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「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験

複数のミッションが存在するチャプター3とその先を、発売前にプレイ

10月19日 発売予定

価格:7,980円(税別)

CEROレーティング:Z(18歳以上のみ対象)

 ベセスダ・ソフトワークスが10月19日に発売を予定している「サイコブレイク2」は、先日の東京ゲームショウ2017にもプレイアブル出展され、45分もの試遊時間が設けられ、多くの来場者が新たな恐怖を体験している。

 今回はそのTGS出展バージョンの試遊レポートを受けて、エンディングまで収録されているプルーフにて、ゲーム序盤から主人公セバスチャンがフィールドを自由に動き回れるチャプター3とその先に登場するボス「オブスキュラ」との戦いまでを3時間程度を、ベセスダへの取材にて試遊させてもらった。

 前作のゲームシステムを継承しつつ、広いフィールドでの探索や複数のミッションなど、進化を遂げた要素のあるミッションを重点的に体験し、本作の新たな恐怖とサバイバル感を実際に味わってきた。その手触りについてレポートしていこう。

【PSYCHOBREAK 2 - ローンチトレーラー】

チャプター3で大きく広がる自由度。多彩なミッションに挑戦し装備を強化

 前作「サイコブレイク」で主人公のセバスチャン・カステヤノスは、精神病院での大量殺人事件から人の精神を統合するという機械「STEM」の陰謀に巻き込まれてしまう。しかしそこで彼は、自分の娘を失った事件が「STEM」を作った組織「メビウス」と関係があることを知るのだ。

「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 火災で娘を失ったトラウマに今も苛まれるセバスチャン
火災で娘を失ったトラウマに今も苛まれるセバスチャン
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 彼の前にメビウスのエージェントとしてキッドが現われる
彼の前にメビウスのエージェントとしてキッドが現われる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 仮想世界を作り出す装置「STEM」。本作ではリリーがこの装置に関係しているらしい
仮想世界を作り出す装置「STEM」。本作ではリリーがこの装置に関係しているらしい

 前作から3年、セバスチャンはメビウスを追っていたが、その足取りをつかめなかった。「サイコブレイク 2」はセバスチャンのトラウマのシーンから始まる。燃える家、助けを求める娘・リリー。そして彼女を助けられないまま、家は炎に包まれていく……。刑事を辞めた彼は3年たっても火災によって娘を失ったトラウマに今も苛まれている。

 そんな彼の前に現われるのは、秘密組織「メビウス」のエージェントで、かつて潜入していた警察でセバスチャンと行動をともにしていた「キッド」ことジュリ・キッドマンだ。彼女はセバスチャンの娘リリーの生存をほのめかし、彼に再び装置「STEM」が作り出す仮想世界へのアクセスを迫るのである。

 ストーリーは前作から続いていて、登場人物の一部も共通しているもののセバスチャンが関わる事件は独立しているため、前作を体験していなくても問題なくプレイできる。とはいえ、後述するタティアナの存在や共通したゲームシステムなどによって、前作を体験しているほうがよりゲームに入っていきやすいのは間違いないだろう。

 実のところ筆者は前作をPS4とXbox 360の2機種でラストまでプレイしていて、ゲームプレイの感触は掴めているのだが、実はその後にリリースされたDLCを遊ばずじまいだった。特に今回エージェントとして現われるキッドの素顔やセバスチャンに対する感情などはDLC「ザ・アサインメント」と「ザ・コンセクエンス」で描かれているという。個人的にも本作の一連のストーリーは気になるところでもあるので、この「2」製品版発売前にプレイしてみようと思った。

 STEMが作り出す世界にアクセスしたセバスチャンは、メビウス調査チームの不思議な死や、カメラを持った謎の男、巨大なモンスター「ガーディアン」との遭遇を経て、仮想世界に存在する街「ユニオン」へとたどり着く。ここからがある意味、本作の本編と言えるかもしれない。

 ここですぐに出会うのが調査チームに同行していたリアム・オニールだ。彼はエンジニアで、自身を護衛していたメビウスの部隊が全滅してしまったため、ユニオンの空き家に残り、セバスチャンがこの世界を探索する手助けをしてくれる。彼がいる場所はセーフハウスとなって探索の拠点となり、体力回復やアイテム製作などを行なえるようになるのだ。

