東京ゲームショウ2009レポート

新作ゲームの秘密に迫る!
KONAMI、3Dアクションゲーム「ナインティナイン ナイツII」、
「DARKSEIDERS ~審判の時~」開発者インタビューを実施


9月24日~27日 開催(24日、25日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


 株式会社コナミデジタルエンタテイメントは、「東京ゲームショウ2009」においてプレイアブル出展しているXbox 360用3Dアクションゲーム「ナインティナイン ナイツII」と、PS3/Xbox 360用アクションアドベンチャーゲーム「DARK SIDERS ~審判の時~」の2タイトルの開発スタッフを招いてのプレス向けインタビューを実施した。

 以下、Xbox 360用3Dアクションゲーム「ナインティナイン ナイツII」の開発を担当する佃健一郎氏と、「DARKSIDERS」のキャラクターデザイナーで、日本でもその名を知られるアメコミ「X-MEN」、「Battle Chasers」の原作者としても有名なジョー・マデュレイロ氏のインタビューを一問一答形式でお届けしよう。


■ アクション以外にもパズル的要素を重視したシーンなどもあります。「DARKSIDERS ~審判の時~」

VIGIL GAMES クリエイティブディレクター ジョー・マデュレイラ氏(後方にある模型は本作品の主人公のウォー)
イメージデザイン

――「DARK SIDERS ~審判の時~」のゲーム開発が始まったのはいつ頃からですか。

マデュレイラ(以下、JM):だいたい4年ぐらい前からですね。

――ご自身が開発プロジェクトに参加した作品が日本でも発売されると決まったときは、率直にどんなご感想を持ちになりましたか?

JM:以前から日本製のゲームが個人的に好きで、輸入版の日本製ゲームを買って遊んだりもしていましたから、発売が決まったときはとても嬉しかったです。また、KONAMIの作品ですと「魂斗羅」や「メタルギア」、「悪魔城ドラキュラ」シリーズなどが大好きですので、今回KONAMIさんから発売されることになったことでも嬉しいですね。実を言うと、「DARKSIDERS」には日本のアニメやゲーム作品の影響を受けた部分もあったりするんですよ。

――と、いうことは、普段からかなりゲームで遊んでいらっしゃるのでは?

JM:ええ、よく遊んでいますよ。RPGやMMORPG、あるいは3人称視点のアクションゲームが好きですね。今回の「DARKSIDERS」は3人称視点アクションですから、まさに自分が大好きなものを作っていることになりますね。

――それでは、ここからはゲーム内容について具体的にお尋ねします。まず何といってもお聞きしたいのは、主人公の騎士であるWAR(ウォー)のデザインについてです。あの体の大きくて独特の風貌持ったウォーは、いったいどんなコンセプトをもとにして生まれたキャラクターなのでしょうか?

JM:ウォーは黙示録の中に出てくる四騎士のうちの1人という設定になっていまして、その名のとおり戦争を象徴するという位置づけになっています。ですから、力強さを出すということが重要なポイントになりましたので、“大きな剣と鎧を身に着ける”というコンセプトがまず最初に浮かびました。剣の形もかなり独特のデザインになっていまして、また鎧は剣と同じエレメントが埋め込まれているという設定になっています。剣や鎧が変わった形になった分、実は人物そのものにはあまりフォーカスされていない、ミステリアスな感じを出したデザインにしました。頭にフードのようなものをかぶったままで、顔の形がはっきりよくわからないけれども力強さはちゃんと伝わるようにするのが狙いですね。

――そのウォーが乗る愛馬の名前はRUIN(ルイン)というそうですが、これは「遺跡」という意味からとったものですか?また、どんなデザインコンセプトなのかも合わせて教えてください。

JM:ルインという言葉には、「遺跡」のほかに「すべてを台無しにする」という意味もあるんですよ。このゲームに登場する馬に関しては、後者のニュアンスのほうが大きいですね。ウォーとルインは常にいっしょに行動しますから、ウォーが何かを破壊した後にルインを残す、といった意味合いになるわけですね。デザインについては全体的に筋肉質で、また鼻や足から炎を噴いたりもしますので、やはり力強さが出るように気を使って作りました。

