第47回アミューズメントマシンショー開幕
出展規模、タイトル数とも減少も、個性的タイトルが目立つ


会期:9月17日~19日(一般公開日は19日)

会場:幕張メッセ

価格:1,000円(前売り券は700円)


 社団法人日本アミューズメントマシン工業協会が主催する第47回アミューズメントマシンショー(AMショー)が幕張メッセで開幕した。会期は9月17日~19日の3日間で、一般公開日は19日。入場料は前売り券が700円、当日券が1,000円(小学生以下、60歳以上は無料)。

 大きなブースとしては、株式会社セガ、株式会社バンダイナムコゲームス、そして株式会社タイトー、さらに株式会社ケイブと株式会社AQインタラクティブという5社が出展。例年よりビデオゲームタイトルの出展数が減ったものの、個性的なアイデアを採用したタイトルが見られたAMショーとなった。



■ タイトーブース

 タイトーブースの目玉は、以前弊誌でもご紹介したアーケード用FPS「サイバーダイバー」と、“NO考シリーズ”最新作「超・ちゃぶ台返し!」の2タイトル。この他にも、NO考シリーズやビデオゲームの参考出展タイトルを複数出展しており、文字どおり“硬軟織り交ぜた”充実のラインナップで来場客にアピールしていた。

 個人的にもっとも熱かったタイトルは、ズバリ「超・ちゃぶ台返し!」。詳しくは後述するが、あまりにもネタ臭が強いタイトルにくわえ、筐体中央にミニチュアのちゃぶ台型コントローラーが配置された外観は、完全にキワモノのそれでしかなく、正直プレイする直前まで「こんなの1回やったら飽きて終わりなんじゃないの?」と完全にタカをくくっていた。もっと悪くいえば、舐めきっていたのだ。

 だが……順番が回ってきて実際にちゃぶ台に触れた瞬間「ん!? これは……」という“異様な感覚”が、指先と手のひらから瞬時に伝わってきた。コントローラーの質感の話ではない。数年来に1度、あるかないかの“直感”。この世にビデオゲームが出現して以来のゲーム浸りで、すれにすれてボロボロになったゲーマーの野生のカン。理屈ではない手探りの予兆。そして、直後に訪れた、コンマ数秒で五感のすべてを支配化に置く完璧なカタルシス。

 ここまで大仰に書くと「何この筆者、酔ってんじゃねぇの?」と言われそうだが、たぶんそれは間違っていない。実際、筆者はちゃぶ台をひっくり返した直後からにやにや笑いが止まらなかった。この顔で会場の外にでも出ようものなら、怪しまれて通報されていたかもしれない。理由を聞かれたら、一言「だってコレ(超・ちゃぶ台返し!)、すっげぇキテるんだもん」と答えただろう。なにはともあれ、まずはゲームの概要から順次説明していこう。


● 超・ちゃぶ台返し!

  “究極のストレス発散ゲーム”と銘打たれた、NO考シリーズ最新作。筐体デザインは極めてシンプル。プレイ中は、モードを選ぶ、メッセージをスキップする以外は、目の前にある“ちゃぶ台”型コントローラーしか使用しない。

 ゲームモードなどは特になく、「お茶の間」、「ホストクラブ」、「結婚披露宴」、「オフィス」といった4種類のステージから好きなものを選択してプレイする。ゲームが始まると画面左上に時間が表示され、ゼロになるとゲームオーバー。プレーヤーは、それまでにちゃぶ台を叩き、最適と思われるタイミングでちゃぶ台をひっくり返す。やることは「叩く」、「ひっくり返す」のふたつだけ。

 なぜ「叩く」と「ひっくり返す」だけでゲームが成立するのか。ここでは、筆者が実際にプレイした「お茶の間」ステージを例に順次解説していく。プレーヤーが直面している状況は、基本的に「かなり鬱屈した日常のいち場面」だ。「お茶の間」ステージでは、プレーヤーは人生に疲れはてたお父さん役。目の前にいるのは、2言目には愚痴しか言わないブ○イクな嫁と、父親に対する敬意など1ミクロンも持ち合わせていない自分勝手な娘と息子の計3人。