【スクリーンショット】
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 セバスチャンはロストに追われるメビウスのメンバーを発見。生き残りであるオニールとの接触に成功する
セバスチャンはロストに追われるメビウスのメンバーを発見。生き残りであるオニールとの接触に成功する
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 オニールはセーフハウスで待機している。彼の話から新たなミッションが見つかることも
オニールはセーフハウスで待機している。彼の話から新たなミッションが見つかることも
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 セーフハウスには敵は入ってこない。コーヒーメーカーでフル回復できるが、飲むと一定時間使えなくなる
セーフハウスには敵は入ってこない。コーヒーメーカーでフル回復できるが、飲むと一定時間使えなくなる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 クラフト台では、集めた素材を使って武器や弾薬、回復薬などを作れる。セーフハウス以外にも存在する
クラフト台では、集めた素材を使って武器や弾薬、回復薬などを作れる。セーフハウス以外にも存在する

 そんな展開から始まるチャプター3は、ユニオンの広いフィールドの探索がメインとなっていた。オニールから渡される通信機を使うと、フィールドのどこかから発信されている「レゾナンスポイント(共鳴反応)」を捉えることができ、ユニオンに点在するミッションを発見する手がかりとなる。

 前作にもアウトドアのフィールドを歩くシーンはあったが、基本的にはルートの一部であり、本作のように新しいミッションが存在するということはなかった。ミッションにはストーリー展開に関わるメインのものと、直接関係のないサイドミッション的なものが存在していて、後者は全てに挑む必要はないが、武器や素材を入手できるものもあるので、クリアしておけばその先の探索も楽になる。もちろん、探索中に敵に襲われるリスクも上がるわけだが……。

 ここが本作がアクションアドベンチャーとして大きく進化している点だ。単純にゲームを進めるだけでなく、探索によってプレーヤーにいくつかの選択肢が用意されたことで、プレイの幅が広がっている。複数のミッションにどう挑むかということだけでなく、この場所で敵とどう戦うかも選択肢となり、プレイスタイルによって得られる体験も大きく変わってくるだろう。

 今回は時間が限られていたので、あまり探索ができなかったのだが、この手のゲームはしっかり探索をしたい筆者としては、製品版ではもう少し時間をかけて掘り下げたいと思った次第だ。

【スクリーンショット】
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 画面左上に波形が見えたら通信機を使用。向きを変えることでレゾナンスポイントからのシグナルを受信できる
画面左上に波形が見えたら通信機を使用。向きを変えることでレゾナンスポイントからのシグナルを受信できる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 レゾナンスポイントには残留思念があり、そこで何が起きたかがわかり、探索の手がかりになる
レゾナンスポイントには残留思念があり、そこで何が起きたかがわかり、探索の手がかりになる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 オニールの情報から入手できる懐かしの「ウォーデン・クロスボウ」。罠にもなるボルトを発射できる強力な武器だ
オニールの情報から入手できる懐かしの「ウォーデン・クロスボウ」。罠にもなるボルトを発射できる強力な武器だ
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 フィールドでの素材集めは重要だ。ハーブは複数集めると回復薬を作り出せる
フィールドでの素材集めは重要だ。ハーブは複数集めると回復薬を作り出せる

 このユニオンの街には無数の「ロスト」が存在している。彼らはSTEMの世界に取り込まれた人間のなれの果てであり、ゾンビのようでもあるが、身体能力は人間と同等あるいはそれ以上で、正常な人間を見つけると容赦なく襲いかかってくる。音に敏感で、ステルスアクションが効果的なのは前作と同様だ。

 街にやってきたばかりのセバスチャンは手持ちの武器弾薬も少なく、正面から彼らに対抗するのは困難だが、ステルスアクションで1人ずつ倒すか、気付かれないようにやり過ごすことで状況を打開することもできるはずだ。なおロストは1度倒すと原則として現われなくなる。倒せば敵は減っていくことになるが……ユニオンでは何が起きるか油断はできない。

【スクリーンショット】
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 街中でうごめくロスト達。見つかると周囲の仲間とともに襲いかかってくる
街中でうごめくロスト達。見つかると周囲の仲間とともに襲いかかってくる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 ハンドガンでもヘッドショットを成功させれば勝機はあるが、複数いると対処は難しい
ハンドガンでもヘッドショットを成功させれば勝機はあるが、複数いると対処は難しい
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 時間はかかるがステルス行動が有効。また逃げ切れば振り切ることもできる
時間はかかるがステルス行動が有効。また逃げ切れば振り切ることもできる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 ロストを倒すと時折入手できる「グリーンジェル」。セバスチャンが成長する糧となる
ロストを倒すと時折入手できる「グリーンジェル」。セバスチャンが成長する糧となる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 鏡の先の部屋にはタティアナが。グリーンジェルを使ってさまざまなスキルを得られる
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 鏡の先の部屋にはタティアナが。グリーンジェルを使ってさまざまなスキルを得られる
鏡の先の部屋にはタティアナが。グリーンジェルを使ってさまざまなスキルを得られる

立ちはだかるボス「オブスキュラ」との死闘!