――主人公の仲間や敵など、ほかのキャラクターも全部マデュレイラさんのデザインですか。

JM:開発プロジェクトが動き出した直後は全部自分でやっていましたが、だんだんプロジェクトが大きくなるにつれてほかのアーティストも参加するようになりましたので、現段階では私が担当したのは全体の約70%分ぐらいですね。

――今度はゲームシステムなどについてお尋ねします。マデュレイラさんはキャラクターデザイン以外にも、たとえばゲームバランスの調整などといった開発に関する業務もなさっているのでしょうか。

JM:はい。クリエイティブディレクターとして、ゲームデザインの基本的な骨格となる部分についても私なりの考えでいろいろと意見を出したりもしています。

――KONAMIブースに出展されているプレイアブル版をプレイさせていただいたところ、例えば上によじ登れる壁を探したり、あるいはパイプを伝って足場のないところを進むなどといったギミックや、ちょっとした謎解きの要素となるシーンがいくつかありました。これらのアイデアを考えたのはマディレイラさんでしょうか。

JM:このゲームの基本コンセプトとして、主人公は状況によって走ったり登ったり、あるいは泳いだりするなどいろいろなアクションができるということがあるのですが、具体的にどのシーンでどのアクションをするかというところまで考えたりはしていないですね。

――ギミックがあるということは、大剣で敵を倒す以外にも謎解きの要素もゲームシステム上の大きなコンセプトとなっているのでしょうか?

JM:序盤のステージではアクションをより重視した内容になっていますが、後で登場するいくつかのダンジョンについては、アクション性よりもパズル的要素が強い場面も登場します。たとえば水びたしになっているシーンでは、どうやって水を抜いて先を進むのかをプレーヤー自身が考えて行動する必要が出てきます。

――現時点での完成度は何%ぐらいですか?

JM:もう(海外版の最終バージョンを)提出する締め切り日が間近に迫っていますので、ほぼ90%ぐらいは完成している状態です。今は最終段階の調整などをやっているところですね。

――マディレイラさんといえば、もちろん「X-MEN」の原作者として有名ですが、将来この「DARKSIDERS」をコミック化する予定はありますか?

JM:まだ正式には決まっていませんが、今後の展開案のひとつとして考えてはいます。

――それでは最後になりますが、日本のゲームファンのみなさんに何かメッセージなどがありましたらぜひお聞かせください。

JM:私は今までに日本のゲームをいろいろと楽しませていただきましたので、今度は私が開発に参加した「DARKSIDERS」を日本のみなさんに楽しんでもらうことで、何か恩返しみたいなことができればとても嬉しいですね。本作品を通じて、いわゆる「洋ゲー」に触れるきっかけ作りができたらいいなと思っています。

――Thank you very much!!

※通訳はTHQジャパン株式会社の国保雄揮氏にお願いしました。

【「DARK SIDERS ~審判の時~」】

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■ 敵の持つ技を奪い取って使用できる新システムを搭載。「ナインティナイン ナイツII」

株式会社フィールプラス 開発3部部長 佃 健一郎氏
イメージデザイン

――まずは「ナインティナイン ナイツ」の続編を作ることになった経緯から教えてください。

佃:普段から弊社がお世話になっている関連会社のみなさんと、「次はどんな作品を出そうか?」とお話しているうちに決まりました。

――前作の「ナインティナイン ナイツ」とのストーリーのつながりはどのようになっていますか?

佃:前作から引き続き残しているのは「闇のオーブ」に関することだけで、後は「II」オリジナルの内容になっています。これは前作をまったくプレイしたことがない人にも遊びやすくしたいという意図もあります。

――「ナインティナイン ナイツ」といえば、やはり大人数で押し寄せてくる敵をどんどんなぎ倒せる爽快感の高さが一番のセールスポイントではないかと思いますが、今回もこの路線は継承していると考えてよろしいですか?

佃:もちろんそうですが、今回はほかにもいろいろな楽しめる要素を用意しています。現時点ではまだ60パーセントぐらいの完成度なのですが、たとえばマップ上にはちょっとしたギミックや仕掛けみたいなものをを作ったり、あるいは見た瞬間にプレーヤーが倒したくなるような敵を配置したりして、ただ単にフィールド上にいる敵を切りまくるだけのゲームにはならないように考えて作っています。

――いっぺんに多くの敵を画面内に表示させるにあたり、プログラミングなどの技術的な面では相当ご苦労があるのではないでしょうか?