 ここで、ちゃぶ台を「バン!」と叩いてみる。すると、嫁と子供たちが驚いて「!」というアイコンとともにこちらに注目する。当然、振動でちゃぶ台の上に置かれた食器などが雑然となる。だが、3人はそのうち「何コイツ、急にキレてちゃぶ台叩くとか、超うざいんですけどー?」といわんばかりに、徐々にリアクションが変化していく。表情は完全に侮蔑しきっており、お父さんたるプレーヤーの内面で目に見えない鬱屈した何かが積もっていくのが如実にわかる。ちゃぶ台を叩くのは後述するスコアを出すための布石なのだが「こいつら、ふざけんなよ……今に目にもの見せてくれるわ(メラメラ)」という、負のエネルギーを溜めるという重要な「演出」の一部でもある。

 ちゃぶ台を、いつ「ひっくり返す」かは、すべてプレーヤーの気分次第。ひっくり返した瞬間は、これがもう本当に言葉がないほど「痛快」にコンマ0.1秒くらい時間が止まる。この、完全に計算された間(ま)を置いて、直後に極上の余韻ともいえる「被害計算タイム」がやってくる。ちゃぶ台をひっくり返したことで、当然上にある食器などが飛散する。食器それ自体はもちろん、破損の被害は茶の間全体はもちろん奥の台所にまで及んでいく。物が壊れるごとに、画面に「チャリン!」と表示されていく被害額。被害計算タイムは、哀愁たっぷりの歌入りBGMとともにスローモーションで再現されるため、新たに何かが壊れるたびにニヤニヤというか病んだ笑いが止まらなくなる。驚愕して恐れおののくブ○イクな嫁やク○ガキどもの表情や態度は被害額に加算されないが、これはまぁ「ざまぁみろ!」的な“プライスレス”の快感といったところか。

 ひっくり返すことで飛び散るアイテムの動きは、すべて物理演算エンジンで計算される。ちゃぶ台をひっくり返すときの加減も重要で、ただ単に力を入れればいいというものではない。リアルに計算されたオブジェクトの動きは、ちょっとしたタイミングはもちろん、「叩く」という前フリで無限のバリエーションを生み出す。どのタイミングで、どう叩けば効果的なのか。どれくらいの力加減で、1番飛距離が伸びるのか。筆者は、既に脳内シミュレーションが止まらない状態だ。

 ちゃぶ台をひっくり返した直後の、刹那の間(ま)。ありとあらゆる悪しきものが、体内から一瞬で消し去ったようなスコーン!! と頂点まで突き抜ける絶頂にも似た感覚。ビデオゲームならではの「インタラクティブな快感」を、コンマ0.1秒にギュッ! っと凝縮したかのような、鮮烈なカタルシス。ただひとつ残念なのは……この痛快極まりないゲーム性は、体感してみないことには伝わらないであろうことだ。稼働予定は2010年春。待ちきれない人は、ぜひ期間中に会場まで足を運び“全身”で痛快さを味わっていただきたい。


【操作は「叩く」と「ひっくり返す」のふたつだけ】
ちゃぶ台の叩き方で、ひっくり返した直後の飛距離、被害総額などが変わってくる。総合結果でランク評価が与えられるのでスコアアタックも熱い

実際の筐体写真。ちゃぶ台の表面はソフトな質感で、全身全霊でメチャクチャ強く叩かない限り怪我などの心配はなさそうだ(だからといって、決して試さないように!)

