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これでまるっとわかる! 「Microsoft Flight Simulator」詳報

今回は英語版のみ。理想スペックはCore i7-9800X、GeForce RTX 2080、32GB! 多くのフライトスティックに初期対応

8月18日発売予定

価格:7,450円(税込)より

 Microsoftは、8月18日にグローバルローンチを予定しているフライトシミュレータ「Microsoft Flight Simulator」について、公式サイトやFAQを公開し、具体的な製品仕様を公開したので、日本向けの情報をまとめておきたい。ゲームの詳細についてはファーストインプレッションを参照いただきたい。

【Microsoft Flight Simulator - Pre-Order Launch Trailer】

 真っ先にお伝えしたいのは言語だ。新生「Flight Simulator」は、英語を基本としたグローバル版のみのリリースとなる。日本のフライトシムファンにとっては残念ながら日本語版は存在しない。これにより日本のユーザーにとってややハードルが高まってしまうのは否めない。

 言語サポートについてMicrosoftへの問い合わせの回答が返ってきたので追記しておくと、リリース時の言語は、英語に加えて、フランス語、ドイツ語、ポルトガル語の4言語をテキスト、ボイス共にサポートする。また、テキストのみの対応としてスペイン語、イタリア語、ロシア語、ポーランド語を追加で用意する可能性があるということで、肝心の日本語についてはリリース時点ではサポートされず、“需要次第”でリリース後にアップデート対応する可能性も残されているようだ。(※7月15日:言語サポートについて追記)

 次にエディションは、スタンダード(7,450円、税込)、デラックス(10,700円、税込)、プレミアムデラックス(13,100円、税込)の3種類用意される。違いは搭乗できる航空機の種類と、カスタマイズされた空港の数が異なるというもの

【各エディションの違い】

 飛行機については、リストをチェックして、乗りたい飛行機が含まれてるかで選びたい。たとえば、往年の名セスナ機Cessna 152 Aerobatやベストセラーセスナ機Cessna 172 Skyhawkはデラックスのみ。自家用機の新定番として知られるSR22や、日本でもお馴染みのボーイングの新型787-10ドリームライナーはプレミアムデラックスのみと、なかなか悩ませるチョイスとなっている。

【各エディションの収録機体】

 一方、空港も悩ましい。「Flight Simulator」には37,000の空港が収録されており、このうちスタンダードなら30、プレミアムデラックスなら40の空港が、Bingのデータを使った自動生成ではなく、“手付け”で実装される。過去の「Flight Simulator」シリーズではこれを“シーナリー”と呼び、サードパーティーが特定の空港のデータを有料で提供していたが、今作では自ら提供するというわけだ。

 選ばれた空港はいずれも海外旅行好きならピンとくる著名な空港ばかりで、我らが羽田空港やフランスのシャルル・ド・ゴール空港、ロサンゼルスのLAXなどは、スタンダードに収録されているものの、シカゴのオヘア国際空港、オランダのアムステルダム空港、エジプトのカイロ国際空港などはデラックス、英国のヒースロー国際空港、ドイツのフランクフルト空港、アラブのドバイ国際空港などはプレミアムデラックスのみと、ついついプレミアムデラックスを選びたくなる仕様となっている。

【各エディションの収録空港】

 次に製品仕様について。Xbox版(Xbox One、Xbox Series X)については引き続き開発が継続しており追って発表予定。既報のように「Flight Simulator」はXbox Game Pass for PCに対応しているが、Xbox Game Pass Ultimateユーザーは将来的にXboxとPC両方でプレイできるようになる。また、Xbox Play Anywhere対応タイトルでもあり、PC版、Xbox版、いずれかを購入すれば、両方のバージョンでセーブデータを共有する形でゲームが楽しめる。なお、ディスクでの提供はついにヨーロッパのみとなり、北米、アジアでは廃止される。

 気になるスペックについては、最低(Minimum)と推奨(Recommended)の上に理想(Ideal)という見慣れない項目が新設されている。理想環境は、CPUはCore i7-9800X/Ryzen 7 Pro 2700X、GPUはGeForce RTX 2080/Radeon VII、メモリは32GB、HDDは150GB、インターネットの帯域は50Mbpsなどとなっており、現行のほぼハイエンドに近い環境となっている。おもしろいのは帯域幅で、50Mbpsというのは、Googleが欧米で展開しているクラウドサービスStadiaの推奨帯域が25Mbpsだった。「Flight Simulator」はその倍を要求するあたり、相当タフなゲームになっていると言えそうだ。