 メインミッションを進めていくと登場するのが、ボス的なクリーチャー「オブスキュラ」だ。蜘蛛ように地面や天井を這い回る不気味なクリーチャーで、頭が蛇腹式のカメラになっているのが特徴だ。

「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 オブスキュラと相対する前に、再びガーディアンとの戦いも。今度は武器があるので対抗できるはず
オブスキュラと相対する前に、再びガーディアンとの戦いも。今度は武器があるので対抗できるはず
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 「ステファノ」と名乗る謎の男。今回の事件は彼の存在が鍵となっているようだ
「ステファノ」と名乗る謎の男。今回の事件は彼の存在が鍵となっているようだ

 ここでは崩壊しかけている世界を維持するための「安定化装置」を起動するのが目的で、オブスキュラ自体を倒すことはできない。オブスキュラがフラッシュを光らせると、装置のタイマーが止まってしまうので、攻撃を繰り返すことで動きを止め、タイマーを0にすればクリアという仕掛けになっている。もちろんオブスキュラは強敵で、動きが速いうえに時折薄暗い天井を歩いてセバスチャンの視界から消えるという芸当も行ってくる。

 触手による攻撃も強烈で、起動までの時間を逃げ回るのはかなり困難だ。ボルトはその動きを止めるのに有効で、爆発してダメージを与えるマインボルトの他、煙で目くらましをする煙幕ボルなどの効果もあったので、事前に装備を整えて挑むといいだろう。安定化装置を起動させればオブスキュラは姿を消すわけだが、恐らくこの後もどこかで再開をすることになるはずだ。

 体験はここで終了となったわけだが、実機によるプレイを進めて受けた印象としては、やはりグラフィックや演出効果が前作を大きく凌駕しているという点だ。前作が旧世代機版と同時発売され、それに準拠したグラフィックだったということもあって、本作の見た目が大きく引き立っている。登場人物はそれほど多くないもののセバスチャンやリリーなどのフェイシャルアニメーションも必見である。もちろん前作のアップデート前に指摘された画面上下の黒帯も存在しないのでご安心を。

 またもうひとつ、セバスチャンを操作の手触りが全体的に軽くなり、広い場所の探索などにおけるアクションも楽になっている。もちろんスタミナの概念があったり、弾薬の数がある程度限られていたりするなど、「サバイバル」(ノーマル)以上の難易度では、本作でも緊張感の高い行動を強いられることになるのだが、操作感が向上したことで納得のいかない形でゲームオーバーになることは自ずと少なくなるはずだ。それでも難易度自体は全体的に高めなので、ストーリーを追うことに専念したい人は、一番低い難易度の「カジュアル」でプレイすることをお勧めする。

 今回かなり濃密な3時間のプレイとなったが、ゲームとしてはまだまだ序盤で、今回プレイしたボリュームの数倍、2桁以上のチャプター数が存在していることだけお知らせしておこう。筆者も今回体験したチャプターのさらなる掘り下げとともに、以降のチャプターがどのように展開していくのか、製品版が大いに楽しみとなったところだ。弊誌ではその製品版のレビューもお伝えする予定なので、本作をプレイするか否か迷っている人は、そちらも参考にしていただければと思う。

【スクリーンショット】
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 男によって召喚されたオブスキュラ。女の悲鳴を上げながらセバスチャンに迫る
男によって召喚されたオブスキュラ。女の悲鳴を上げながらセバスチャンに迫る
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 カメラの形をした頭部を攻撃すると、止まった時間が動き出す
カメラの形をした頭部を攻撃すると、止まった時間が動き出す
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 探索は困難だが、いろいろと探していくことでその先で有利になるはずだ
探索は困難だが、いろいろと探していくことでその先で有利になるはずだ
「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験 戦い方の選択肢も増え、敵との立ち回りがかなり楽しいものとなった
戦い方の選択肢も増え、敵との立ち回りがかなり楽しいものとなった
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