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「サイコブレイク2」大きく広がる“自由度”を体験
複数のミッションが存在するチャプター3とその先を、発売前にプレイ
2017年10月14日 00:00
ベセスダ・ソフトワークスが10月19日に発売を予定している「サイコブレイク2」は、先日の東京ゲームショウ2017にもプレイアブル出展され、45分もの試遊時間が設けられ、多くの来場者が新たな恐怖を体験している。
今回はそのTGS出展バージョンの試遊レポートを受けて、エンディングまで収録されているプルーフにて、ゲーム序盤から主人公セバスチャンがフィールドを自由に動き回れるチャプター3とその先に登場するボス「オブスキュラ」との戦いまでを3時間程度を、ベセスダへの取材にて試遊させてもらった。
前作のゲームシステムを継承しつつ、広いフィールドでの探索や複数のミッションなど、進化を遂げた要素のあるミッションを重点的に体験し、本作の新たな恐怖とサバイバル感を実際に味わってきた。その手触りについてレポートしていこう。
チャプター3で大きく広がる自由度。多彩なミッションに挑戦し装備を強化
前作「サイコブレイク」で主人公のセバスチャン・カステヤノスは、精神病院での大量殺人事件から人の精神を統合するという機械「STEM」の陰謀に巻き込まれてしまう。しかしそこで彼は、自分の娘を失った事件が「STEM」を作った組織「メビウス」と関係があることを知るのだ。
前作から3年、セバスチャンはメビウスを追っていたが、その足取りをつかめなかった。「サイコブレイク 2」はセバスチャンのトラウマのシーンから始まる。燃える家、助けを求める娘・リリー。そして彼女を助けられないまま、家は炎に包まれていく……。刑事を辞めた彼は3年たっても火災によって娘を失ったトラウマに今も苛まれている。
そんな彼の前に現われるのは、秘密組織「メビウス」のエージェントで、かつて潜入していた警察でセバスチャンと行動をともにしていた「キッド」ことジュリ・キッドマンだ。彼女はセバスチャンの娘リリーの生存をほのめかし、彼に再び装置「STEM」が作り出す仮想世界へのアクセスを迫るのである。
ストーリーは前作から続いていて、登場人物の一部も共通しているもののセバスチャンが関わる事件は独立しているため、前作を体験していなくても問題なくプレイできる。とはいえ、後述するタティアナの存在や共通したゲームシステムなどによって、前作を体験しているほうがよりゲームに入っていきやすいのは間違いないだろう。
実のところ筆者は前作をPS4とXbox 360の2機種でラストまでプレイしていて、ゲームプレイの感触は掴めているのだが、実はその後にリリースされたDLCを遊ばずじまいだった。特に今回エージェントとして現われるキッドの素顔やセバスチャンに対する感情などはDLC「ザ・アサインメント」と「ザ・コンセクエンス」で描かれているという。個人的にも本作の一連のストーリーは気になるところでもあるので、この「2」製品版発売前にプレイしてみようと思った。
STEMが作り出す世界にアクセスしたセバスチャンは、メビウス調査チームの不思議な死や、カメラを持った謎の男、巨大なモンスター「ガーディアン」との遭遇を経て、仮想世界に存在する街「ユニオン」へとたどり着く。ここからがある意味、本作の本編と言えるかもしれない。
ここですぐに出会うのが調査チームに同行していたリアム・オニールだ。彼はエンジニアで、自身を護衛していたメビウスの部隊が全滅してしまったため、ユニオンの空き家に残り、セバスチャンがこの世界を探索する手助けをしてくれる。彼がいる場所はセーフハウスとなって探索の拠点となり、体力回復やアイテム製作などを行なえるようになるのだ。
そんな展開から始まるチャプター3は、ユニオンの広いフィールドの探索がメインとなっていた。オニールから渡される通信機を使うと、フィールドのどこかから発信されている「レゾナンスポイント(共鳴反応)」を捉えることができ、ユニオンに点在するミッションを発見する手がかりとなる。
前作にもアウトドアのフィールドを歩くシーンはあったが、基本的にはルートの一部であり、本作のように新しいミッションが存在するということはなかった。ミッションにはストーリー展開に関わるメインのものと、直接関係のないサイドミッション的なものが存在していて、後者は全てに挑む必要はないが、武器や素材を入手できるものもあるので、クリアしておけばその先の探索も楽になる。もちろん、探索中に敵に襲われるリスクも上がるわけだが……。
