーモービルでのチェイスだ。まるでレースゲームのようなスピード感が楽しい。

 リオデジャネイロでの戦いは、かなり苦戦した。ゲリラか一般人かわからない状況。一般人を撃つと即ゲームオーバーになる上、地の利を得たゲリラは文字通り四方八方から襲いかかってくる。プレーヤーはできるだけ壁を背にし、敵の出現場所をある程度予測しながら戦わなくてはならない。「MW2」の敵AIは動きが巧妙なだけでなく、実にアグレッシブだ。建物に籠城しててもうまく回り込み、こちらを追いつめてくる。

 昨今のFPS、TPSは敵のAIの優秀さもセールスポイントとなっているが、実際は敵がただひたすら障害物に隠れ、遠距離から攻撃を繰り返すため。膠着状態になってしまうゲームが多い。しかし「MW2」は違う。敵は積極的に距離を詰め、こちらに襲いかかってくる。油断ができないが、その分スキが生まれる場合も多く、白熱の戦いが楽しめる。本作の敵はかなり本気で、プレーヤーは気を抜くとすぐ倒されてしまう。何度も死にながら戦いを模索し、生き残る方法を自分の中で積み上げていくタイプのゲームである。敵が強すぎると思うプレーヤーにはまず難易度をルーキーにして挑戦して欲しい。敵との戦い方を覚えていけば突破口が見つかるはずだ。

 ストーリーは進展していく中で驚きの展開を見せる。アメリカ本土に敵が飛来し、落下傘で大量の兵士を投下してくるのだ。平凡なアメリカの街並みが地獄の戦場に変わる場面をプレーヤーは目撃することになる。最強国家アメリカの没落。まさに悪夢そのものの戦場での戦いはぜひ体験して欲しい。「アメリカが戦場になる」というシチュエーションは映画にも見られるシチュエーションだが、戦場に変わってしまったアメリカの街に立つという本作のシチュエーションは、強いインパクトをプレーヤーにもたらすこと間違いなしである。

 この他にも、多彩な展開が目白押しだ。古城を刑務所に改造した場所に侵攻するステージでは、空軍の支援を受けてから建物内に侵入、刑務所の中を突き進み、深部では暗視装置を使って進んでいく。目まぐるしく戦場のイメージが変わっていくステージで、次にどんな展開が起こるか予想がつかなかった。世界全体がダイナミックに動くストーリーと共に、刻々と変化する状況と、あきらめず対処していくタフな男達の戦場のドラマにも注目したいところだ。

 今回、シングルプレイと共に体験できたのが「スペシャルオプス」モード。1~2人でオリジナルのショートミッションに挑戦できるというモードで、数十個のミッションが用意されているという。オンラインの協力プレイだけでなく、画面分割による協力プレイも可能だ。

 スペシャルオプスのミッションは10分程度の短い物だが、バリエーションが多彩で、2人で同じ戦場を協力して戦うというシチュエーションだけでなく、片方が戦場を駆け回りもう1人が援護の爆撃をするというシチュエーションもある。また、雪原でのスノーモービルを使い「対戦」も可能で、開発者のユニークなアイデアをたっぷり楽しめそうだ。画面分割でもグラフィックスは美しく、処理落ちもなかった。

 対戦もオンラインだけでなく、画面分割によるものが可能で、1台のマシンとモニタで最大4分割による4人対戦が可能だ。今回は2人対戦をしてみたが、やはりマップを覚える重要さを痛感した。「MW2」は対戦による成長要素、キャラクターのカスタマイズが前作以上に細かく、ボリュームたっぷりになっている。自分のプレイスタイルをとことん追求してみたい。

 今回、筆者は「MW2」を触れたのは3時間ほどだったが、もっともっとシングルプレイをやり込み、そしてマルチプレイに参加したくなった。戦場の緊張感、緊迫感のあるストーリー、凝った演出と、心をグッとつかまれる熱い展開は他のゲームの追随を許さない作品だと感じた。世界的ヒットとなっている「MW2」のプレーヤー達と早く戦ってみたい。


スノーモービルで雪原を爆走する。この他にも多彩な乗り物が登場するようだ。現代兵器の運用の仕方にも注目したい
昔の城を刑務所にした建物に侵入する。このステージでは戦闘機が支援攻撃をする地上すれすれに飛ぶ飛行機からのミサイル攻撃は大迫力だ。刑務所内では近距離での凄惨な戦いが待っている
左はダメージを受けた画面。視界が赤く染まっていく。中央は敵に侵略されつつあるアメリカの街だ。右は心音センサーを使っている場面。敵の位置が光点で表示される
画面分割の2人プレイで「スペシャルオプス」モードを体験。協力プレイからレース、片方が爆撃、など多彩なシチュエーションが用意されている。オンラインでもプレイ可能だ

(C) 2009 Activision Publishing, Inc. Activision, Call of Duty and Modern Warfare are registered trademarks of Activision Publishing, Inc. All rights reserved. All other trademarks and trade names are the properties of their respective owners.

(2009年 12月 8日)

[Reported by 勝田哲也]