東京ゲームショウ2009レポート

SCEJブースレポート:PSPgo+PS3編
タイトル展示に集中した硬派なブース展開

9月24日~27日 開催予定(一般公開日は26日、27日)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料


  株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(以下、SCEJ)ブースは、プレイステーション 3とPSPの各タイトルをファースト、サードともにバランス良く配置。PSPタイトルは一段高い専用ブースを二カ所設置し、それぞれプレイしたいタイトルの整理券を受付でもらった後、専用ブースに入るシステムとなっていた。Playstation Networkを含めると、実に約60タイトル以上。到底1日で触りきれる量ではなく、一般公開日に訪れる方は、場当たりではなくプレイしたいタイトルをあらかじめ決めておいたほうが無難だろう。

 ブース内にはハードウェア関連のコーナーもあり、本日プレスリリースにて公開されたPSPgo用の周辺機器も展示されていた。カンファレンス終了と同時に公開された展示ケース内・左上から順に触れていくと、プライバシーフィルム(11月1日発売予定、1,000円)、ディスプレイ保護フィルム(11月1日発売予定、800円)、アクセサリーパック(11月1日発売予定、6,000円)、クレードル(11月1日発売予定、4,800円)、コンバーターケーブルアダプター(12月24日発売予定、1,980円)、Bluetooth ステレオヘッドセットレシーバー(12月24日発売予定、4,980円)、カーアダプター(12月24日発売予定、1,980円)、ACアダプター(11月1日発売予定、2,100円)、コンポーネントAVケーブル(11月1日発売予定、3,000円)、AVケーブル(11月1日発売予定、2,200円)、D端子ケーブル(11月1日発売予定、2,800円)、USBケーブル(11月1日発売、1,575円)。PSP-3000と映像出力周り、電源周りの仕様が異なっているので、PSPgoでは別に購入する必要がある。購入予定の人は、発売前に同社ブースで外観をチェックしてみてはいかがだろうか。


【プライバシーフィルム】【ディスプレイ保護フィルム】【アクセサリーパック】
【クレードル】【コンバーターケーブルアダプター】【Bluetooth ステレオヘッドセットレシーバー】
【カーアダプター、ACアダプター】【コンポーネントAVケーブル、AVケーブル、D端子ケーブル、USBケーブル】




■ God of WarIII

  シリーズ3部作の完結編。ギリシャ神話を舞台に、伝説のスパルタの兵士「クレイトス」は、オリュンポスの頂上まで登りつめ、冥府の底まで落ち、裏切った者への復讐を果たすために戦い続ける。“ブレイズ”と新たな武器や魔法を備え、神話世界の怪物と戦いながら、手強いパズルを解き、究極の相手と雌雄を決するクレイトス。果たしてクレイトスは、オリュンポスの終焉をもたらすことができるのか……。

  ゲームエンジンをいちから作り直したというグラフィックとモーションは圧巻の一言。テクスチャの解像度、ステージの広さはそれぞれPS2「ゴッド・オブ・ウォーII」の4倍になるといい、ダイナミックなライティング、多数の武器、神話とリアリズムの協和など、クレイトスの物語をさらに色鮮やかに、より魅力的にプレイできる。これまでのシリーズはカプコンによってローカライズされて国内で発売されてきたが、本作からはSCEJより発売されることになった。

 体験版はゲーム序盤ながら、本作の強烈なダイナミズムと過激な演出をとことん堪能できる。もはやおなじみとなった武器「ブレイズ・オブ・カオス」は、唸りをあげながら一分の容赦もなく敵の血をすすり肉を切り裂く。PS3のハードパワーをいかんなく発揮した鮮明なグラフィックは、戦いの臨場感を常に頂点まで高めてくれる。後ろで待っている人たちには大変申し訳ないのだが、巨大な敵を倒し、畳み掛けるようなCSアタックの演出を目の当たりにするたび「あぁ、もっと遊びたい! 先に進みたい!!」という欲求がふつふつと体内の奥底から沸きあがる。

 体験プレイの時間は他コーナーに比べると長めなのだが、それでも新アクションなどを試していると、時間などいくらあっても足りないといった気持ちになってしまう。過去シリーズのファンなら、文字どおり鉄板のクオリティ。本作から「God of War」シリーズをプレイする人も、重厚な世界観、グラフィックス、クレイトスが体言する悲壮な戦いの咆哮に魂をつかまれてしまうだろう。1作目をプレイしたときは、ただの凶暴なハゲのおっさんだったが、数々のシリーズを重ね、このPS3版にいたり、もはや筆者はクレイトスへの愛を自覚せずにはいられない。シリーズ最新作の放つ独特の“咆哮=芳香”は、それくらい強烈だ。

