マイクロソフト、「Xbox LIVE マルチプレイ体験会」を開催
「HAWX」、「PURE」、「バイオニック・コマンドー」の対戦プレイを紹介

5月23日開催

会場:マイクロソフト本社ビル


 マイクロソフト株式会社は、ゲームメディアやコミュニティリーダーを対象にした新規タイトルを含む3タイトルの体験会を、5月23日、東京・代田橋にあるマイクロソフト本社オフィスビルのプレイルームにて開催した。

 「Xbox LIVE マルチプレイ体験会」と題されたこのイベントは、50人ほどのメディア関係者および事前登録したXbox 360ユーザーコミュニティのプレーヤー達が集まって新作を体験するという半クローズドイベント。

 今回体験できたタイトルは、ユービーアイソフトより4月24日に発売された「Tom Clancy's H.A.W.X(以下、『HAWX』)」、ディズニー・インタラクティブ・スタジオより6月25日発売予定の「エクストリーム・レーシング PURE」、カプコンより6月25日発売予定の「バイオニック・コマンドー」の3タイトルだ。特に後者の2タイトルは未発売のタイトルということもあり、フリープレイが可能な試遊台で注意深くプレイする人々の姿を見ることができた。本稿では、体験会の模様を通じて、これらの新作がどのようなゲームに仕上がっているかをお伝えしたい。



■ 経験者の強さが際立った「HAWX」の8人チーム戦。GAME Watchチームが見事読者プレをゲット!

「HAWX」の紹介を行なったユービーアイソフトの福井蘭子氏
対戦ルールは8人でのチームデスマッチ。三次元空間を駆使した位置取りが勝利の鍵だ

 本イベントの趣旨は、お題となる「HAWX」、「PURE」、「バイオニック・コマンドー」の3作品で対戦を楽しみながら、この日1番のプレーヤーを決めようというもの。そのため今回プレイできたゲームのパートは、それぞれの作品のマルチプレイモードだ。

 最初に対戦が行なわれたのは、ユービーアイソフトより4月24日に発売された「Tom Clancy's H.A.W.X」。戦闘機を駆ってハイスピードな空中戦を楽しむ作品だ。本作については既に弊紙でレビュー記事をお届けしているので、多くの解説は必要ないだろう。

 タイトル紹介のためにマイクを取ったユービーアイソフトのPR担当 福井蘭子氏は 先日相次いでリリースされた追加機体のDLC「ヨーロピアンアサルトパック」、「USイーグルパック」、「ロシアンファルコンパック」について解説した。これらを全て導入すると、ゲームで利用できる機体数は全部で67種類にも上るという。

 さて、メディア部門、ユーザー部門と分かれて行なわれた対戦会では、本作が既に発売済みのタイトルということもあり、やはり既にプレイ済みの経験者の強さが目立った。対戦ルールとしては「チームデスマッチモード」を8人でプレイし、勝利したチームが勝ち抜け、さらにスコアで最高位にあるプレーヤーが個人優勝というもの。対戦時間は5分と短かかったのだが、経験者が次々に撃墜スコアを上げる一方、今日始めてプレイするという人々は1機も撃墜できずに終わるという、空中戦モノならではの大きな差が現われていた。

 ちなみに、メディア部門でエントリーした筆者は、ひたすらアウトレンジからの多目標対空ミサイル攻撃を続け、撃墜数6、スコア725点でなんとか1位を獲得。優勝賞品としてスペシャルカラーのXbox 360ワイヤレスコントローラーを獲得したので、読者プレゼントとしてご提供しよう。詳細は弊紙トップページからアクセスできるプレゼントコーナーをご覧頂きたい。

空中戦のゲームの例に漏れず、本作では空間把握と適切な戦術が重要。対戦では経験者と未経験者の差が露骨に表れるゲームである。スピーディで迫力のある空中戦は、短い時間でも十分に楽しめる内容だった。優勝賞品としてスペシャルカラーのコントローラを獲得できたので、弊紙プレゼントコーナーをチェックしてみて欲しい

