G-Star 2009現地レポート

NEXONブースレポート
コンボが楽しいアクションRPG「Dragon Nest」他、新作3本を出展。「メイプルストーリー」は新職業ドラゴンマスター「EVAN」登場!

11月26日~29日開催

会場:釜山国際展示場(BEXCO)

入場料:大人4,000ウォン(前売り2,000ウォン)
学生2,000ウォン(前売り1,000ウォン)

 

 NEXONは、球体のような大地で冒険を繰り広げるMMORPG「Everplanet」、アクション性の高いMMORPG「Dragon Nest」、自分だけの星を作り他の人とつながっていくソーシャルネットワークサービス「NEXON STAR」の3本の新タイトルを出展した。

 さらに既存タイトルとして、ネクソンを代表する人気タイトルMMORPG「メイプルストーリー」を出展。韓国で12月のアップデートで実装が予定されているドラゴンを操る新職業「EVAN」を一足先に体験できた。会場では最強レベルまで育て上げたEVANの強力なスキルを思う存分使うことができ、ユーザー達は興奮しながらドラゴンを操っていた。

 今回NEXONはあえてタイトルを絞り、ゆったりした空間を演出していたが、ファンの注目は高く、試遊台の前は黒山の人だかりができた。どのタイトルも来場者の目を引きつけるユニークな要素を持っている。本稿では各タイトルの特徴を中心に紹介したい。



■ アクションRPG「Dragon Nest」など新作タイトルに注目が集まる。「メイプルストーリー」の新職業も!

特に人気を集めた「Dragon Nest」。試遊台はどれも黒山の人だかりだった
コンパニオンはたびたびステージに登場し、カメラマンにポーズで応えていた
かかげた紙に反応してキャラクターが動くという来場者向けのアトラクション。どういった使い方をするか楽しみな技術だ

 NEXONは中央に大きな開けた空間を配置し、左右に試遊台を配置するという形で出展を行なっていた。NEXONのイメージカラーである白で染められたシンプルなデザインのブースは他のブースに比べても強い印象がある。座って話もできるソファーやテーブルも配置されている。

 しかしユーザーはそんなソファーには目もくれない。試遊台に急いで列を作り、前の人の画面を見ながら友達と話をする。自分のプレイになったら友人と楽しそうにプレイを開始する。コンテンツを目にしたときの興奮ぶりに、ファンの熱心さを改めて感じさせられた。

 1番人気は「Dragon Nest」。アクション性の高いMMORPGで、軽快な動きで敵を倒していく様は、見ていてとても爽快感を感じる。今回はシングルプレイのみで、フィールドに出てくる敵を倒しながら前に進んでいくというシンプルな内容だったが、とにかくキャラクターのアクションが多彩で、派手なのだ。攻撃をつなげてコンボを行なうプレーヤースキルの高い人もいて、見ているだけで楽しいタイトルだった。

 特に女性の人気が高かったのが「NEXON STAR」だ。自分の星を持ち今回は畑で大根やにんじんをとったり、トウモロコシを収穫したりという農業作業と釣りが楽しめたが、時にはスタッフに助けてもらいながら楽しそうに作業を行なっていた。アバターをじっくり見たり、ただひたすらフィールドを歩くプレーヤーも多かった。「NEXON STAR」はゲームとWEBでのブログと連動したソーシャルネットワークサービスだが、ゲーム部分だけでも強く人を引きつける魅力を持っていると感じさせられた。

 ゲームタイトル以外で面白かったのが、参考出展のカメラと連動した画像認識システム。カメラが情報を読み込み画面に反映させられるシステムで、カメラの前に人が立つと自動的に、キャラクターイラストが写っている人の顔を覆う。テレビの中には、現実の自分の体にゲームキャラクターの頭がついたような映像になる。面白いのはその映像を写真として印刷できるところだ。他にも、色の付いた紙をカメラに写すとそこに顔が表示されるというポイントをアピールしていた。現時点では、直接ゲームににつながるものではないが、技術アピールとして展示しているという。

 もう1つ驚かされたのがコンパニオンだ。コンパニオンは中央の開けたスペースに「お立ち台」が用意されていて、一定時間コンパニオンがそこでポーズをとるのだ。コンパニオンがお立ち台に立つとどこからかカメラを持った人たちが出てきて彼女たちを取り囲みフラッシュを浴びせる。お立ち台は中央近くに設置されているので、人だかりができても左右のゲームをプレイしている人たちに何の影響もない。スペースをうまく分ける工夫を感じた。

 ブースの活気とは別に、出展するタイトルに関しては少し疑問のあるところもある。NEXONは2009年には「マビノギ英雄伝」のクローズドβテストを行ない、「ハスキーエキスプレス」のオープンβテストを行なっている。「マビノギ英雄伝」は12月にオープンβテストを予定しており、他にもいくつものタイトルがアップデートを予定しているという。他にも展示するタイトルはあったのではないだろうか。

 広報担当に疑問をぶつけたところ、今回出展を決めたのは、「年末から2月までにオープンβテストを行なえるタイトル」だという。出展をきっかけにさらに注目してもらいたいタイトル、そして新職業を会場だけで先行体験してもらいたいということで「メイプルストーリー」を選んだという。