 なお、本作をはじめとするCEROレーティング:Z指定(18歳以上対象)タイトルは、周囲を壁で隔てた専用コーナーにまとめて出展されている。入場にはIDチェックがあり、免許証、保険証など年齢確認できるものが必要。ゲートでプレイしたいタイトルを指定するため、入場1回につきプレイできるZ指定タイトルはひとつだけ。本作は専用ブース内でもナンバーワンの人気を誇っており、確実にプレイしたい人は早めに同コーナーを訪れたほうがいいだろう。2010年3月発売予定で、価格は未定。CEROレーティングはZ(18歳以上対象)。


【ロゴ】

【コンセプトアート】

【Kratos(クレイトス)】
ゼウスの息子。スパルタ軍最強の戦士として戦いに明け暮れていたある日、バーバリアン族の王に殺されかける。敗北を前に、戦神アレスに魂を捧げ、勝利を得るものの、その代償はとてつもなく大きかった。戦神アレスは、瀕死のクレイトスを助ける代わりに、彼から一切の人間らしい感情を消し去り、真の最強戦士にするべく、唯一の拠り所である妻と最愛の娘カリオペを殺す策略を仕掛けたのだった。罠に落ち、自らの手により最愛の家族を失ったクレイトス。家族が燃える神殿の煙はクレイトスの身体へ宿り、彼の肌を亡霊のごとく白く染めた。その姿を人はこう呼んだ。「スパルタの亡霊」と。怒りに震えるクレイトスは、幾多の苦難を乗り越え、遂に戦神アレスの息の根を止め、自らが戦いの神「God of War」となる。しかし、許されざる過ちを犯した彼の苦悩は、片時も頭から離れることはなかった。その開放を求め、神々への救いを求めるも、ことごとく裏切られる。遂には、実の父であるゼウスに陥れられたクレイトスは固く心に誓った。「復讐こそ全て・・・」ゼウスとオリュンポスの神々への復讐を果たすために、運命の女神たちを殺し、人間も神も、また、かつて神々と争い敗北したタイタン族をも運命から解放したクレイトス。そのタイタン族を現代に呼び戻し、クレイトスはオリュンポスの神々との最終決戦へと向う

【Zeus(ゼウス)】【Hades(ハデス)】
タイタン族の王“クロノス”の息子。クロノスは自分の子供が将来自分を脅かす存在になることを恐れ、生まれてくる子供を一人一人腹に飲み込んでいった。それに耐えられない母はゼウスを石と入れ替えて助ける。ゼウスはタイタン族の“ガイア”に育てられる。父に対して深い復讐心を持ち、飲み込まれた兄弟達を助けることを誓う。兄弟の“ハデス”と“ポセイドン”とともに、当時世界を支配していたタイタン族に戦争を仕掛ける。“大戦”と呼ばれたこの抗争は、ゼウスとオリュンポスの神々の勝利で終わり、クロノスは冥界の底タルタロスを徘徊するよう命じられた。オリュンポスの栄光と支配の時代が始まりであったゼウスの兄弟。死者の世界の神。この世の憎しみと憎悪の間近で見て、それが重く圧し掛かっている。唯一、彼の中で純粋なもの、彼の最愛なる妻冥界の女神“ペルセポネ”は、クレイトスの手によって殺される(ゴッド・オブ・ウォーPSP)。クレイトスへ深い憎しみを抱いている

【スクリーンショット】

【ハデスステージ】


God of War is a registered trademark of Sony Computer Entertainment America Inc.
(C)Sony Computer Entertainment America Inc.