4月24日の発売後、3種類の追加機体DLCが相次いでリリースされている。本作をお持ちの方は是非ダウンロードしてお気に入りの期待を見つけてみよう



■ 皆が初体験の「エクストリーム・レーシング -PURE-」で16人対戦! 爽快感抜群の「空中トリック」で差をつけろ

タイトル紹介を行なったディズニー・インタラクティブ・スタジオの谷口法之氏
大ジャンプして高難度のトリックを決める。ダイナミックな動きは爽快感たっぷりだ

 続いて対戦が行なわれたのは、6月25日にディズニー・インタラクティブ・スタジオから発売予定のレースゲーム、「エクストリーム・レーシング -PURE-」だ。本作は小型4人バギー「ATV(All Terrain Vehicle)」という乗り物を使ったレースゲームで、高低差の激しいオフロードトラックで走行タイムや「トリック」のスコアを競うという作品だ。

 対戦モードとしては、完走タイムで順位を決める「レース」、短距離のテクニカルなサーキットで競争する「スプリント」、トリックのスコアを競う「フリースタイル」がある。この中で本作の独自色が強く出るのは「フリースタイル」で、滞空時間が何秒にもなる大ジャンプ中に、いかに難しいトリックを決めるか、また、失敗することなく連続でトリックを決める「コンボ」でスコアを稼ぐことが勝負どころとなっている。

 メディア部門の対戦はこの「フリースタイル」モードが用いられた。ハイスコアの空中トリックを出すためにはジャンプ時の滞空時間をできるだけ長くする必要があるのだが、そのためには、ジャンプの直前に左スティックをタイミングよく下、上と入力する「プリロード」という操作を行なう必要がある。そして空中に居る間、A、B、Yボタンで繰り出されるトリックをうまく選択して繰り出すわけだ。

 トリックの難度はAボタンが1番簡単で、Yボタンが最も難しくなっている。難しいトリックは長い滞空時間が必要なので、スコアを稼ごうと無理に難しいトリックを繰り出すと、滞空時間が足りずクラッシュすることになる。ミスをすれば「コンボ」スコアの累積が途切れてしまうので、地形と「プリロード」の操作をうまく生かしてどのトリックを繰り出すかを瞬時に考え、確実に成功させる必要がある。非常にテクニカルなゲーム性だ。そして、本作に初めて挑戦した筆者は、惜しくも2位に終わってしまった。賞品がゲットできず残念である。

16人対戦を楽しむ会場の様子。レースゲームということで、初めてのプレーヤーでもなかなか良い走りを見せていた

 続いて行なわれたユーザー部門の対戦では、「レース」モードを用いた16人対戦が展開した。「レースモード」でもトリックの存在は重要だ。トリックを決める毎に画面右下にあるブーストゲージが溜まっていき、これを使うことで加速したり、より高度なトリックを決めることが可能になる。ブーストによる加速は相手に差をつけたり、遅れを取り戻したりするために絶大な効果を持つため、常にトリックのチャンスを狙うことになるのだ。

 特筆しておきたいのは、レースゲームとしても大きめの人数である16人で、非常にスムーズに対戦が進行していたことだ。ネットワーク経由特有のラグめいた動きや、ワープするような現象は一切無く、プレーヤー同士の衝突も違和感無く処理されていた。これは対戦ゲームとしての基本的なクオリティが高いことを意味し、本作が非常に丁寧に作られていることを印象付けられた。

 本作「エクストリーム・レーシング -PURE-」は6月25日に発売予定。価格は7,329円、CEROレーティングはA(全年齢対象)となっている。それに先立ち、5月25日よりXbox LIVE上で体験版の配信が開始される。丁寧に作りこまれた爽快感抜群のレースゲームとなっているので、1度試してみるといいだろう。

簡単なものから難しいものまで、空中トリックは多種多様。滞空時間を瞬時に判断し、最もスコアが高くなるトリックを選択する必要があって、非常にテクニカルなゲーム性だ

「レース」、「スプリント」、「フリースタイル」の3ゲームモードでは、それぞれまったく異なったルールでの対戦が楽しめる。オンラインでの16人対戦がストレスなくプレイできるので、テクニックを磨くもよし、ストレス解消に大ジャンプを狙うもよし、なかなか楽しめそうなタイトルだ



■ ゲーマーの血が騒ぐ手ごたえ! 「ヒットラーの復活」のDNAを完全継承した「バイオニック・コマンドー」

タイトルの紹介を行なったカプコンのベン・ジャッド氏。自身もオリジナル「BIONIC COMMANDO」のファンだという
ワイヤーを使って移動や攻撃を行なうというユニークなゲームだ
対戦モードでは、スウィングを使ったアクションが多様な駆け引きを生み出す

