Electronic Entertainment Expo 2009現地レポート

Nintendo of Americaブースレポート ニンテンドーDS編

「ゼルダの伝説 大地の汽笛」に3年ぶりのE3名物行列


6月2日~4日(現地時間) 開催

会場:Los Angeles Convention Center



ブース外周のE3名物行列も3年ぶりに復活

 3年ぶりに大規模なショウに戻ったE3 2009では、Nintendo of Americaも3年前と同様に巨大なブースを構えた。Wiiは据え置き機の中でも特に場所を取ることもあって、大半のスペースはWii用ソフトに使われていたが、タイトル数でいえばニンテンドーDSのソフトも負けてはいない。

 特に今回人気だったのは、北米では圧倒的な人気を誇るDS「ゼルダ」シリーズの最新作、「The Legend of Zelda: Spirit Tracks(ゼルダの伝説 大地の汽笛)」だった。「ゼルダ」が出ると大行列ができる、というのはE3の名物ともいえる光景で、今年も開場後から早速長い列ができていた。とはいえ、今年はトレードショウとして来場者をきちんと制限していることもあってか、例年のような数時間待ちという状況はなく、確認できた範囲では長くて1時間程度だった(それでも他のタイトルと比べれば圧倒的に長いが)。

 本稿では同社ブースの出展タイトルから、「ゼルダの伝説 大地の汽笛」を始めとした日本未発売のDS用ソフトのプレイレポートをお届けする。なお、スクリーンショットはこちら、ムービーはこちらこちらに掲載しているので、合わせてご覧いただきたい。




■ リンクとファントムの同時操作で謎を解き、敵を倒す!「ゼルダの伝説 大地の汽笛」

 前作「ゼルダの伝説 夢幻の砂時計」と同じく、デフォルメされたリンクを主人公としたゲーム。操作方法もタッチペンを使ったもので、タッチスクリーンをタッチした方向にリンクが移動するという仕組み。前作の経験者であれば特に迷うことなくゲームを始められる。

 E3バージョンでは、地上(汽車)、ダンジョン、ボス戦の3つから1つを選んでプレイできた。汽車も気になるところではあるが、やはりファントムの存在によってダンジョン攻略がどう変わったかの興味のほうが強く、こちらを試してみることにした。

 ダンジョンのゲームを始めると、横にファントムが立っており、一通りの操作解説が表示された。ファントムを動かすには、ファントムの中心に描かれた丸いポイントをタッチし、そのまま行きたい方向に線を書くように画面をなぞる。線を丸く書いたり、Uターンするように書くと、その軌跡に沿ってファントムが動き出す。線の最終到達点に移動するまで自動で動き続け、到達するとその場に停止する。

 ファントムは今回触った範囲では無敵の存在になっていた。この特性を活かして、リンクには通れない炎の壁を歩いて通過し、その先にあった仕掛けを動かして炎を消したり、壁から吹き出る火を体で受け止めてリンクを進ませたり、溶岩の中に入ってリンクを頭に乗せて移動したりと、謎解きにも大いに関係してくる。ほかにも、ファントムが自動で動き続ける特性を利用し、ファントムとリンクが同時に触ると開く仕掛けなどもあった(DSのタッチスクリーンは1カ所しか認識しないため、先にファントムの動きを設定してから、タイミングを合わせてリンクを動かす)。

 さらにファントムは戦闘もできる。移動と同様に線を描き、最終到達点にモンスターを指定すると、そのモンスターを自動的に攻撃する。もちろんリンクが直接攻撃しても構わないのだが、このダンジョンには近づくと電気を発するモンスターがおり、リンクは痺れさせられて歯が立たない。そこでファントムに攻撃させると、電気をものともせず倒してくれた。

 「もうファントムだけで行けばいいじゃない」と言いたくなるような強さだが、動きはリンクよりかなり鈍重で、ファントムだけを操作してリンクを守りきるような戦い方は難しそうだ。逆にファントムとリンクが同時に動いているのを見ると、それだけで自分の操作に惚れ惚れするような達成感がある。同時操作は簡単ではないし、一朝一夕にはいかないとは思うが、アクション好きの人には特にオススメしたいシステムになったと感じた。

 北米では2009年のホリデーシーズンに発売予定。価格は未定。


ファントムが体を張ってリンクを手助けしてくれる。謎解きの要素にも深く絡んでくる頼もしい味方だが、指示を出さない限りは動かないので注意



■ 「黄金の太陽」シリーズが6年ぶりに登場。「Golden Sun DS」

 ゲームボーイアドバンスで2作品が発売されたRPG「黄金の太陽」シリーズが、6年ぶりに新作の「Golden Sun DS」となって復活した。北米では2010年発売予定とされているが、日本での発売は今のところ発表されていない。

 会場に置かれていたデモ機では、フィールドを少しだけ操作できた。タッチペンで触った方向にキャラクターが動くという直感的な操作になっている。グラフィックスは俯瞰視点だが、地形は3Dで描かれており、シーンによって視点が随時上下左右に動いていた。実際に操作できたのはほんの数十秒だが、その短時間でもカメラワークへのこだわりが感じられた。

 その後は戦闘のデモを実機処理で見せるという内容。操作はできなかったが、数種類の召喚の様子を連続で流しており、上下の画面をフルに使った派手な3Dグラフィックスが見られた。ゲーム内容について詳しく触れるものではなく、3Dグラフィックスの技術力と日本人らしいセンスを見せたという印象だ。日本での発表を待ちたい。


フィールドを歩いているだけでも、頻繁にカメラ位置が変わる。3Dをうまく使い、1番綺麗に見える角度を考えているのがわかる
召喚の映像も、上下画面をフルに使った派手なものになっている



■ ステージを作って遊んでアップロード。「Mario vs. Donkey Kong: Minis March Again」

 DS用「マリオvs.ドンキーコング2 ミニミニ大行進」に続くアクションパズルゲーム。ただしこちらはパッケージソフトではなく、DSiウェアとしてダウンロード販売される。北米での配信日は6月8日で、価格は800ニンテンドーDSiポイント。

 直進、停止、ジャンプの3種類しか行動できない「ミニマリオ」をゴールに導くというゲームシステムは前作と同様。タッチして取り外しできるブロックや上下左右などに動く仕掛けを駆使して、より多くのミニマリオをゴールに導くには、より効率的な操作手順と、正確な操作が求められる。本作には新たなステージが用意されており、これ単体でも十分遊べるものになっている。

 しかし本作の最大のウリはステージエディット機能にある。簡単なインターフェイスとタッチペン操作だけで、自由にステージを作成できる。ステージ作成が終わるとテストプレイが始まり、無事にクリアまで到達できるとデータがアップロードされ、他のプレーヤーにも公開できる。

 まだ配信前なので他のプレーヤーが作ったデータは見られなかったが、収録されているデータ量以上に遊べることは間違いないだけに、長く楽しみたい人には特にオススメ。自分でステージを作りたいという人には、前作より自由度が高まったエディット機能を安価に入手できるのが魅力といえる。


単純にゲームとして遊べるのはもちろん、エディット機能もすぐに利用できる

(2009年 6月 5日)

[Reported by 石田賀津男]