■ INFAMOUS ~悪名高き男~

 広大な箱庭世界のなかで、超能力を駆使しながら縦横無尽に暴れまわるアクションゲーム。ゲームの舞台は、かつて人々が平和に日々を過ごしていたエンパイアシティ。とある事件をキッカケに、街は暴力、殺人、略奪、強姦がはびこる無法地帯と化してしまった。丁度その頃、主人公は世界を統べるほどの超人的な能力を身に付けた。この力を使い、街の英雄となるか、悪魔となるか。すべてはプレーヤーの行動しだいというわけだ。

 ただし、プレーヤーの起こす行動は、全てカルマメーターに影響を及ぼす。善良な行動を重ねれば、街中から「英雄」として認められる。街を歩けば、そこらじゅうにプレーヤーのポスターが貼られていたりするという。市民たちから握手を求められたり、写真を撮られたりすることもしばしばで、このあたりの流れは昨今主流の箱庭型ゲームの王道といえる。

 会場でプレイできる体験版は、電気が源(みなもと)の超能力(電磁力みたいなもの。アメコミファンにはマグニートーのそれに近いイメージといえば通じやすいだろうか)で電車を動かし先に進むというもの。ならずものたちが線路に車などを置いて妨害しているため、放電で狙い撃ちしたり、電磁力をグレネードのような炸裂弾に変えて攻撃。電磁力はR3ボタンを押すと光って表示されるオブジェクトから吸収可能。体験版のステージでは、電柱、路肩に止まっている車など、色々な場所から補充できたため、画面左上に表示される残量ゲージが尽きるといったことはなかった。

 箱庭型ゲームなので、起伏に富んだ市街地を、電磁力を活かして縦横無尽に動き回れる。建物や鉄柱をよじ登ったり、線路や電線のうえをスライディングの要領で滑ったり、高所から電磁力で滑空したり、このあたりはまさに何でもあり。敵の攻撃もなかなかイカしており、ビルのてっぺん、路地、線路の下などからチョコチョコ出現しては、銃撃、グレネード投擲、突撃、死角に逃げ込む、あるいは火ダルマになって突っ込んできたりと(!)ザコといえどもあなどれない。爆発系攻撃の影響範囲の広さも良し悪しで、きちんと間合いを見切らないと自らに致命的ダメージを与えかねない。荒唐無稽なようでいて、実はそれなりにきちんと立ち回らないと“しっぺ返しをくらう”作りは好印象。フリーダムなゲームを求めている人はもちろん、コアなアクションゲーマーも十分楽しめる内容といえそうだ。11月発売予定で、価格は5,980円(予価)。CEROレーティングはZ(18歳以上対象)。


【ロゴ】

【イラスト】

【スクリーンショット】


"INFAMOUS" is a trademarks of Sony Computer Entertainment Inc.
(C)2009 Sony Computer Entertainment America Inc. Published by Sony Computer Entertainment Inc.
Developed by Sucker Punch Studios LLC.




■ グランツーリスモ5

  1997年にリリースされた1作目以来、レースゲームファンを中心に幅広い層から支持され続けている「グランツーリスモ」シリーズ最新作。実写さながらの繊細かつリアルなグラフィックとドライビングテイストは、ゲームファンだけでなく自動車業界からも高く評価されている。

 ナンバリングタイトルとなる本作は、物理シミュレーションを一新。市販車、レース専用車、コンセプトカーなど700種類以上の車と30におよぶ多彩なコースが収録される。シングルプレイでストイックに走りこんだり、対戦で競い合うだけでなく、ネットワークでユーザー同士が交流する“オンラインカーライフシミュレーター”を標榜する点が、他のレースゲームにはない大きな特徴となっている。

 出展バージョンの開発度は65パーセントだが、既にグラフィックは目を見張るクオリティ。出展構成は、デュアルショック 3でプレイする一般的な試遊台が2台、レース用シートとフレームにDriving Force GTをセットしたスペシャル版が4台の、計6台。特に後者に関しては、これだけ豪勢な環境で「グランツーリスモ5」が体験できる機会は、そうそうない。一般公開日は相当な混雑が予想されるが、レースゲームが好きな人であれば、長時間並んでプレイする価値は十二分にあるはずだ。2010年3月発売予定で、価格は未定。


試遊台は2バージョン。同じ遊ぶなら、やはり豪華なコクピット筐体を1度体験していただきたい。ちなみに体重0.1トンの筆者は尻がシートのサイズに合わず、強引に押し込んで何とか収まる有様(涙)

【スクリーンショット】


(C)Sony Computer Entertainment Inc. Manufactures, cars, names, brands and associated imagery featured in this game in some cases include trademarks and/or copyrighted materials of their respective owners. All rights resereved. Any depiction or recreation of real world locations, entities, businesses, or organizations is not intended to be or imply any sponsorship of endorsement of this game by such party or parties.
Produced under license of Ferrari Spa. FERRARI, the PRANCING HORSE device, all associated logos and distinctive designs are trademarks of Ferrari Spa. The body designs of the Ferrari car are protected as Ferrari property under design, trademark and trade dress regulations.