【スクリーンショット】
あえて凸凹の3Dポリゴンにしてあるところがミソ。この登場人物たちがまたイラッとさせる……


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● サイバーダイバー

 全国の筐体設置店舗をネットワークでつなぎ、5人対5人のオンラインバトルが楽しめるFPS。一定以上のダメージを与えるとキャラクタの外装が吹き飛んで見た目が変わる「サイバーブレイク」、一定条件を満たすことでそれぞれ性能の異なる究極アタック「サイダイアタック」など、特徴的なシステムが盛り込まれている。開発は「ハーフライフ2 サバイバー」のスタッフが担当している。

 ショーバージョンでは、新キャラクタ「MEDIC(メディック)」と「SNIPER(スナイパー)」が登場。マップも新たに「DEPTH TOWER」が追加され、それぞれブースで実際にプレイが可能だった。スナイパーは、名前の通り遠距離からの狙撃が得意なキャラクタ。索敵、防御に特化した武器を駆使して、耐久力の低さを補いつつ戦う。サイダイアタックは、射撃精度が大幅に向上しクリティカルヒット時のダメージがアップする「シャープシューター」。メディックは、女性型の小さな人形といった風体に巨大なチェーンソーを装備。味方や自分を回復したり、敵を状態異常にする武器を使う。小柄なため、回避や物陰に隠れるといった動きが得意。サイダイアタックは、ヘルス、アーマー、状態異常を完全回復し一定時間無敵になる「天使の風」。

 ブースでは、5対5のマルチプレイが体験できた。実は筆者、極度の3D酔い体質のため「ハーフライフ2 サバイバー」もバール片手にぴょんぴょん飛び回るといった戦い方ができず、半端な戦績のままプレイを中断していたクチ。ゆえに、移動スピードが速いレンジャー、飛び回るサイキッカーは最初からあきらめ、機動性が低いガーディアンで「はたして、どこまで身体が耐えられるか?」己の身体で実験(?)してみた。

  FPSで機動力の低さは結構なデメリットだが、それでも仲間のサポート次第で軽快に飛び回るサイキッカーやレンジャーと十二分に渡り合える印象。新マップ「DEPTH TOWER」は屋内のためロックオンキャノンは使いづらかったが、それでも持ち前の火力と耐久力で一気に押し切ったときの気持ちよさは格別。エイミングも適度なスピード感で、コアなFPSユーザーはともかく、筆者のような3D酔い体質の人間には本当に有難い。「DOOM」シリーズに1分耐えられない筆者がステージ終了まで大丈夫だったのだから、恐らく世の中の大半の人は楽しくプレイできるのではないだろうか。12月中旬稼働予定。


【ガーディアン】【サイキッカー】【レンジャー】
CV:中谷一博CV:原由実CV:浪川大輔

【スクリーンショット】
バトルステージ:サマーランド
バトルステージ:私立ジェネシス高校


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● その他の主な出展タイトル

【みんなでワッと!(参考出展)】
上画像・左から、2択問題に挑戦する「ドチラ カチラン」、画面に表示されたオブジェクトを数える「イクツ カチラン」、リールを回して魚を釣り上げる「ツレタ カチラン」の3種類。それぞれ2択スイッチ、カウントスイッチ、リールといった独自のパーソナルコントローラーを搭載。シンプルなルールと操作で、最大4人で一緒にワイワイ遊べるのがポイント


【SPEED RIDER(参考出展)】【KOF SKY STAGE(参考出展)】
ハンドルコントローラーに3つのモーションセンサーを搭載したレースゲーム。前屈するとライダーが伏せて空気抵抗が減りスピードアップ。左右センサーでパワースライド。手をかざしてもセンサーは反応するが、やはり全身を使ってプレイしたほうが圧倒的に楽しいKOFのキャラクタが登場するシューティング。ショーバージョンは京とアテナのみの2ステージで構成。開発度は40%


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■ セガブース

 今回のショーで最も大きなブースとなっているセガ。出展内容も盛りだくさんで、ネットワーク対応RPG「シャイニング・フォース クロス」や「TETRIS デカリス」などのアーケードタイトルに加えて、「メダルのガンマン」、「すすめ!スゴロケッツ」といったメダルゲームなど、新作タイトルが目白押しだ。そのほかにも「ネットワーク対戦クイズAnswer×Answer2 プレミアムプラス」、「バーチャファイター 5R」、「スターホース2 フィフスエクスパンション」などのバージョンアップタイトルや、キッズ向けタイトルなども豊富に用意されており、老若男女が楽しめるラインナップとなっていたのが印象的だった。


