ニュース

【スマホアプリ今日の1本】注目のMMORPG「キングスナイト」

「FFXV」ノクトも愛したアプリ!シューティングのエッセンスを加えたフォーメーションRPG

9月13日配信

ダウンロード:無料

利用料金:無料

ビジネスモデル:アイテム課金制

「キングスナイト」の3大ポイント

・スクウェア時代の名作がスマートフォンで復活!
・縦スクロールシューティングも交えたRPG
・ジョブごとの個性が攻略のカギ

 スクウェア・エニックスが9月13日に配信を開始した「キングスナイト -Wrath of the Dark Dragon-」。本作は、1986年にスクウェアから発売された同名のファミコンソフトをベースにしたRPGだ。もともとのファミコン版は強制縦スクロールの画面を、壁を壊し、そして敵を倒しながら進むという斬新なシステムが話題を呼んだ作品である。スマートフォン版でもそのシステムは健在で、さらにシナリオは本作のために新たに書き下ろされており、キャラクターやクエストにはスマートフォン版独自のものが加えられている。

 実は本作が発表されたのは2016年の東京ゲームショウでのこと。そのときは「ファイナルファンタジーXV(FFXV)」の主人公・ノクトが夢中になってプレイしているゲームという触れ込みだった。1986年当時を知る人にはリメイクとして、知らない人には完全新作として、そして「FFXV」ファンには関連コンテンツのひとつとして、さまざまな見方ができる作品だ。

ファミコン版のラストから始まる完全オリジナルストーリー

 ファミコン版「キングスナイト」のストーリーは、主人公・レイジャックをはじめとする4人の勇者が、ドラゴンに拐われたお姫さまを救い出すという内容だった。そして今回のスマートフォン版は、ファミコン版のラストシーンから始めるという独特の展開を見せる。当時ファミコンで遊んでいた往年のファンであれば、ニヤリとできるセリフや設定も所々にあるだろう。もちろん本作ではじめてこのシリーズに触る人でも、ストーリーをすぐに理解できる作りになっているので安心してほしい。

 ちなみに、ファミコン版の「キングスナイト」はWii/Wii U/ニンテンドー3DSのバーチャルコンソールで配信されているので、該当ハードを所持していれば原作にあたる「キングスナイト」を今からでもプレイ可能だ。価格はいずれも514円(税込)となっている。

 またキャラクターにもスマートフォン独自の要素が見られる。ストーリーの中心人物であるレイジャックたち4人の勇者が登場するのはイベントシーンに限られており、バトルでプレイヤーが操作するキャラクターはまた違う。このキャラクターは新たに登場する存在で、ストーリーをクリアしたり、ガチャを利用することで入手できる。オリジナルキャラクターそれぞれに個別のストーリーが用意されているため、テキストのボリュームも膨大だ。

イベントシーンはキャラクターの立ち絵に吹き出しを添えた、最近のアプリとしてはシンプルな作り。派手さはないが、硬派なファンタジー世界の雰囲気を引き立てているとも言える

シューティングとRPGが融合したバトルシステム

 本作のバトルは強制縦スクロールで進行する。プレーヤーは奥へ奥へとキャラクターを進めていき、最後に待ち受けるボスを倒せばステージクリアという流れだ。攻撃は基本的に画面上にしか出せず、しかも遠距離攻撃がメイン。そのため、RPGでありながらシューティングゲームの特徴も兼ね備えているのだ。

 下手に動きすぎて敵の背後に回ってしまうと、こちらの攻撃も当たらなくなってしまう。強制スクロールのため、落ち着いた行動が求められる。なお、操作は画面上に表示されるバーチャルパッドで行なう。これを動かすことで自由に移動できるほか、タップで攻撃、フリックによってジャンプも行なえる。

 また本作の特徴として、充実したオプションにも注目したい。操作方法は右手、左手、両手持ちの3種類があり、それぞれでインターフェイスに細かい調整が加えられる。個人的な話になるが、筆者は左利きなのでこの気配りはとてもありがたかった。これ以外にも演出やフレームレートを軽くする設定も存在する。

 フィールド上には敵以外にも、木や山、ときには隠し部屋へとつながる階段も登場する。一見するとプレーヤーの障害となりそうだが、実は木などのオブジェクトは攻撃で簡単に破壊できる。進む道を切り開くだけでなく、攻撃力アップやヒットポイント回復のアイテムも入手できるので積極的に攻撃したい。単純に破壊するエフェクトも非常に派手なので、注目してほしいところだ。

 ただし一部の山は壊すことができなかったり、あるいは谷底へ落ちてしまったりと攻撃するだけでは解決できない障害もある。移動やジャンプを駆使するだけでなく、大ジャンプできるパネルも最大限活用したい。

階段を降りると現れる隠し部屋には、特殊なアイテムが手に入る宝箱がある。見つけたら可能な限り入るようにしたい

 攻略の上ではキャラクターの獲得、育成ももちろん重要だ。本作にはバランス型の「戦士」、回避能力に優れたテクニカル系の「シーフ」、より遠距離まで攻撃できる「魔導士」、防御力に長けた「ギガント」、連続攻撃で相手に圧力をかける「格闘家」という5種類のジョブが存在する。すべてが異なる特性を持っているので、まずはどれが自分に合っているかを模索することが大切だ。その後は全4人のパーティを組むことになる。得意なジョブで固めるか、バランスよく組み立てるかはプレーヤーの個性が光るところだ。

 これらのキャラクターは武器を装備することも可能だ。武器を装備することによって攻撃力が増すだけでなく、「キングスバスター」という必殺技も扱えるようになる。「キングスバスター」は範囲攻撃や味方の回復などさまざまな効果があり、どれも非常に強力。しかし使用するにはBPを消費することになるため、使い所は慎重に見極めたい。

魔道士は打たれ弱いが、画面をタップし続けると自動で回復する。また本作ではほかプレーヤーのキャラクターがゲストとして参戦するのだが、それを守るという意味でもギガントが役立つ機会は多いだろう

 もともとはファミコンソフトであるものの、グラフィックはもちろん遊び方も現在のスマートフォン向けとしてアレンジされており、古臭さは感じない。それでいてサウンドにはファミコンライクな一面も垣間見える。細かな芸にも注目してほしい作品だ。

 反面、コンテンツそのものが地味に感じる部分もある。スクウェア・エニックスが「ドラゴンクエスト」や「ファイナルファンタジー」といった大型タイトルのアプリを続々とリリースしている以上、「キングスナイト」を地味に感じてしまうのは仕方のない面もある。今後は同社が持つタイトルとのコラボレーションにも期待したいところだ。