■ アンチャーテッド 黄金刀と消えた船団

 アクションアドベンチャー「アンチャーテッド」シリーズ最新作。プレーヤーは、トレジャーハンターのネイト・ドレイクとなり、歴史上の謎と秘宝を追い求める。今作では、消えたマルコ・ポーロの船団の行方を追い、神秘の王国「シャングリラ」に隠された秘宝を手に入れるため冒険を繰り広げる。

 ブースでプレイできる体験版は、ネイトが悪者から車で追いかけられているところからスタート。銃を撃ちながら逃げていると、やがて追跡者は大破炎上。だが、複数名の搭乗者は無事で、銃器を手に再びネイトに襲い掛かってくる。このあたりは、射撃、移動、物陰に隠れるなど、チュートリアル的なステップを踏んでいく。いずれも操作はシンプルで、アクションゲームに不慣れな人でも問題はなさそうだ。

 敵を一掃すると、ここからが真の導入部。周囲は廃墟、炎上するバス、車などにさえぎられており、先に進むルートを探さなければならない。ここで、方向キーの上を押すとヒントが表示される。アドベンチャーの醍醐味を堪能するならヒントには頼らないほうがいいが、会場でプレイできる時間には限りがあるため、さわりの部分を味わうためにもここは積極的に活用すべきか。悩みに悩んだ末、意外になんでもないところからスッと先に進めたりするところが面白い。10月15日発売予定で、価格は5,980円。CEROレーティングはC(15歳以上対象)。


【スクリーンショット】


(C) Sony Computer Entertainment America Inc.All RightsReserved.
Created and Developed by Naughty Dog, Inc.




■ ラチェット&クランクFUTURE2

  2007年11月に発売された「ラチェット&クランク FUTURE」の続編で、Insomniac Games開発によるアクションアドベンチャー。主人公ラチェットが、ネファリウスにさらわれた相棒のクランクを助けるべく、走る、飛ぶ、乗る、滑る、潜るなどの爽快なアクションを繰り出しながら、数々のステージをクリアしていく。本作では、前作で残されたままの謎や、ラチェット、クランクの生い立ちや隠された過去などが明らかにされるという。

 出展バージョンは、シリーズ初登場のガラメカ「ホバーブーツ」を装備した状態。R2ボタンを押したままアナログスティックを倒すと、その方向に滑らかに加速。トップスピードの爽快感は抜群で、落ちているアイテムブロックを体当たりで破壊することが可能。これがまた実に気持ちよく、ついつい何度も試してしまう。ちなみに、加速したままジャンプ台に乗ると、ラチェットが着地間際に派手なアクションを決めてくれる。

 一見すると、キャラクタデザインなどから子供向けと思われがちがだが、中身は立派な超正統派の3Dアクション。私事で恐縮だが、40過ぎの筆者の兄も同シリーズの熱心なファン。文字どおり、お子さんから大人まで家族全員で一緒に楽しめる良作アクション。食わず嫌いしていた人は、ぜひ会場で体験していただきたい。11月19日発売予定で、価格は5,980円。CEROレーティングはA(全年齢対象)。


【スクリーンショット】


(C)Ratchet and Clank is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Insomniac Games.
(C)2009 Sony Computer Entertainment America Inc. All Rights Reserved.




■ その他

【HEAVY RAIN 心が軋む時】【3D立体視ゲーム(技術展示)】
叙情性あふれる大人のインタラクティブアドベンチャー。本日、会場でプレイできる体験版の範囲を完璧に網羅した紹介記事が掲載されているので、詳細はそちらを参照されたし「WipEout HD fury」をベースにした技術展示。上画面・最右の専用グラスをかけてプレイすると、画面内のオブジェクトが立体的に見えるようになる。通常、こうした立体視システムはインフォメーションや細部などのディティールが不鮮明というのが常だが、本展示の鮮明さは筆者が過去に体験したことがないほど。背後から敵車に追突されたときの状況などもハッキリわかり、これはなかなか強烈だ

(C)2009 Sony Computer Entertainment Inc.

(2009年 9月 24日)

[Reported by 豊臣和孝]