● シャイニング・フォース クロス

レバーと5つのボタンによる操作のほかに、タッチパネルに触ることで、アイテムの使用やチャット、スキルの変更を行なうこともできる

 家庭用ゲーム機で数々の名作を生み出してきた「シャイニング」シリーズの最新作。ゲームセンター間をネットワークでつなぐ「ALL.Net」に対応し、ネットワーク上のほかのプレーヤーと協力しながら楽しめるアクションRPGとなっており、制作・運営は「Quest of D」チームが担当している。12月稼動開始予定。

 会場入口から向かって右端の角にある「シャイニング・フォース クロス」のブースでは、プレイアブル筐体を8台用意。マッチングを優先するため、選択できるシナリオは少ないものの、ほかのプレーヤーとクエストをこなす協力プレイを楽しむことがきる。

 今回の会場でプレイできたバージョンは、8月に行なわれたロケテストに比べて全体的にテンポがスピーディーになり、よりアクション性が上がった印象を受けた。また、ロケテスト版で使えた、両手剣、ナックル、ハンマー、フレイルという武器に加え、先日行なわれたプライベートショーで公開された魔導銃という飛び道具が使用可能となっている。魔導銃は、攻撃時のスキがやや大きいものの、射程距離が長いため、モンスターの攻撃範囲外から一方的に攻撃できるのが特徴。威力的には両手剣やハンマーに劣るものの、安全な位置から攻撃できるため、アクションが苦手な人にオススメといえそうだ。

 また、使えるスキルも今回のバージョンから、あらゆる局面で使いやすい「バランスタイプ」、攻撃に特化した「オフェンスタイプ」、敵の攻撃をガードできる「ディフェンスタイプ」の3つに分かれており、ゲーム開始前に2つを選択するように変更されている。まずは「バランスタイプ」を使ってゲームに慣れていき、上達したところで「オフェンスタイプ」と「ディフェンスタイプ」を使い分けるのが良さそうだ。

 「シャイニング」シリーズといえば、魅力的なキャラクターが特徴の1つ。「シャイニング・フォース クロス」ではイラストレーターのmasaki氏が書き下ろしたキャラクター達を、豊口めぐみさん、柿原徹也さんといった豪華声優陣が熱演。主題歌には水樹奈々さんの新曲を採用するなど、キャストにも注目といえそうだ。

画面レイアウトなども手が入れられ、よりプレイしやすくなっている。AMショーでの試遊は、1つのシナリオをクリアするまで可能となっていた

(C) SEGA

● TETRIS デカリス

とにかく巨大なレバーのインパクトが抜群。レバー上に配置されたボタンでテトリミノ(ブロック)を回転させる

 これまでにない巨大なレバーが目を引く「TETRIS デカリス」。70インチの大画面に映された画面上のブロックを巨大なレバーをボタンで操作するパズルゲームだ。画面出力はプロジェクターによるものなので、投影できるものさえあれば、もっと大きく出力することもできる。巨大になったとはいえ、基本的なルールは同じく、テトリミノ(ブロック)を横一列に並べると消えるだけなので、誰でもすぐに親しむことができることだろう。

 遊べるゲームモードは3種類。1人用モードと2人用の対戦モード、そして2人用の協力モードだ。対戦モードでは、複数ラインを消すと相手側の落下スピードが上がるほか、レバーが振動して邪魔をする機能を用意。協力モードでは互いのブロックを3回だけ交換可能、かつフィールドも中央部が共用(共有エリア)となっているため、自分のみならず相手側の状況やブロックにも配慮する必要があり、さらに同時にテトリミノをはめ込んでラインを消すとボーナスになるなどの仕掛けが用意されている。今冬稼働予定。


1人スコアアタック(左)と1人ラインアタック(右)
2人スコアアタック
2人ラインアタック
2人対戦

Tetris (R) & (C) 1985~2009 Tetris Holding, LLC.
Tetris logo, Tetris theme song and Tetriminos are trademarks of Tetris Holding, LLC.
Licensed to The Tetris Company.
Game Design by Alexey Pajitnov. Logo Design by Roger Dean.
All Rights Reserved. Sub-licensed to SEGA.