 今回出展タイトルを見てみて、改めてNEXONの着眼点の面白さを感じたように思う。どのタイトルも「かわいらしい」デザインが積極的にとり入れられていて、コミカルなイメージを持っている。他社のG-Starの出展タイトルは、リアルで派手なグラフィックス・デザインのゲームが中心で、かわいらしいデザインのタイトルはラインナップされていても2番手、3番手に配置されていることが多い。あえて全てのタイトルをかわいらしいデザインのタイトルを出展したNEXONのユニークさが際だつと共に、NEXONならではの「得意分野」を一層強くアピールできていたように感じた。

 各タイトルに関しては、開発者にインタビューを行なっている。インタビューでは各タイトルの開発者ならではのこだわり、作品への思い、そして今後の展開を聞くことができた。別稿にて後日掲載予定だ。お楽しみに。


試遊台はどれも人気を博していた。ブースの中央の広い空間は、コンパニオンが立つとあっという間にカメラマンの集団が



■ 「メイプルストーリー」は強力なドラゴンと共に冒険する新職業「EVAN」を追加

試遊台では最強バージョンのドラゴンが使えたが、ゲームでは卵の殻をかぶった小さなドラゴンからスタートする

 「メイプルストーリー」で今回実装されるのは新職業「EVAN」だ。“ドラゴンマスター”と呼ばれる者達で、その名の通りドラゴンを操る。韓国での実装は12月を予定している。「メイプルストーリー」ではこれまでも「海賊」、強力な魔法使い「アラン」といった新職業が追加されてきたが、EVANもこれまでと同じ、EVANがレベル20まで成長できるフィールドと一緒に実装されるという。

 EVANが連れるドラゴンは、卵から孵りプレーヤーキャラクターと共に成長していく。これまでのキャラクターと違うのは、EVAN自身は特殊能力を持たないふつうの人で、ドラゴンが強くなっていくイメージだという。EVANは装備としては魔法使いと同じものを使うが、ステータスはドラゴンとEVANで1つのものという考え方で、ステータスアップの効果がある場合、ドラゴンのスキルや攻撃力が強化される。ドラゴンは直接操作はできないが常にキャラクターと共に行動する。操作感そのものはこれまでの「メイプルストーリー」のキャラクターと変わらない感覚でプレイできる。

 試遊台では、いきなり最強のドラゴンを操るEVANを触ることができた。ドラゴンの攻撃はとにかく派手だ。強力なブレス、分身しての格闘攻撃、さらには画面いっぱいに紫の雷を落とすなど、非常に強力でかっこよかった。

 実際のプレイではドラゴンは卵から出たばかりのトカゲのような姿からスタートし、レベルが上がると強力な姿へ成長していく。凶暴な外見とは裏腹に真の能力は「支援」にあり、EVANを仲間に入れることでパーティーの力は大きく増すという。これまで日本の「メイプルストーリー」はおよそ半年後に韓国のアップデートを実装するというスケジュールになっている。日本でもEVANが活躍する日が楽しみだ。


【メイプルストーリー】

試遊台で使用できた強力なスキルの数々。アタッカーのような印象だが、実際は支援スキルが充実しているという



■ プレーヤーの工夫次第でつながる攻撃、アクションが爽快感をもたらすオンラインアクションRPG「Dragon Nest」

クローズドβテストに登場した巨大ボス。パーティーでどう立ち向かうか、連携が重要だ

 僅差ではあるが、それでも1番ユーザーの注目を集めていたのが「Dragon Nest」である。開発はEYEDENTITY GAMES。韓国では2次クローズドβを終え、現在オープンβテストに向けて開発を進めているが、日程は現在発表できないという。日本ではNHN Japanでのサービスが決定しているがこちらのスケジュールも現在未定だ。

 登場するキャラクターは、剣を使う「ウォーリア」、弓で素早い攻撃を行なう「アーチャー」、強力な魔法を使う「ソーサレス」、そして両手にはめたガントレットで拳のラッシュをたたき込む「クレリック」の4つの職業がある。操作はキャラクターをキーボードで動かし、マウスのクリックで攻撃を繰り出すTPSタイプだ。アーチャーを使っているとシューティングゲームのようで、クレリックだと格闘アクションゲームのような感触になる。

 画面にぐっと引き込まれるのは攻撃モーションの華麗さ、そしてスピード感である。プレーヤーの操作にキャラクターはきびきびと動き、連続攻撃を繰り出す。連続して敵に当たるとコンボ攻撃となり、体の回りにオーラを出して敵を吹き飛ばしたり、剣の軌跡がドラゴンの模様に変化したりする。スキルはショートカットで行なう。特にソーサレスの魔法は爆炎で敵に攻撃したり、空から隕石を落としたりと派手だ。

 うまいプレーヤーはスキルの連続性を利用して自分なりのオリジナルコンボを編み出し、速いペースで敵を殲滅していた。弓は遠距離からスナイパーのように素早く弓を連射して倒していく。コンシューマーのアクションゲームのような反応のよい操作感は来場者の心をつかむようで、1度プレイが終わっても、再び列に人もいた。