佃:実はフィールドの地形を平坦にしたりして、グラフィックの質を落としさえすればまだまだたくさんの敵を表示させることは可能なんです。ですが、今回のところは敵の多さだけにフォーカスしたゲーム構成にするのではなくて、数はある程度制限してもいいから、よりゲームの面白さの本質を追求ていこうということで、他のスタッフともいろいろと話をしています。

――前作にはなかった、「II」ならではの新システムなどがあればぜひ教えてください。

佃:敵キャラが使ってくる「スキル」(技)を、主人公が奪い取ってそのまま覚えることができるという仕様を新たに追加しました。「スキル」は最大同時に4つまで持つことができますので、入手した複数の「スキル」同士を組み合わせて、自分好みのアクションを作り出す、などといった楽しみ方もできます。「スキル」は全部で100種類ほど用意していますので、各プレーヤーごとに思い思いの方法で敵を倒すことができる楽しさをぜひ味わっていただきたいですね。ほかにも、「スキル」よりもさらに強力な「オーブスパーク」や「オーブアタック」と呼ばれる技も入っていますよ。

――「スキル」の使用回数には制限などがありますか?

佃:いえ、何回でも使えます。ただし、1度使った後はしばらくの間出せなくなるように時間制限をしてあります。ある程度制限をしておかないと、ただそれだけを繰り返すようなゲームになってしまうかもしれないですからね。

――出展版では、「フィールドモード」、「ボスバトル」、「巨神ボスバトル」と3つのモードから選べるようになっていましたが、モードを複数に分けたのには何か意味があるのですか?

佃:基本的にはフィールドで戦うのがメインとなりますが、本格的なアクションゲームを作るにあたり、敵の軍勢だけではなく、1対1でのボス戦もちゃんと作り込んで楽しいものになっているぞ、ということを遊んでいただいたみなさんにアピールしたかったんですよ。さらに今回は、全長が1kmほどもある巨大なボスなども登場するようになっています。ショー出展のバージョンですと、「フィールドモード」の最後にすごく大きなタコのような足が登場するのですが、これはその後に出てくるボスの体の一部になっています。これは、プレーヤーがフィールドを進んでいるうちに、「足みたいなのが攻撃してくるけど、これは何だろう?」と思ってさらに先に進むと、実はボスがいてその足で同じようにまた攻撃をしてくる、というような仕掛けになっています。

――声優さんの配役はどなたが決めたのでしょうか。

佃:私とボイスを担当をしているスタッフとで決めました。主人公のグレンは黒田崇矢さんで、お姫様のキャラクタ役には大本眞基子さんにお願いしています。

――別のプラットフォームでも発売する計画は?

佃:現時点ではありません。ただ、Xbox 360とPS3のどちらにも対応できるようなエンジンは弊社内で持っていますので、もし作ろうという話があればできないことはないですね。

――Xbox LIVEに対応させたサービスなどもありますでしょうか?

佃:はい。まず、本編とは違った構成のフィールド上を2人で同時にプレイできるゲームモードを用意する予定です。あとはプレーヤーランキングを集計したり、新たな「スキル」などを追加配信することも現在検討中です。

――それでは、GAME Watch読者のみなさんに本作品のココを見てほしいという場面や、特に伝えておきたいポイントなどがありましたらぜひお聞かせください。

佃:やはり軍勢アクションなのだろうと考えていらっしゃる方も多いと思いますが、「ナインティナイン ナイツII」はそれだけの枠にはとらわれない、本格的なアクションゲームとしてよりよい方向性の作品になることを目指して作っています。ほかの軍勢型アクションではまだやっていないことができるゲームになるよう、いろいろとチャレンジしていますので、発売したらぜひプレイしてみてください!

――本日はお忙しいところ、取材のご協力ありがとうございました!

【「ナインティナイン ナイツII」】

(C)2009 Konami Digital Entertainment
Ninety-Nine Nights is a trademark of Microsoft Corporation.

(2009年 9月 26日)

[Reported by 鴫原盛之]