● スターホース2 フィフスエクスパンション

 豪華サテライトでくつろぎながらプレイできる「スターホース」シリーズの最新バージョン。今回のバージョンでは、オート調教施設の「トレセン」を実装。ログアウト前に「トレセン」に馬の調教を依頼しておけば、筐体で進行した週数だけ自動で調教が進み、次回ログイン時にはレースへの準備も万端となる。

 また、牧場拡張アイテムを使用することで牧場を拡大して、最大6頭まで馬が飼育可能になる。前走成績や血統の詳細なデータにより、出走や配合の戦略性が大幅にアップするようだ。2009年冬稼動予定。


(C) SEGA

● メダルのガンマン

メダルをプッシャーに流し込むのではなく、ガンコントローラーの弾にして画面に直接撃つという新発想が驚きのメダルゲーム

 ガンシューリングの要素を盛り込んだ新感覚のメダルゲーム「メダルのガンマン」。メダル1枚を弾1発と交換して、画面上の敵を手元のガンコントローラーで撃っていくメダルゲームとなっている。画面に現れるターゲットや賞金首を撃つことでメダルを獲得しつつ、JPチャンスのイベントモードを狙っていくというゲーム性になっている。

 金か銀のバッジを撃つことで突入する「捜索モード」では、敵の攻撃を受けるとタイムが減るタイムライフ制になり、メダルの数を気にすることなく撃ちまくることが可能となるなど、ボーナスゲームも今までのメダルゲームとは一味違ったものになっているのが特徴だ。2010年1月発売予定。


(C) SEGA

● すすめ!スゴロケッツ

パステルカラーのポップな色彩が印象的な筐体。ミニゲームで操作する必要があるのは、各サテライトのボタンのみとなっている

 「すすめ!スゴロケッツ」は平置きされた52インチのフルハイビジョン液晶を囲んで楽しむ、スゴロク型のメダルゲーム。パステルカラーのポップなキャラクター達と、ボタンを押すだけの単純なミニゲームを20種類以上用意しており、カップルから親子連れまで誰でも楽しむことができる。

 プレーヤー同士が同じマスに止まり、ミニゲームで息の合ったプレイをするとメダル獲得チャンスとなる「ドキドキハートチャンス」など、スゴロクならではのボーナスゲームもあり、自分だけではなくほかのプレーヤーの動きも気になりそうだ。2010年2月発売予定。


(C) SEGA

● その他の主な出展タイトル

【UFO CATHCER DOUBLE】【ヒートアップホッケー イマージュ】
2つのUFOメカを操作してプライズゲットを狙う、「UFO」キャッチャーシリーズの最新作。左右のUFOのアームを付け替えることで、大きなプライズを2つのUFOを使って狙うなど、これまでにない楽しみ方ができる。今冬稼動予定フィールド上に上部プロジェクターから映像を投影するエアホッケーゲーム。投影される映像はスコアや残り時間のほか、ゴールを1回だけ守ってくれるブロックや、左右の端に表示されるターゲットにパックを当てることでステージが変化し、取得できるスコアが倍になったり、ダミーパックが表示されるなど、プロジェクターを生かしたギミックが豊富に用意されている。それでありながら、基本的なゲーム性はエアホッケーのため、誰でもすぐに慣れ親しめる点が秀逸といえる。稼動時期未定
【Tetris THE GRAND MASTER4 THE MASTERS OF ROUND.】【TYPHOON】
「優しさ」がテーマという「Tetris THE GRAND MASTER」シリーズの最新作。今までの無機質な背景から四季をテーマにしたものに変更し、イメージを一新。すべてのテトリス力が試される最高難易度の“Rounds”モードや、時間内に大きなブロックを消していく“Konoha”など、プレーヤーの力量が貯めされる新モードも搭載している。稼働時期未定2人乗りで寝転がりながら搭乗し、画面の動きに合わせてシートが可動したり、風が送られるといった体験ができる、ゲームというよりはアトラクション型のタイトル。海外向けの参考出展