【「Microsoft Flight Simulator」の動作環境】

 「Flight Simulator」は以前お伝えしたように2ペタバイトクラスのデータをクラウド経由で活用し、地球規模のシミュレーションを行なう“クラウドゲーム”だ。描画範囲を広げるだけで幾らでもPCスペックを消費するモンスタータイトルで、この上でグラフィックスオプション最高、4K、ハイフレームレートとPCならではのカスタマイズも可能で、現行のPCではとても処理しきれないほどのポテンシャルを持つ。理想環境は、そうしたフライトシミュレータファンの夢を叶えるために必要なスペックと言えそうだ。

【地球シミュレーション】

 そして忘れてはならないのがフライトスティックへの対応。ここに対応してくれるかどうかで、ゲームプレイがまったく変わってくる。FAQの回答は、「ほとんどの周辺機器が動作する」と満額回答。その上でThrustmasterやLogitech(Saitek)など、フライトスティックをリリースしているいくつかのメーカーの複数のスティックを推奨している。推奨リストは以下の通り。

【リアルなコクピット】
フライトスティック無しで飛ぼうとすると、ゲームの難易度は飛躍的に上がってしまう。フライトスティックはぜひ用意したいところだ

【「Flight Simulator」推奨フライトスティックリスト】
・Honeycomb Aeronautical
Honeycomb Aeronautical

・Logitech(ロジクール)
Extreme 3D Pro
Flight Rudder Pedals
Flight Throttle Quadrant
Flight Yoke System
X52
X52 Pro
X56

・Thrustmaster
F/A-18 Grip
Warthog HOTAS (stick + throttle)
MFD Cougar
Pendular Rudder
T.Flight Stick X
T.16000M (stick only)
T.16000M FCS (stick + throttle + rudder)
T.Flight HOTAS 4
T.Flight HOTAS One
T.Flight HOTAS X
T-Flight Rudder Pedals
TWCS Throttle

・Virtual Fly
Ruddo+
TQ3+
TQ6+
V3rnio TPM
Yoko+

・Microsoft
Xbox Controller
Xbox Adaptive Controller

 最後に、開発元のAsobo Studioが公開したFAQの全文の邦訳を掲載して締めくくりとしたい。「Flight Simulator」はPCゲームとしては10年に1度クラスの超弩級タイトルであり、その分検討材料も多い。発売まであと1カ月あまり、どのエディションが最適なのか、手持ちの環境で遊べるのか、じっくり検討して最良の選択を行ないたいところだ。

Q:「Microsoft Flight Simulator」はどのプラットフォームでリリースされますか?
A:PCのリリースは2020年8月18日に行なわれます。Xboxのリリースに関する詳細は、追ってお伝えする予定です。

Q:「Microsoft Flight Simulator」はSteamまたはEpic Storeでリリースされますか?
A:現時点で追加のバージョンについてお知らせできるニュースはありませんが、できるだけ多くのプラットフォームで「Microsoft Flight Simulator」を利用できるようにすることが目標です。

Q:ディスクバージョンはありますか?
A:「Microsoft Flight Simulator」の小売り向けディスクバージョンは、ヨーロッパでのみ提供されます。

Q:Xbox Game Pass for PC(ベータ)で利用できるバージョンは何ですか?
A:「Microsoft Flight Simulator」のスタンダードエディションです。

Q:Xbox OneとWindows 10 PCに個別の実績リストはありますか?
A:共通の実績リストのみで、これはプラットフォーム間で共有されます。

Q:PC版を購入した場合、Xboxがリリースされたときにプレイできますか?これはXbox Play Anywhereタイトルですか?
A:Play Anywhereは、ゲームプラットフォームを組み合わせて、XboxゲーマーがPCでデジタル購入したゲームを遊べるようにする、またはその逆でプレイできるようにする、マイクロソフトによる新しい取り組みです。Microsoft SimulatorはXPAタイトルです。

Q:Microsoft Flight Simulatorの複数のエディションが販売されていますか?
A:はい。スタンダード、プレミアム、デラックスエディションを購入できます。

Q:Xbox OneおよびWindows 10以外でプレイするには、Microsoftアカウントにサインインする必要がありますか?
A:はい、必須です。

Q:シミュレーションをスムーズに実行するには、どのコンピューター仕様が必要ですか?
A:以下の最小仕様、推奨仕様、および理想仕様を確認してください。

Q:PCでのライセンス共有は許可されていますか?
A:いいえ、ライセンスは共有されません。セッションごとに明示的な認証が必要です。

Q:エディションをアップグレードできますか?
A:はい、可能ですが、「Microsoft Flight Simulator」を購入する最もコスト効率の高い方法は、最初に目的のエディションを購入することです。

【Microsoft flight Simulator】