 最後のタイトルは、カプコンから6月25日に発売予定のスウィングアクション「バイオニック・コマンドー」だ。本作は往年のゲーマーから傑作と称される1989年発売のファミコン用ゲーム「ヒットラーの復活」のリメイク作品だ。同作は海外で「BIONIC COMMANDO」として知られており、ユニークなアクション性が高く評価され、ハードコアなゲーマーを中心に人気を集めた。その経緯もあってか、本作の開発はカプコンと海外のゲームスタジオGRINが共同して行なってきた。

 国内でじっくり本作をプレイできる機会は初のことで、自由にプレイできる試遊台を使って、興味深くプレイする人々の姿が見られた。主人公の左腕から放たれる「ワイヤー」を使い、「スウィング」して空中を大ジャンプするというユニークなゲーム性は「ヒットラーの復活」のテイストそのまま。ワイヤーをリリースするタイミングが非常にシビアで、慣れるのに時間が掛かってしまうのが難点だろうか。

 カプコンの大阪スタジオでプロデューサーを務めるベン・ジャッド氏は、関西弁交じりの軽妙なトークで本作の特徴、面白さのポイントを紹介した。自身も「ヒットラーの復活」のファンであり、3Dゲーム化にあたり、オリジナルの持つ様々な要素を忠実に表現しようと努力したそうだ。またマルチプレイモードについては「スウィング要素が駆け引きにつながり、本当に面白いものに仕上がりました」と、大きな自信を覗かせた。

 さて、本作のオンライン対戦モードはFPSライクに「デスマッチ」、「チームデスマッチ」といったモードが用意されている。最大対戦人数は同時8名で、今回の対戦会では、「デスマッチ」モードでの8人対戦が繰り広げられた。対戦の基本ルールは、マップ中に置かれた武器やアーマーといったアイテムを拾いつつ対戦相手を撃破するというもので、同じカプコンの「ロスト プラネット」シリーズに近い部分もある。だが、主人公のバイオニック・アームから放たれるワイヤーとスウィングアクションの存在が、本作のプレイをまったく異なったものにしている。

 ワイヤーは20メートルほどの長さがあり、高いところに上ったり、ジャンプ中に別方向の壁に取り付いたりと、移動のアクションで活躍する。対専用のマップもスウィングアクションを強く意識した構成で、非常に立体的だ。またそれだけでなく、ワイヤーを敵に引っ掛けとび蹴りを食らわせるという強力な攻撃方法もあって、単なる撃ち合いに終止することなく、非常に駆け引きの要素が強いゲーム性だ。

 ワイヤーにより複雑なアクションや攻撃が可能になっていることで、本作の操作も非常に難しいものになっている。対戦会で上位をとった参加者は、事前に試遊台でしっかり練習していた人が多かったようで、それでも本作のアクションを完全に使いこなせているとは言えない様子だった。やはり慣れないうちは、地面を普通に歩いての撃ち合いが多くなってくる。そこでうまくワイヤーを使って攻撃を回避したり、有利な位置を取れるかどうかが、さらに差をつけるためのポイントになると感じられた。

 実際にプレイしての感想としては、決して簡単なゲームではないが、それだけに、やり込んで全てのアクションを使いこなせるようになれば、大きな達成感を得られそうだ。その意味で本作はハードコアゲーマー寄りで、近年主流になっている、誰でも簡単にプレイできるゲームとは真逆の存在と言えるかもしれない。

 本作「バイオニック・コマンドー」は6月25日に発売予定。価格は7,340円、CEROレーティングはD(17歳以上対象)となっている。非常にやり応えのありそうなゲームになっているので、腕に自信のあるプレーヤーは是非本作に挑戦してみて欲しい。

本作の対戦は、武器の選択、位置取り、スウィングを使った立体的な立ちまわりなど、非常に作戦の幅が広くなっている。6月25日の発売後、オンラインプレイが盛り上がりそうだ

オリジナル版から20年の時を経てリメイクされた本作「バイオニック・コマンドー」。前作のテイストを受け継いだという、シングルプレーヤーモードがどのような内容になるかも非常に楽しみだ



(2009年 5月 25日)

[Reported by 佐藤カフジ]