「Tetris THE GRAND MASTER4 THE MASTERS OF ROUND.」
Tetris (R) & (C) 1985~2009 Tetris Holding, LLC.
Tetris logo, Tetris theme song and Tetriminos are trademarks of Tetris Holding, LLC.
Licensed to The Tetris Company.
Game Design by Alexey Pajitnov.
Logo Design by Roger Dean.
All Rights Reserved.
Sub-licensed to ARIKA CO.,LTD.
「その他」
(C) SEGA



■ バンダイナムコゲームスブース

 会場を入口から見て右奥に位置するのがバンダイナムコゲームスのブース。ブース中央のステージでは、新作の体感型バトルパーティゲーム「TANK!TANK!TANK!」を大型モニタを使ってアピール。ほかには、「太鼓の達人13」や「湾岸ミッドナイト マキシマムチューン3DX」といったシリーズタイトルや、「海物語 ラッキーマリンシアター」などのメダルゲーム機、データカードダスコーナーなどが用意されていた。

 個人的には、版権ものタイトルで押してきていたここ数年とは異なり、オリジナルタイトルを主力に持ってきていることが印象に残った。

 


● 体感型バトルパーティゲーム TANK!TANK!TANK!

武器の発射に合わせて動くシートの様子は順番待ちの間にも確認できるほど。また、縦型モニターの採用により、大きな建物や巨大なボスの全景を見ることが可能となっている

 「TANK!TANK!TANK!」は、戦車を操作して建物やモンスターなどを撃ちまくる、4人まで同時プレイ可能な体感型バトルパーティゲーム。自分撮り用のカメラがセットされており、撮影した画像がタンクの上に表示される。ナムコ時代の「ガンメンウォーズ」を思い起こさせる(フレームも選ぶことができる)。ゲームモードは、全員で協力して戦う「みんなで巨大な敵と戦う」モードと、プレーヤー同士のバトルロイヤル「みんな敵同士で戦う」モード、2名ずつのチームに分かれて対戦する「みんなでチームに分かれて戦う」モードの3種類が用意されていた。

 本作で特徴的なのは、筐体に用意された空圧可動と重低音ウーハーにより、射撃時にはシートとハンドルがダイナミックに振動し、戦車ならではの大迫力の射撃を体感できること。この迫力は体感してみないとわからないため、会場に足を運べる人は、ぜひ1度体験してみてもらいたい。

 今回プレイした「みんなで巨大な敵と戦う」では、次々と現われるクモモンスターを倒していき、最後には巨大なボスとプレーヤー同士が助け合いながらプレイするという内容。

 基本的な操作は、ハンドルによる左右の旋回とボタンによる射撃、フットペダルによる前進と後退のみという簡単なもので、会場でプレイしている人達もすぐに慣れることができたようだ。また、ダメージを受けて戦車が爆発してしまった場合でも、一定時間後に復活することができるため、難しいことを考えずに、とにかく撃ちまくる爽快感を楽しむことができた。また、従来とは異なり、縦長のモニターに映る巨大なボスキャラは迫力が感じられる。

 プレイ中は、ステージ上のアイテムを拾うことで、マシンガンや多弾ミサイルなどの武器を使用することができるほか、ボスに捕まった仲間をみんなで助ける場面があるなど、単純なだけではないゲーム性も用意されている。巨大ミサイルの迫力は1度体験してみてほしい。

 ルールとしては時間制なので、何度やられても復活できるのだが、ステージが進むごとに敵が強力になっていき、成績次第で先にさらに進むことができる分、最後は時間切れでゲームオーバーになることも……。クモの次はレッドドラゴン、そして成績が銀メダル以上だとビルロボ軍団と戦うことになっていた。

 ネットワークにも対応し、全国・都道府県別に「破壊総額ランキング」を毎日集計するほか、新たな敵キャラクター、新ステージ、変装用フレームなどの配信も用意されている。時折行なわれていたイベントでは、新しいステージとしてコンビナート、ボスとしては巨大なタコが紹介されていた。

(C)2009 NAMCO BANDAI Games Inc.

