EA、新作「BATTLEFIELD: BAD COMPANY 2」と「BATTLEFIELD 1943」のお披露目会を開催
「BFBC2」は2010年春、「BF1943」は2009年夏頃のリリースを予定


【BATTLEFIELD: BAD COMPANY 2】
2010年春 発売予定
価格:未定

【BATTLEFIELD 1943】
2009年 夏 発売予定
価格:未定


タイトルの紹介を行なった、バトルフィールドシリーズの実行プロデューサーKarl-Magnus Troedsson氏
 サンフランシスコで行なわれたGame Developers Conference 2009の会期3日目の3月25日、米Electronic Arts(EA)は、2009年の新規タイトル「BATTLEFIELD: BAD COMPANY 2(BFBC2)」と「BATTLEFIELD 1943(BF1943)」に関するプライベートメディアカンファレンスをGDC会場付近のバーにて開催した。

 

 両タイトルはいずれも、EAの主要フランチャイズである「バトルフィールド」シリーズの最新作で、発売時期は「BFBC2」が2010年春頃、「BF1943」が2009年の夏頃を予定。対応プラットフォームはプレイステーション 3、Xbox 360、PCと発表されている。日本語版については、日本法人のエレクトロニック・アーツによればまだ未定であるものの、看板シリーズである「バトルフィールド」ということもあり、しっかりとした国内販売が行なわれることを期待して良さそうだ。

 今回行なわれた新作披露会のポイントは、「BFBC2」の実機映像を実際に見ることができたことと、「BF1943」に関しては試遊台が設置されており、コントローラを手に持って実際にプレイできたことだ。両タイトルの発表自体は今年2月に行なわれており、その存在は既に知られていたものの、その内容を実際に体感することができたのは初めてのことだ。

「BFBC2」のデモプレイを披露した、同作シニアプロデューサーのPatrick Bach氏会場となったバーには、氷で作られた戦車のディスプレイも。ゲームエンジン「Frostbite」にちなんだカクテルも振る舞われていた会場に飾られていた「BF1943」のイメージ画像。初代作への懐かしさを想起させるためか、いかにもな雰囲気で日本軍がフィーチャーされていた



■ 大迫力の破壊表現に磨きを掛けてパワーアップする「BATTLEFIELD: BAD COMPANY 2」

「BATTLEFIELD BAD COMPANY 2」のイメージ映像。今回の舞台は雪に包まれた山間部?
プレイデモでは戦闘ヘリとの激しい戦いを見ることもできた
今回の建物は、爆撃などの強い衝撃で骨組みまで破壊されてしまう。中に籠もっていれば安心、という時代は終わったようだ

 今回のイベントの目玉はやはり「BATTLEFIELD BAD COMPANY 2」の実機映像を見ることができたことだ。プレイデモではシニアプロデューサーのPatrick Bach氏が登場し、「BFBC2」の序盤のステージと思われる雪山の戦場の一部始終を見せてくれた。残念ながら会場内での画面撮影は禁止されていたため、ここでその映像をそのままご紹介することはできないが、昨年夏に発売された人気作「BATTLEFIELD: BAD COMPANY」から何が変わり、何が変わらないのかをお伝えしよう。

 まず、変わらない部分はその作風だ。デモプレイの模様を見る限りでは、前作と同じく主人公プレストン・マーロウを始め、レッドフォード隊長、お調子者のスウィートウォーター、爆発マニアのハガードの4人が、第222大隊「バッド・カンパニー」の一員として地獄のような前線で暴れ回るという内容のようだ。

 そして変化した部分として最も強烈だったのは、前作でもウリとなっていた建物などの「破壊表現」に、さらに磨きが掛かっていたことだ。前作では建物の壁がリアルに破壊されていく表現が見物だったが、骨組みまでは破壊されないというのが不自然で、弱点と呼べる部分だった。そこが今作の建物は、建物の骨組み、床、基礎部分まで完全に破壊できる。

 プレイデモでは、激しい戦闘の最中、航空機による爆撃支援を要請して、敵兵が籠もる建物を跡形もなく木っ端微塵に破壊するシーンを見ることができた。破壊の跡には物理処理された柱や瓦礫が転がり、廃墟どころか完全に焦土と化す。ハイ・ダイナミック・レンジ・オーディオ技術を駆使した大迫力のサウンドと相まって、素晴らしい臨場感だ。

 また「BFBC2」は、前作にも増して戦場の演出が洗練されているという印象を受けた。デモプレイで見た範囲では、まず雪山の中にある寒村で敵歩兵との大激戦を繰り広げ、次いで歩兵輸送車に乗り込み、今度は目まぐるしいカーチェイスが始まる。