 今回出展されたバージョンは、ソロプレイで短い構成のダンジョンを進み敵を倒すというものだったが、オープンβテストではMMOフィールドの街でクエストを受けたり、仲間を募り、ダンジョンに向かうという流れになる。ダンジョンはMOのインスタント空間で、最大4人のパーティーが組める。パーティーでの連携はゲームの大きなセールスポイントだという。早くプレイしてみたいと思わせるタイトルだ。


【「Dragon Nest」プロモーションムービー】

【Dragon Nest】
軽快でド派手な攻撃が楽しい「Dragon Nest」。プレーヤーの操作に対するレスポンス、アクションの駆け引きもコンシューマーゲームに比べても劣らない



■ ゲーム性が中心となるSNS「NEXON STAR」。友達の星とつながり、楽しくコミュニケーションを

のどかな農業惑星。友達と一緒に来て収穫を楽しむこともできる

 若い女性の人気を集めていたのが「NEXON STAR」。開発はnexonnova。韓国では12月に2次クローズドβテストを行なう予定だ。ソーシャルネットワークサービスでありながら、WEBブラウザだけではなく、専用のクライアントで「ゲーム」として楽しめるという方向性を目指した作品だ。

 プレーヤーは自分の「星」を持ち、この星を育てていくのが大きな目的となる。星と言っても、球体を2つに切ったような形をしていて、プレーヤーが立っているところは平面になっている。「BIZ」というポイントを稼いでいくことでこの星は大きく拡大していく。家を建てたり家具をたてるだけでなく、下の部分をアイスクリームのコーンなどに変えられるという。

 BIZを稼ぐためや遊ぶために、プレーヤーは他の星へ行く。畑や実のなる木が立った「農業惑星」、釣りができる「海の惑星」、「カジノ惑星」や「占い惑星」、みんなが集まれる「公園」の5つの惑星が用意されている。この惑星は同時に50人まで接続できるMMOフィールドになっており、他のプレーヤーと一緒に作業をしたり遊ぶことができる。

 試遊台では農業惑星と海の惑星に行くことができた。農業惑星は畑にはたくさんの作物が植わり、木にはたわわな実がなっているという秋の農村を思わせるのどかなところ。力を込めて地面からにんじんや大根を抜き取ったり、木を揺らしてリンゴを落としたりと、作業する姿もかわいらしい。海の惑星では大海原に船を出して釣りをすることができた。

 「NEXON STAR」はクライアント部分だけでなく、専用のBLOGと連動しており、ゲームで友達と一緒に遊んでいるときに撮影ボタンを押すとブログのアルバムに写真が追加されたり、友達のブログに行くだけでクライアントを起動しなくても友達の星の様子を見ることができたりする。またフラッシュゲームで遊んだりとコンテンツはゲーム、ブログ両面で追加されていくという。韓国ではクローズドβが好評であり、その人気が会場の注目に繋がったようだ。ここからどう展開するか楽しみである。


【「NEXON STAR」プロモーションムービー】

【NEXON STAR】
試遊台では主に農作業と釣りがプレイされていた。今後は5つの星が実装されるという



■ 丸い大地を舞台に、軽快なアクションで大冒険「Everplanet」

イメージイラストにはたくさんの要素が描かれている。乗り物などにも注目したい

 「Everplanet」は小さな星の上のような“丸い大地”を冒険するMMORPG。開発はNCLIPSE。韓国では12月後半にオープンβテストを行なう予定だ。

 本作の第1印象は、“3Dになった「メイプルストーリー」”だ。キャラクターのデザイン、顔の書き方や、キャラクターの頭身、アクションなどに「メイプルストーリー」と同じデザイン性が感じられる。開発会社のNCLIPSEは「メイプルストーリー」のメインプログラマーを務めたPark Sehee氏がCEOを務めているが、Sehee氏は「意識して似せたわけではない」とのことだ。

 「Everplanet」は玉の上に乗っているような球体の大地が面白い作品だ。球体は実は演出で、マップを球形に表示しているだけで、走り続けると同じところに戻るわけではない。プレーヤーが移動すると球体が回転し、地平線から建物やモンスターが現われる。丸く表現されたフィールドが、見下ろし型でも、2D表示とも違う独特の操作感があって楽しい。

 スタート時のキャラクターのクラスは剣士、弓師、魔法使い、盗賊の4種類。操作は軽快で、かわいらしいデザインもあって雰囲気はコミカルだ。膨大な数のクエスト、ストーリーラインがセールスポイントだという。冒険の舞台は星々を舞台にする。プレーヤーは力を鍛えて、他の星へと旅立っていくことになるという。

 この他、試遊台では体験できなかったが自分だけの「星」をもてるという。こちらは小さな球形のフィールドで、走り続けると一周できる。話を聞くと絵本の世界のようで魅力的だ。ストーリーと共に注目したいポイントだ。


【Everplanet】
キャラクターのデザインから、「メイプルストーリー」との関係を感じるが、丸いフィールドと、3Dのアクションが、新しいプレイ感をもたらしている

(2009年 11月 28日)

[Reported by 勝田哲也 ]