ここが本作がアクションアドベンチャーとして大きく進化している点だ。単純にゲームを進めるだけでなく、探索によってプレーヤーにいくつかの選択肢が用意されたことで、プレイの幅が広がっている。複数のミッションにどう挑むかということだけでなく、この場所で敵とどう戦うかも選択肢となり、プレイスタイルによって得られる体験も大きく変わってくるだろう。
今回は時間が限られていたので、あまり探索ができなかったのだが、この手のゲームはしっかり探索をしたい筆者としては、製品版ではもう少し時間をかけて掘り下げたいと思った次第だ。
このユニオンの街には無数の「ロスト」が存在している。彼らはSTEMの世界に取り込まれた人間のなれの果てであり、ゾンビのようでもあるが、身体能力は人間と同等あるいはそれ以上で、正常な人間を見つけると容赦なく襲いかかってくる。音に敏感で、ステルスアクションが効果的なのは前作と同様だ。
街にやってきたばかりのセバスチャンは手持ちの武器弾薬も少なく、正面から彼らに対抗するのは困難だが、ステルスアクションで1人ずつ倒すか、気付かれないようにやり過ごすことで状況を打開することもできるはずだ。なおロストは1度倒すと原則として現われなくなる。倒せば敵は減っていくことになるが……ユニオンでは何が起きるか油断はできない。
立ちはだかるボス「オブスキュラ」との死闘!
メインミッションを進めていくと登場するのが、ボス的なクリーチャー「オブスキュラ」だ。蜘蛛ように地面や天井を這い回る不気味なクリーチャーで、頭が蛇腹式のカメラになっているのが特徴だ。
ここでは崩壊しかけている世界を維持するための「安定化装置」を起動するのが目的で、オブスキュラ自体を倒すことはできない。オブスキュラがフラッシュを光らせると、装置のタイマーが止まってしまうので、攻撃を繰り返すことで動きを止め、タイマーを0にすればクリアという仕掛けになっている。もちろんオブスキュラは強敵で、動きが速いうえに時折薄暗い天井を歩いてセバスチャンの視界から消えるという芸当も行ってくる。
触手による攻撃も強烈で、起動までの時間を逃げ回るのはかなり困難だ。ボルトはその動きを止めるのに有効で、爆発してダメージを与えるマインボルトの他、煙で目くらましをする煙幕ボルなどの効果もあったので、事前に装備を整えて挑むといいだろう。安定化装置を起動させればオブスキュラは姿を消すわけだが、恐らくこの後もどこかで再開をすることになるはずだ。
体験はここで終了となったわけだが、実機によるプレイを進めて受けた印象としては、やはりグラフィックや演出効果が前作を大きく凌駕しているという点だ。前作が旧世代機版と同時発売され、それに準拠したグラフィックだったということもあって、本作の見た目が大きく引き立っている。登場人物はそれほど多くないもののセバスチャンやリリーなどのフェイシャルアニメーションも必見である。もちろん前作のアップデート前に指摘された画面上下の黒帯も存在しないのでご安心を。
またもうひとつ、セバスチャンを操作の手触りが全体的に軽くなり、広い場所の探索などにおけるアクションも楽になっている。もちろんスタミナの概念があったり、弾薬の数がある程度限られていたりするなど、「サバイバル」(ノーマル)以上の難易度では、本作でも緊張感の高い行動を強いられることになるのだが、操作感が向上したことで納得のいかない形でゲームオーバーになることは自ずと少なくなるはずだ。それでも難易度自体は全体的に高めなので、ストーリーを追うことに専念したい人は、一番低い難易度の「カジュアル」でプレイすることをお勧めする。
今回かなり濃密な3時間のプレイとなったが、ゲームとしてはまだまだ序盤で、今回プレイしたボリュームの数倍、2桁以上のチャプター数が存在していることだけお知らせしておこう。筆者も今回体験したチャプターのさらなる掘り下げとともに、以降のチャプターがどのように展開していくのか、製品版が大いに楽しみとなったところだ。弊誌ではその製品版のレビューもお伝えする予定なので、本作をプレイするか否か迷っている人は、そちらも参考にしていただければと思う。
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