 ここで運転は別の者に変わり、主人公は車両の後部銃座に座ってひたすら敵の迎撃に専念。はじめは敵の戦闘車両を次々に破壊して撃退していくのだが、次第に敵の圧力は増し、ついに戦闘ヘリとのチェイスになる。主人公の鼻先まで接近して攻撃をかけてくる戦闘ヘリを相手に、くねくねと曲がる山道を高速で疾走しながグレネード砲で応戦。遠い山を眺められるほど遠方まで描写された背景と、高速で流れていく山道のコントラストが美しい。そんな風景の中で数分間の激戦を繰り広げた後、ついにヘリを撃墜し、ようやく一息。「映画的な演出」ではあるが、ゲームだからこそ可能な迫力を持つシーンの連続である。

 今回のデモプレイではマルチプレイについての言及はなかったが、基本的スペックとしては最大24人対戦となっており、数字上は前作と同じ水準を実現している。とはいえ、今回はさらに強化された破壊表現により、建物が基礎部分まで完全に崩壊するというシステムが組み込まれているため、前作とはまた違った展開や戦法が可能になることだろう。

 本作「BATTLEFIELD: BAD COMPANY 2」の発売時期は、公式な情報によれば来年、2010年の春と予定されている。今後、5月末に米国で開催されるE3(Electronic Entertainment Expo)などの機会に、さらなる情報が公開されてくるはずなので、シリーズのファンの方々は続報を楽しみに待っていて欲しい。


 

■ Frostbite版「BF1942」の「BATTLEFIELD 1943」はダウンロード販売でお安く提供

「BATTLEFIELD 1943」。初代作「BF1942」のほぼ完全なリメイク作品で、今夏にオンライン配信される予定
「Frostbite」エンジンのパワーにより破壊表現が向上。それに伴って爆撃機の威力が増したようだ

 本作「BATTLEFIELD 1943」は、その名が期待させるとおり、2002年に発売された「バトルフィールド」シリーズのデビュー作「BATTLEFIELD 1942」と関連が深い作品だ。一言で言うと、EA DICEスタジオの最新ゲームエンジン「Frostbite」で作られたリメイク作である。

 「BF1943」は、初代作「BF1942」の感覚をそのままそっくり、最新世代の技術で再現することを試みた作品で、グラフィックス、サウンド、キャラクターモーションなどは現代風に作り替えられているものの、ゲームルールやプレイフィールはまさしく「BF1942」のものだ。対戦専用であり、登場陣営は日本軍とアメリカ軍。1943年の太平洋を舞台に、「ウェーキ」や「硫黄島」といったマップで陣取り合戦を繰り広げる。

 初代作との大きな違いは、砲撃や爆撃により木々がなぎ倒され、戦場の風景がダイナミックに変化していくところである。建物の破壊は組み込まれていないが、これは「拠点を占領して維持する」というゲームルール上の影響を考えてのことだろう。航空兵器に拡張が見られ、爆撃機を使えば大量の爆弾を一気にばらまく、いわゆる絨毯爆撃も可能なようだ。

 今回の披露会では、本作の試遊台が複数台設置されており、実際にプレイすることができた。プレーヤーが使用できるクラスは3つに分類されていて初代作より単純になっているが、倒した敵兵の装備をぶんどってクラス替えをする要素もあり、ダイナミックに楽しめそう。また初代「BF1942」と同じく、艦艇や戦車からの砲撃は強烈で、直撃しなくても1発で倒されてしまう威力。そのため出撃→再出撃のサイクルは非常に目まぐるしく、まさにあのプレイ感覚が蘇ってきたと言える。

 さすがに最新技術を使った映像表現は「BATTLEFIELD: BAD COMPANY」にも見劣りすることのない迫力で、これだけでも「BATTLEFIELD」ファンは満足できそうだ。ちなみに本作は当然ながらマルチプレイ専用で、搭載マップとしては対応プラットフォームはPC、プレイステーション3、Xbox 360。PC以外のバージョンにおける同時参加人数は24名までとなっている。

 また特に注目したい点は、本作の提供形態がダウンロード配信のみになることだ。PCではEA STOREによるDL販売、プレイステーション 3ではPlayStation Network、Xbox 360ではXbox LIVE Arcadeでの販売になる。価格については公表されなかったものの、来年初頭に「BATTLEFIELD:BAD COMPANY 2」を提供するまでの間、多くの人に「BATTLEFIELD」の世界を楽しんでもらいたい、という戦略的意向から、一般的なダウンロード配信型ゲームと同水準の安価な値付けがされる模様だ。

 なお、本作「BATTLEFIELD 1943」の配信開始時期は2009年の夏頃が予定されているとのことだ。初代「BATTLEFIELD 1942」で腕を鳴らしたベテランプレーヤーのみならず、「BAD COMPANY」でシリーズを知った新進気鋭のプレーヤーも、ルーツ作品が持つシンプルで楽しい対戦プレイの醍醐味を楽しんで欲しい。

「硫黄島」と思われるマップの風景。ゲームのスケール感は初代「BF1942」と全く変わらず、ほぼグラフィックスだけが進化している。いわばクラシックな面白さを現代に蘇らせようという試みだ。初代作を熱心にプレイしたベテランプレーヤーは、間違いなく本作を存分に楽しめることだろう


(2009年 4月 2日)

[Reported by 佐藤カフジ]