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「LoL」の学生大会「All Campus Series」決勝戦開催
もう止まらないモルデカイザーが降臨!
2017年10月2日 18:27
ライアットゲームズは9月30日、「League of Legends(以下、LoL)」 の学生向けプログラム「LeagueU」にて開催されている「All Campus Series」(以下、ACS)のオフライン決勝戦を、レッドブル・スタジオ東京ホール にて開催した。
決勝を争ったのは、圧倒的な強さを誇り、無敗で決勝まで駒を進めた「東大『LoL』サークル(以下、UT)」と、学生世界大会にも日本代表として出場し、今回は敗者復活トーナメントを勝ち上がってきた「東京アニメ・声優専門学校『LoL』サークル(以下、TSA)」。 対戦形式は2戦先勝のBO3で実施され、優勝したサークルには、賞品として「ACS」に参加したサークルメンバー全員で行ける旅行(最大総額300万円)が贈呈された。
決勝戦は誰でも自由に観戦できたが、50席用意していた客席は満席となり、立ち見で応援する人の姿もあった。また、実況、解説は「LeagueU」の実況解説トレーニングを受けた学生であるいぇーがー氏、リクルート氏が担当した。
競技シーンとは似て非なる学生「LoL」らしい一戦
学生シーンやアマチュアシーンでは、プロが行なう競技シーンとは異なるチーム構成や戦略がとられることが多くあり、それが魅力でもある。この決勝戦でも、Mid「フィドルスティック」やTop「モルデカイザー」等、競技シーンではまず見られないマイナーチャンピオンを得意とする選手がおり、ピック(チャンピオン選択)されるかどうかに注目が集まった。
特にUTのknot選手のMidフィドルスティックは勝率100%という驚異的な勝率を誇っているため、決勝戦という大舞台でのピックが期待されていた。……しかし、TSAサイドは2試合に渡ってフィドルをBAN(その試合での使用禁止)。戦績を見ればある意味当然の展開であり、Midフィドルスティックはお蔵入りとなった。
第1試合の序盤はTSAが優勢に試合を進めるもののUTも上手く対応し均衡する。じりじりとした試合展開が続いたが、試合終盤に出現する2つの重要なオブジェクトをお互いに横取り(スティール)する展開で一気に試合は動いた。
UTが集団戦を大幅に有利にするバフを狙って「エルダードラゴン」を狩り始めたところ、TSAが見事にスティール。バフは最後の1撃を与えたチームに付与されるため、これでTSAが優位に立ったかと思いきや、今度はレーンを流れるミニオンを強化し、敵陣に多大なプレッシャーをかけることができるバフを得られる「バロン」をTSAが始めたもののUTがスティール。2大バフともいえる重要オブジェクトのまさかのスティール合戦には会場も大盛り上がりで、特にUTがスティールを「お返し」した瞬間には大きな歓声が沸いた。結果として、試合はマップに与える影響の強いバロンを獲得したUTが、バフによるプレッシャーを背景にしっかりと攻め切り、勝利した。
続く第2戦では、UTが注目されていた「モルデカイザー」をピックし、会場を盛り上げた。モルデカイザーは足が遅く逃げ性能に欠けるため、複数人で奇襲されるとなすすべがない。そのため順調に成長することが難しい上に、CC(状態異常を付与する攻撃)やブリンク(移動技)を持たないためチームファイトに向いていない。このような理由からプロシーンでは滅多に見られないマイナーなピックだが、1度育ってしまえば最強クラスの殴り合い性能を誇り、更には倒したドラゴンや倒した敵チャンピオンを「お供」として引き連れることが可能で、うまくいったときの爆発力が凄まじいハイリスク・ハイリターンなチャンピオンだ。
そんなモルデカイザーを活かすため、UTはドラゴンの獲得に意識を置き、最序盤からしっかりとゲットしていく。そのままドラゴンを引き連れてオブジェクトを獲得し、集団戦にも勝利。文字通りモルデカイザーがマップを蹂躙する展開となっており、ドラゴンを引き連れてタワーや敵チャンピオンを燃やし尽くすモルデカイザーの姿に会場には笑いと歓声が響いた。そうして結局、TSA側はモルデカイザーの勢いを止めることができず、第2試合もUTが制し、「東大LoLサークル」が優勝した。
アマチュア「LoL」シーンの魅力とは?
e-Sportsのアマチュアシーンは独自の盛り上がりを見せ始めている。「LoL」では今回行なわれた学生大会だけでなく、社会人の大会や個人・団体による大会・イベントも開催されている。これが1つのシーンとして拡大していったら、いつかは野球でいう甲子園や社会人大会のように競技シーンに引けを取らない注目を集めるようになるかもしれない。
アマチュアシーンの魅力は、今大会で見られたような独特の戦略だけではない。選手と観客、時にはイベントの主催者までもが気軽に交流できる。そんな楽しみ方がアマチュアシーンにはあるのではないだろうか。実際、今回の大会の来場者は学生が中心だったが、別の大学の学生と交流する姿があった。誰でも気軽にプレイでき、その気になれば大会にも参加できる。そして、新たな友人がゲームを通して生まれる。こういった楽しみ方もe-Sports、ひいてはゲームの魅力だと再認識した。
余談だが、筆者の学生時代には「LoL」の大会はもちろん、そのほかのゲームでもオフラインイベントなどほとんど開催されていなかった。そのため、今大会を取材しながら、「自分も学生時代にこんなイベントがあれば……」と正直羨ましさすら感じた。しかし今では先に述べたように、今回のような学生大会に限らず大会・イベントは多くあるので参加してみるのもいいかもしれない。きっと様々な出会いと楽しみがあるはずだ。
話が逸れてしまったが、アマチュアシーンは今後の競技シーンの盛り上がりの土台になりうる。今後も注目していくと同時に、「LeagueU」のようなアマチュアシーンを支援する取り組みをライアットゲームズには期待したい。
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