【太鼓の達人13】【H2 OVERDRIVE】【デッドストームパイレーツ】
国民的音楽ゲーム「太鼓の達人」の最新バージョン。誰でも知っているJ-POPやアニメソングが多数追加されるほか、ジャンルごとの選択が可能になるようだ(C)2000-2009 NAMCO BANDAI Games Inc.ボートを題材にした水上のレースゲーム。コース上にあるブーストアイテムを取得することで、ブーストが可能に。ブースト中にスロットルレバーを引くことでハイパージャンプが可能。ジャンプ台を使ってハイパージャンプすると、トリックを決めることもできる。海外向け参考出展タイトル(C)2009 NAMCO BANDAI Games Inc.プレイできなかったため詳細は不明だが、海賊となって大砲や銃を発射していく個室型のガンシューティングゲーム。参考出展


■ ケイブブース ~デススマイルズII~

 今年のケイブブースは、出展タイトルはAOUショーとほぼ同じ。ただし、そこは来場者に少しでも楽しんでもらおうと心を砕くケイブらしい配慮がなされており、「デススマイルズII」展、「BTOOOM!」展などのイラスト展やコラボ企画小冊子を設置。

 また、出展タイトルをプレイした来場者には、キャラカード(「デススマイルズII」計7種類)、ガイコツペンダント(「パイレーツオブがっぽり」または「ウハウハ大奥」)、ピカピカ金魚(「お祭りやさん」シリーズ)がそれぞれプレゼントされていた。一般公開日には相当な混雑が予想されるため、欲しい人は早めに同社ブースを訪れたほうがいいだろう。

 1番人気の「デススマイルズII」は“最終バージョン登場!”と銘打ち、新キャラクタ「レイ」が使用可能になっていた。パッと見は可愛い女の子だが、途中のデモシーンでスーピィの兄であることが判明。一昔前なら期待していた人たちが肩を落す姿が見られたのだろうが、色々な分野でコアユーザーの趣味が多様化している昨今、さらにテンションが高まり一気にみなぎっている人たちも多い……のかもしれない。ちなみに、当然といえば当然だが、ブースを訪れる人たちの大半はレイを選択。性能の違いを、ファン同士で色々話し合っている姿もチラホラ見受けられた。

 筆者の印象としては、最後に登場したキャラクタだけあって火力などはなかなかのもの。ロック範囲も広く使いやすく、これから本作を始めたい人にもおすすめできる性能といえそうだ。


1番人気は、やはりレイ。一方、お気に入りのキャラで最終バージョンの違いを確認している人の姿もチラホラ見受けられた

ケイブブースといえば、体験プレイしてくれた人への感謝の気持ちのお土産。決して贅沢なものではないが、その心遣いが嬉しい


(C)2009 CAVE CO.,LTD.



■ AQインタラクティブブース ~みんなでダービー~

 同社ブースの目玉は、新感覚メダルゲーム「みんなでダービー」。最大6人までの同時プレイが可能。全員がひとつの画面を見ながら、馬券ダイヤルで単勝、馬連にカンタンかつ素早く投票できる。

 中央画面は、競馬場全体を上から見下ろしたジオラマビジョンを採用。馬のグラフィックスは、やたらひょろ長いやつ、丸々と太ったやつ、ポニーみたいに小さくてカワイイやつなど、リアル路線とはまた違ったファンシーさが特徴。名前も「ザンギョウパパ」など、コミカルなものばかり。その一方で、レースシミュレーションエンジンは本格的なものを搭載。高度なAIにより本物に限りない近い加速度、スピード変化、自然な競争ラインを実現しているという。

 面白いのは、レース中は馬券ダイヤルが「ルーレット」に変わること。好きなときにクルクルと回転させ、ボタンを押して止めるとランダムで馬にアイテムが与えられる。投票した馬に必ずいくとは限らないが、ただボーッと見ているだけではなく「何か能動的に働きかけたい」と思っていたユーザーには好評を博しそうなシステムだ。12月稼働予定。


タイトルどおり、幅広い層に人気が出そうなメダルゲーム。ルーレットでひいきの馬にアイテムが与えられたときは思わずガッツポーズが出る


(C)AQ INTERACTIVE inc. All Rights Resereved.

(2009年 9月 18日)

[Reported by 豊臣和孝]